ヴェルディ、代表、グラドル、漫画、アニメ、等
キリン杯コートジボアール戦
2008年05月25日 (日) | 編集 |
うーん、”岡田”ジャパン。

キリン杯2008 日本代表 ○1−0● コートジボアール代表(豊田)

これが日本の等身大。


バーレーン戦後の岡田監督の”オレ流”発言に対して、一部で(サポティスタのコメント欄とか)「自分を棚に上げたオシム批判だ」or「責任のなすりつけだ」的な反応が出て来て、僕はかなり意表を突かれたんですが。
いやあ、その発想は無かったわ。

僕の考えは当時も言った通りで、あれは純然たる自己嫌悪、誰でもない自分に対する怒りで、前監督の影に遠慮して中途半端なチーム作りをしてしまったこと、あるいはそんなお茶濁しで何とかやり過ごせるだろうとどこか油断していた自分、挙句見るも無残な結果を引き出して、それが思い通りにやった結果なら引き受けもするけれど、そうじゃないので気持ちの置き所が無い、ああ、死ね氏ね、死んでしまえ、豆腐の角に頭をぶつけてな俺!という、そういう猛省からの決意表明だと、素直に受け取りましたが。

言い換えれば問題は「前監督」なのでオシム個人ではない、つまり理論的問題とは一応別で、そりゃ酒の席でなら岡田監督はオシムのやり方を批判したりするかもしれないし、オシムだって岡田批判はしているかもしれないけれど(笑)、それをわざわざ公衆の面前で口にするほど二人は馬鹿でもプライドの低い人でもないので、自分を基準に下衆いこと言ってんじゃないよと・・・・あらいかん、つい本音が。


と、周到に前フリしておいて(笑)、その上であえて二人の比較という形でこの試合を見てみると、なかなか面白い部分が。
いや、正直ここまでちゃんと”オレ流”で、きっちりまとめて来るとは期待してなかったです。
遮二無二”フレッシュな”人材をかき集めて(&既存の人材のケツを叩いて)何とかしてもらおうという、若干前・現五輪代表監督系の(笑)行動に走ってるようにすら見えていました。

先発メンバーは

GK 楢崎
DF 駒野、トゥーリオ、中澤、長友
MF 長谷部、今野、松井、遠藤
FW 玉田、大久保

松井上がり目の4−3−3に近い運用の、4−2−2−2か。
なんか色々と、納得するチョイス。


まずオシムと岡田を比較すると、やはり自力でチームを”動かす”腕力ということでは否定し難い差があって、だから岡田監督の場合は流動性の確保を、より選手自身の資質に直接期待することになるわけですが。
それで選ばれているのが、今日のメンバーで言えば長友(駒野)であり、今野(啓太)・長谷部(憲剛・阿部)であり、松井(俊輔)であるわけですね。()内はオシム時代の主要な比較対照選手です。

共通選手である大久保のパートナーは今回は玉田で、同じく比較対照であろう巻とはそれぞれ違う種類のモビリティを持っているので難しいところですが、それよりも僕が面白いと思ったのは、玉田が選ばれたということは恐らくファーストチョイスは(辞退を残念がっていた)前田遼一なんだろうと言うことで、オシム時代の巻(ら)やついこの前重用していた田代のようなパワー型からの基準の変化に、少なくともそういう色気は持ってるんだなといい意味で裏切られました。
今野という選択はひょっとしたら単純に啓太が使えないだけかも知れませんが、次に述べるようにこれも可能性としてはなかなか面白いものだと思います。

長谷部はいい時にいい所にいた、うまく「海外組」の箔をつけたなという感じですが(笑)、このポジションでは稲本にかけられている期待も同様に大きいかもしれませんね。
とにかく憲剛・阿部の、攻守の比重に差はあれ「配り屋」タイプからの変化は結構明白かなと。レッズ・ブログの方では(笑)前々から言ってましたが、オシムのままでは”ボランチ”長谷部のチャンスはほとんど無かったと思います。


