自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う (Wiki)
異世界転生もの。
じ、自動販売機に転生?飲みの席の冗談かな?という感じですが、なかなかどうして上手く出来ていて、気が付くとレギュラー視聴化。(笑)
無生物なのでほっといても死にはしませんが、ポイントを消費してパラメータの増強や商品の入れ替えなどを行うことが出来て、そのポイントの確保の為に商品を"購入"してもらうこと(異世界の貨幣)が必要という。"防御力強化"や"結界"を張るなどという付加的な行動もとることは出来ますが、基本的には(元の)現実に実在していた商品の供給や販売機への変身が、主人公の出来ること。商品に使われている科学技術自体は"チート"要素ですが、そういう前提の縛りは結構きつめ。
絶妙だなと思ったのはコミュニケーション能力の設定で、最初分からなかった異世界言語は理解出来るようにすぐなったので、次は喋れるようになるんだろうと思ったら、喋れるのは「いらっしゃいませ」「残念」(くじつき販売機の"外れ")「ありがとうございました」などの"自動販売機用語"だけで、それを解釈してもらうことで意思疎通するその過程が、限定されているがゆえに逆に凄く相互のコミュニケーション意思の働きが見えていいし、ある種文化人類学的とも言える「異文化コミュニケーション」としての妙な真実味すら感じさせます。・・・もどかしさがちょうどいいというか。(笑)
それにしても作家と担当の打合せでの冗談が実現してしまった的印象はどうしても拭えませんが(笑)、少ない行動の選択肢でよく話を展開するよなと感心しながら見ています。「ネットスーパーもの」(『とんでもスキルで異世界放浪メシ』)もそんな馬鹿な設定あるかとびっくりはしましたが、あれは蓋を開けてみればひたすら調子がいいだけの"チートスキル"ものだったのに対して、こっちはむしろ不自由の方が多いんじゃないかというか、全く羨ましくない異世界転生で。(笑)
でも楽しそうで。(笑)
原作は所謂"なろう系"の小説。相場がよく分かりませんが作品歴を見ると新人ではなく、それなりに実績はある位置の人のようです。
監督はサンライズのエース的な人。の割になかなかWikiが出来ませんね。
『失格紋の最強賢者』『アクティヴレイド』『城下町のダンデライオン』『バクマン。』シリーズなどが印象に残っているところか。
副監督はただの助手のようなのでスルーして、シリーズ構成は『アイドルマスター シンデレラガールズ』『エロマンガ先生』『刀使ノ巫女』『ラーメン大好き小泉さん』などの人。
アンデッドガール・マーダーファルス (Wiki)
19世紀末/明治ご一新政策下の日本を舞台にした和風妖怪ロマン・・・かと思ったら一転ヨーロッパへ飛んでホームズやらルパンやら、あるいは吸血鬼等の現地の妖怪やそれを付け狙う勢力やらが入り乱れてのワールドワイドオールスター奇譚的なものへと展開して行きました。
こういう風に"ブランド"化されたスターキャラクターや吸血鬼が出て来ると、どうしても"華麗"で"耽美"ででもかっこつけの方にエネルギー使っちゃって中身が薄いみたいなものになりがちなんですが、この作品の場合はそもそもの"日本編"主人公、半人半妖の"鬼殺し"落語家、不死身だけど訳あって今は首だけで生きている妖怪名探偵、その忠実だけど狂暴なメイドの3人組のキャラが十分に強いので、あくまで"彼ら"の物語としてサブキャラたちの"ジャンルもの"引力に負けることにはなっていません。
・・・逆にやっぱり、何で日本編をじっくりやらなかったんだろう、欧州オールスター編はその後でいいじゃないかと思ってしまうんですが、ひょっとして原作の大幅な改編でもされているのか。
日本編をやるとすれば"鬼殺し"が駆り出されていたご一新政策の妖怪大弾圧の矛盾と残酷がメインになるだろうと思いますが、その場合でも"鬼殺し"のひねくれ方と覚悟の深さの尋常でなさが、"残酷"の露悪の醜さに溺れない強度を物語に与えていただろうなと想像出来ます。基本的に信頼感のある作品で、展開に多少首をひねるところはあっても一つ一つのエピソードは十分以上に面白いです。今後本格化する"ホームズ""ルパン"等たちとの関わりが、それを倍加させるのか変質させるのか、楽しみに待っているという、今はそういう進行具合。
原作者は"本格"推理がメインの人のようですが、その中でもこのシリーズはラノベ寄りと分類されるものになるのではないかなと想像。
監督は『かぐや様は告らせたい』シリーズ、『昭和元禄落語心中』シリーズ、『ローゼンメイデン』の人。2013年に既にローゼンメイデンなんて人気作をやってた割には、監督作が少ない気がする。"シリーズ"ばかりだからかな。
構成は言わずと知れた超売れっ子の人。『デュラララ!!』『黒子のバスケ』『ゴールデンカムイ』『虚構推理』の各シリーズなど。
続編
もののがたり 第二章 (Wiki)
メインスタッフは第一章と全く同じ。
兵馬とぼたんの純情ぶりが度を過ぎていて、"日常"パートはまあまあだるいです。(笑)
でもバトルシーンの迫力と気味の悪さ、その裏腹の情緒あふれる流麗な美しさは健在。
ストーリー展開もまあまあダークで、どんなに馴染んで来ても「つくもがみ」たちの秘めた闇はしっかり感じられますし、現在主人公たちが陥っているつくもがみ側人間側両方の要因によるピンチの仕掛けも、実に底意地悪く仕組まれている感じでいいです。(笑)
逆に日常パートとか、本当は描きたくないというか本当に苦手な人なんだろうなという感も。
ホリミヤ -piece- (Wiki)
2021年1月期に1stシリーズ『ホリミヤ』がやったようなんですが、そっちは特に印象も記憶も無いです。
その続編兼アウトストーリーみたいな感じらしいのがこれですが、タイトルが"2"とかになってなかった分、それと知らずに見てしまって、でも結果面白かった見て良かったという、そういう作品。(笑)
アニメ化スタッフ自体は同じらしいので、何が僕の印象を分けたのか。
原作は『堀さんと宮村くん』というタイトルのウェブコミック。掲載サイト(「読解アヘン」)は作者(HERO氏)自身のものとのこと。これがデビュー作ですが、その後も自サイトやtwitter上でインデペンデントな感じで作品を発表している人のよう。
監督は原画マンとして活躍していた/ている人のようで、監督としての過去作は『新世界より』『PERSONA5』と(前作)『ホリミヤ』のみ。
構成は結構古い人のようで、過去作は懐かしや『一騎当千』や『セキレイ』『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』『四月は君の嘘』など。
続編だと知らずに見始めた続編(笑)で、なかなか設定が呑み込めなかったんですが、同性愛的感情や主人公の(どうやら)隠しタトゥーなど、マイノリティ/ダイバーシティ的なテーマ/要素がちらちらあちこちに見られはするんですが、そのどれもそんなに深刻に追求はしていなくて、気にならないというか"不真面目"な分かえって受け入れ易いというか。現実のマイノリティ問題にも、こういう部分が実は必要なのではないかなどと思ったり思わなかったり。"多様性"も"相対性"も、本来むしろ「緩さ」が本質な筈で、別にモラルではないんですよね。AでもいいしBでもいいという話で。
そこらへんをなんか本能的に分かってるような気がする作者による、基本的にはのんびり&ちょい奇妙なハイスクールライフもの。(のよう)
面白かったので、オリジナルシリーズも機会があったら見返してみようかなと。
呪術廻戦(第2期) (Wiki)
どっぷりその中で育った人には伝わり難いかも知れませんが、僕は漫画で育った子供でもジャンプ読者でもなかった(マジに本誌は読んだこと無い(笑))ので、少年漫画のお約束には余り優しくないというかどんなにそれ自体が天才的に優れていても、バトルデザインが優れている・バトルパートが面白いだけの(多くの少年/ジャンプ系)漫画には、そんなに感動しない・熱中出来ないんですよね。例えば(今年見直して初見の低評価を反省した)『鬼滅の刃』とかも、本当に面白い・どきどきするのはやはり最初ということでテーマ性が濃厚な『立志編』で、その後の『無限列車編』『遊郭編』『刀鍛冶の里編』は、実際バトルの発想の見事さに感嘆することしばしばではありましたけど、(『立志編』と)比べると要は"バトルのアイデア勝負を延々している"だけの作品だなと、同時に思いながら見ているところも少しありました。
そこらへんは例えば『ハンターハンター』や『進撃の巨人』のような、大小さまざまなテーマ的感動/考察要素があちこちにちりばめられ、片時も"今何の為に何をしているのか"を忘れさせない作品とは、ちょっと次元が異なるように思います。
大人気の『呪術廻戦』も、根本の知性の良質さは感じつつも、1stシリーズや2nd序盤は正直『鬼滅』と同類な感じで見ていたんですが、五条悟と夏油傑の過去エピソードを経ての最新29話「玉折」で、なんかいきなり面白くなったなと感じました。初めて本当に興味を持ったというか。
夏油傑の「守られるだけの非術者は全員死んでいい」という極論自体は過激ではあっても少年漫画系ストーリーの中ではまあまあ無くはない"悪役のエリート主義"な訳ですが、その理由が(呪いに対処するのではなく)「呪い自体を根絶する為/生まれないようにする為」で、その背景的構造として「非術者の非術者ゆえの自分の負の感情のコントロールの甘さ」(一方で術者はそのスキルの一環としてそれをかなりの程度コントロール出来る)が呪いを生む根源だという(それ自体は)"事実"があるという話には、どきっとしました。
だから非術者を皆殺しにするというのは無茶なようで筋は通っていますし、作者が(最初からなのか途中からなのかは分かりませんが)例えばこの作品では"呪い"を生むとされているような、「人間の負の感情」(の暴走)という問題を、真剣に考えている(憂えている?)ことも伝わって来ました。そしてこれはもう、十分過ぎる程の"テーマ"だと思います。これをめぐって今後この作品が展開されて行くなら、是非とも期待して見て行きたいなという感じです。
ひょっとしたらぼんやり見ていた1stとかにも、そんな話が出ていたのかも知れないですけどね、少なくとも僕には届いてなかった。
・・・あえて言うと、内容的にはある意味伝統宗教の「心を平静に」とか「悪念を絶つ」とかと、変わらないと言えば変わらない訳ですけどね(笑)。だから"全員"悟りを開けと。解脱しろと。(笑)
それをどう「呪術」の話として「現代」の話として展開するか、そこから意外な視野でも見つけ出して来るか、そこらへんに期待という感じですが。
なおアニメスタッフ的には、監督だけ1stと替わっています。1stやチェンソーマンの演出などを経て、これが初監督の人のよう。
以上です。
数的には少ないですね。
WOWOWで見ました。オンデマンドでも見れます。
「機動戦士ガンダム」の生みの親、富野由悠季。彼の作品を支えてきた豪華スタッフの証言から『Gのレコンギスタ』へと至る富野監督の演出論を読み解くドキュメンタリー。
とのことですが、本人ではなく周囲の人のコメントがメインということもあり、個人的にはそこまで有益な情報は少なかった気がします。基本、"それぞれの富野語り"にとどまる内容というか。
その中で僕が面白かったのは、"キャラクターデザイナー・アニメーター"吉田健一氏(Wiki)が出演しているパート。

・・・知的で穏やかな語り口が、個人的に好感度/信用度大だった吉田氏。(笑)
『キングゲイナー』『エウレカセブン』『Gのレコンギスタ』のキャラデザ(あと未見ですが『電脳コイル』の磯監督の新作『地球外少年少女』も)を担当している人ですが、資質的な富野さんとの"遠さ"(の自覚)が、逆に目の付け所のピンポイントさに繋がっていて、なるほどと思うことが多かったです。
分量的にも一番この人のパートが多いんですが、その割に構成的な位置づけははっきりしていなくて、(吉田氏がではなくて)作った人は結局何が言いたいのかなという感じの全体ではありましたが。
以下吉田氏の発言を抜粋しつつ。
"アニメーター"吉田健一氏から見た富野演出の特殊性
抜粋1
・富野さんの特殊性は絵に頼らないところ。
・絵自体は上手い。ただアニメに定着させるのは難しい(タイプの絵)
・キーワードを考えるのが上手い。
アニメの演出家ではあるが、絵、"animate"する/絵を動かす部分には、演出の重心を置いていない。
"キーワードを考えるのが上手い"というのは、吉田氏の説明だと、"絵"ではなく"概念"(キーワード)によって、どういう絵を描く/作るべきかを、アニメーターたちに伝えている(そしてそれは最終的に観客にも伝わる)と、そういうことのよう。
その直後に「感覚の再現」というワードが出されます。
(字幕)
例えばナウシカが空を飛んだ時、観客は目で見て楽しむだけでなく浮遊感を実際に味わっている。これを「感覚の再現」と呼んでいる。アニメーター出身である宮崎駿監督の得意技とされる。
吉田氏によると宮崎監督の下ではこれがアニメーターのメインの仕事というところがあり、またその為の細かい技術がいくつも確立されている。
文脈的には、つまり富野監督の方法はこれとは違うということが言われている。だから吉田氏は富野演出に従いつつ、そこに宮崎的"感覚の再現"技法を"加え"てみる試みを、時々していたということ。
サッカー的にやや雑に言うと、"戦術"(富野)と"個人"(宮崎)的な対応か。"全体構造"と"局面"というか。欧州と南米(or和式)?
