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『MM9-MONSTER MAGNITUDE-』 ~脚本家・伊藤和典の再発見
2016年12月17日 (土) | 編集 |
mm9.png



ファミ劇での放送を録画していたのをすっかり忘れていた、『MM9』という日本のドラマを見ました。
『シン・ゴジラ』の樋口真嗣監督の製作総指揮(各話毎に、樋口監督自身も含めた複数の監督が代わる代わる監督するスタイル)による、特撮ドラマシリーズです。2010年製作。全13話(Wiki)
かなり、良かったです。


一言で言えば、"ウルトラQ meets パトレイバー"という感じですかね。
「気象庁特異生物対策課」(通称"気特対")という特殊捜査機関(?)による怪獣退治の話なんですが、各話の"怪獣"どうしにはほとんど関連は無く、また"敵"を退治するというよりも"現象"を解明&対処するという感じで、そこらへんが『ウルトラQ』的。
また"特殊捜査機関"ではあるんですけど、エリート部隊というよりは外れ者公務員の寄せ集めという感じで、それなりに優秀でないこともない彼らが限られた支援やお役所どうしの縄張り争いにも翻弄されながら、何とかかんとかドタバタと、知恵と勇気とまあまあ科学で事に当たって行く、その奮闘ぶり及び地味に豪華で芸達者揃いの俳優陣による妙に生活感溢れるつまるところは"大人のお仕事"ドラマというそういう感じ。(が、"パトレイバー")

俳優陣はほんと、地味豪華ですよ。"特撮"ものですがニチアサ的な感じではなく、深めのゴールデンで普通に民放のレギュラードラマでやれそうなメンツ。

mm9_cast.jpg

尾野真千子、松重豊、加藤貴子、皆川猿時、etc。

実は尾野真千子という人、名前は勿論知ってましたが動いてるのは僕初めて見たんですけど、めっちゃ上手いというかめっちゃいいですね。

尾野真千子1.jpg尾野真千子2.jpg

"強さ"と"弱さ"のバランスの表現が絶妙で、地味だけど色気がある・・・ような無いようなギリギリの感じも、またいい。(笑)
とにかく演技力のある人のようですから、作品によっては、もっと「女」も出したりするんでしようけど。今回はまあ、"おひとりさま"体質的な役どころ。若干のニアミス的ラブアフェアもありつつ。
昼ドラでお馴染みの加藤貴子さんも、"学者"役なんですけど頭でっかちのようなでも意外に堅実で実はねちっこいような独特の性格で、それも「個性的」というよりは「普通の人」がほんとはみんな持っている"複雑さ"を表現している感じで、なんかいい。

加藤貴子.jpg


こういう基本"大人"系のキャラクターの中で、唯一の"女の子"役が石橋杏奈なわけですが、最初は若いのに華無えなあと思ってて、最後まで"華"自体は無かったような気もするんですが(笑)、

石橋杏奈.jpg

一方で"若さ""新人類"(古)感の方は思いっ切り発揮していて、これも大変良かったです。尾野真千子と"ダブル主演"という触れ込みで、実際このコを中心にしても十分に回せるだけの魅力はあるんですが、位置的にはやっぱり"脇"だと思います。(尾野真千子の)ライバルというよりは、トリックスター的な。
最初はライバルにするつもりだったのかも知れませんね、割りとストレートに気に障る感じで、"わがままでわけの分からない新入社員"(役所ですけど)として登場して来ましたから。
ただわがままなりに尾野真千子との馴染みが意外に良かった

石橋杏奈尾野真千子.jpg

のと、"新世代"の合理主義の説得力が余りにも鮮烈で、逆に作品の相対秩序には収まり切れずにトリックスター化したという感じ。
とにかく"正しい"んですよ。若くて無鉄砲ななりに、成熟してるというか。最近で言えば、"藤田ニコル"的な感じ?(笑)。おバカだけど間違ったことは言わない的な。ちょいちょい、大人よりも大人的な。まあもっと遥かに、弁は立ちますけど。
男優陣も申し分なくいいです。とはいえ主役はあくまで女優陣という感じは、『あまちゃん』的な構造。ちなみに橋本愛も、いかにも"橋本愛"的な感じ

橋本愛mm9.jpg

で登場しています。(笑)


最初はぱっと見ていかにもパトレイバーだなあ、そういえば伊藤和典脚本だしなあと、いいんだけど逆に(脚本家として)ワンパターンなのかなという感想もありつつ見ていたんですが、ふと見ると原作が「山本弘」で、"パトレイバー"的味とは個人的に結構遠い印象の人だったので、こんなのも書けるんだあ認識改めないといけないのかなと思ったら、「原作とは基本的な設定が共通しているだけで、ストーリーもキャラクターの設定も全く異なったドラマオリジナルとなっている」とWikiに。
それでじゃあもうほぼ完全に「伊藤和典」作品として見ていいんだとすっきりして、かつそういう借り物設定でもここまで"パトレイバー"出来るんだそれはそれでやっぱり凄いなと思い直して(笑)。そして見続けているとさすがに(アニメではなく)実写でかつ俳優陣も本格的なメンツを揃えただけあって、"ドラマ"の濃厚さはやっぱり更に一段深いなと段々のめり込んで、かつその"オリジナル"エピソードの魅力と特に"オリジナルキャラ"である石橋杏奈演じる"朏万里(みかづきまり)"の存在感・説得力に圧倒されて。やっぱこの人凄いんだなと。
ゆうきまさみと共同で『パトレイバー』世界を構築して見せた後は、押井守に信頼されて重用された(『映画版パトレイバー』『攻殻機動隊』『アヴァロン』)のが逆にあだになったところがあって、何となく「職人」的な印象が強くなってましたが(でも『絶対少年』は凄かった。震えた)、本来はもっと/十分に「作家」な人なんだろうなと、認識&尊敬を新たにしたという、そういう話。

いや、この人はね、僕に「脚本」とはなんぞや、いかにあるべきかいうことをはっきり意識させてくれた、多分初めての人なんでね。(TV&新OVAシリーズ版)『パトレイバー』という作品を通じて。そこらへんを語り出すと終わらないので、今回は控えますが。(笑)
富野由悠季さんとかはさすがにもうとっくに賞味期限切れでしょうけど、この人にはまだまだ、もう一つくらい、自由に大きな仕事をしてもらいたいなと思っています。
アニメでも実写でも、それはどちらでもいいですけど。
ていうか普通に実写でいけるじゃんと今回確認した、出来たと、まあそういう話です。
"押井守の実写"とかが、ちょっとうーんと感じるのに対して。(笑)


とにかく良かったです。おすすめ。
機会があったらどうぞ。
特撮も勿論、"さすが"の出来ですし。(そこ最後かい(笑))


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テーマ:特撮
ジャンル:テレビ・ラジオ
コメント
この記事へのコメント
高橋一生を発見
女性陣も確かに見応えありましたが、個人的にはこれでブレーク前の彼を発見しましたね。
テレ朝チャンネルで今晩から月1で始まった円谷プロ作品の蔵出しもお楽しみですよー。
2016/12/25(Sun) 22:11 | URL  | リッキー #-[ 編集]
ああ、あの人はこれからの人だったんですね。
「クリスマスにちゃんとデートしている」というくだりで、あれ?ひょっとしてこの人イケメン属性なのかと気付いた感じでしたが。(笑)
"同僚"感がリアルで良かったですね。"ちゃんとすれば二枚目"な感じは、多分パトレイバーの篠原遊馬なんだろうと思うんですけど。
2016/12/26(Mon) 02:11 | URL  | アト #/HoiMy2E[ 編集]
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