次にこの比較を別の観点からすると、”腕力”に自信のあるオシムは結構独特な選手のチョイスをしていて、それはつまり「ダイナミックだけど柔らかさやボールテクニックに欠ける選手」(巻・山岸・羽生・啓太ら)と、逆に「柔らかさやボールテクニックはあるけれどダイナミズムに欠ける選手」(俊輔・遠藤・憲剛ら)の、両極端をわざわざピックアップして重用して、複雑に組み合わせてチームを構成していた。
言い換えれば、それぞれのタイプの選手の欠けている・そのままではスムーズに流れない部分は戦術で補うからいい、極端に言えば「俺が動かすからいい」というそういう構え。

それに対してそこまでの自信・手腕の無い岡田監督は、上で言ったように選手自身の元々の資質に多くを負っているので、そんな両極端な、能力に偏りのある選手を集めてやらせるわけには行かないので、結果としてそれぞれの能力をバランス良く持った、能力が真ん中へんに集まった選手を多く使うようになる。
この試合で言えば長谷部、今野、松井、玉田(前田遼?)といったところ。この前までの中心選手、山瀬なんかも大別すればそういう選手ですね。

遠藤は引き続き使われていますが、それは遠藤的な能力が一人はやっぱり必要だからで、ただオシムのようにそれを何人も使うようなことはないでしょうね、出来ないというか。とりあえず一人、プラスもう一人置くかどうか、これから/状況によって考えるというところか。

最終的にどっちが強いかとかそんなことは分かりませんが、どちらがノーマルかと言えばそれは岡田の方で、だから素晴らしいともオシムは間違ってるということにもなりはしませんが、ともするとノーマルであること自体を叩かれかねない勢いなのは、やはり不当だろうと思います。

・・・・今野については選出の経緯にさほどの意図は無い可能性はありますし、所属のFC東京で今季あまりボランチらしい役割をあてがわれていないせいか、この試合のトータルのプレーも必ずしも十分なものではなかったと思いますが、啓太が果たしていた守備のタスクは基本的にこなせるはずですし、攻撃センスについては日本のMF全体の中でも、実はある面出色のものがあると僕は思っているので、期待したいです。
ポリバレントは結構なんですが、大事な攻撃場面で啓太におハチか回って来るのは、やはりちょっと、寒々しい思いを僕は前チームでしていました。(笑)


以上がメンバー選択の観点から見た2人の比較ですが。戦術的ディテールや優劣とはまた別の。
”戦術”的にはこの日お披露目された岡田ジャパンは、要するに「プレスからのショートカウンター」で、まあそれ自体は普通というか、やっぱりねというか。

”日本代表監督”の仕事としても、岡田監督にミニマムに期待されるものとしても、大筋で間違いではなくて、後はクオリティとディテールねという。
(ゲームを落ち着かせる)必要性という意味でも期待という意味でも、もう少しポゼッション色を入れることは今後課題となって来るでしょうけど、ひとまずこの方向で予選は戦えるでしょうし、その先も(ポゼッションと)迷った挙句明からさまに引きこもるような羽目には、多分今の代表選手のクオリティではならないのではないかと。

『接近』云々はもう忘れてあげた方がいいと思いますけど(笑)、強いて言えば「ショートカウンター」の運用部分において、独自色&強味として出て来る可能性はあるかなと。恐らく自然な接近と、意図的な連続という形で。展開は・・・・分からん。
まあ大西ジャパン自体も、文面を見る限り、要するに「パス回しのスキルの高いショートカウンター」だったように見えますし。

とにかく糞詰まりは解消されました。これなら負けても、少なくとも諦めはつく。(笑)


・・・・しかしあれですね、書いてて思ったんですが、例えば岡田さんが集めたようなメンバーで、オシムのサッカーって出来なかったんでしょうか。最初は理解度の高い、千葉の選手らを優先起用するとして。普通の意味で”走れて繋げる”選手自体は、日本には結構いるわけですけど。
何らかあのメンバーである必然性はあった、あるいはあの配合が最も強いor美しいと考えていたんだろうなとは思うんですけどね。

分からないと言えば分からない。千葉の場合はそもそも資源に限りがあったので、その部分は特に問題にならなかったわけですけど。