勿論これは富野演出の方に寄せた対照の仕方で、宮崎演出には宮崎演出なりの、"戦術"や"構造"があるんでしょうけど。ただ最初の"絵に頼らない"という言い方に戻れば、絵が動くから動きが伝わる宮崎演出と、シーンの概念的構成によって動きが(動いたことが)伝わる富野演出的な対比を、吉田氏がここでしようとしているのは確かだろうと思います。
では絵を動かさない(描かない)富野演出は、何をしているのか。
抜粋2
・富野監督がコントロールする部分は、コンテと編集とアフレコ。
・要するに僕らが絵を描き切る前。設計図。特にコンテ。
コンテと編集とアフレコ。
まず大前提として、(絵)コンテによるシーンの設計図をきっちり作る。(VTR中の安彦良和氏によれば、富野氏は虫プロでの自身の最初期の仕事からコンテ作りには参加していたとのこと)
それに従ってアニメーターたちが絵を描いて行く訳ですが、そこの部分はそれこそ吉田氏などに任せて"コントロール"しない。(宮崎氏を筆頭とする一般的な、少なくともアニメーター出身のアニメ監督の場合、そこへもっと直接的に深く関わる)
富野監督が再び"コントロール"するのは、そうして描き上がった絵とそれによって構成されるシーン/素材の「編集」作業、及び更にそれを基にした声優によるアフレコ作業。
後者については後述するとして、つまり極端に言えば「絵」の前(コンテ)と後(編集)にしか興味が無い訳で、大部分の「絵」派の監督にとってアニメの(重要な)"本体"が絵そのものであるのに対して、富野監督にとってのアニメの絵はシーンの内容を伝える為の一種の記号というか「アニメ作品」という将棋を指す為の"駒"というかそういうものであると。"王将"と書いてあれば王だろうし、"K"と書いてあって王冠被ったひげのおじさんが判別できればキングであろうと(笑)。それでよしと。極端に言えば。「作品」の本体は"将棋"のゲーム性の方であり、「演出」とは富野監督の指し筋のことであって駒やカードの絵画的表現ではない。
だから
抜粋3
・自分が参加したキングゲイナーも含めて、実際のところ誰がアニメーターでも成り立つ、富野さんは富野さんの守備範囲["コンテ・編集・アフレコ"?]の中で、"富野作品"に出来てしまう、して行ってしまう。
・僕が演出をやらないのはそれが出来る気がしないから。
ということになります。
・・・以上ある意味では富野さんと真逆のタイプである、意識的に"非演出家"である生粋のアニメーター吉田健一氏に従って、アニメ監督富野由悠季の「特殊」性について見て来た訳ですが。
富野監督、富野演出は特殊なのか
この文章が結果どんなタイプの人にどれだけ読まれるかは分からないところはありますが、ただブログ自体の想定平均読者像からすると、正直あんまりピンと来てない人の方が多いのではないかと思ったりします。他ならぬ僕自身も、そういうところがあるので。
どういうことかというと、「コンテと編集とアフレコ」に主に注力するという富野流は、アニメ界では"特殊"なのかもしれないですけど実写の世界では、言い換えれば世間一般の映像劇視聴者がまず考える演出・監督の姿としては、むしろ普通なのではないかと思うからです。だから"特殊"前提の話の進め方には・・・という。
つまり、当たり前の話ですけど、アニメの場合重視するしない以前にまず誰かが絵を"描"かなければ、物理的に存在出来ない訳です。駒でしかないとしても駒が無ければ、将棋は指せない。(笑)
一方で実写の場合、極端に言えばカメラを持ってそこにある風景なり人間なり動植物なり機械なりのこの世に存在する何かを映せば、わざわざ"絵を描"かなくとも無から有を生み出さなくとも、とりあえず何かを映したことになる「映画」になる(ドラマなりドキュメンタリーなりに)。それぞれの美醜とか芸術性とかいう以前に、有る/無しのレベルでそういうはっきりした違いがある。
そうした絵を描く/動かす、その作業を監督するというプロセスがごっそり抜け落ちている実写ものの場合、監督・演出家が主にする作業としては、シーンの構成を考え(「コンテ」)、それに従って俳優・出演者を動かしてみてそれに調整を加え(アニメで言えば「アフレコ」、音声について"アフター"でないことも実写では多いでしょうか)、そうして撮った素材を「編集」して作品として完成させるという、要素としては正に"富野監督がコントロールしている"とされるものそのものな訳です。
そして世代的にも(1941年生まれ。TVアニメ『鉄腕アトム』開始時既に24歳)個人的にも、「アニメ」ではなく「映画」を作りたかった富野監督(参考)にとっても、それは"演出家"としてむしろ標準的なプロセスである筈。
その後結果として約60年を業界で生きた成功したアニメ監督である富野さんが、頑なに"実写流"をアニメに"押し付けて"来た筈はない訳ですが、"本当は映画が作りたかった"そしてアニメ業界でもアニメーター経由で演出家になった訳ではない富野監督が、あくまで実写/アニメ共通の作品性を極力自分の作品/演出技法に求め、それがアニメのアニメたる部分の比重の小ささとして根っからのアニメ人には"特殊"に映るという、そういう事態ではあるのではないかと思います。
そういう意味で、アニメ演出家富野監督の技法の"特殊"性はあくまで状況的相対的な特殊性であり、本人は特殊なことをやろうとも自分が"独創的"な演出家だとも、思ってはいないのではないかなと。
まあそれでアニメ業界で大きな成功を収めたところに、単に「実写」技法という外在的要素以外に富野さん個人の特殊性なり才能なりは隠れているのかも知れませんが、比較対象が少なくてなかなかそれについては難しい(数多いるアニメーター系監督どうしなら比較し易いでしょうが)。そこまで行くまでに話が終わってしまうというか。(吉田証言も含めた今回の"ドキュメンタリー"もそう)
(まとめ?)僕の中の「富野」と「宮崎」
僕自身はどうかというと、未だに毎四半期に始まる膨大な数の地上波アニメ群の少なくとも第1話はほぼ欠かさず見る僕は、一般社会的には立派なアニメオタクの部類なのかもしれませんが、余りそういう自覚は無いですし子供時代少年時代に遡ってもそれほど熱心にアニメを見ていた訳でも増して"アニメで育った"というタイプの子供でもなかったと思います。当時の有名作品は、専ら成人後にあらかた後追いでは見ましたけどね。
一方で"海外ドラマ"に関しては今も昔も物理的に見られる(日本語化された)作品は一部アジア地域除く地球上の全作品を見る勢いで見ている紛れもないオタクですし、映画もメジャー/新作作品となると心許ないですがそうでないマニアック寄りのor白黒時代も含む古い作品に関してなら、標準よりはまあまあ見ている方だろうと思います。当然そこにおける「演出」「映像」的なこだわりも、アニメの時と比べても多めにあるように思います。
そもそもアニメについてもマメに見ているのが"テレビ"アニメであることからも分かるように、見ているのは専ら人気"漫画"や"小説"の"アニメ化"されたものであって、主役は「物語」であって「アニメーション」そのものではない。
という訳で僕のアニメを見る視点も、別にいちいちそう意識している訳ではないですが本質的にアニメ"外"的非アニメ"内"的"汎"映像劇的なもので、そういう意味では富野監督と同じで、"演出"観も演出技法上の力点も、近いというか違和感無く理解出来るというか。一方で宮崎駿監督を筆頭とする"アニメーター"系の有名監督たちの作品/"傑作"を見ている時は、綺麗だなあよく動く絵だなあと感心したりはしつつも、感動ポイントや評価ポイントがそこにあるわけではなく、あくまで物語的にどうか一般映画的な意味での演出や演技がどうかという観点で(のみ)見ているという、それが基本的な態度。(勿論例外はあります)
だからこと「アニメ」に関して言えば、僕は圧倒的に"富野"派、絵や細部ではなく構造/構成派だと言えると思います。
ただでは常に、どのジャンルでもそうかというと、それが案外そうでもないようなんですよね。
例えば今回の富野演出のアニメ界での位置づけの為に引いてみた"サッカー"の例で言うと、確かに戦術や構造は重視するし、一定レベル以上のそれらが前提に無いサッカーを見るのは苦痛ではありますが、ただ最終的に何を見たいか何に一番感動するかというと、そうした戦術や構造と関わりながら、あるいは場合によってはそれを裏切るように発露する爆発する、個人の技能やイマジネーションの方のようなんですよね。別に"解放の為の束縛"と、"ツンデレ"的に割り切ってる訳ではないんですけど(笑)、気が付くと。そしてその"個人の技能"にしばし忘我的に耽溺している瞬間というのは、アニメで言えばアニメーターの技巧・技量そのものに、絵の躍動そのものに本体的に感動する評価する、そういう見方と重なる部分が多いのではないかと思います。
つまりサッカーにおいては、結構僕は「宮崎」寄り。特に"現代欧州サッカーファン"という(「富野」的ジャンルの)括りの中で言えば、多分半分の比重を越えて「宮崎」寄りに分類されてもおかしくない人なのではないかなと。(南米とか日本とかを入れるとまた話は違って来ると思いますが)
あるいは(ポップ)「音楽」という例で考えてみると。
確かにコンセプトも曲構造も重要ですけど、結局のところ演奏ないし音そのものに面白みや聴き応えを感じないと、部屋で流すくらいはいいとしても、ヘッドフォンで"体感"的に聴くのは退屈しちゃって無理なんですよね。いい曲だけどいいアーティストだけど、ヘッドフォン聴取には耐えないというケースは、結構あります。逆に曲自体は(最初と最後の)"テーマ"の提示程度の機能しか果たしていなくて後は延々ソロやインプロヴィゼーションみたいなタイプのものでも、好きな/出来のいいものならいくらでも聴いてられます。むしろ終わらないでと願ったり。まだ10分しかやってないじゃんみたいな。(笑)
こういうある意味での"幸福な本末転倒"は、作画/絵メインでアニメを見る/評価する人の口ぶりには、ちょいちょい感じることがあります。それはそれで楽しいんだろうなと想像はしますが、僕自身はアニメに関しては、ソロとか別に要らないから、4分でも長えよサクサク行こうぜという感じの人です。
という訳で結構演奏派技術派の音楽ファンである僕ですが、だからと言ってジャズに行ったりはしないので、富野前提の宮崎多め入りみたいな感じですかね(笑)。サッカーの時よりも、宮崎成分は多いかな?
