ヴェルディ、代表、アイドル、女子バレー他
”「自然」の偽装”ということについて
2006年08月25日 (金) | 編集 |
坂東猫殺しの件(浄瑠璃?)のつづき、または補足。
結構なトラックバックなんかもいただいて、広がりが出て来る可能性も考えられなくはないので、もう少し丁寧に。

ちなみにネット上を数多飛びかっているだろう、他の人の意見については相変わらず一切見ざる聞かざるで通してますので、重複や空気を読めなかったりということがあったらお許しを。
影響されたくないというのも勿論あるんですが、正直こういう話題はひどく揺さぶられるので嫌なんですよね。僕まで死にたくなったらどうしてくれるんでしょう。坂東眞砂子に刑事責任を問えるんでしょうか。(←問えないと思う)


さて前回、坂東眞砂子(のような人)は、偽善≒人間化を避けようとした結果、自然の偽装という別な種類の”偽”に陥っているということを書きました。具体的にどこらへんにそういうことが現れているか、坂東氏の文章の中から指摘してみます。
・・・・ただしあらかじめ言っておくと、これは坂東氏の自然の偽装の「証拠」というよりは、そういう隠れた動機・傾向が期せずして生み出してしまった「帰結」の一例という風に考えてもらった方が、僕としては本意です。結果として”言質”を取るような作業であるには違いないですが。では行きますアラ探し(やだなあ)。

>獣の雌にとっての「生」とは、盛りのついた時にセックスして、子供を産むことではないか。その本質的な生を、人間の都合で奪いとっていいものだろうか。

”自然”が一番という主張ですが、既にして”自然”の不可能性、あるいは語るに落ちる”人間化”という要素が含まれていると思います。

僕の知るところによれば、人間・・・・というかヒトは「発情期」の束縛から逃れた、あるいはのべつまくなしに発情できる(笑)唯一に近い動物のはずです。そうではないネコにとっては、性交も出産もその”盛りのついた”時限定の関心事であって、その最中に性交や妊娠・出産を妨げるのはそれは何らかの意味で残酷であり、目に余る”不自然”であると言い得るでしょう。

しかしそれ以外の時期においては、事実上ネコにとってビビッドなものとしては「性」は存在していないも同然だという推論に大きな間違いはないと思います。
少なくとも坂東氏の言うような
 >もし猫が言葉を話せるならば、避妊手術なんかされたくない、
 >子を産みたいというだろう。

なんてことは根拠不明であると同時に、むしろこれこそ”人間化”の極みのように思えます。または純粋に飼い主(坂東氏)の感傷か。

加えて言うと、「ヒト」と「動物」を分ける大きな基準として最近よく目にする説明として、『記憶の連続性』や『時間/歴史感覚の有無』みたいなものがあります。
簡単に言うとヒトは未来を予測して恐れおののいたり有頂天になったりするが、動物はしないということです。だとすれば猫は得られたかもしない子宝を想って嘆き悲しんだりはしないはずなので、坂東氏の言うことは飛躍した想像か生物学的な新説のどちらかということになってしまいます。


・・・・まああまりこういう『科学的な』反論というのは品が良くないような感じもします(実際のところは分からないですし)が、一応言っておくべきかなと思います。

そもそも「生」とはとか本質的な生とか言ってる時点で、どうしようもなく人間的なわけですが。これは坂東氏の間違いというより、人間がこういうことにかかわる時点で避けられないと運命付けられていることです。坂東氏に間違いがあるとすれば、そのことの自覚が少々甘いということでしょう。

つまり坂東氏の論自体はその後神ならぬ身の人間の決して「正解」を提供できないこと、「自然」を保てないことの自覚から影響の排除という主張/理想に至り、それでも関わるならば後は人間側の「選択」の問題だと一気に子猫殺しのある意味の”正当化”まで走り抜けるわけですが、その前提としてネコの生の「本質」を自分(人間)が勝手に決めていることにはあまり自覚がないように見えます。だからこうも無鉄砲なのでしょう。

しかもその「本質」を決めるに当たっての認識はかなりの確率で誤っている(少なくとも根拠を問うた形跡はない)わけですが、その”誤り”自体がある種「自然」を甘く見ている、至るのは難しくても認識自体は日常的臆断で十分だと警戒心を持っていないことに由来するように見えるところが僕には不快であり、幼稚だな、迂闊だなという印象を受けるところです。


関連して、次に『では逆に”人間化”はそんなにマズいのか』ということについて書きたいと思います。

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