ヴェルディ、代表、漫画、アニメ、女子バレー 他
海外ドラマアンソロジー:米国編(各評2)
2009年01月23日 (金) | 編集 |
特にサッカー関係のニュースが無いようなので、今の内にこっちを書いておきましょうか。
(ラインアップ)(各評1)


(社会派もの)

『M*A*S*H マッシュ』(’72)

ロバート・アルトマンの映画が有名ですが、それより少し遅れてドラマ化された、同じ小説を原作としたもの。
僕がスカパー加入したての頃、’01年あたりの放送を最後にFOXが全然再放送してくれなくて、新作ラッシュも良し悪しだなと。ミステリー”貧乏”チャンネルにでも引っ越しません?(笑)

映画同様、ベトナム戦争の虚無感を朝鮮戦争に仮託して描いた、基本「軍医」もの。映画の方もドライなトーンがらおちゃらけお下劣シーンが度々挿入される作りでしたが、こちらはもっとはっきり、30分枠の”コメディ”になっています。だから設定的には(医療キャンプを舞台にした)広義の”シットコム”(注)なのかも知れませんが、これを”コメディ”ということで『フレンズ』みたいのと並べるのはいくら何でも無理のある、異色の作品。

いや、確かにコメディではあるんですけどね。ピアースとマッキンタイヤのハチャメチャ(&凄腕)軍医コンビが激戦と激務の間を惜しんで(笑)、命ある限り貪欲に笑いを取りまくる。この二人のトークはもうほんとに凄くて、例えば『ナッシュ・ブリッジス』が”ダンス”なら、こちらは”ドリブル”という感じ(+ワンツー)。キレキレかつ変幻自在かつ強引、敵が何人いようがあくまで密集を切り裂くことにこだわって、最後には必ずゴールを陥れる。

と同時に触わると火傷するとんでもなく熱いヒューマニズムストーリーでもあって、最前線の悲惨と苦痛のどん底にあって、でもその中から何かしら必ず、人間性の「花」を咲かせようと格闘する、大事な人たちを笑顔にするまでは死んでも死なない眠くても眠らせない(笑)、男”ホークアイ”ピアースのド根性ストーリー。
ここらへん、ピアースを演じたアラン・アルダのパーソナリティが、最後には区別のつかないくらいに重なって/投影されていて、ちなみに後にアラン・アルダは、ほとんどそのままの役で『ER』に戦場帰りのお爺ちゃん先生(ウィーバーの恩師)として登場して、なるほどこれもインスピレーション元なのね、言われてみればERも”戦場”だしねという、そんな感じ。

とにかく30分のスピード感の中で、大爆笑と大号泣が時に交互に立ち現れる凄まじい作品。量産の中での一話完結のエピソードの構成の圧倒的な上手さにも驚かされる、「脚本の教科書」とも言える作品で、だから録画したいからまたやってよFOXさん。(笑)


『ルーツ』(’77)

ええ、前に全部書いちゃいました。そちらを。(笑)
言わずと知れた、クンタ・キンテから始まる奴隷一族のファミリーストーリー。テーマの重さ(&”実話”の縛り)をものともせずに仕上げられた、実は一級の”エンターテイメント”作品。


『ザ・ホワイトハウス』(’99)

アメリカ人にも難しいらしい(笑)、現代における最高ランクの英語劇。ということです。
医者ものにも法廷ものにも、難しい用語や概念は頻出しますが、「政治」を描いたこの作品の場合は、行われている日々の政治的駆け引き自体、また登場する人物のほとんど全員が知的に高いレベルにあるので、実にこう、隅から隅まで高級&知的。でもそれを生理的にもストレートに気持ちの良い、ダイナミックな大ヒットエンターテイメントに仕上げたのは、快挙と言えるでしょう。

正直時に、「今のやり取りどういう意味なんだろう」と、結局分からないこともままありますが(笑)、さほど気にはなりませんしそれ以上にこの作品が無ければ一生覗くことも出来なかった世界やトピックを、沢山知ることが出来てともかくも感謝感謝。と同時に、描かれる政治の局面一つ一つの余りの難しさに、「専門家」だから分かってるんだろうという漠然とした楽観をすっかり奪われてしまって(笑)、どうしてくれるんだという。

文句など何も無い歴史に残る傑作なんですが、意外と褒め方が難しい。(笑)
まあいいか、どうせ有名だから。成功のカギは・・・・ドナ・モスかな、やっぱり(笑)。あとチャーリー。


(闇・裏社会もの)

『オズ』も『ソプラノズ』も外せないし、出来れば『ツイン・ピークス』もどこかに入れてやりたいしということで、でっち上げたジャンル。”社会派”の裏だ!ちゅう感じで。(笑)


『ツインピークス』(’90)

