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井上潮音とはどういう選手か2023
2024年01月31日 (水) | 編集 |
書いてるのは2024年ですが。
潮音自身については多分1年後にも同じことを書け(き)そうな予感はしているんですが、引き合いに出す"例"の方の旬の問題があるので、今書きます。
"前編"的な、2023シーズンのプレーの振り返りはこちら


改めて井上潮音とはどういう選手か(だったか) ~オスカー・ボブとの比較

周り、ピッチ全体、相手がどこにいるかどの角度から寄せて来ているか、その見え方が素晴らしくて、脳内でピッチ全体のイメージを描いて、ボールが来る前にどう受けるべきか、相手からターンしてどこにボールを出すか、どこに動けばいいか、その判断の速さに正直驚きました。

これはヴェルディでのデビュー年2016シーズンの後半、完全な主力に定着してチームを切り回しまくっていた当時19歳の井上潮音選手のプレーを評した言葉・・・ではなくて!(笑)
2023年のマンチェスター・シティ、直前カラバオ杯ニューカッスル戦で敗戦の中光を放っていたオスカー・ボブ選手(20)

OscarBobb

のプレーについての、プレミアウォルバーハンプトン戦(9/30)解説中のベン・メイブリー氏の表現。
でもこれそのまま潮音のプレーに対しても使えますよね、読んでて違和感無かったですよね、2016年の井上潮音を目撃した同志諸君!(笑)(当時の潮音のプレーには、僕の知る範囲でも千葉・広島などの他チームサポ間にもファンがいた)
ここ数試合いよいよブレイク間近という感じのボブ選手ですが、実際初見から強い"井上潮音"性を僕は感じてはいました。


プレシーズン中のボブ。
遠慮して"名前"自体は出してなかったようですが、脳裏にあったのは。(笑)
ド新人の癖に最初から悠然とマイペースにプレーして("いっちょ前")、特にがっついた絡み方もしていなかった当時のボブですが、それでも"ずっと見てられる"。彼のフィールドの"感じ"方を感じているだけで、退屈しない。井上潮音もまた、そういう選手。(少なくともいい時は)
人並み以上のボールテクニックを持ちながら、決してボールプレーヤーではない、ボールを持って"から"のビッグプレーに狙いの比重が小さい、むしろいかにボールに触るか触る"まで"の流れの方に成功不成功がかかっていてその流れが良ければその後のスーパープレーは勝手に生まれる、逆にそこの機能状態によっては一見"無難"なだけの、チャレンジしない多少イライラさせるようなパスプレーだけを延々したりする、そこらへんも似ていると思います。(同じ"原型"が僕には見えます)
ただ実際問題、潮音のボールテクニックには確実性はあっても華麗さは無いので、それに関してはボブの方が遥かに大きな可能性を持っていますね。シティ加入前の各所の紹介文だと軒並み"天才ドリブラー"的な紹介のされ方をしてた()のは、未だに何の間違いだろうという感はあるんですが。どう見てもパサーだろう、どんだけボブが遊べる余裕のある状況に当時はいたんだという感じですが(子供サッカーなら上手いコは全部スーパーでしょうから(笑))。それともこれから第二形態が見られるのか、それはそれで楽しみですが。
潮音に関しては、"ストライカー"に変態する可能性はあると思っていますが、ドリブラーってことは無いですね。真正"10番"になることも。"ストライカー"ならあり得るというのは、それだけボールプレーがシンプルである、持つこと細工することにこだわらないタイプだということです。それのベクトルの向けようによってはという。