あるいは・・・AV。(笑)
これは人によって嗜好が分かれるでしょうが、僕自身は"ストーリー"とか"演技"とかほんと勘弁な人です。基本「女優」ものは見られません。ほとんど企画/ドキュメンタリー/素人系専門の人です。ただただ「絵」の躍動を見るのだけが目的、お話とか意味とか邪魔でしかない、剥き出しの「作画」のクオリティだけが目的。「絵」や「作画」がこの場合何を意味するかは、あえて語りませんが。(笑)
逆に一部の本当に「作画」派(と感じる)のアニメに関しては、AVと同類のものとしてあえて見ることもありますけどね。ストーリーがどんなに下らなくても芝居がどんなに馬鹿馬鹿しくても、それは数分間の"絡み"を見せる為のアニメーションアクションを見せる為の、"状況設定"の説明パートとして割り切るという。その作品のファンに言ったら多分怒られますけど(笑)。絡みはエロいよそれは認める。でも意味なんて考えるだけ無駄だろう?こんなのという。(言えない、言わない(笑))
とにかくAVについては、僕は完全に「宮崎」派。(と、この文脈で言うのはどうだろう(笑))
絵のエロティシズムだけが大事。
と、このように各ジャンルにおける「富野」性と「宮崎」性のばらつき(の僕の中での表れ)を提示することによって、「富野演出」(の"特殊"性)の相対的位置が分かり易く位置付けやすくなるのではないかなという、そういう話です。
最後にもう一度だけ吉田証言に戻ると。
そういう"絵に頼らない"富野演出を共に仕事をしながら見て来た"絵の人"吉田氏が、「僕が演出をやらないのはそれが出来る気がしないから」と結論的に吐露しているのは、アニメ界においての"特殊"という前提で語りつつも、結局は富野監督がやっているようなものこそが、より本来の、より純粋な意味での「演出」だと、認めているとそう感じざるを得なかったと、そういう話なように思えます。
そう、思うんですけどね、僕も。"感覚の再現"は感覚の再現で確かに魅力的ですけど、でもそれは後の話だろうと。ただ特に各アニメ「映画」の世評を見ると、たまに分からなくなってしまいます。
まあ「本来」であるならばあるならばこそ、"富野"的部分を他の"作画派"監督たちが、やっていない、軽視している筈は無いことも、言うまでもないのだろうとは思いますが。あるいは本当はそれほど"特殊"ではない富野監督一人に、その部分を背負わせて論じることの問題も、あるはありますね。
ともかく『富野由悠季の暗号』の感想としては、以上です。
なお理由は分かりませんが、最近はすっかり副監督/助監督のクレジットがあるのが当たり前になって情報価値が低くなったので、今回からは省略します。
新作(原作知らない)
新作中の僕が原作を読んでない部門。(逆に言うと読んだことがあるのも沢山あった)
山田くんとlv999の恋をする (Wiki)
原作は漫画。初連載作品だそうですが、とてもそうは思えない研ぎ澄まされた人物描写で、才能なのか早熟の世代なのか。
監督は『カードキャプターさくら』シリーズ、『ギャラクシーエンジェル』シリーズ、そして『ちはやふる』シリーズの人。最後のは"シリーズ"とは違うか(笑)。あと『俺物語!!』とかもやってます。ちはやふると俺物語という並びからは、少女漫画ベースではあるけれど骨格の太い描写を得意としている人という印象になりそうですが。
この作品にもそういう印象はありますが、原作そのものに由来するのか監督と共同のものなのか。
構成は『かぐや様は告らせたい』シリーズの人。他に『カッコウの許嫁』などもあり、何となくですが業界で"次"を期待されている人のような印象のあるラインアップ。
ヒロインの自虐っぷりもそうですが、"山田くん"のクール男子っぷりが何かパターンを越えた断固としたものが感じられて、そんなにユニークとも言えないだろうストーリーですが見応えがあります。一発一発が重い(笑)。ヒロインの非常識などに"怒った"時の山田くんが、正し過ぎて怖い(笑)。今後の二人の仲の進展の中で、そこら辺の持ち味が壊れないといいなと思いながら見ています。"
神無き世界のカミサマ活動 (Wiki)
原作は漫画ですが、原作漫画家がシリーズ構成もやっているのではなくて、脚本家が"原作者"として関わった漫画のアニメ化作品の構成を、本業の脚本家として本人がやっているという形のよう。過去のシリーズ構成歴としては、『ようこそ実力至上主義の教室へ』『刀使ノ巫女 刻みし一閃の燈火 萌芽編』など。
監督はこれが初監督作品。
1話の暑苦しくて悪趣味な"新興宗教"描写を見た時はこれは駄目かと思いましたが、存外知的で見かけと違ったクールな本質を持った作品に思います。"神無き世界"において現代の新興宗教テクニックを駆使して無双でもさせれば、珍種なからも普通に異世界転生チート主人公ものに出来そうですが、結構挫折させているところが逆に面白いと思います。恐らくその過程を通して、「新興宗教」「宗教教団」そのものについての考察のし直しみたいなものをやろうとしているんじゃないかと思いますが、結構なテーマで作者の志の由来が不思議です。個人的に何かあったのかな。とにかく面白いと思います。
事情を知らない転校生がグイグイくる。 (Wiki)
原作は漫画。これが最初のヒット作なのかな?
監督は『ひまわりっ!』て何だ?あああのスーパー少女忍者の話か。他に『DYNAMIC CHORD』とありますが、僕は知りません。
構成はなぜか二人いて、前者はおお『テラフォーマーズ』の人か、あれどうなった?他『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』『アンゴルモア 元寇合戦記』と、たまたまかも知れませんが"歴史もの"っぽいものが得意だったり?今期の『江戸前エルフ』もやってるし。後者はシリーズ構成は初めての人。
ある根暗少女(小学生)に対するそこまで過激ではないですが常習的ではあるいじめ・ハブを、"事情を知らない"天真爛漫転校生が破天荒なポジティブ解釈でガンガン引っくり返して、誰とも喧嘩せずに少女を救い、恐らくはこれからクラスごといじめグループごと取り込んで行くんだろう、感動のおとぎ話。(笑)
いや、おとぎ話なんですけどね。感動しますよね。人間愛ですよね。マジに毎回泣きそうになります。ついでに女の子の口説き方のお手本にも、地味になっている気がします。あんなの惚れないコいないでしょ。(笑)
いやあ、素晴らしい。いじめる側の"悪意"の濃淡も、ちゃんと描き分けているところがまた並じゃないなと思わされます。
デッドマウント・デスプレイ (Wiki)
"逆"異世界転生もの。強いのは(元)異世界人の方。本人は"平穏"を求めているだけというところは、1月期の『最強陰陽師』と似たパターン。
原作は漫画で、原作者(成田)は『デュラララ!!』の人。なるほど。
構成も兼ねる監督は、『咲-Saki-』シリーズや『ソードアート・オンライン アリシゼーション』の人。ただ構成をやるのは今回が初めてのようですね。原作者の協力がかなり入ってそうですが。
最強クラスではあるけれど怨霊のエネルギーを動力源として必要とするという、主人公の戦闘スタイルの発展と、人命尊重はしないけれど子供や弱い者苛めは許さない(?)倫理観の現世との絡み合いの、どちらが主体となって行くんだろうなあという感じ。半グレ的犯罪組織集団の描き方は、『デュラララ!!』との共通感も少しあってそこも面白そうかも。
新作(原作知ってる)
天国大魔境 (Wiki)
原作はアフタヌーン連載の漫画ですが、僕は多分、最初の数話を読んだっきり読んでないやつ。世界観的に特にユニークなものが見いだせなかったのと、"おねえちゃん"の中身が男という設定がなんかめんどくせえなあ最近の流行りのやつか?みたいに反応してしまったんですが、まさか"あんな"事情が隠されていたとはどうもすみません。(笑)
と、反省しながら見てはいますが依然特にピンとは来ていません。アニメだから見れてますが漫画ならやっぱり読むのやめてそう。その内(僕にも)面白くなるんでしょうか。
監督はこれが初監督作。
構成は『ゆるゆり』2016年版『ベルセルク』等の人。
マイホームヒーロー (Wiki)
原作はヤンマガ連載中の漫画。原作者(山川)は他に『100万の命の上に俺は立っている』も。
こちらはヤンマガを読み始めた時に、途中の1,2話だけちらっと読んで結局読まなかったやつだろうなと。でも今回最初から見たら、えらい面白いです。これも反省案件かも知れませんが(笑)、なかなか一定以上話の進んだ連載途中から入るのは難しいところがありますよ、余程文体が好みとかでない限り。
一般市民である主人公(とその奥さん)が、突然巻き込まれた暴力犯罪の世界で必死の論理的思考で状況を打開して行くのが、ある種ミステリーかゲーム小説的な面白さがありますね。似たような状況に追い込まれた時に、俺にこれが出来るか!と改めて自分に問うてみたり。(結論・出来ない)
最新話では主人公が必ずしも"普通"の人ではないのではないかという疑問が暴力犯罪者側から出されたりしていましたが、出来れば特別な背景とかはなく、やはり「普通」の人の頑張りの話として、進んで行ってくれたらいいなという希望。
監督は初監督、
構成は声優や実写作品の脚本家でもある人で、アニメだと『風が強く吹いている』。(箱根駅伝もの)
マッシュル-MASHLE- (Wiki)
原作はジャンプ連載の漫画。僕はジャンプ読者ではないんですが、以前例の『アクタージュ』原作者の逮捕の時に、慌てて単行本を買い集めると共に単行本未掲載の分のジャンプをまとめ買いして、その時にちょうど連載が始まっていたのがこの作品で、結果当時一番のお気に入り作品になっていました。それ以来の再会。
絵柄も含めて『ワンパンマン』の連想は強めにありますが、"腕力で魔法を代用する"という設定が面白いのとそれこそワンパンマン的な圧倒的な腕力/暴力の快感で、見せますよね読ませますよね。タイプ的に瞬間芸的なところもあると思うので、これからどのように面白さを持続させて行くのか、注目という感じ。
監督は『ヴィジュアルプリズン』『Engage Kiss』の人、と言っても記憶には無いですが。
構成はご存知の人で、代表作は『ハチミツとクローバー』『おおきく振りかぶって』『機動戦士ガンダム00』等。最近では今期もやっている『BIRDIE WING -Golf Girls' Story-』の、オリジナル脚本も担当していますね。
江戸前エルフ (Wiki)
原作はマガジンエッジ連載の漫画。へえ、男の人なんだ、名前からすると。ちょっと意外。
エッジ読者の僕も当然存在は知っているんですが、読んではいないし読んだ記憶も特に無いです。(一回は読んだ筈ですが)
アニメとしては、まず絵に無関心な僕でも気付かざるを得ないくらいの(笑)、背景の緻密さがまず目を引きますね。ぶっちゃけほんわか日常ファンタジーにこんな背景要るかな?という疑問は無くはないんですが、まあ目の保養になるのは確か(笑)。監督は『プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~』『ひとりぼっちの○○生活』『GO!GO!575』の人とありますが、この中に作画的に際立った作品がありますか?無ければ今回参加した別のスタッフの貢献かも。"ストーリー"との不似合いさからすると、その可能性が高そうな予感。
一方で物語世界としては凄く安定感があって、"日常"ファンタジーでも全然退屈しないし、結構度が過ぎてるようにも見えるご神体"エルフ"の幼児性も、うざくならない範囲で上手く処理してあると思います。個人的には、小清水亜美さんの演技が滅茶苦茶上手いと思いますね。幼児的ではあるけれど単に甘えてるというのではなくて、断固たる気性や元々の性格によるのだというリアリティが、凄く良く出ていると思います(だからうざくならないんでしょう)。ファンタジー的人物の、太い実在感というか。
ルルーシュの"紅月カレン"の人か、へえ。後は狼と香辛料の"ホロ"に、咲-Saki-の"原村和"その他もろもろ。売れっ子なのは分かりましたが、特徴まではまだよく。(笑)
構成の人は既出。
いや、正直かなり気に入っていて、ストーリーというより"世界観"ものなので、これに関しては(途中参加でも)反省案件かなという感じですが、掴み所がないとも言えるので見逃すこともあり得るかなとも。漫画読むのって体力使うんでね。"読まない"理由を探している所もある。その点アニメは楽。
おとなりに銀河 (Wiki)
good!アフタヌーンの、連載開始当初から僕が熱烈に好きだった漫画のアニメ化。
世界観が壊れる心配とかは不思議にしてなかったんですが、一方で見る必要あるかなという感じで見始めましたが、やっぱり面白いですね。現在はすっかりラブラブな二人の、特に五色さんの最初の方のクールな感じは、こんなだったかなと改めて新鮮でしたし、深"島"の令嬢五色さんが"世界への窓"として愛する漫画を媒介に、一つ一つ人間の世界を知って行くプロセスは、もう一度見てもたまらなく面白いです。まあ「漫画」への愛は、やはり「漫画」で見た方がダイレクトに感じられるかな、アニメだと若干世間話みたいに見える部分もあるなとは思いますが。
監督はどこかで見た名前だなと思ったら、監督"交代"騒動が話題になった『けものフレンズ2』の人か。プレッシャーの中、いい作品でしたあれも。他に『アイカツ!』シリーズと、『もののがたり』?また意外な。
構成は『進化の実~知らないうちに勝ち組人生~』シリーズの人。え?という感じですが。まあ色々やるんでしょう(笑)。原作を壊さなければ、それでいいです。
以上。
続きもの2ndシーズンものについては、余りに沢山あるのでリンクだけ貼っておきます。
もう腰が限界。(笑)
続編&スピンオフ
くまクマ熊ベアーぱーんち! (Wiki)
魔法使いの嫁 S2 (Wiki)
BIRDIE WING -Golf Girls' Story- (Wiki)
王様ランキング 勇気の宝箱 (Wiki)
終末のワルキューレⅡ (Wiki)
トニカクカワイイ S2 (Wiki)
とりあえずS1の最後はドロドロだった気がする『魔法使いの嫁』の、"学園"ものとしての新展開というか再生(?)ぶりを、面白いなあと思いながら見ています。
コタローは1人暮らし (Wiki) 月曜 22:00 MX
去年(2022年)の3月からネトフリで"全世界独占配信"していたらしい作品。
「子供を放置することは罪」である考えが日本より遥かに強いらしい多くの国で、格別のインパクトがあったのではないか(笑)と想像される、はじめてのおつかい的(?)"放置幼児"もの。
2話は幼稚園の入園式でしたが、そこまで小さかったのかと今更に。(1話ではそうは見えなかった)
事情あって安アパートで独り暮らししている(お金はあるらしい)やたら自立心の強い幼児と、アパートの住人等周囲の大人たちとの心の触れ合いを描く作品。
心配でかまおうとする大人たちと、自立心の強い(でも当然甘えたくもある)幼児との関係を通して、「大人と子供」「親子」という関係の根幹をシミュレーション的に認識し直すという狙いの作品?