『エレファントマン』などで知られるデビッド・リンチ監督の手になる当時全米騒然、日本でもちょっとしたブームを形成したヒット作品。様々なディテールがそれぞれにマニアックな興味を呼んだ作品ですが、あえて一つ「本質」を言挙げするとすれば、”凶悪・異常犯罪”あるいは”精神病質”犯罪を、犯罪(者)の側から体感させる形で、”悪”の実在を実感させるような形で、描こうとした作品かなと。(だからこういう分類)
・・・・”悪”というよりは”陰”ですけどね。”闇”というか。アメリカの表社会の「へり」から向こうに、確かに存在する(とリンチが考える)。アメリカ”人”のと言った方がいいかも知れませんが。だからクーパー捜査官も、最後には。(ネタバレ禁止(笑))

とは言え論理的に完結してるのかどうかは、正直よく分かりません。ネイティヴ・アメリカンや東洋の思想(易)みたいなものも、結構イメージ豊かに示唆されますが、あくまで”示唆”以上のものではないように思いますし。
要はやはり、「アメリカ」の”外”を、何らか描こうとしているわけでしょうが。
”ホワイトロッジ”や”ブラックロッジ”というシンボルをまともに受け取れば、分類としては(ホラー)の可能性もあるわけですけど、それも違うような。むしろブニュエルの『アンダルシアの犬』的な、デビッド・リンチの(悪)「夢」を表現したものだと、基本的にはそう全体を捉えておいた方が無難なような。散文のような韻文、ただし時々やっぱり散文、みたいな感じ。

全然見たくならないかも知れませんが(笑)、とりあえず全くタイプの違うかわい子ちゃんが、3人ないし4人出て来てどれがお好み?みたいな、そういう楽しみ方も大いにされていたドラマです。主人公クーパーの爽やかさ、「無個性の個性」みたいなものも、一種説明し難い魅力がありましたし。
そこらへんの構造は、ちょっと日本のアニメみたいですね(笑)。色々含めてリンチのオタ妄想大集合と、そう言ってしまうと意外と説明がつく感じもします。


『OZ/オズ』(’97)

アメリカの重罪刑務所の恐るべき日常を、真正面から赤裸々に描いた、しかし同時に古典劇的とも言える厳格な趣の大”ドラマ”。舞台の性格上もあって、何か淡々とローテーション的に登場人物が死亡/入れ替えを繰り返す、結果的大河ドラマでもあります。
とりあえず、これが無ければ『プリズンブレイク』が無かったのは、間違いないですね。(あれも十分よく出来てますけど)

とにかく怖いです。悲惨です。鬱です。でも日常です。終わらない。(笑)
普通のドラマだったら特別な”問題”シーンかあるいは足を引っ張りかねない”重い”シーンか、とにかく要するにそういうタイプのシーンだけで構成されたストーリーを、それなりの緩急や変化で飽きさせずに、6シーズンの長期シリーズをむしろ”快調に”乗りこなしたスタッフの手腕は、石を投げれば芸達者に当たる(笑)アメリカのTVドラマ界においても、更に出色、異質なものだと思います。「脱獄」という”ゴール”すら、与えられてないわけで。(笑)

脚本が上質なのは勿論なんですが、僕が特に凄いなと、なんなんだろうなと思うのは演出の・・・・あれ。監督固定してないな。なんだこれは。(黙考)
今の今まで一人の異能の監督がやってるのかと思ってたんですが、むしろ監督が「個人」性を出さない、集団指導体制が、このちょっと類を見ない客観性、平衡感、いっさいの言い訳がましい歪みの無い現実感を生んでいる・・・・のか、それとも製作・脚本のトム・フォンタナが実質の”監督”で、クレジット上の「監督」は日本のアニメにおける各話「演出」にあたるのか。ちょっと分かりません。

とにかくそういう作品、そういう演出です。”リアル”なのは勿論なんですが、それが”スタイル”ではないんですよね。むしろ”スタイル”が無い、という意味での”リアル”さ。まるで演出してないような。
さりとて単なる”ドキュメンタリータッチ”とも全然違って、緩みなく、隙間なく、くっきりと構成はされている。不思議な作品。正直現時点での、僕の批評能力を越えています。(笑)

アングロサクソン、アーリア系、アイルランド系、イタリア系、スペイン系、黒人一般、ブラックムスリム、その他ユダヤにアフリカンに一部アジアと、”坩堝”じゃない、人種間の区分け、クドいくらいのアメリカの「縮図」が、ビビッドに体感できる作品ですと、これくらい加えておこうかな。


『ザ・ソプラノズ』(’99)

『OZ』と同じHBOという意欲的なケーブル局の制作で、『OZ』と同質のリアル感のある犯罪者(イタリアンマフィア)ものドラマで、今の今まで同じスタッフが作ってるんだと思ってました。(笑)
実際はこちらはデヴィッド・チェイスという一人の人の、製作・監督・脚本作品。主に。
・・・・『OZ』もやっぱりトム・フォンタナがやってるんじゃないのかなあ、文体に一貫性があり過ぎるぞ。
それはそれとしてこの2作の似方というのは、HBOの偉い人に余程強固なポリシーと自らも芸術的センスがあるか、単に僕の鑑賞眼が粗いのか。(笑)