以上、"全盛期"(笑)が8シーズン前の遥かに去ってしまっている選手の"本来の良さ"の説明として、今を時めく(きかけている)世界の有望選手を引き合いに出してみる試みでした。逆にいっとき確かに"世界がその手の中にある"ように見えた潮音のその後のプレーを見た経験から、ボブの未来について少し歪んだ(笑)方の可能性を言ってみると。
上でベンさんが説明しているボブが結果的に行っているプレー自体はその通りだとしても、それが「脳内でピッチ全体のイメージを描いて」「判断の速さ」によって行われているのかについては、若干の疑問というか、"疑問"の可能性があります。つまり今は"マンチェスター・シティ"基準で見てもべらぼうに"賢く"プレーしているように見えるボブですが、それが実は"考え"て"判断"してやっている、"見えて/描いて"やっているプレーではなくて、もっと内部感覚的に何なら"反射"的にやっているだけのプレーである可能性があるということです。ある範囲あるレベルまではそれで十分に状況適合的にプレー出来て"賢く"見えたとしても、周辺状況が大きく変わった時にあるいはより厳格な規律や明示的思考を監督なり戦術なりに求められた時に、対応出来ずに"反射"が空回りする、得意のプレーの有効範囲が大きく狭まる、そしてそれを修正出来ない、(その天才性の元でもある)強過ぎる反射が適応の邪魔をする、そういう未来の可能性はあるかなと。
現在のボブを見てそう思っている訳では必ずしもないです(多少はあります)。潮音がそうだったので、ボブもそうかも知れないな今はそう見えなくてもと、そういうことです。具体的には、2017年に来たロティーナの"ポジショナル・プレー"に基づく要求を消化出来ずに、潮音が輝きを失った、成長が止まった・歪んだ、その辺りを言っています。(ロティーナが潮音の"恩師"だとか平気で言う人が特に神戸で再会した時には沢山いましたが、知ったかぶりもいいとこだと思ってました)
そのプロセスの功罪や意味付けはおいておくとして、実際問題"考えて""全部分かって"やっているように(2016年に)見えた潮音のプレーのかなりの部分が、非常に高次元ではあっても要は感覚的にやっているだけの応用の利き難いものであったというのが、その後の潮音のプレーの観察から得た僕の結論です。表現の程度問題や反論はあるかも知れませんが。潮音は"考える"のは別に得意ではない
ボブに関しては、大きな括りとしての"ポジショナル・プレー"に関しては、既に適応済なのは現在のプレーを見れば明らかですけど。シティの"ポジショナル・プレー"がいっとき程神経質でなくなってるというのはあるにしても。潮音だって"ロティーナ"のポジショナル・プレーには苦戦しても"永井秀樹の"それに対してはそこまでではなかったので、ここらへんは同じ言葉でもかなりのグラデーションはありますね。今季もう一人のシティの"躍進"選手ドク同様、今後本腰入れてペップが仕上げの干渉を強めた時に、今までやって来たプレーが出来るのかという不確定さは、直近の問題としても当然あるでしょうね。ただその時にもボブに関しては、ペップの干渉をはねのけて更に高次元に"自分の"プレーをしてしまうのではないかなという、別の予感もあります。ペップに飼い馴らされる(広義の。輝かしい"協働"も含めて)のでも、消化出来なかったり反発して去る(ザネのように?)のでもない、第三のあり方。それくらいのふてぶてしさとベースの高さは、感じなくはないですが。いずれにしても、他のどの選手に比べても、素直に"改造"される感じはあんまりしないんですよね(笑)。それがいい方に出るか悪い方に出るかはまた別にして。
再度以上、ボブを参考に潮音を理解し、潮音を参考にボブを考える試みでした。



井上潮音とはどういう選手か(補) ~その他のシティ関係選手との比較


・ベルナルド・シルバ

明神智和からベルナルド・シルバまでの狭間(2021年04月13日)

という記事を、神戸移籍初年度の潮音のプレーの"解釈案"の提示として書いて、ごく一部でウケたことがありますが。(笑)

"水を運ぶ"選手としての井上潮音。
・そういう潮音のプレー、プレス/守備のキーマンとして前に後ろに率先して走り回り、攻める時は誰かの走ったコース走りたいコースに対してあくまで従属的に後追い的にそれをサポートするように自分のコース取りやポジショニングを決め、どこかでパス回しが滞っていれば駆けつけてパスを受けてそれを流ししかしそれ以上のプレーはせず、"黒子"というよりはもっとはっきり「脇役」と割り切ったプレーを淡々とこなすその姿。
・それを見ていてどういう選手とイメージが重なるかと言えば、例えば明神智和。(中略)
・あるいは"水"の運び方にも色々あるので、例えば現代を代表する世のサッカー通のアイドル(笑)の一人ベルナルド・シルバは、僕は大きくは"水を運ぶ人"の括りで考えるべき選手だと思いますね。明神の仲間です(笑)。マジで。(中略)
・そしてそこに潮音も入れたいという、そういう話。我ら水運び人仲間。(笑)

というような話。
かつてのイメージからすると、めっきり"決定的なプレー"に関与することの少なくなった潮音のプレーの理解の仕方というか受容の仕方というか。
まあその後ベルナルド氏は、"水を運ぶ"ことの波及効果を怪物的に拡大して行ってしまって、ちょっと今比較するのはおこがましい感じにはなっていますけど。"水を運ぶ"こと即ち"ゲームメイク"みたいな境地に。従を極めて主になる。
とにかくこういい一文が必要なくらい、少なくともこの時期の潮音には、まだ"天才司令塔""ファンタジスタ"のイメージや期待が強かったという事ですね。尚ちなみにそういう("水を運ぶ人"という)解釈が"可能"だと言っているだけで、それでいい、(潮音は)十分だとは、僕も思っていた訳ではないです。