間に挟まる大人たちのエピソード(駆け出し漫画家の編集者からの駄目だしやだめんずに貢ぐキャバ嬢)が結構濃密で、そこから想定されるある種の"信頼感"を前提にしながら、ちょいちょいお涙ちょうだい的なところもなくはないストーリーを、ぼんやり見ている感じの2話まで。
原作は漫画。アニメの前に実写ドラマが作られていたらしい。
監督は『阿波連さんははかれない』の人。どんなだったかなあ、一瞬面白かった記憶はあるんだけど。
構成は『宇宙戦艦ティラミス』シリーズの人。うーん、覚えてない。
もののがたり (Wiki) 月曜 24:00 MX
面白いじゃん #もののがたり。
— アト (@atosann) January 9, 2023
サンデー系かなとも思ったけど、結局ジャンプか。
でも『#うしおととら』や『#結界師』の匂いはあると思う。
この感想理解されないかなあ。(笑)
とりあえず絵柄があんまりジャンプっぽく見えないんですよね、縦ノリのシャープさよりも広がりや奥行きを感じるというか。作者が影響を受けた漫画家は、「上山徹郎、三輪士郎、岩泉舞、みつみ美里」だそう。ごめんなさい(笑)、一人も知らない。
人間が使う物/道具に宿る妖怪(ということにしておこう)"付喪神"とそれへの対処に当たる特殊能力者たちの話ですが、"付喪神"の描き方の「民俗」感・熱意の本気度が割と高くて、"バトル漫画の意匠"という以上のものを感じるという意味で、やはり『結界師』は思い出さざるを得ないですけどね。
タイトル通り、"もの"の話というか。
主人公のキレ易さや、一方で"仲間"側の付喪神の最初からの妙な寛大さが少し違和感がある言えばありますが、含めて魅力なのか単に描写が拙速なのか、保留しながら見ている感じ。
監督は・・・『アイカツ!』シリーズの人?うーん、分からん。『けものフレンズ2』?へえ。あの問題作の。(良かったけど)
なんか深夜アニメの主流ラインからは外れたところにいる監督さんのようですね。
助監督は『アイカツ!』での弟子かお友達らしい人。
構成は『まちカドまぞく』『五等分の花嫁』その他の、なぜWikiが無いのか不思議な作品歴の人。
なんか凄く、"傑作"を作ってやるという意気込みは感じなくはないスタッフ編成だなと。
英雄王、武を極めるため転生す (Wiki) 月曜 25:45 テレ東
ひげのおじいさんが美少女に転生って、この"おっさん美少女"的なパターンいい予感しないなあと思いましたが、幸い外れました(笑)。(予感が)
美少女ボケは最低限ですし、元々ボーイッシュで骨っぽい演技が特徴の鬼頭明里さんの配役もあって、どちらかというと"前世"を忘れてしまう方の瞬間が多くて、それはそれで(設定の意味が薄れるので)問題かも知れませんが(笑)ともかく見るのは快適です。"おっさん"の気持ち悪さを感じたりは、少なくともしない。
そして転生を経て"振り切った"バトルマニアぶりを見せる元英雄王のキャラの痛快さと共に、意外にそれ以上に面白いかもしれない"ハイランダー"や"魔石獣"をめぐる世界構造やストーリーが存在していて、おやおやこれは侮れない作品だなと。
原作は小説。
監督は『ビキニ・ウォリアーズ』?『BUS GAMER』?そんなのあったかな。
構成は『甘々と稲妻』『虫かぶり姫』と、ソフトな作品の印象が強いですが、一方で劇場版も含めて『新テニスの王子様』シリーズも担当している人らしい。
とんでもスキルで異世界放浪メシ (Wiki) 火曜 24:00 テレ東
スキル"ネットスーパー"で取り寄せた現代日本の既成食品の美味しさを武器に、異世界を渡って行く/成り上がって行く話。
とても美味しそうですけど、それ以外にはそんなに見所は無いような気はします。大食らいのレジェンド級魔獣フェンリルに懐かれてからは、毎食頑張って作るのはシンプルに大変そうで、こっちも息切れ気味(笑)で先行きは少し不安。
あと調味料ってそんなに豪快に使うものなのかと、薄味派の僕としては毎度驚き。(笑)
原作は小説。
監督は『賭ケグルイ××』『 うちタマ?! ~うちのタマ知りませんか?~』『RE-MAIN(リメイン)』の人。
構成は大ベテラン、有名なのは『侵略!イカ娘』『SHIROBAKO』『斉木楠雄のΨ難』あたりか。
異世界のんびり農家 (Wiki) 金曜 25:53 テレ東
こちらものんびりした"食べ物"ネタの多い作品ですが、「農業」「サバイバル」「DIY」関係のディテールが充実していて、かなり楽しいです。最新話の「白米が出来るまで」は、余りの手間のかかり加減にうんざりしてしまいましたけどね(笑)。そもそもそ"炊き立てのご飯"に魅力を感じない人なので、実食のカタルシスすら無くて。一方でいかに大変かということは、よく分かって良かったです。
冒頭で予告された"ハーレム"状態の形成されるプロセスも説得的で面白かったですし、家族化した魔犬や魔蜘蛛(?)たちも可愛い。近々の問題としては、果たしてそのハーレムは主人公の"種"を直接的に取りに来るのか、その時若干とぼけ過ぎの感もある、"性"関係の描写が空回りしないかでしょうか。
原作は小説。
監督は『つぐもも』と『奴隷区 The Animation』の人。うーん、覚えてない。
構成は『球詠』『GA 芸術科アートデザインクラス』『アリソンとリリア』と僕も好きだった作品を手掛けてはいますが、名前をよく見る割には代表作が無いなという感じの人。尚去年の『農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。』も担当していて、分かり易い繋がり。(笑)
ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん (Wiki) 金曜 25:55 TBS
異世界に転生・・・せずに干渉する新しいパターンの作品。("実況"と"解説"として)
ゲームプレイヤーや読者の声、またはアニメの"視聴者"のガヤを、そのまま作品にしてしまったというか。なかなか面白い。
・・・ただし実況・解説抜きで、"悪役令嬢リーゼロッテ"の内心をあそこまで好意的に理解出来るかというと、出来る時もあればえ?そうなのという時もあって、そこらへんはどれくらいのシンクロ率を意識してるのかなと。普通に考えれば、100%に近いという前提で出来上がってそうに思うんですが。"あるある"なので。
原作は小説。
監督は手塚作品のOVA等をいくつか作りつつ、地上波アニメの監督としてはこれがデビューらしい人。
構成は『のだめカンタービレ』『君に届け』の人。なんかそんなベテランを引っ張り出す必要の無いタイプの作品に思えますが。
解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ (Wiki) 土曜 22:00 MX
原作は小説で、漫画版は連載をちらっと読んだことはあるんですが、その時はスルーしてしまった作品。(だから若干先を疑ってる部分もある)
タイトルから何となく想像できるように、反ブラック労働ものというか"真面目な人が馬鹿を見る"現代ビジネス社会の不条理への反動として、"理想的な働き方"を描いているという、最近割と見かけるタイプの作品。それ以外の"上"の方のギスギスなども描かれてあり、ある種"ビジネス"ものとして、結構面白い気がする作品。"会社員"群像というか。
監督は『アスタロッテのおもちゃ!』『あっちこっち』『セントールの悩み』とそれなりに記憶に残る作品はありますが、まだ代表作は無い感じの人。助監督はそれ以下のキャリアの人。
構成は小説家出身の人でアニメのキャリアは少な目ですが、監督とは『メルクストーリア -無気力少年と瓶の中の少女-』でも組んでいます。
最強陰陽師の異世界転生記 (Wiki) 土曜 25:30 MX
原作 - 小鈴危一
総監督 - 長山延好
監督・モンスターデザイン - 渋谷亮介
アニメーション監修 - 杉本光司
シリーズ構成・脚本 - 待田堂子
『英雄王、武を極めるため転生す』同様の、元"最強"が転生で生き方を自分本位に変えて生きる話ですが、こちらは転生が2回目でその分入り組んでいます。もっと腹黒というか。(笑)
その"腹黒"をどう"主人公"のストーリーとして成り立たせていくのかが見ものな訳ですが、もう一つ前世での「陰陽道」を今世の「魔法」にいちいち翻訳しながら戦うという厄介さと、同時に"陰陽道に比べれば西洋魔術なんてちゃちい"的な力関係でもあって、そこらへんがなんか、面白いというかなんなんだろうこの人はという感じ。かなりこじれてる感じの、作者さん。(笑)
その作者の原作は小説。
なぜか置かれている"総"監督は、『恋愛フロップス』『うらみちお兄さん』『ランウェイで笑って』と、"総"を務める割にはこれと言って目立たない実績の人。一方の"監督・モンスターデザイン"の人は初監督で、かつ総監督の人のもろ弟子なキャリアなので、そういうことかと。
更に置かれている"アニメーション監修"は作画監督一本みたいな人で、じゃあ逆に監督の渋谷氏は作画関係の弱い人なのかなとか。色々独自な編成。
構成は上の『異世界のんびり農家』の人。
老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます (Wiki) 土曜 26:00 テレ朝
これが似ているのは、『とんでもスキルで異世界放浪メシ』ですかね。現代日本の(廉価)既製品の高品質。それを異世界に持ち込むと・・・という。
まあ"食品"に比べても各種日用品の場合は"文明"差が露骨なので、そりゃそうだろう感もありますが。大航海時代の西洋植民者が、安物で原住民たちを騙したような故事に近いというか。『とんでもスキル』と違ってスキル(両世界を行き来する能力)自体が秘密なので、その部分では難易度は高い。その分フェア?(とは言えないか(笑))
ただ既に各地の物産の特徴や小売りの難しさなどといったリアルな視点もがんがん入っているので、十分に面白くはあります。
ゴールは一応「8万枚の金貨」を貯めることになるんでしょうが、ゲームならともかく小説/ストーリーでそれだけだとなかなか地味でしょうから、ここからまた何か別の要素(バトル?)が入っては来るんでしょうね。
という訳で原作は小説。
監督はこれが初監督。
構成も同様。
ただこういうストーリーはフォーマットがしっかりし過ぎて/慣れ親しみ過ぎているので、よっぽど変なことをしない限り大外れしそうには無いですね。
続編
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2 (Wiki) 水曜 25:30 MX
メインスタッフに変化なし。
内容もほんとに変化なし。(笑)
何を目指してるのかそもそも何かを目指しているのかもよく分からない、不思議な雰囲気の作品。誰かのゲーム日記でも覗いているような。
いずれ"運営側のパニック"がもっと本気になれば、緊迫した展開も出て来るのかなと一応は予想出来ますが。
神達に拾われた男2 (Wiki) 日曜 24:00 MX
構成・脚本が、『怪物王女』『少女終末旅行』『異種族レビュアーズ』の人から、『うみものがたり 〜あなたがいてくれたコト〜』『小林さんちのメイドラゴン』の人に。
元々内容(スライムの利用法)のユニークさと反・ブラック労働というテーマがはっきりしていて、一方で世界観的にはただただ優しい感じのぼんやりした(笑)作品なので、あんまり誰がやっても変わりなさそうな感じ。
虚構推理 Season2 (Wiki) 日曜 25:05 MX
メインスタッフに変更なし。
ただ鬼頭明里フェチとしては若干"岩永琴子"の演技に違和感があったというか、少しテンション高めなのではないかという印象があって、並行して始まったアニマックスの1stシーズンも見直しているんですが、少なくとも開始当初と比べると、若干リラックスし過ぎというかこなれ過ぎみたいなところはやっぱりある気がします。まあ似たような役を沢山やってますしね。調整も難しいでしょうね。(笑)
内容的には相変わらず死ぬ程面白いです。そう言えば城平京さん(原作者。他に漫画『雨の日も神様と相撲を』の原作なども)の小説を読むという課題は、達成してなかったなと今更に。どれも面白そうですよね、この人。
以上。
「若手監督」と「ベテラン構成」の組み合わせが完全に定着している感じで、逆に"ベテラン監督"はどこに行けばいいのか的な心配(?)もしたくはなる、今日この頃ではあります。
正直新作が僕的に極度の不作だったので、今期はやらないでいいかとも思ってましたが最後に登場した『万聖街』が良かったので、一応書いておくかと。
新作
虫かぶり姫 (Wiki)
