春高バレー(女子)2019まとめ ~今年も面白かった

まだ準決勝以降が今週末に残ってますが、きっちり名門常連4校というかほとんど上から順に4つ(成徳、金蘭、東龍、八王子実践)に決まって、以後余り新しい発見も無さそうなのでもう書いてしまいます。


総論

去年から見始めたこの大会ですが、今年も面白かったです。感想も概ね去年と同じです。

"頂"(いただき)の高さとは ~春高バレーをヒントに(その1)
「高校」バレーの「プロ」性



Vリーグでは味わえない"チームスポーツ"としてのバレーボールの楽しさを満喫しました。

勿論個人レベルではさすがにVリーグの方が強い弱いで言えば強い、平均レベルは上なわけでしょうけど、ただそれと「試合」としての充実度、「チーム」としての完成度凝縮度は、また少し違う問題なので。
はっきり言って僕が見た範囲では、春高と比べるとVリーグの試合はスカスカだし、Vリーグの各チームはバラバラに感じます。
(『「高校」バレーの「プロ」性』より)


去年書いたことですが、付け足すことも修正することも特に無いですね。
Vリーグはつまらない。昨季の久光独走の不活発も今季の"新リーグ"の散漫も、見るのがかなり苦痛なレベルでつまらない。しかしバレーボール自体は、本来ないし平均的ポテンシャルとしては、もっと面白いものだということを、今年の春高バレーを見ても確認出来ました。

Vリーグだけ見ていると選手が並んでそれぞれにやってるだけのスポーツにしか見えませんが(そういう面も本質的にはあると思いますが)、高校バレーを見ると「チーム」や「戦術」や「訓練」がいかにバレーボールの(でも)試合の帰趨を左右するのかというのが遥かにありありと見えて、楽しいですし結果への思いも深まります。あるいは同じ「戦術」の中で、しかしそれぞれの学校ごとの条件やカスタマイズを経ていかに有機的な"スタイル"が生まれるのか、それを見るのも楽しいですね。そんなところまでVリーグの各チームは、全然行っていない。

普通に考えるとこれは不思議なことで、「毎年必ず主力が卒業して3分の1が入れ替わる」「一発勝負のトーナメントがほとんどで、リーグ戦をじっくり戦う機会が無い」という高校バレーの条件は、チームの熟成・完成にとって大いに不利なはずですけど、それでも"条件"により恵まれた"日本最高峰"(のはずの)Vリーグのチームが及びもつかないような充実ぶりを、出場校の大多数が達成している。(ように見える)

その理由に関して「大会自体の"権威"」("目標"としての真正性)、「各校の監督の高校バレー独特の求心力」ということを去年僕は想定しました(同じく『「高校」バレーの「プロ」性』)。言い換えると、選手は必死にやってるし、監督は本気でやっている、より本気で"チーム"を作ろうと主体的に関与しているということです。(Vリーグの選手や監督よりも)
上で挙げた"条件"の厳しさも、その本気度の前ではむしろ切迫感や集中力の源として、有利に働いている可能性すらある。

まあだから、"条件"はいいに越したことはないけれどある程度から先はそれは言い訳でしかないし、"チーム"というのは要するに「作ろう」として作るものだ、「作ろう」とすることによって初めて出来上がるものだとそういうことですかね。監督が本気で主体的に作ろうとした時に、何か特定のものとして成型されるのだという。
・・・ここらへんはまあ、例のサッカーにおける僕の言うところの「スペイン人監督」の問題(記事)とも、関係して来る話ではあるかも知れません。ロティーナらのスペイン人監督たちは、要はチームを"チーム"として「作ろう」としていないから「出来」ないんだという。Vリーグの監督たちの場合はそれはやる気の問題'(笑)ですが、"スペイン人監督"の場合は視野の限定性という知的問題だというのが、僕の分析でしたが。


Jリーグでも2ステージから1ステージでじっくりリーグ戦を戦う方式に移行して(2005年)、それで試合内容が充実したか"優勝"(チーム)の頂がそれまでになく高くなったかというと、個人的にはそれはあんまりそう思わない。思ったような"足し算"は出来ていないし、逆に息切れして不思議な最終結果になることもままあるようには見えます。
だから"リーグ"なら長期ならいいとも思わない、トーナメントにはトーナメントの、短期には短期の、チーム(作り)に与える独特のポジティブな負荷もあるようには思います。どうせ("本番"の)国際大会は短期だという宿命的問題は、また別にしても。

ということは言っておいて、ただ今回新たに思ったのは、一方で"一発勝負"が常態化することで、ウィナーテークスオールの学校間格差が生まれている可能性はあるかなということは感じました。それが高校バレー独特の、「常連強豪校」の圧倒的優位性。先に強くなった学校が選手もそうですが高いレベルの試合経験を独占して、なかなか新興勢力が割り込むことを許さない構造。強い学校は常に強いしむしろ年々更に強くなる。それ以下の学校はそれに跳ね返されて初めてそれを実感するけど、それにキャッチアップする手段も機会もなかなか得られない。"代表"選手たちの得られる経験値なども含めて、"戦術"すら既存上位の方が優位。
まあ"高校"サッカーでも少なくともこれまでは一発勝負のトーナメントが主体だったわけで条件は同じですが、でもバレーボール程の極端な"寡占"は起きていないので、やはり別にバレーボール独特の理由はあるんだろうとは思いますが。とりあえずは競技人口の問題?人材の限定性。身長体格も含めての。