・ジャック・グリーリッシュ

ベルナルド氏が前人未到の謎の領域に到達してしまった現在、こちらの比喩の方がむしろ直接的にはやり易いかも。
上で言ったように、ロティーナ下の2017-2018シーズンの2年間で、期待されたボランチ(2CMF)インサイドMFとしての戦術適合的活躍が出来ずにすっかり輝きとコンスタントな出場機会を失ってしまった井上潮音選手をある種復活させたのは、間にギャリー・ホワイトを挟んで2019シーズン後半にヴェルディの監督に就任した、永井秀樹監督でした。
バルサ/シティ風4-1-2-3を主に使った永井監督でしたが、永井監督がそこで井上潮音に与えたポジションは、前任者たちが与えた"2"(特例として"1"。後述)のところではなく、"3"の左サイドというもの。167cmで細身の儚げな(笑)小兵選手&ヴェルディ・ユース伝統の細かいプレーが得意な"テクニシャンMF"というイメージが自明的前提にあった井上潮音選手からすると、3の左、つまりは左"FW"というポジションは、なかなかショッキングというか意外性に満ちた転身でありました。(本人がどうだったかは知りません。見てる方はという話です)
象徴的な意味でしょうけど"我々のメッシ"と就任当初ロティーナが潮音を評したのに対して、どちらかというと"イニエスタ"だろうと当時ユース監督だった永井氏は言っていたそうなので(笑)、バルサでの"左FW"イニエスタのイメージが先にあったのかなと、振り返って思わなくはないですが、少なくとも現実に左FWとして潮音に与えられた仕事は、イニエスタのイメージとはだいぶ違うものでした。(ちなみに"比喩"競争に僕が参戦するなら、"体質ブスケツ役割シャビ"みたいな選手だったかなと2016年当時は)
左サイドから切り込んで攻撃のアクセントや仕上げに関わるよりも、まずサイドに張り出してボールの一時預け所になり、自己犠牲的なフリーランで味方にスペースを作り、プレスの先兵となりその他攻守様々な面でサポートに駆け付けと、言ってみれば"攻撃/前線"の選手としての"メイン"どころ「以外」のプレーを全てやるみたいなそんなプレースタイル。別に"メイン"に近いプレーを禁じられていた訳ではないんですが、そもそもがボールプレイヤー的な分かり易いエゴが希薄で、勿論新しく与えられた大量の仕事にエネルギーを回していたこともあって、そうしたプレーが可能な場面が回って来てもなかなか積極的な選択はせずに、安全を取ったりあるいは単純に立ち遅れたりする、そういう傾向が強く見られました。その前の2-3年間はチーム戦術に馴染めない苦しみを味わってはいましたが、馴染んだ上でしかし積極性が弱い決定的なプレーが少ないという現在に至る"特徴"の出発点は、この時期だろうと思います。
繰り返しますが、"復活"の時期ではあったんですけどね。このプレーの延長で、神戸移籍初期にはレギュラーポジションを掴んでいた訳ですし。ポジティブ、でも物足りない。逆もしかり。
で・・・。
何が言いたいかはもう分かるでしょう(笑)。この"かつて勇名を馳せた右利きのファンタジスタが、前線左でメイン「以外」の仕事を全てやって、それで評価はされるんだけど一方で決定的なプレーが少な過ぎるという不満を言われ続ける"という状況が、シティ移籍(21/22シーズン)以降のグリーリッシュとよく似ているということです(笑)。役割とは言えファンタジスタの匂いが消え過ぎじゃないのか?シティ移籍当初には確かにあったそれを、もう思い出すのも難しくなってるぞと昨季あたりのグリーリッシュを見ながらは思ってましたが、メンタリティあるいは基本設計的に潮音と近い部分があったりするのかなと、思ったり思わなかったり。とにかく"寂しさ"の似ている2人(笑)。(顔面偏差値も?笑)
"左FW"井上潮音が完成するのは2020年、グリーリッシュが現在のプレースタイルを確立するのは2021年以降ですから、海外サッカー好きの永井監督も、グリーリッシュのプレーを参考に潮音の起用法を決めた訳ではない訳ですけどね。ああいう役割自体が、何らか必要となることの多い戦術だということなんでしょうけど。タイミング的には、"神戸の井上潮音"(2021)のプレーの理解にも、"シティのグリーリッシュ"という例は間に合わなかった記憶。神戸では左"MF"がメインでしたが。


・コール・パーマー

シティ下部組織出身で現チェルシー。
ちなみに現在僕は潮音と並んでパーマーを"個サポ"対象として挙げてチェルシーの試合もフォローしていますが、特に2人を"似ている"とは思っていません。190cmのパーマーと167cmの潮音、左利きと右利きと、身体的特性も全然違いますし。細身で力感の無い、流れるようなプレーをするという意味では、似ているかも知れませんが。・・・力感が"無い"選手が好きなんですよね僕は(笑)。後でする話とも関係して来ますが。右利き左利きで言えば、右利きの方が好き。これもまあ関係がある。
さてそのように、グリーリッシュに比べても然程似た特徴が無いと言えば無いパーマーですが、特にチェルシー加入('23.9.1)当初の、新入りながら何でもかんでもやってチームの面倒を見てしまうようなプレーが、"思い入れ"という共通性にも助けられて、ある時期の潮音を一瞬連想させたかなという話。


9/27カラバオブライトン戦のプレーに対する、チェルシーサポ氏のコメント。具体的な状況は余り覚えてないんですけど、まあ似たようなことはこの前後ちょいちょい言われていたような記憶。
継続的な選手大幅入れ替え&若返り、ついでに監督(ポチェッティーノ)も新監督でしかもどちらかというとモチベーター型というこの当時の(今もかもしれませんが(笑))チェルシーは、"いい選手は沢山いてその組み合わせである程度は何とかなるけれどこれといった基準が無い"という状態で、シティ仕込みの(というだけではないでしょうけど)オールラウンドな能力を持つパーマーが、目一杯職域を広げておせっかいを焼いて、生きた"基準"となるのを、むしろ歓迎するような状況にありました。それにしてもこれだけ色々な事が出来る、特に低い位置に下りても出来る選手だとは、シティ時代には分かりませんでしたが。
そしてかつて潮音も似たような役割を負っていたことがあって、それはロティーナ2年目2018シーズンの末期、J1昇格プレーオフに進んではいたものの、"ポジショナル"ロティーナのチーム作り自体は袋小路というか打つ手無し上がり目無し的な状態で、そこでお鉢が回って来たのがそれまで埋もれていた潮音の個人能力、個人的"感覚"的部分で、中盤の底、時によっては1枚アンカーポジションに据えられた潮音は、守備から攻撃からチームビルディングをいちから自分のイマジネーションで作り直し作り上げ、昇格プレーオフの最後の最後、決勝まで行ったチームを支えました。(参考1参考2)
その仕事ぶりを、"インフラ"作りと評したのは、ふかばさんでしたが。