絵柄も内容(特に人間関係)も由緒正しき「少女漫画」という感じですが、原作は「小説家になろう」サイト掲載の小説で意外。逆に内容の「少女漫画」感に、アニメスタッフが奮い立って"少女漫画"を実現している感じか。(笑)
極度の本好きの女の子が主人公ですが、他の本好き/司書系作品のような"オタク"の卑下感は無く、ヒロインの家が正にそうであるように時流に左右されずに古からの知恵を伝える"古典"性という風格が、それも自然に醸し出されているユニークな作品。披露される"知恵"の本物感含めて、何かしら作者さん自身にバックボーンがありそうな雰囲気。(まだ正体不明の人ですが)
そのヒロインの古典性・浮世離れ性が周囲・雑事への"無関心"一本で表現されていた時は、無関心のまましかし"知恵"の力で世の中や人々と絶妙に的確に噛み合う感じが面白かったんですが、関心を持ち出してから、特に王子への"恋心"を自覚し出してからはだるい部分も増えて来て、当初の好きはだいぶ薄れている現在。(笑)
何で好きなの?理解出来ん。そんな俗な気持ち持ってたの?もう少し説明が欲しい感じ。
基本的にはでもいい作品だと思います。特に社会やその仕組みへの視線が繊細かつ鋭くて、作者自身は全然天然でもオタクでもなさそうというか結構周到に仕組んだ作りの作品に感じるというか。
監督は『宝石商リチャード氏の謎鑑定』の人で、そう言われればある種の"歴史"もの"社会構造"ものという共通点はあるかなと。他に『甘々と稲妻』『一週間フレンズ。』なども。
構成はその『甘々と稲妻』の人。その他に特に記憶に残っている作品はありませんが、『おとぎ銃士 赤ずきん』なんかはある意味同系の"歴史"ものなのかなと。
ぼっち・ざ・ろっく! (Wiki)
自称コミュ障の女子高生がバンド活動("ろっく")を通じて成長して行く話。
基本的にはそういう内容から予想されるようなストーリーがそのまま展開されますが、すっかり世代の標準装備というか手垢つきまくりな面もあるコミュ障/"ぼっち"の描写が非常に切実で、定期的にはっとさせられます。
#ぼっち・ざ・ろっく は内容的に少し粗い感じもあるけど、(自称)"コミュ障"の内心の描写はちょいちょい切実でいいなと思う。
— アト (@atosann) October 20, 2022
コミュ障過ぎるだと「断る」ことも出来ないとか。(それでかえって人間関係に巻き込まれる)
"普通"の人の(コミュニケーション的な)「一歩」が自分的には「千歩」だったとか。笑
語られていることが必ずしも"症例"として典型的なのか疑問に感じる場合もあるんですが、逆にそれが本物感になっているというかともかく作者は実際に悩んだ、その悩みを経験したんだろうとないう感じで、共感しないまでも頑張れという気持ちには素直になります。(笑)
原作は4コマ漫画。当然の如く(?)『まんがタイムきらら』系。
監督はこれが初監督の人のよう。副監督もこれが初"副監督"(?)の演出家。
構成は向田邦子賞とやらも取っている元は実写の人で、アニメの構成も過去数作経験済みのようですが僕はどれも覚えがありません。
キャラ的にはベースのりょうがいいですね。それありきで見ている感じ。あと妹。(笑)
万聖街[日本語吹替版] (百度百科)
中国製の(ネット)アニメ。"日本語吹替版"とありますが、"字幕版"がその前に放送されたということは特に無いようですね。
原作 - 零子還有钞(漫画)
総監督 - MTJJ、顧傑
監督 - 阿根、呆尾、栗子、小榕
シリーズ構成 - 徐碧君
脚本 - 徐碧君、黄麗瑛、卡兹比
日本語公式と中国版Wikipedia・百度百科の表記が微妙に違うんですが、食い違っているところは日本語公式の方に合わせておきます。
特に"総監督"の顧傑が百度の方には全く見当たらないのが謎ですが、とりあえず「総監督」と「監督」は、日本のアニメで言うところの「監督」と各話「演出」の区別と思っていいようです。
"シリーズ構成"という概念も百度の方には見当たらないんですが、そこらへんは日本人スタッフが何らか実質ベースで判断したのかなと。
"総監督"のMTJJは同時期にテレビ版が日本でもやっていた『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』の、原作者(漫画)にして少なくとも映画版の監督の人。TV版のスタッフがどうなっているのかそもそも映画版とは違うものかがどうにも情報が出て来なかったので困るんですが、とりあえずテレビ版で見た時は、内容がちょっとありきたりなエコロジーファンタジーでジブリ系で見飽きてる感じだったので、僕はパスしてしまいました。
監督だけを務めるこの作品も、見た目そこまで"ユニーク"ではないと思うんですが。
海外ドラマ『フレンズ』のような性格の異なる仲間同士の同居生活を描く物語にしようとしていた
クリエイターたちが大好きな欧米ファンタジーの要素を加えた
・・・「SNSで話題の中国アニメ『万聖街』」のスタッフインタビューより。
そうなんですよね、アメリカ/欧米の方の匂いの強い"アニメ"で、ジャパニメーションの匂いは余り無い。
アメコミの"オールカラー"紙面が動いている感じというか(笑)。(または日本の漫画雑誌にたまに載るヨーロッパのオールカラー漫画)
『フレンズ』形式云々も含めて、どこかで見た感というかオマージュ感満載の様式美作品で、本来は全然僕の好みではないと思うんですが妙にいいです。
中国と欧米の距離感の問題なのか、"寄せ"方に無理が無いというかなぞり方が"無邪気"で和むというか。(笑)
上では否定したジャパニメーションの匂いも、全然無いかと言えばそうでもなくて、無意識かも知れませんが勝手知ったる「カワイイ」カルチャーの匂いもちゃんとあると思います。そういう意味で遠くて近い、「中国」の作品だなあという感じはやっぱりしますね。日本からも、逆に欧米からも、出て来そうで出て来ない作品なのではないかなと。
見続けて特に何か展開があるタイプの作品には見えませんが(笑)、今のところ今期の新作(2020年作品ですけど)では一番好きかも知れないです。
続編
ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン(S2) (Wiki)
同じ"5th"シリーズを二つに割った後半という位置づけのようで、スタッフの変動も無し。
弱虫ペダル LIMIT BREAK (Wiki)
こちらは独立した新作としての5期ですが、主要スタッフの変動は無し。
不滅のあなたへ(S2) (Wiki)
こちらの2期は監督が代わっています。
むらた雅彦さんから佐山聖子さんへ。
・・・うーん監督作複数ありますが、全然知らないな(『ヴァンパイア騎士』『スキップ・ビート!』など)。どちらかというと子供向け女子向け作品が多い印象ですが、ほとんどの場合は"絵コンテ"の人としてかなり大量の作品に参加しています。その割に特に"監督"として出世している感じもしないので、一種のスペシャリストとして業界で重宝されている人なのかなと。
ともかくそれによって作風の変化が感じられるかというと・・・特には無いかな。(笑)
それ以前に今期は、"フシの人間化"とでも言うべき内容の変化の方が大きくて、それとの区別がつかない。
特にここ2回くらいのフシの"恋の目覚め"的なエピソードは、一見するとお決まりの展開のようですが凄く面白いですね。フシ自体が男でも女でもそもそも人間でもないので、対象選択の可能性が無限にある中での"恋愛"欲と、それぞれがフシを自分の理解の範囲にとどめようとする周りの人の反応と、でもそれが単にエゴや差別・偏見には見えない根源的な欲求に見える部分と。
恋愛なんて元々"偏見"だしなみたいな緩い感じで見れます。
不愉快なお調子者キャラに見えたボンの意外というか、実はとんでもないかもしれない人格の奥行き感も面白いですし、今更名作になりそうな予感も。(笑)
・・・アニメで入って原作連載もチャレンジはしてみたんですけど、どうにも読みづらくて結局アニメ待ちで今日に至っている僕ですが。
守護団とは最終的にどうなるんですかねえ、最初気持ち悪いだけでしたが、段々愛着湧いて来た。(笑)
「艦これ」いつかあの海で (Wiki)
2015年(そんな前になるか)の前シリーズは大好きで、映画版も劇場に見に行ったくらい。(ゲームはやってないんですが(笑))
"映像"が好きなのが一番の理由として僕が挙げるテレビアニメって、これと『宝石の国』くらいじゃないですかね。
比べるとこの2期は、踏襲はしているけれど純然たる劣化版という感じ。全てが少しずつちゃちい。馴染みの世界観と再会出来る楽しさで、何となく見てはいますが。
特に許せないのがヒロイン時雨の部隊の旗艦の「山城」役の演技の"強気"のわざとらしさで、同じ声優(藤田咲)の大人しい姉の「扶桑」役の時は特に気にならないし、またその声優さんの過去作の演技(例えば進撃のユミル[クリスタの守護役の巨人化能力者])にも不満を感じた記憶は無いので、演出のセンスの問題かなと。
相変わらず(笑)アニメ声優の演技の責任者が「監督」なのか「音響監督」なのかよく分からないままではいるんですが(笑)、とりあえず監督は作画監督出身者の"絵"の人で、過去作は『宇崎ちゃんは遊びたい!』『旗揚!けものみち』『究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら』とか。見た記憶はあるけど多分全部1話で切ってる系。脚本のクオリティにもかなり不満で、構成がどうというよりナレーションやダイアローグの言語的なクオリティがシンプルに低く感じる(単純に言葉の意味を取り違えて使ってたりする)んですが、担当しているのはほぼゲーム専門の人で、そもそものゲーム版の作者というか社長?的な人のよう。
多分前作に興味が無い人からすると同じようなもんじゃんという話でしょうが(笑)、まず凛とした緊張感と映像の暗い美しさがあり、そこに艦娘や艦載機ちゃんたちの可愛さや色気が組み合わさるバランスの絶妙さが失われたというかそれぞれがスケールダウンしながらバラバラに存在している感じで、似て非なる感が厳しいです。
草川さん(監督)、花田さん(構成)、帰って来てくれー。(笑)
頭身も少し小さくなってます?なんかみんな子供っぽい。だから逆に艦載機ちゃんも映えない。
まあ7年も経ってるし、そんな何か期待している訳でもなかったですけどね。(笑)
話的には"深海棲艦"(敵)たちの秘密が、もっと明らかになる感じなのかな?一応見るは見る予定。
以上。
今夜はドイツ戦か。
こんなに緊張しないワールドカップは初めてですね。(笑)
見たらやっぱり興奮するのかな。
異世界おじさん (Wiki)
原作はweb漫画。"殆ど死んでいる"というのが作者名な訳ですが、アニメでパッと見た時はこれが"原題"でそれがアニメ化にあたって分かりづらいので"異世界おじさん"にしたのかなと一瞬思ってしまいました。まさか人の名前だとは。(笑)
内容は正に"おじさん"の異世界転生の話な訳ですが、絵づらは汚いし"おじさん"自虐とかも好きじゃないし、習慣だから一話だけねと思って見たら取り込まれてしまいました(笑)。やはり"綺麗"な作品ではないですし、異世界メタもおじさん自虐も"狙い"丸出しではあるんですけど、端的に分析と調整が上手い感じで、"好感"や"感情移入"に頼らずに脳の"上"の方だけできちんと完結できる面白さを作り出しているという感じ。どこをくすぐろうとしているのか分かっているのに笑ってしまうというか。
中心となっているのは17年間異世界に行っていた"おじさん"の現代との情報/常識ギャップで、特にもし"ツンデレ"概念普及前の人がツンデレありきの異世界ファンタジーの世界に行ったらどういう反応になるのかという、ある種"思考実験"的な描写は面白いですね。・・・連載(配信)開始が2018年だそうですからその17年前というと2000年ちょうどくらい、僕自身が"ツンデレ"概念を体得(笑)したアニメ『灼眼のシャナ』のスタートは2005年ですが、僕は漫画は読みますがアニメもゲームも勿論ラノベもある時期までは疎遠、決してそういうカルチャーに敏感な人ではなかったので、その遅さを考えるとまあそれくらいかなという。
もう一つの柱の"セガサターン"ネタは、単にサターン好きの人というよりそれをフックに、当時の"ゲーマー/ゲーム好き"の人の生態を描いている感じなんでしょうね、特に現代の"甥っ子"との対比で。
今後はどうなるのか、別のネタで更に"メタ"をやるのか、そこまでの時間は無いようにも思うので、今やっている甥っ子と幼馴染女の仲の取り持ち(?)が中心になるのかな?