とにかく春高で見る限り、出場各校の間には、だいたいこういう"ピラミッド""階層"が形成されているとまとめられるかなと。

弱い順に
1.そもそも選手の能力が足りず、戦術情報も不足な僻地のチーム
2A.能力の足りない選手をそれなりによく訓練しているチーム
2B.何人か能力の高い選手はいるが訓練の足りないチーム
3A.それなりの能力の選手をかなりよく訓練しているチーム(この層が分厚いのが高校バレーの面白さ)
3B.結構能力の高い選手はいるが訓練という意味では3Aに及ばないチーム
4.最高の人材を最高の(ないしそれに近い)訓練でまとめてあるチーム

1よりは2、2よりは3、3よりは4が強いですが、各AとBどちらが強いかはケースバイケースというか「選手」と「訓練」それぞれの程度問題。"A"の方が強い場合が多いですが、ただ"B"型のチームは調子の波が大きかったり大会の中でもう一段強くなったりするので。逆に"A"型は疲労のダメージが大きいし、試合の入りに失敗して空回りし出すと、なまじ戦術的なゆえに"狙い過ぎてのミス"が極端に多くなる。
4というのが言うところの常連強豪校で、今回見てて思ったのは能力の高い選手は高いゆえにこなせるプレーの幅も広いので、結果的に"戦術"的にも下位チームのクオリティを上回ってしまう部分があるなあということ。訓練だけでは乗り越えられない。"2A"と"3A"の間にも、このギャップは感じますね。

とにかくサッカーに比べても個人能力の比重の高いバレーボールというスポーツの、しかしそれゆえの"戦術"要素の活躍の面白さと、最後にまた来る"個人"の差の残酷さ、これら全てをまとめて(笑)、堪能出来ました。



その他個別

気になった選手

富士見高校3年の伊藤麻緒選手。

伊藤麻緒1伊藤麻緒2


・・・実物はもっと可愛いんですけどね、髪も今はもう少し長いし。ただ注文のつかなそうないい画像が咄嗟に見つからなくて。後で差し替えるかも知れません。(笑)

とはいえ注目したのは可愛いからではなくて、いや、可愛いという意味では去年から注目はしていたんですが(笑)、ただプレーヤーとして本当におや?と思ったのは今年の大会。
178cmと女子高校生選手としては最長身の部類のミドルブロッカーで、年代別代表にも選ばれている選手ではあるんですが、今一つスピード感やパンチ力が足りなく見えてそういう選手としてはプロや全日本レベルではどうかなという感じ。
ただ今回見ていると通常サーブレシーブ免除のポジション・タイプなのにむしろレセプションの中心としてフルにサーブレシーブに入っているわ、ほぼ"第二セッター"として積極的にトスを上げてるわで、なんか面白いことしてるなと。それならいっそ「178cmあるブロックの穴どころかむしろそれが武器」の"セッター"として育成したらどうかなと、そんな風に思いました。その方が"全日本"的な楽しみはあるかなと。
"ミドルブロッカー"としては、正直同レベルかそれ以上の選手が同年代にも少なからずいるように思うので。
やっぱり可愛いので(笑)、何とか活躍して欲しいです。(笑)


気になった試合

二回戦の佐賀清和×高松南戦。

2-1で佐賀清和が逆転勝ちした試合なんですが、内容的には佐賀清和の圧勝だったと思います。
いわゆる"ファーストテンポ"(セッターがスパイカーに合わせるのではなく、セッターがトスを上げる時にはもうスパイカーは飛んでいる)の速い組み立てからの多角的なバレーを完成度高く行う佐賀清和に対して、高松南も実は恐らくは同じ趣旨で同じタイプのプレーをする体格も似た優秀なスパイカーを複数人抱えているチームなんですが、違ったのはその戦術的徹底性、特に佐賀清和のセッター南里選手が指先で"突く"トスをマスターして自在に速い攻撃を操っていたのに対して、高松南のセッターは終始一回手の内に収めてから上げる"溜める"トスしか上げられなくて、そこでのタイムロスがストレートに両者の戦術的意図の完遂のスムーズさに現れてしまっていたと思います。
その為"速い"バレーを"自分たちの"リズムで楽々プレーしていた佐賀清和に対して、高松南はその速さに追い付く為にセッターもスパイカーも"個々に"無理して急ぐ羽目になって、ミスは増えるし"急ぐ"ことによるスパイクの威力不足を助走を大きく取ることによってカバーしようとしてリズムが崩れたりと、途中からかなり見ていられない感じになりました。(好きな選手が何人かいたので残念でした)
まあ前提としては"戦術"としてチームを訓練し切っていた佐賀清和の監督と、"意識付け"のレベルに留まって個々の努力に結局は任せていた高松南の監督の差が、あったんだろうと思いますが。でなければあのトスをあそこまで放置するとは思えない。

で、なるほどなと思ったのは、この"突く"トスというのは同じく"ファーストテンポ"のバレーを標榜する現全日本女子の中田久美監督が、特に就任当初代表セッターたちに叩き込もうとしていたもので、その後どこまで大人の選手たちのプレースタイルを変えられたのかは見ていて微妙な感じですが、とにかくなぜ中田監督がその必要性を訴えていたのかがよく分かる試合で、そういう意味で興味深かったです。

・・・その佐賀清和も次の三回戦の下北沢成徳には子ども扱いでしたからね、常連強豪の"貴族階級"の壁は分厚いです(笑)。ベスト4の顔ぶれは悲しいくらい妥当。("八王子実践"の枠だけは紛れがあり得ましたが)


残りのベスト4どうしの試合も、面白くなればいいですね。
金蘭会が去年に比べると思いの外中途半端な感じで、心配というか難しいものだなと。林一人抜けるとこんなに違うのか、それとも前年王者の重圧か。不調でも並みのチームでは、相手にもならないんですけど。


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