"生きた基準"のパーマーと、人間インフラ潮音。
潮音の場合は逆に、"人間インフラ"くらいさせてもらわないと、なかなか上手くプレー出来ないという問題が大きい訳ですが。多分感覚的過ぎて&その感覚が包括的過ぎて、部分的に他人に説明したり協調したりというのが、難しいんでしょうね。どうすればいいのかは全体として分かるんだけど、なぜそうなのかは自分でもよく分からない。だから切り取り不能。"全盛期"(しつこい(笑))2016シーズンのヴェルディも、冨樫監督の下チームは崩壊気味で、逆に潮音は好きに出来た。この時は二列目左を出発点に、前後左右あらゆるところに顔を出して、流れないチームのプレーを流していた。その"一部"として、華麗なアシストなども決めていた。
そこら辺に関して面白いと言えば面白いのが、2023シーズンの横浜FCでの使われ方で。前後分断的なロングカウンターチームの、"攻守の唯一に近い繋ぎ役"として膨大な仕事量を任されるという使われ方は、かなり"人間インフラ"的なところはあったと思います(だからこそ結果に関わらず固定されてたんでしょうし)。ただとはいえ基本的な設計図は監督が引いているので、自由はありつつも潮音のチーム関与・イマジネーションの発動(の深度)にも一定の限界は予めあり、そこら辺が"2016"Ver.や"2018"Ver.に比べての、特に攻撃関与のスムーズさに欠ける部分に、反映されていたのかなと。(ほとんど)"0"から始まるイマジネーションの流れに乗って一気に攻撃の最終局面まで行く(2016や2018)のではなく、途中で何か我に返って遠慮したり変に自分のプレーを意識し(て他人の基準でプレーし)たりと、そういう場面が多々見受けられました。
・・・という潮音とパーマーとの間に、言う程の共通性は無いような気がするというのは冒頭で言った通りですが(笑)、とにかく2023年のパーマーのプレーの記憶の力を借りて、井上潮音という選手が過去に見せていた顔の一つを、説明させてもらったという、そういう話です。まあ任されれば誰でも人間インフラになれる訳ではないので、そういう意味での技術的内面的共通性は、何らか無くは無いんでしょうけどね。(ただしパーマーは"駒""部分"としても十分に優秀)
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女子春高バレー2024雑感 ~分散の時代?
2024年01月17日 (水) | 編集 |
今年も東京体育館AコートDコート(男子がB・C)でやっている試合は、全部見ました。別会場Eコートの試合については、スカパーの契約の関係で後日追加で見ることになる予定。(隠れた逸材いたらごめん!と、読者ではなく本人に予め謝っておく(笑))


大会総括 ~上位層の沈没

僕が女子春高バレー全試合視聴マラソン(?)という正月の愉楽を発見したのは2018年のことですが、その時僕はこんなことを書いていました。

一つの言い方ですがCランク、Bランク、Aランクと各校の実力が積み上がって、既に十分に立派なAランクチームの、その更に上に文字通り"スペシャル"なSランク高校、ベスト4+αが存在しているという感じで、実に分厚く、かつ健康的な"ピラミッド"という印象でした。
Aランク以下のチームの"健闘"にも、Sランク高校の"面目"にも、等しく敬意を捧げられる。
(『"頂"(いただき)の高さとは ~春高バレーをヒントに』)

ここで"Sランク"と言っているのはこの大会の時点では金蘭会(大阪)、東九州龍谷(大分)、下北沢成徳(東京)、それに誠英(山口)が加わるかどうか。後に優勝校になる就実(岡山)[2021,2022,2024]や古川学園(宮城)[2023]はまだ視野に入ってませんが。
とにかく一回戦からこつこつと見て来て最終的に感じたブログタイトルにもある「"頂"(いただき)の高さ」上位層の上位層たるゆえんや貫禄が、この当時に比べるとだいぶここ2,3年で色褪せて来たかなという印象。金蘭会は2020年以降決勝に進めていませんし、東九州龍谷に至ってはベスト4が1回のみ。その両校に2018-19時点で若干後塵を拝していた下北沢成徳は今年久しぶりに決勝に進出しましたが、"三冠王者をかけて"という前振りからすると随分とあっさりとストレート負けで、結局今時(その得意とする)オープンバレーは雑魚専でしかないのではないかという疑惑が引き続くことに。気迫的なものも何か全然感じませんでしたし。一方で対極的なスピードバレーの東九州龍谷の凋落も去年の時点から見た目に明らかで、まとめて時代が変わったな感は。(参考:春高バレー女子戦績)
最近4大会で3回優勝している就実やベスト4以上常連の誠英は安定していますが、そもそも両校は上記3校に比べると名脇役的な安定感が特徴のチームで、"スター"チームの凋落でそれらが相対的に上位に押し上げられている印象。・・・それはそれとして就実の安定ぶりはやはり特筆すべきで、昨年のコロナ禍欠場が無かったら本当に3ないし4連覇してたかもなという感じではありますが。西畑美希監督の指導は、注目すべきかも。