監督は初監督作品。構成は『幼女戦記』『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』の人。ただいかにも原作が"強"そうな作品に見えるので、特に脚本は誰が書いてもそんなに変わらないかなという印象。
5億年ボタン【公式】~菅原そうたのショートショート~ (Wiki)
原作・監督・シリーズ構成・脚本 菅原そうた
元は短編読切漫画。
結果結構面白いと思いますけど、よくこんな大した実績も(分量的な)根拠も無さそうなアニメ化企画が通ったなという感じ。
地上波だしなあ。金出してるの作者なのかな?(笑)
・・・なるほどね、ネットではカルト的な人気があって、作者自身もそれなりに有名な人なんですね。(菅原そうたWiki)
人は(後に記憶は消されるとはいえ)5億年の時間を一人で目覚めて過ごせと言われたらどうするのかどう過ごすのかがテーマなのかと思いきや、毎話宇宙論や哲学のワンテーマがラップでダイジェスト的に展開されるので、そういうものを一つ一つ披露する為のフォーマットなのかなと。ちょっと飛び過ぎな例えかもしれないですが、京極夏彦の京極堂シリーズのような。
主演が野沢雅子でナレーションが銀河万丈というクラシックなキャスティングは当然作者のこだわりなんでしょうが、正直野沢雅子の方はやっぱり古く聴こえるというか存在が作品の"雑音"に感じます。野沢さんがある種の"イメチェン"に努力しているのも分かりますけど、聴き辛いものは聴き辛い。とりあえず次の"テーマ"が何かなという楽しみはあるので、見続けるとは思います。
異世界薬局 (Wiki)
これ前にもやってなかったっけ、再放送かな?と思ったくらいにありふれた題材・タイトルですが、新作でした。(笑)
原作は小説。この作品の内容的にも想像はつきますが、科学系SF系の話が得意な人のよう。
監督は『魔法少女リリカルなのは』シリーズや『艦これ』アニメの人。・・・『艦これ』は実は気に入って劇場にも見に行ったんですけど、余り他のこの人の作品で映像的鋭さを感じたことは無いので、誰か別の人の手柄なのかなと想像。
構成は『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の"小説家"の人ですが、アニメ脚本家としても『ガーリッシュナンバー』の原案・シリーズ構成や『聖女の魔力は万能です』の構成もやっていて、今作は原作には関与してませんし、これからそっち方面に活動の重点を移すのかなという。『ガーリッシュナンバー』は面白かった。感謝感謝。
『艦これ』の監督で『ガーリッシュナンバー』の脚本と言われるとテンション上がりそうですが(笑)、それは字面だけでやはりこれは"高山理図"さんの作品と普通に考えた方が良さそうですね。
現代の薬学知識を持って中世的世界(の薬師)に転生する定番の設定ですが、"薬師"自体の神話性伝承性がそこに重なって来るのと、その薬学知識の利用に具体的な「化学式」が関わって、それがこの世界の"魔法"ともリンクしている、設定の数枚重ねなところが面白そう雰囲気を作り出してますね。そういう"仕掛け"を剥いだ時に何か見るべきものが残っているのか、そこまでの期待感はまだ無いんですけど。薬師の職業倫理の描写とかは結構面白いと思いますが、それも現代の薬剤師(時代)のものがストレートに反映してるだけにも感じますし。"準備"はある、ただ"実力"やセンスはまだ分からない。
妙に辛い気もしますが(笑)、やはりそこらへんは、タイトルの余りにありきたりな印象が後を引いてるんでしょうね。そのセンスが信用出来んというか。
続編
メイドインアビス 烈日の黄金郷 (Wiki)
1stはもう5年前になるのか。
その間の映画化作品とかは追ってませんが。静かな立ち上がりからなんか二足飛びでいきなりメジャーになったような印象。
メインスタッフは同じで、"助監督"と脚本の補佐の名前だけが消えています。1stが衝撃的だっただけになんか軽い2nd開幕にも見えましたが、作りは特に変わってないようですね。・・・実は最近2話をうっかり見逃してしまって、無料配信も無いのでキャッチアップ出来てない状態で書いてるので多少自信がありませんが。(笑)
とりあえず5年前の評文を再録。
>「イマジネーション」とはこのことかという感じの作品でした。
>"ジブリ"や"ハンターハンター"といったクラシックとの類似は容易に認められますが、
>そんなことが一切気にならない、イメージの豊かさ、自然さ。
>音楽なんかでも感じることですが、見かけの"オリジナリティ"が気になるのは、
>要するにその人の個人としての才能が大したことが無いからなんですよ。
>本当に才能がある人は、何をやっても"オリジナル"になるんです。真似してもオリジナル。
果たして作者(アニメスタッフを含めて)は、過去の自分たちの作品という"オリジナル"に、負けずにいられるか。それが2ndの注目点?(笑)
シャドーハウス -2nd Season- (Wiki)
こちらは去年の作品で、スタッフはこちらも変わらず。WOWOWが見逃し配信してくれなくなったのが変化(笑)。放送同時配信だけするって何その未練がましいの。前の権利が一部残ってたのかな。
ダブル主演の反逆の"シャドー"ケイト役には鬼頭明里さんが配されてますが、唯一無二の凛とした落ち着きボイスで最近やたら目にする名前に思えて、特に『まちカドまぞく』の"千代田桃"役が好き過ぎて効き過ぎて(あのじわじわ真実を突きつけて来る感じ(笑))結構僕はたまらなかったので、他にどんな役をやっているのかチェックしてみたところ・・・
まちカドまぞく(2019年 - 2022年、千代田桃) - 2シリーズ
虚構推理(2020年 - 2023年、岩永琴子) - 2シリーズ
シャドーハウス(2021年 - 2022年、ケイト) - 2シリーズ
BIRDIE WING -Golf Girls' Story-(2022年 - 2023年、イヴ) - 2シリーズ
役名見てはっきり演技を思い出せるのは、この4つだけでした。あれ?そんなもんか。
ちなみに鬼滅の"禰豆子"役は、ちょうど禰豆子が出て来たあたりで僕はアニメを脱落してるので、カウント出来ません。(笑)
『虚構推理』の"岩永琴子"も言われてみれば鬼頭さんらしい役ですけど、当時は特に声優は意識してなかったな。
『BIRDIE WING』の灼熱爆弾娘"イヴ"役は意外性がありますが、こちらは声の低さというよりも"太さ"を活かした役ということでしょうね。どちらのパターンでも、「鉄の心臓」という印象は同じですけど。(笑)
でも"鈍感"という意味ではなく、自分や事態に逃げずに常に正面から正対して向き合う、性根の真っ当さと論理性があるという、そういうタイプですね。そこから少し揺れる時がまた面白くて、『シャドーハウス』で言えば自分に求愛しているジョンの、愛すべきではあるけれどあまりなお馬鹿さ加減にガチギレする時とか凄く可愛いと思います。(笑)
ただもう一つくらい僕に名前の印象を付けた作品がある気がするんですけど、分からないなあ。『トニカクカワイイ』とかも作品は印象に残ってるんですけど、演技の印象は特になあ。"鬼頭"姓の別の人の印象と混ざってるのかな。(誰だ?)
とりあえずは千代田桃との再会を心待ちにして(笑)、今期の分は終わりです。
岩永琴子は来年らしい、ずっと言ってるけどほんとに来るのかな。(心配笑)
新作
SPY×FAMILY (Wiki)
そのSPY×FAMILY。
切った理由としてはまず僕が基本的にスパイものに不信感があるのと"SPY×FAMILY"的組み合わせが"意外性"という名の予定調和、一種の数年来の流行りものに感じたというのと、とどめは多分1話で出て来た女暗殺者たちの謎の"愛国"主義で、それを肯定的に描こうと否定的に描こうといずれ陰鬱で頭でっかちになりそうな予感に見る前からうんざりして、かなり食わず嫌い的な切り方をしてしまったようです。(笑)
実際「企画書」レベルだと、つまんなそうだなという感想しか未だに無いんですけどね。ただ出来上がりは結構面白そう。
・・・女の子の"テレパシー"設定って最初からありましたっけ、記憶に無い。寝てたのかな。(笑)
原作は漫画。
監督・シリーズ構成の古橋さんは、監督としては初代『HUNTER×HUNTER』『RD 潜脳調査室』の印象が強いですね。シリーズ構成の印象は無かったですが、過去作としては『ジパング』『あまつき』があります。
可愛いだけじゃない式守さん (Wiki)
こちらも何か"公式"通りの「意外性」という感じで疑いながら見てましたが(最近の方法論的"洗練"はたまに息が詰まる)、爽やかでいいですね。
"不運"主人公はそれ以外特に何も無い感じに見えますが(式守さんには"優しく"見えているよう(笑))、式守さんの"変身"(男前化)は極端なようで意外な程不自然さやグロテスクさがなく、何か人格の貫通性なり「男前」とは何かみたいな普遍的な問いを作者がちゃんと見た上での造型なのかなと思ったりはしますが、もっと感覚的なものな気も。
最新3話で出て来た主人公のご両親がなんか良かったです。正体不明な感じですが何かしら"深い"描写が・・・されてるようにも見えたんですがでもやっぱり勘でやってるのかも。(笑)
まだ謎です。
原作は漫画。
監督はイラストやゲームの世界でも活動している人で、アニメの監督歴としては『先輩がうざい後輩の話』。なるほど、分かる。
副監督は監督未経験の人で、"助手"的な位置づけか。
構成は小説家作詞家の顔も持ち、主に子供向け作品で活動して来た人のようですが、近年はその『先輩がうざい後輩の話』や一転"大人"向けな(笑)『抱かれたい男1位に脅されています。』などにも進出して来て売れっ子になりつつある人のようです。
BIRDIE WING -Golf Girls' Story- (Wiki)
企画・原作・制作 - BN Pictures
監督 - 稲垣隆行
シリーズ構成・脚本 - 黒田洋介
なんか意外でしたがバンダイナムコによるオリジナル作品。ゲームでも作る予定があるんでしょうか。
主人公のド直球な性格とゴルフは初発のインパクトは抜群ですが、成功した漫画なり小説なりの裏付けが無いとそんな勢いでどこまで話をもたせられるのか、若干不安ではあります。現時点でも既に余りにも"ピーク"的シーンばかりで、ストーリー上の位置感というか遠近法みたいなものが分からない感じで見ているところが。(笑)
監督は業界キャリアは長いようですが、過去の監督作品は一本も記憶に残っていなくてううむという感じ。見事に一本も無い。
構成の黒田さんの方は勿論存じ上げております(笑)。『ハチミツとクローバー』『おおきく振りかぶって』『機動戦士ガンダム00』『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』あたりが印象に残っている作品。
それにしてもえらい序盤で宿命のライバルらしき相手との"再戦"が実現してしまって、これからどうするんでしょうね。"2人"にスポットが当たり過ぎて、これからライバル群像劇みたいにするのも難しそうだし。とりあえず見てはみますが。
勇者、辞めます (Wiki)
原作はゲーム会社の名前かなと思ったら、ラノベ作家のペンネームでした。
"クオンタム【quantum】=量"ってスケールが大き過ぎて、かなり有名にならないとなかなか検索上位に出て来なそうな感じ。(笑)
総監督は『ハイスクール・フリート』『最果てのパラディン』『終末のハーレム』の人。なんか統一性が無さ過ぎる気が。(笑)
監督は『雨色ココア』シリーズの人。
構成は『ゾンビランドサガ』『群れなせ!シートン学園』の人。
なんか全体的に、"そこそこ"の実績のスタッフが寄り集まって作ってるような印象の作品。
勇者や魔王が転職する話(今回は勇者)は書き尽くされている感じですが、今回は勇者の再就職先の「魔王軍」の満更ただのギャグや意外性狙いでもない感じの人情深さ、"仕事"への真剣さが異色な感じで、戦争にも倫理を求める魔王のヒューマニズム(?)がどこから来るのかそもそもの狙いは何なのか、結構真面目に関心があります。
基本本当に、"仕事"もの"会社員"ものという感じですね。(笑)
アオアシ (Wiki)
原作は『フェルマーの料理』『てんまんアラカルト』の2大傑作料理漫画で知られる、"才能"や"技量"、そこに込められた「理」について描かせたら当代屈指と僕も尊敬している漫画家さん。
一転サッカーを描いたこの作品の原作は、僕は2巻かな、3巻かな?、主人公がヴェルディ・ユース(風名門ユースチーム)の動機の仲間たちとファーストコンタクトを遂げたあたりまでは読んでいます。
監督は『RELEASE THE SPYCE』の人、て言っても知りませんが。
"チーフ演出"の人は、要はサッカーシーンの演出の監修。
構成は『ケロロ軍曹』『ワールド・デストラクション』『べるぜバブ』とやや傍流な感じの作品から始まって、ただ後には『Free!』『ALL OUT!!』とスポーツもので実績を積んでいる人なので、そういう意味では結構作品の題材に合わせてちゃんと集めたスタッフのようですね。
まあ単純に読みかけの原作の続きを見られるのが、楽しみです。(笑)
あんまり"Eテレ"っぽい作品には思えないんですけどね、総合ならまだ分かりますが。
続編
まちカドまぞく 2丁目 (Wiki)
基本スタッフは前作と変わらず。
相変わらず面白いというのと、キャラが増えて焦点が分散しても、"それぞれがそれぞれに絶妙にすれ違いながら共存している"というこの作品独特のバランスが、全く崩れないのが凄いなと思います。こんなに幸せなディスコミュニケーションがこの世に存在するとは!(笑)
まあ主人公がお馬鹿過ぎて桃がいいコ過ぎるだけとも言えるかもしれませんが、ただその他のキャラのそれぞれのずれ方を見ると、どっちみち作者はこんな感じに曖昧に「寛容」に、世界を落ち着かせたい人なんだろうなとは思いますね(笑)。ほんと上手い。
・・・「中世」「オカルト」好きということなので、いい意味での(?)"百鬼夜行"的なイメージですかね。(笑)
キングダム (Wiki)
ここもスタッフは前シリーズと変わらず。
