ヴェルディ、代表、二次元、女子バレー 他
坂東眞砂子の”子猫殺し”告白の件(本論)
2006年08月24日 (木) | 編集 |
(前ふり)
では本論。

ポイント(1) 何を”偽”るか。

この種の動物なり生命なりに関する挑戦的な論の常として、この文章も「愛護」や「感情論」の”偽善”性、欺瞞性を主なターゲットとしている、あるいはそれらを衝くという論法・文脈を基本的な背景として持っていると思います。
具体的には
 『しかし、それは飼い主の都合でもある。』
 『避妊手術のほうが、殺しという厭なことに手を染めずにすむ。』
 『愛玩動物として獣を飼うこと自体が、人のわがままに根ざした行為なのだ。』
 『人が他の生き物の「生」にちょっかいを出すのは間違っている。』

といった類の常套的な言い回しに現れているような。

まあそれはいいでしょう。それなりに権利を認められた「背景」ですし、少なくとも一般論としては、「偽善や欺瞞への怒り」というのは表現行為の動機としては十分なものに思えます。

しかし僕の見るにここにはもう一つ別の”偽”が存在していると思います。
それは”自然”を偽装(擬装)するという”偽”です。
正確には坂東氏はなるべく事態を自然に近づけようと、偽善や人間化を排除しようと努力・模索しているわけですが。その過程・心情を書いているわけですが。

しかし本質的にこれは無駄な抵抗・努力という部分があるのではないかと思います。人間が関わるものは程度の差はあれ否応なく”人間化”してしまいますし、逆にその”人間化”の元凶である人間の「理性」やら「感情」やら「都合」やらも、この世界にいつからか誕生して現に存在しているということにおいて、それら自体広い意味で”自然”の一部であると、そうも言えると思うからです。あるいはそう考えていかないと到底納得性の高い落とし所は見つからないような気がします。

つまり”不自然”はある程度前提としていかないと仕方がないというか、神経を使うべきはそこではないのではないかと。よっぽど目に余るものや取り除くのに大きな障害がなかったり、それをすることではっきりした(生存に関わるような)大きなメリットがあるわけでもなければ。

”善”の偽装を避けようとして”自然”の偽装に陥る、なんか凄く筋の悪い努力をこの人はしているように思います。
(後日詳述分1)(後日詳述分2)


ポイント(2) つかなんでわざわざこんなことを?

>だが私は、猫が飼い主に甘える根元には、餌をもらえるからということがあると思う。

悪いけど吹いちゃいました。そこから言うの?今更?想定している読者は小学生?
なんかこう、ネット論壇に普通に出て来ても基準に達していない切り口のように思うんですが。

>世の動物愛護家には、鬼畜のように罵倒されるだろう。

待て待て。敵の想定がずれてるぞ。
例えばある人が「なるべく人は殺さないようにしよう。避けようと思えば避けられる人殺しは避けるようにしよう」と主張したとして、その人は”人間愛護家”か?
そういうレベルのシンブルな感情(的反発)の話なんじゃないですかねこれ。”動物愛護家”を敵認定して引っ張り出せるところまで問題を詰め切れていない、あるいはそういう風に問題を提示できていないというか。


この人なりに色々なことを感じて色々なことを考えて、色々言いたいことや表現したいことがあってこういう文章を公にしたことは分かります。細かく見ていけば突っ込み所も満載なのと同時に、認めるべきところや面白いところもちょいちょいあるとは思います。(タヒチの生活感とか)
でも内容の重大性や扇情性からすると、いかにも未整理なまんま不用意に出しちゃったもんだなあというのが総体的な印象です。直木賞作家のネームバリューゆえに出せた/出しちゃったというのと、その名前や媒体である日経のメジャー性という要素がなければ、実際にはそれほど取り上げる価値がないというか基準に達していないんじゃないかというのと。ままあることですが。そこらのブログだったらケッ、バーカで終わりです。(少なくとも僕は)
(後日詳述分1)

・・・・まとめて言うと無理に”偽”を避けようと迷路に迷い込んでいる点、及びこんなのをフラフラ発表してしまった点、いずれについても要するに「自意識過剰」の愚というのがこの文章の本質なのではないかと。あまり成り行きで問題が大きくならないといいなあ。叩き台として相応しいとは思えないよ。

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 このブログ記事は2006/08/18に日経新聞夕刊で掲載された坂東眞砂子氏コラム「子猫殺し」についての情報を集めるための記事である。問題となった文章の全文紹介、このことについて書かれたブログの紹介、関連リンク集などからなる。
2006/08/24(Thu) 03:40:33 |  ハマる生活