このように勢力図が変わった理由としては、金蘭あたりは2018年メンバー(西川姉、曽我、林琴奈)をピークに(特に中心)人材の小粒化か年々増している気がしますし、古川学園の躍進がバルデス・メリーサ、タピアという二代に渡る留学生"助っ人"の存在ありきなのも疑いの無いことですし、たまたまの人材の当たり外れというのは、毎年メンバーの入れ替わる学生バレーでは当然あることではありますが。それでも少なくも3回戦くらいあたりまでなら金蘭も成徳も毎年"圧倒的な人の質"は感じさせるスターチームではあり続けていますし、東九州龍谷あたりも中川美柚、室岡、飯山エミリと各代それぞれに超高校級の逸材は輩出し続けています。大局的に見て"スターチーム"とそれ以外というコントラスト自体は、そんなに変わっていない気はするんですけどね。古川の"反則"外国人は別にしても、素材的には10年に1人級(以上)だろう"男子"的な怪物笠井季璃を擁した今年の旭川実業にしろ、"神様仏様堤亜里菜様"(?)を擁した2年前の共栄学園にしろ、単体の突発的な充実で上位陣の厚みを突破出来る感じは実際に対戦してみてもまるで無かったですし。やはり地力にはだいぶ差はある筈。
ただその"地力"が高い水準で(憎らしいくらいに)安定的に結実する、その信頼感や圧の強さみたいなものが、どうも失われている気がします。通常通り"準備"はしてある。でも"実現"があやふや。片鱗は見えるけれど片鱗しか見えないというか。
そうしたことがなぜ起きたかですが、考えられるのはこれも初年度2018年に書いたことですが、高校バレー特有のチーム・監督への帰属感・忠誠度の高さから来る戦術なりチーム作りなりの徹底性求心性が、かつてほど強力には働かなくなっているということかなと。いち早く(?)東九州龍谷が顕著に衰退したのは相原監督が全日本や年代別代表の方にかまけ過ぎて、それまでのような睨みが利かなくなった、人格的影響力を与えられなくなったせいなんじゃないかなと思ったりしていたんですが、気が付くと金蘭でも成徳でも、余り見たことが無かったタイプの淡白さが、各代のチームに感じられるようになった。え?それで終わりという。そこでもう一段ギアを上げられるのが、伝統強豪校なんじゃないの?という。
理由は何でしょうね。"パワハラ""モラハラ"が社会問題化し、その前からですがバレー界でも"怒らない指導"が称揚されたりするようになり、伝統的なド根性指導に躊躇いが生まれ易くなったとか?情報化が進み&各世代の代表活動が活発化して"国際的視野"が身近になり、高校生年代でもそう簡単に"方法的視野狭窄"に囲い込めなくなった?同時にハーフ系選手も爆増してますしね。
そもそも"高校チームの勝利"自体に、特に代表級選手を抱えるランクの高校ではさほど情熱を注げなくなっている可能性も無くはないですが、そこは高校生でやはりそれなりに純粋でもあるようですし、ロマンは生きていると信じたいところではありますが(笑)。それが魅力でもありますし。ただ逆に指導者側が育成重視になっている可能性は、普通にありそう。
理由はどうあれ、とにかくこれ以上実力/戦力優位校の"淡白"化小粒化が、進まないことを望みたいですが。セカンドランク以下チームの熱闘と裏腹に、それが100%?と疑問が残るような戦いでファーストランクチームが敗退して行くのは見たくないです。"集めた"責任を果たしてもらいたいというか。
だからパワハラ指導を復活させろとは言えないですけどね(笑)。でも何らかその中にあった"信念"なり多少なりとも盲目的な"信頼"なりに、実体的な力はあったんだろうなあと、やはり思わされるここ2,3年ではあります。

大会があり過ぎて全体像はよく把握していないんですが、苦戦する全日本を尻目にアジアや世界での健闘が近年頻繁に報じられる各年代別系代表のジャパンたち。
その関係なのか、今大会は"学年"とは別の次元での、年代別代表経験者や国内でも国体チームなどの選抜チーム経験を紹介される選手たちの、センスの良さや妙な"成熟"感が目立った気がしました。
「年代別代表の活躍」と同時に、「学校」(高校)をベースとした女子バレーの強化体制というかヒエラルキー自体が、少し緩くなっているのかなという印象も無きにしも非ず。

体力とかはやっぱり上級生の方が厚みは感じるんですが、何か状況を見る目というかバレーの把握の仕方というか、"解決"策を捜すルートが、高校ベースの選手よりも細かいというか意外性があるように、感じる事が多いんですよね、漠然とした印象ですが。
"上手いなあ"と思わず唸ってしまう。「職人」的な完成度という意味でなく。"ずるいなあ"でもいいですけど(笑)。そんなとこ通すのかという。

(『春高バレー女子2020まとめ ~3年目の感慨』)