この作品はともかく、"戦場"の大規模戦闘の描き方はほんと迫力&説得力があるんですよね。僕が知っているどの"本場"中国製歴史ドラマ/映画(それ自体はその方面において世界的に見ても抜けてレベルは高い)も到底及ばない"本格"感。("リアル"なのかどうかは、実際問題誰も見たことが無い(笑)でしょうから分かりませんが)
軍師系の戦略の話も面白いし、恐らく本来の作者の資質はそちらにあるんだろうなと。
だから主人公周りのいかにも"熱血"「少年漫画」的な振る舞いや性格表現やそういうのは、不本意というかある種型に合わせてやってるだけなのではないかと、思ったりします。(恋愛描写とか箸にも棒にもかからないですよね)
ほんとにいつまで経っても主人公が好きになれなくて、そこが難点。あっちの親友の方が助かれば良かったのに。(それでは最初から違う話になる(笑))
以上。
新作
リアデイルの大地にて (Wiki)
原作は「小説家になろう」サイトに投稿された小説。
監督は『異世界はスマートフォンとともに。』『神達に拾われた男』と僕も結構好きだった作品の人。攻撃性とまったりの、バランスを取るのが上手い印象があります。この作品の持ち味も同様で、のんびりした中に退屈しない程度にシビアな要素が入って来る、安心バランス。(笑)
構成・脚本はお馴染みの人で、『少女終末旅行』『転生したらスライムだった件』『神達に拾われた男』あたりが僕も好きだったもの。別名義で『怪物王女』『はじめの一歩 New Challenger』なども。
"ゲームが現実になった"系ストーリー。元々はマスター級プレイヤーだったヒロイン対元NPGたちということで、圧倒的なチートぶりは基本揺らぎそうにないですが、今後は"人間"プレイヤーが続々登場して来てそれが敵なのか味方なのかそして世界はなぜこうなったのかが、明かされていく展開なんでしょうね。とにかく気楽に見られて、1日の終わり(MX23:30放送)にはいいです。(笑)
ハコヅメ~交番女子の逆襲~ (Wiki)
原作は勿論、モーニングで連載中の漫画。
監督は"堅実""職人"派の筆頭という印象のある、ベテラン監督。福本伸行原作作品がとにかく代表ですが、他に『ONE OUTS -ワンナウツ-』なども。これに今回のハコヅメも加えると、意外と"皮肉"が効いたひねくれた作品が得意なのかなと改めて。
副監督は弟子的な人のようで、過去にも組んでいます。
構成の人は結構作品歴はあるようですが、どれも特に見た記憶が無い。
まあ総じて原作を過不足なくアニメ化している印象で、不満はありません。最初の方の設定とか結構忘れてるので、色々思い出せて楽しいです。
スローループ (Wiki)
原作は漫画。
監督はサンライズの最近ではエース的な存在で、昔はロボットものバトルものの印象が強かったですがいつの間にかすっかりそうでもない感じに。代表作は・・・『バクマン。』になるのか。なんか意外。他『城下町のダンデライオン』や今期の『失格紋の最強賢者』も。副監督はこちらもその弟子的な人のよう。
構成は『小林さんちのメイドラゴン』や『うみものがたり』の人。
よくあるまったり/内向主人公/奇妙な人間関係での癒し的なストーリーを、最近人気の釣りを題材に描いたもの。ただ単にくっつけたというより、「釣り」自体に内在する性格と人間側のそれを上手く重ねた感じで、それなりに心に響いて来るものはあります。釣り好きの人たちの生態のおかしさは、かなり面白い&リアルな感じ。
失格紋の最強賢者 (Wiki)
原作は・・・ああこれペンネームなんだ。原作権を持つ会社の名前かと。
漫画も出ているようですが、元は小説。
監督は既に説明した通り。最近"副監督"制度多いですね。昔は新人監督をベテランがサポートする系が主だったと思いますが、最近は逆に"見習い"監督系が主でこの人もそのパターンのよう。
構成は比較的新しい人で、『ゲーマーズ!』『メルクストーリア』『浦島坂田船の日常』って知らないな。今期同時にやってる『薔薇王の葬列』もこの人のようです。
安定のチート主人公系。チートなんで主人公は安全、しかもその最強主人公がいい人なので世界も安全という、どんだけ安心したいんだという感じもしますが"妄想""現実逃避"としてはとても合目的的ではあるかも(笑)。虚構でわざわざストレス受けたくないという。(笑)
実際楽しいですしね。僕も嫌いじゃない。
時光代理人 LINK CLICK (allcinema)[百度百科]
大陸中国産アニメ。オリジナルの放送(配信)は2021年。
監督・脚本の李豪凌氏は、基本アニメーターというか監督というか要するに"絵"の方の人であって、この作品では脚本も書いていますが過去の仕事は代表作『天官賜福』も含めて文芸部門は担当していないようです。・・・にも関わらずの、この作品の"ドラマ"の骨太さは一体何だ?!という感じですけど。
正直日本的な"アニメ"を見る感覚で見始めると、不意打ちを食らいますよね(笑)。こんな本格ドラマ聞いてないよ、やめろ泣いちゃうから。(笑)
ただし僕は現代ものに限ってもこれまで120本以上の中国ドラマを見ている(参考)多分少し珍しい人ですが、その立場から言わせてもらうと中国"ドラマ"の平均も、こんな高くは全然ありません。標準を余裕で上回っています。だから基本的には、この"アニメーター"氏の今まで出ていなかった個人的才能の問題だと、とりあえずは受け止めていいのではないかと。どこにでも才能のある人はいるという。
まあ未だ"親孝行"の文化や"家族"の結びつき等の濃密な中国では、ツボにはまると今の日本ではなかなか出せない骨太で重い"ドラマ"が出現すること自体は割とよくある事なので、そういう意味では「典型」で「代表」的な中国フィクションだと言って言えないこともないだろうとは思いますけど。
しかし面白いですねこれ。日々の"個人"的ドラマだけでなく、3-5話にかけて展開された"大地震"の集団的悲劇のドラマも、堂々とかつ他のエピソードと地続き(地震にかけた訳じゃない(笑))で描き切っていたのは驚きました。本当に力量のある人だと思います。参った。
アニメ制作会社の社長でもある李豪凌氏。
気鋭のアニメ制作会社「絵梦(えもん)」 日本本格参入から見えるものとは? 代表取締役・李豪凌が語る(アニメ!アニメ!ビズ)
中学生くらいの時から『スラムダンク』など観ており元々アニメは好きだったのですが、大きなきっかけは大学生の時に訪れました。テレビアニメ『最終兵器彼女』を見て、非常にショックを受けたんです。悲しい物語でしたが、自分にとってインパクトが大き過ぎてその後一ヶ月くらい沈んでしまいました(笑)。そこで、アニメ作品というのは誰かに大きなインパクトを与えたり、気持ちや世界観をガラリと変える力を持っているんだと実感したんです。アニメーションを作るということは有意義で価値のある仕事なんだと思いました。
ですって(笑)。読む限りアニメの背景しか見えないんですけど、でもこれアニメの"ドラマ"じゃないよなあ。明らかに実写の方の匂い。含めて"才能"ということなんでしょうか。
過去ちら見したこの人の"監督"等その他の作品にはさほど感銘を受けなかった(失礼)ので、今後は是非オリジナル作品で、むしろ"脚本家"として活躍して欲しいと思ったりします。
シリーズもの
ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン (Wiki)
ほぼ馴染みのスタッフで回している感はありますが、一応総監督が前シリーズ(4th)までの津田尚克氏から1st,2ndで"シリーズディレクター"を務めた鈴木健一氏に、監督が3rdのシリーズディレクターだった加藤敏幸にという、なんか誰がどこやってもいいような印象ですが(笑)。どうせみんな仲間なんだろうというか。ジョジョの愛好サークル?
構成だけはずっと変わらず。見守るママ?
範馬刃牙(Wiki)、進撃の巨人 The Final Season(Wiki)は前シリーズと全く同じ。
最初はもっとヒロインと色々な人たちの話かと思ったんですが、結局ただの恋愛もののようですね。
メガトン級ムサシ (Wiki)
"レベルファイブ"というのは"総監督"以下の日野晃博氏の会社なので、まあ名義上の原作権。
その日野氏は基本はゲームクリエイター/シナリオライター。代表作『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』『イナズマイレブン』『妖怪ウォッチ』。おお。(笑)
それらの大量の派生アニメ等に関わりつつ、本腰を入れてのオリジナル(テレビ)アニメがこれということですかね。
監督も同様の作品に絵コンテ・演出で関わりつつ、「監督」としてはこれがテレビ初。(映画はある)
監督補佐の人はそれらのアニメで既に監督を務めていた人で、今回は補佐に回るというそういう関係。
喧嘩好きで元気な少年たちがロボットに乗って暴れまくる一見また子供向け作品のような体裁ですが、不思議に大人も普通に見られる作りに見えます。今川泰宏(Gガンダム)/島本和彦的なおしゃれ暑苦しい系(?)のラインには乗っていると思いますが、そこまで暑苦しくも感じない。不思議なバランス感覚、不思議な見易さだと思います。
"喧嘩好き"主人公が戦闘では結構な(即興ではありますが)策略家なのは今風ですね。正にそれを見込んでスカウトされたようなのも、面白い。楽しく見ています。
終末のワルキューレ (Wiki)
オリジナルはネトフリ。
原作は漫画。作者・・・の中の「原作」担当者の他作品としては、『天翔の龍馬』『ちるらん 新撰組鎮魂歌』。ま、知らないですけど。(笑)
監督は主に原画マンとして活躍していた人で、映画の経験(『マイメロ』『プリパラ』)はあるようですが、連続アニメシリーズの監督はこれが初めての人。
構成・脚本は『少女終末旅行』『転スラ』『神達に拾われた男』等。"ふでやすかずゆき"名義でも多数。割と共通して、ふんわりほんわかした話の多い印象の人。
・・・が、これは(笑)。全然。
神々と人類の一騎打ち格闘のはったり命の大馬鹿話。(笑)
ツッコミどころや設定の謎はいくらでもあるでしょうが、今のところ楽しく見れています。
"謎"というか、余りに馬鹿設定で強いとか弱いとかは作者のさじ加減一つなので、真面目に考えるのはこちらも最初から放棄せざるを得ない感じ。(笑)
ユニークな点としては、やはり"ワルキューレ"が間に入ってる事でしょうね。血を喜ぶ戦闘妖精のイメージしかなかったんですが、それがなぜ身を挺して人類に味方するのか。正直戦ってるだけでも面白いは面白いんですが(笑)、出来ればそこらへんの謎も説得的だと嬉しいなという。
テレビで見てると話の進みの遅さに心配になりますが、そもそもネトフリなのでまあそこらへんは大丈夫なんでしょう。期待しています。
世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する (Wiki)
原作はラノベ。同じくアニメ化された『回復術士のやり直し』の原作者でもある人。
監督は『魔王学院の不適合者』『賢者の孫』の人。
構成は『バカとテストと召喚獣』『それでも町は廻っている』の人。名前よく見る割に他の作品は余り馴染が無いな。
これは何というか、原作者のセンスというか頭の良さを感じる作品だなと。
冒頭の転生前の"ハードボイルド"パートも、苦いかと思えば甘い、甘いかと思えば苦いの反転が実に巧みで騙されましたし、転生に対する主人公の筋の通った受け止め方やパラメーター決めの細かさにもうならされました。
現在は絶賛チート少年萌え萌え魔術修行パートですけど(笑)、その中でもやはり設定の細かさというか世界設定"解析"の面白さは、相当なものですね。作者が自分で作っている世界なのに他人事のように"解析"して、それがちゃんと成り立ってるのが面白いなという。
若い子は頭いいですねえ。(そんな感想(笑))
プラチナエンド (Wiki)
原作 - 大場つぐみ(原作)、小畑健(作画)
シリーズディレクター - 髙橋秀弥(1st)、黄瀬和哉(2nd)
シリーズ構成 - 猪爪慎一
原作は漫画。ご存知『DEATH NOTE』『バクマン。』の黄金コンビ。
監督はシーズンごとに交代予定のようですが、とりあえず今放送されているシーズンの監督は、『覆面系ノイズ』と『競女』の人。うーんなんだこの落差は(笑)。言われてみれば、ハイセンスかつ露悪というように見えなくもない今作品ですけど。(笑)
構成は『ハヤテのごとく!』『絶対可憐チルドレン』と2000年代後半に印象的な作品のあるベテラン。しばらく空いて去年の『グレイプニル』みたいな感じですかね、話題作としては。
何となくですけど原作者側のオファーで、あえてベテランが起用されている気が。既にしっかりした原作があるので、手堅くやってくれる人がいい的な。(あるいは単に昔なじみの可能性も)
"天使が仲介する仁義無用の神選び知恵比べバトル"という内容的には、『DEATH NOTE』の系譜と言えばそうかも知れません。ただどちらかと言えば僕はもっと若い世代の「知恵比べ」「アンチモラル」好きのモードに、ややベテランが寄せて作ってる印象が強いです。新しい土俵で古い人に何が出来るか的な。まあ"『DEATH NOTE』が作った"土俵と言えない事も無い訳でしょうが、ただそれにしても少し"間借り"感があります。
このコンビなので勿論見応えはありますが、正直まだ面白いとまでは感じてないですね。今後に期待。
最果てのパラデイン (Wiki)
原作はラノベでこれがデビュー作の人。
監督は『ハイスクール・フリート』『くまクマ熊ベアー』と、僕のアンテナには引っかからなかったけど結構話題になった作品の人。
構成はゲーム出身の人で、アニメでは『アイドルマスター シンデレラガールズ』『エロマンガ先生』『刀使ノ巫女』などの人。
デビュー作という事ですが独特の落ち着いたトーンが印象的ですね。世界滅亡後の3人のゾンビに育てられる人間の子供の話という、設定自体は凝っているんですが、描かれているのはかなり普遍的な人間の感情、人間関係の話。それも"型"という以上にそれぞれのキャラクターへの愛情や洞察に溢れていて、いわゆる"ラノベ"の枠に特に収める必要の無い感じの人。『狼と香辛料』とかに近い印象?