へええ、2020年に既にこんなことを書いてたんですね。
ここに書かれている"傾向"が更に進んでいる感じ。グローバル化による淡白化とクレバー化。
チームの話はもうしましたが、もう一つ"1年生選手の成熟度の高さ"というのも、今回これは学校のランクを問わずあちこちのチームで感じられたことでした。何なら体もやや大きかったりするし。Vリーグの苦戦やバレー人気の停滞とは裏腹に、選手たちのレベル、少なくともベースの高さは、ちゃんと年々上がっている感。それだけにそれを受け止めて活かす力が、バレー界自体に欲しい所ですが。
余り見てませんがVリーグでも、代表に呼ばれてやれそうな選手自体の数は、昔より増えている感がありますしね。



今大会のアイドルたち

もう"注目選手"とも言わない。(笑)
まあ今大会結構かぶってる傾向もあったので、バレー面の注目とアイドル性面が。(笑)
全般的な傾向として、小綺麗というか垢抜けた(コの多い)学校が増えて来た気がしますが、その分逆に目立つコは見つけづらかった感。〇番だと思ってたら〇番のコだったみたいなことも頻繁に。(笑)


東京都市大塩尻[長野] 北村萌恵選手(3年 オポジット 168cm)

KitamuraMoeKitamuraMoe2

"颯爽"
代表での活躍でお馴染みのJTの林琴奈選手二世とも言われる、スピード溢れるライトのオールラウンダー。(右利き)
林選手よりはだいぶ攻撃寄りに感じますけどね。最終段階の急加速で攻撃方向や強度をまとめて一気に決める感じの、躍動感溢れるライト打ち/速攻が武器。「プレーだけでなく判断が早い」と大林さんが言ってたのは納得。いつ決めた?という感じのプレーが多い。
"オールラウンダー"と言えばオールラウンダーなんですけど、器用というよりはとにかくスピードと運動量と学級委員長的な(笑)真面目さで、あらゆるプレーに関与しまくる感じ。林選手の代名詞でもある、サーブレシーブ力はどうなんですかね。僕の持論としてサーブレシーブの特別上手いアウトサイド(木村-新鍋-林)には、共通して飄々とひねくれたS寄りのパーソナリティがあるように思うんですが(笑)、そういうタイプかな。少し真面目過ぎる気も。
という訳でプレーヤーとしての将来についてはよく分からないなという感じのところもありますが(身長も身長ですしね)、とりあえず今大会一番長い時間目を楽しませてくれた選手ではあるかなと。
そもそも都市大塩尻のユニフォーム自体が抜群に爽やかでおしゃれで、それに合わせたように(笑)歴代細身の溌溂と動く選手を集めてスピーディなシンクロバレーで近年各大会で安定した好成績を収めている高校ですが、ある意味そのイデアを具現化したような印象の選手。どの瞬間どの角度で見ても爽やかに美しくて目は喜ぶんですが、反面これといったカットが見つけ難いというか、とにかく動き回って止まることが無い&プレー特性なのか正面を向いている瞬間が少ない選手で、少し困りました。(という訳で冒頭の"横顔"2枚を)

KitamuraMoe3KitamuraMoe5

動き過ぎて(?)試合中に足を攣りかけてチームメートにストレッチをしてもらう北村選手。余り見たこと無い光景。期せずして満天下にたっぷりと"脚線美"を披露することに。(笑)
現時点で進路は不明ですが、なんか凄く大学バレーが似合いそうなイメージの選手。"部活"の"キャプテン"がというか。(笑)


金蘭会[大阪] 井上未唯奈選手(3年 ミドルブロッカー 182cm)

InoueMiina

既に久光への入団も決まっているらしい、世代屈指のミドルブロッカー。
身長は伸びてる最中っぽいですが、いずれにしても単純な高さやパワーというよりは、ジャンプ力やスピードや、運動能力全般の高さに特徴のある、こちらも"躍動感"系の選手。
飛び切り"美人"というタイプではないですが、天真爛漫な明るい笑顔が、プレーそのもののイメージとも重なって、"人柄自体が才能"みたいな、そんなプレーをする選手だと思います。
そんな井上選手のルックス面の最大の特徴は・・・足の長さ。(笑)
182cmあるのである程度は当然なんですが、それにしても腰の高さ、足の付け根の位置が、決して低い訳ではないチームメイトたちと比べても一目瞭然で高い。(6番)

InoueMiina2InoueMiina3

ちなみに2枚目で右隣に立っている1番の西村美波選手も、登録は178cmあります。
その長い足で右に左にぴょんぴょん飛び回る井上未唯奈(みいな)選手のプレーを目で追っていると、脳裏に"足の残像が残る"という、僕の春高観戦史でも稀な経験がしばしば発生して、不思議な気持ちになりました。(笑)
そういう意味でも、"見"てるだけ(笑)で楽しい選手です。
いずれ代表に選ばれて一般の目に触れれば、そこら辺も話題になるのではないかなとか。(笑)
今後の活躍をお祈りします。


川崎市立橘[神奈川] ベヌッチ美伊奈選手(3年 ミドルブロッカー 179cm)

ベヌッチ・・・イタリア系か、やっぱり。

Benucci


高身長から来る"宝塚"感というか、"王子様"感を醸し出すコの多いミドルブロッカーポジションの選手の中でも、その掘りの深い顔と相まって満点の"王子様"感のベヌッチ選手。

Benucci2Benucci3
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テーマ:バレーボール
ジャンル:スポーツ
井上潮音と横浜FCの2023シーズン+退団選手たち
2024年01月11日 (木) | 編集 |
2021年から2年間在籍した神戸ではおよそ主力選手とは呼べない扱いで、"当事者性"の問題で書き難かったこういう"普通"の記事を、晴れて(と言い切るにはチーム成績的に微妙なところもありますが)不動のレギュラーの座を勝ち取った2023年の横浜FCについてなら書いてもいいだろうと、少しガードを緩めてみる個サポの図。
元々は"井上潮音論"的なもののマクラ部分として書き始めた内容ですが、全体が思ったより長くなりそうなのでどうしようかな、要るのかな要らないのかなとまとめて放置していたものを、少しだけ書き直して再利用。尚今回のメインはあくまで"横浜FC"の方なので、"井上潮音"論の方はこの後別稿で、改めて。(多分)


横浜FC、J1残留ならず

ますば横浜FCのJ2降格/J1残留失敗、残念でした。
自身主力選手として出続けていただけに、もし残留に成功すればこれまでプロ選手として優勝にも昇格にも関与したことの無い潮音にとって、一つのそれなりに"タイトル"的経験になるかなと期待していたんですけど。
チームとしても、実力的に妥当な面も大きいとはいえ、別にずっと最下位(今季唯一の"降格圏")に沈んでいた訳ではなく、逃れる可能性も十分にあったように見えていただけに、残念でした。
1トップとしてJ1水準でもスペシャルな能力を示していた小川航基選手がいてくれていた開幕当初はチームの戦い方が全く安定しておらず、ようやく安定した時には小川選手はオランダに旅立って(7月)しまい、代わりに台頭した"スペシャル"なFW山下諒也選手も終盤の肝心な時期に故障離脱してしまいと、それでも最終節の一つ前までは残留の現実的可能性を残していた訳ですから、何かもう一つかみ合わせが良ければな運に恵まれればなと、そういう思いは残ります。これまでに見て来た数多のJ1リーグの"降格"チームたちと比べても、「崩壊」感は希薄な方で、それたけに惜しかったともシンプルに実力不足だったとも、両方のことが言えるでしょうけど。
戦い方としては、4バックでポゼッション志向の序盤と、3(5)バックで走力勝負のカウンター、(カタール)"森保ジャパンスタイル"ともみなしうるかもしれないそれ以降と、大きく2つの時期がありました。その中で潮音自身は前者ではトップ下/2列目とボランチ/3列目を行ったり来たり、後者ではボランチ固定で攻守の唯一に近い繋ぎ役として、結果としてほぼ1年通してスタメンとして出続けました。チーム内の立場も最初は先発でとりあえずは出るものの後半点を取りに行く時は決まって真っ先に替えられるような立場から、替えられるとしても最後の最後、フル出場の方が基本という立場まで、地位を上げたシーズンでした。・・・(同様のポジション適性の)三田(啓貴)中心のチームから潮音中心のチームへ、はっきりと変わった時期が一つありましたね。
四方田監督の用兵も、上の"スペシャルな"FWとボランチ潮音(と、一応GK。後述)のところはチーム構成の前提として固定で決めてあって、後は時々の調子の良い選手や多少の味付けの変化の為に替える/選択するという、誰の目にも分かり易い方針で行われていました。結果として岩武、ユーリ・ララ、山根永遠あたりも、ほぼ固定ではありましたが。(特に山根永遠は"固定"感が強かったですか。潮音に次ぐアンタッチャブル感というか)