ただ今後は本格的に戦いの日々が始まるようなので、そうほんわかもしてられないでしょうしさてどうなるのかという。楽しみです。
王様ランキング (Wiki)
原作はweb漫画。脱サラしての遅いデビュー作だそうです。
その前は絵本作家を目指していたそうで、なるほどそういう雰囲気もありますね。
監督は・・・これが初監督のよう。へえ。それでノイタミナ。結構独特の世界観ですけど、それは基本原作由来なんでしょうかね、だとすると。
副監督はじゃあベテランかと思いきや、アクション演出が専門な人みたいでそういう分業かあという。
構成は勿論『ハイキュー!!』の人ですが、この人こういう熱血系以外は『僕だけがいない街』『イジらないで、長瀞さん』と意外なタイプのものをやってるんですよね。どうも『ハイキュー!!』の印象が強くてそういう時あれ?と思ってしまうんですけど。(笑)
主人公王子が本当にボケているのなら、ある意味よくあるヒューマンなファンタジーになるんでしょうけど(最初そうかと思いました)、実は悔しいとか恥ずかしいという気持ちをちゃんと持っている、向上心も負けん気もあるのがドラマとしての複雑さを生んでいますね。
しかも周りの王宮の人も単純に権力闘争をしているわけでもボケ王子をバカにしているわけでもなく、実は"救世主"的に密かに期待して守っているような気配も。そこに更に、暗殺者一族の謎生物も絡んで・・・複雑です。
気が付くと結構味方も多いので、主人公王子が"成功"するのは見えやすい気もするんですが、逆に多過ぎるのでまとめて駆逐されるような未来イメージも。謎生物は・・・覚醒して一回王子を裏切って、また戻る的な感じかな?
とにかく先を見たいです。(笑)
ブルーピリオド (Wiki)
原作は勿論僕も毎月読んでいるアフタヌーンの漫画。オリジナルの連載はこれが初めてのよう。
"総監督"という謎のポジションには、『かみちゅ!』『NG騎士ラムネ』『セイバーマリオネットR』で監督をやった人。正直そこまで"偉い"人の経歴には見えない。(笑)
まあ監督は初監督の人なので、それに比べれば十分に経験豊富ではあるでしょうけど。
構成は『けいおん!』『ガールズ&パンツァー』『ハイスクール・フリート』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』と、気が付けばヒット作沢山ですけどあんまりストレートにあれは傑作だったなみたいな重みの感じられない作品群の人で、一応"芸術"を扱っているこの作品の担当がこの人でいいのかなと若干の違和感。まあ原作が既に確立した作品なので、あんまり関係ないとは思いますが。
ともあれ。
アフタヌーンでは"途中"からしか読んでない僕がアニメで序盤を見て思ったのは・・・あ、俺やっぱりこの主人公あんまり好きじゃないんだと(笑)。だからのれる回はのれるけど、のれない回もよくあるんだと。
なるべく"一般人"を主人公にしようとした作者の意図は分かるんですけど、やっぱり少し軽薄というか上っ面な印象は、時々受けますね。世田介くんが「何でも持っている人がこっちに来るな」というのは分かる。(それを描いている作者も勿論分かって描いてるんでしょうけど)
そう言われた主人公はだから絵を辞める必要は無いですけど、割とストレートに怒っていたので本人はあんまり自覚無いんだなという。言われる理由に。
その分考えて勉強して分析して"攻略"法を主人公は考えて行くわけですけど、正直あんまり成功して欲しくない、こちらの勉強にもなるので描写自体は有難いですけど。(笑)
という、あんまり応援していない主人公の話。変に情熱的な"狂言回し"のストーリーというか。
何かもう少し態度が違えば、"一般人"の挑戦を応援出来ると思うんですけど、何が違うのかなあ。考え中です。(笑)
ワールドトリガー(S3)は、変わらず問答無用に面白いです、楽しいです。他に言うこと無い。(笑)
もう8月も終わりですが。
『ピーチボーイリバーサイド』 (Wiki)
原作は元々は2008年のweb漫画らしい。
そのリメイク版が2015年から月刊少年マガジンRで連載されていて(珍しいパターンだなあ)、その雑誌自体は僕も読んでいるんですが読んだ記憶が無い(笑)。多分一回だけチェックしてスルーしてる。
・・・タイトルが悪いと思うんですよね。"ピーチ"ボーイを"ビーチ"ボーイと空目して、最近よくある海orプールで"男の裸が沢山出て来る"タイプの漫画かと思って、その時点で読む気が削がれる。多分"引っかけた"タイトルなんでしょうけど、僕には逆効果。(笑)
実際は"ピーチボーイ"、"桃太郎"の話。
大きくは「人間」と「鬼/妖怪」のコンタクトもので、その延長で"差別"感情とはどういうものかというテーマを結構シリアスに追求している作品ですが、ヒロインとあともう一人いる鬼退治の専門家の異能人"桃太郎"がそもそも何なのか、人間なのかあるいは鬼との混血だったりするのか、正体が分からないままなのでなかなか構図が見え難い。(他にもいそうな気もするし)
とりあえずは"恐れから(鬼を筆頭とする)異種族を無暗に差別する人間たち"と、鬼らしいと言えば鬼らしいてずが人間を殺すことを何とも思わない、どうも蔑視しているようにも見える鬼たちのどちらも道徳的に正当化されないぴりぴりした状態のまま進んでいる、難しい作品。
人間の"愚かさ"は既にだいたい描かれたので、今後は鬼の"動機"や"起源"が描かれてそれによって作品の意図が見えて来る感じなのかなあと。
監督は30年以上のキャリアのある古い人で、でもこれが初監督のよう。特に"ベテラン"感は感じないですけどね。良くも悪くも。(笑)
構成は『ヒナまつり』『五等分の花嫁』『安達としまむら』等の人。
『ぼくたちのリメイク』 (Wiki)
挫折したアニメ業界人がタイムスリップで過去に戻って大学時代からやり直す話。
大学にいる未来の業界花形の卵たちに、主人公が業界経験からの世知を提供して創作活動を助ける、未来において憧れていたクリエーターたちの"仲間"になる逆転ストーリーで、「映画」「アニメ」「ゲーム」等の映像メディア製作の工程の描写がかなり詳しくて面白いけど、他の部分はどうでもいいなと思って流して見てましたが、ここ1,2回で急激に未来改変/過去干渉の問題がシリアス化して来てあれれという。なんかまどマギの"キュゥべえ"みたいな邪悪キャラも出て来たし。(笑)
あれはもう一人のタイムスリッパーなのかな?これからラストスパートで更に面白くなるのか。
原作は小説で、構成も兼ねている原作者は基本はゲームシナリオライターのよう。
確かにアドベンチャーゲーム的な"選択"の物語。
監督は『セイレン』『アカメが斬る!』等の人。
『かげきしょうじょ!!』 (Wiki)
原作は漫画。集英社の雑誌でスタートして途中移籍して講談社漫画賞にノミネートという、変わった経歴。(笑)
監督は『暁のヨナ』『カブキブ!』等の人。
構成は基本実写の人で、アニメは他に『暁のヨナ』ということですから、この監督とは特別の絆があるんでしょうね。
宝塚(を擬した「歌劇」界)の養成学校の話。
大器だけれど問題も大ありのド天然のヒロインも、サブ主人公的な元一流アイドルのコミュ障少女も、どちらも描写が極端過ぎて正直感情移入は難しいんですけど、それ以外の"普通"の候補生たちは凄くリアルで彼女たちを通して宝塚の魅力や厳しさがよく伝わって来ます。並行して歌舞伎の世界も描かれているのも、お得感があります。(笑)
ヒロインに感情移入出来ると、もうちょっと熱くなれるんでしょうけどね。あんまり笑えないタイプの天然で、割と普通にいらつくことも多くて。(笑)
『平穏世代の韋駄天達』 (Wiki)
遅れて始まりましたが今期一番面白いかな?
原作は漫画。"クール教信者"というのは『ピーチボーイリバーサイド』と共通ですが、あちらは"原作"担当でこちらは"作画"担当という、ややこしいというか珍しいというか。ともかくだから、そういう意味で2作の直接比較は意味が無いので注意という。
こちらの原作は性的な内容でアニメが一部で話題になった(そして放送中止になった)、『異種族レビュアーズ』の人。なるほどねえ。
この作品も"輪姦されるシスター"や"性感を刺激されて屈服する魔族"のような結構過激な"性的"描写が出て来ますが、タッチがそこまでシリアスではないのでポルノちっくかと言えば特にそうは感じない。内容的にも強調されているのは「戦争にレイプはつきもの」(兵士たちの一番の楽しみはそれ)、「人間(含む生物)は苦痛には耐えられても快感には耐えられない」という、ある種"科学"的な冷徹さがメインというか本意というか。
更に主人公たちは"韋駄天"という「神」なので、人間界の倫理や人間同士の争い("戦争"含む)には無関心で、より広い「世界」というスケールでの問題として魔族と戦っているだけで、そういう意味でも冷徹。(正確には"冷淡"か)
というわけで一応"主人公たちに感情移入する"という普通の見方で見てはいるわけですが、いずれより「人間」が絡んできた時にどういう見方になるのかは、謎な部分もあります。(笑)
そういう意味では上では"クール教信者"という共通項で(彼?個人の作家性で)の比較には意味が無いと言いましたが、「人間」の愚かさ自体は既に断罪済み切り捨て済みという突き放した距離感という共通項は、やはり(『ピーチボーイリバーサイド』と)あるにはあるようですね。鬼/魔族の味方ではないけれど、人間の味方でも必ずしもない。
当面は韋駄天と魔族たちとの、異能バトルものとして楽しんではいますが。基本一方的に韋駄天が強くはあるんですけど。(笑)
策謀も入り組んでますし、どういう話なのかまだまだよくは分かりません。何か着地点があるのかな?みんな糞野郎だで終わる予感も無くは無いですが。(笑)
監督はテレビアニメの監督は初めての人で、他に『劇場版 はいからさんが通る 後編 ~花の東京大ロマン~』(2018)の監督経験のある人。
構成はとりわけ尖った作品の担当の多い印象の売れっ子の人。『呪術廻戦』『進撃の巨人 The Final Season』『ドロヘドロ』『モブサイコ100』等。
以上です。
他にEテレ『不滅のあなたへ』も引き続き見ています。
内容/コンセプトは面白いんだけどなんかだるくて、見る前のワクワク感が無いんですよね。多分真面目過ぎるんですね、作りが。見てますけど。
ああ、あと『キングダム』か。4回に1回くらい、"戦略"性が強い回は面白いかな?"少年漫画"色が強い時はどうも駄目。早く進撃の続きが見たい。