2023横浜FCでの潮音の"実際"の存在感

このように、出場機会/時間的に、そして役割の唯一性という意味でも、外面的客観的には押しも押されぬ中心選手であった2023シーズンの井上潮音選手ですが。それに相応しい充実したシーズンという手応えが、2016年のヴェルディでのデビュー以来毎年プレーを注視して来た僕にあったかというと、残念ながらそうでもない。また横浜FCサポの間で、潮音の評価が高かったか、そのフル稼働の中軸性に相応しい"貢献"への言及の声が多かったかというと、僕の知る限りではそれも当てはまらないように思います。
評価が低かった、批判の声が大きかった、というのとは、少し違うんですけど。どちらかというと高い低い以前にそもそも言及自体がほとんどされない、関心自体を持たれてない(笑)のでないかという、そういう印象。・・・そういう役割と言えばそうなんですけど、"黒子"にも程があるというか。(笑)
ぶっちゃけ出場機会の限られていた神戸時代の方が、遥かに言及されていたしあえて言えば"愛されていた"、期待されていたという手応えはありましたね。批判も(個サポの立場から見れば)誤解も勿論ありましたけど、前提として"熱"を感じたというか。そういう意味での寂しい思いは、正直感じることの多かった一年でした。今日も出勤して、9時5時で帰った来たなあという感じの毎試合。次もまたそうなんだろうなあという。(笑)
では横浜FCサポが神戸サポに比べて熱量が低いのか、井上潮音のような選手に対して特別に関心が低いのかというと、少なくともそう考える理由は特に無い。在籍時期がそれぞれのチームの概ね不調期であるという条件も共通なので、そこら辺でバイアスがかかっていたとも思えない。
ならば何が理由かと言えば、一言で言えばそれは潮音のプレーが、良くも悪くも"無難"に終始していたからでしょうね。・・・"終始"。本当に"終始"。見ていた人は分かると思いますが(笑)。特異なくらいに無難というか。無難なのに特異というか。
試合ごとにやや流動的だった4バック期を経て、主軸に完全定着した3バック移行後の潮音の基本的役割は、後ろに重い撤退守備と前線のスピード頼みのカウンターアタックの間で、上でも言ったようにほとんど唯一に近くそれらを繋げる存在。DFラインの補助から攻撃の最終局面への顔出しまで、仕事の範囲は膨大と言えば膨大で、逆に攻守の"両極"の間でプレースタイルの表現の可能性には大きめの幅があったと思いますが、それを潮音はかなり守備寄りというか、安全寄りに表現していたと思います。それが証拠に・・・という訳でもないですが、ある時期以降2ボランチのパートナーとして定着したユーリ・ララ選手は、デュエルが趣味(らしい笑)で潰しの得意な、本来は"守備"的なタイプの選手の筈。だから彼の定着によって三田などがパートナーだった時に比べてより潮音は解放されて、攻撃関与を深めて行くという予想をした人も当然多いでしょうが、最終的にどうなったかというとむしろユーリ・ララの方が攻撃のスイッチャー役になっていた感。それは多分そう決めたとかいうのではなくて自然にそうなったので、潮音がやらない仕事を潮音がやらない分、ユーリ・ララがやるようになったと、そういうことのように見えました。
勿論潮音も低い位置にへばりついている訳ではなくてボールを受ければ普通に上がっては行く訳ですけど、それで自ら決定的な仕事を狙うというよりはまず味方に無難に繋げることが第一というか、これは特に神戸移籍以後に強まった傾向ですが、位置に関わらずプレーの優先順位としてバックパスや横パス、あるいは一人味方を飛ばせそうな時でも飛ばさずに安全に繋げるという選択がほとんど"機械"的に多いので、段々と周りの味方もチャレンジングなプレーを潮音に期待しなくなるというか、DFラインの選手も含めて基本フィールド上で一番セーフティなプレーを選択するのが井上潮音みたいな相対状況が、むしろ常態化していた感があります。
で、その"味方の認知"ということに絡んで言うと、そういうプレーをある意味頑固に続ける(その内実については"井上潮音論"の方で書くかと思いますが)潮音が、上で言ったようにほぼアンタッチャブルな感じで勝っても負けても固定起用されている訳で、それはつまりそれでいいと監督が言っている、それが監督の求めるプレーだと解釈せざるを得ない訳で、ならばとサポの方も沈黙するしかない、不満はあってもあえては言及せず、かといって興奮して声を上げるようなプレーもほぼしないのでそういう意味でも言及せず、とにかく言及"されない"選手になってしまった(笑)んだと思います。

言及される場合もありますけどね。それは限度を越えて"不満"なプレーをした場合(笑)。代表的にはセットプレーのキッカーとしてですけど。あれは無しだわと、僕でも思いますが。多くはないチャンスを活かさないといけないランクのチームのキッカーとしてはかなりあんまりな"無難"ぶりで、多少恣意的にでも三田なりカプリーニなり(近藤なり)の期待感のあるキッカーを常時"11人"の中に入れておくメンバー選択をすべきではないかと、つぶやいたことも何回かあった記憶。
あるいは潮音が完全主軸化する時期のには、その"消極性"への批判ももっとあからさまに言われることも多かった。だからやはり、四方田監督の無言の断固とした支持を背景に、変更したチーム戦術と一体化することによって、ある意味"個人"でなくなることによって個人としての言及が沈黙させられることになった、そういった面は強いのではないかなと。別に嫌われてるとか(笑)あるいは"不当な贔屓だ"という批判がある訳ではないようですが、黙認/承認されているだけで積極的に愛されている訳ではないと、そういう感情のありようは広くあった気がします。
・・・ルヴァンのどれかだったと思いますが、数少ない完全欠場試合の後に、"井上がいないと全くボールが落ち着かない"的なコメントが複数人のサポの口から出ていたことがあって、あれが一番"熱"が生じた瞬間というか、2023年のハイライトだったなという。(欠場試合ですけど(笑))
挙げた3ゴールの中になかなか鮮やかなものも複数含まれてはいたんですが、日頃の行い(笑)との関係でどうも"浮いた"感じに見えて、余り"代表的なプレー"感は。
念の為に言っておくと、チームメイトとの間に冷たい空気が流れている的な様子は、全く見られません。終盤の残留争いの白熱していた時期には、潮音なりに感情を強く出すシーンなんかも、それなりに増えていましたし。2023シーズンの横浜FCにとって、替えの利かない貴重な選手だったことは間違いないでしょう。ただ稀少性の割にはそれほど高い値段はついてない的な、"お店"の中での存在感だったという。(笑)
具体的なプレー面で言うと、"シュート意識"に関してだけは、シーズンの中で結構強化されたように思います。仕掛けの意識も、僅かながら。一番変わらないのはパスですかね、長いのも短いのも、もう少し"狙う"意識を持てる余裕は、基本の役割との兼ね合いで見てもあるように思いますが、本人の意識はまた違うようで。
とにかくカテゴリーを変えて今度は"昇格"を目指す立場のチームの中心選手として、2024シーズンも更なる活躍を期待したいところ。(と、一応締めておきます。"無難"に(笑))



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