まあ、違いはあるんですけどね。具体的には『ソプラノズ』の方がリラックスしていて、そしてこっちの方が好きで、だから僕はてっきり、『OZ』のスタッフが経験を積んで、悟りを開いたのかと思ってたんですが。(笑)

そもそも『OZ』とは違って塀の外の、それなりに商売繁盛の現代マフィアの日常の話で、その分リラックスしてるのも当然と言えば当然なんですが、それにしても楽しいです。出て来るのは汚らしいデブやハゲのおっさん犯罪者(か、気の強いオバさん)が大部分で、かつ一方でどこも同じのダルいホームドラマでもあるにも関わらず、オープニングが流れると既に幸せでイキそうになるくらい、楽しい作品です。僕には。(笑)
よく分かりませんが、ある意味では『ナッシュ・ブリッジス』とも似ていて、作り手が完璧に成熟しているので、気持ち良く泳がされる、よしよしと抱っこして揺らしてもらえるということなのかも。・・・・実際揺れるんですよね、スウィングします。振幅はかなりゆっくり、or意識下に近いですけど。

演技が、または演技と演出の関係性がまた凄くいいんですね。きっちり演出されているからこそ、自由に演技出来るというか。どこまでがどちらの、「意図」なのか、よく分からない瞬間がちょいちょいあります。
特に凄いなと思うのが、主人公のマフィアのボスにしてマイホームパパのトニーの怒る瞬間、まともに喧嘩売られてor気分を害されて怒ったり恫喝するパターンも勿論ありますが、他に成り行きや家族関係含めて状況のこんがらがり方にやりきれなくて個人としてキレるパターンや、あるいは家族に対してさすがマフィアのボスなりの迫力で、でも別に脅すわけではなく叱る、叱ってるんだけどよく見ると目は無意識にマフィアのボスの目でやっぱり怖いとか、一つ一つ非常に複雑で実感こもってて、「表裏」などという月並みな基準では捉え切れない、正に一人の「人間」の全体像が完璧に表現されています。

ほんと「人間」なんですよね。・・・・人間”味”ではないですよ?”仏心”とか、そういう陳腐な話をしてるわけではなくて。「人間」と、それが集まった「世界」と。
要するに、「全部」が、「全体」が常に表現されている作品。エピソードによる説明以前にね、一つ一つのシーンの時点で、既に。ああ幸せ。(笑)

そういう要するに「人間」が、立場や生まれで、むしろ惰性で暴力犯罪を犯したり、常習的犯罪者をやっている様子は、逆に怖いですけどね。痛いというか。たまに吐く弱音も、殺される方にはたまったもんじゃないでしょうけど(笑)、素直に、理解・共感出来る。



(SF)

『スタートレック ディープ・スペース・ナイン』(’93)

『ヴォイジャー』でも『新スタートレック』でも、クオリティ的には特に遜色ないと思いますが、ただそれらが概ね要はエピソードが機械的に蓄積するだけみたいなところがあるのに対して、『DS9』は大きな長期的中期的なストーリーのまとまりが割りとしっかりしていてメリハリがあるので、選んでみました。
それが自体が好き、ということでも必ずしも無いんですが(笑)、それゆえの緊張感というのは、確かにあると思います。逆に”典型的”ではないかも知れませんけどね、スタートレックとしては。旅しませんし。まあ好き好き。

宇宙ステーションディープ・スペース・ナインに場所が固定されたことで、”舞台劇”的な密室性がもたらされたということは以前ちらっと書いたと思いますが、そうしたシェークスピアなどを思わせる古典舞台劇的な「ブロック」が、民族対立/レジスタンス闘争ありーの異種人類との大宇宙戦争ありーのというダイナミックな枠と、多層的に組み上げられているそういう作品。

とにかくここで挙げたスタートレック3作は、どこからでも安心して見られる、SFというよりもアメリカン・ドラマの良心というか手本みたいなものだと思いますが、忙しない宇宙旅行から解放(?)されたことで、そうした”ドラマ”としての骨組みの強固さが、一番分かり易く出ている作品ではないかなと。煮詰められているというか。
だから僕自身もそうでしたが、SFドラマ/スタートレック自体に、”子供騙し”的な偏見を持っている人には特におすすめ(笑)。いや、これはアダルトですよ?時に眠くなるくらい(笑)。BGMはジャズですね。

SF的意匠としては、バルカン人(1st)-アンドロイド(新)-元ボーグ(ヴォイジャー)と一貫して追求されている「理性」と「感情」の問題に加えて、この作品では”流動体生物”オドーを通して、「個」と「非個」、あるいは「個」の境界という新たな問題意識が、取り組みの対象とされています。正直やや消化不良な感じもありますが、問題としてはより深遠で、オドーが” 繋がり”に溶けて行く様子は毎回怖いような魅惑的なような、・・・・・うーん、やっぱりちょっと、気持ちが悪いかな(笑)。今の自分が好きです。

同様に司令官の”ベイジョーの預言者”エピソードを通じて、「宗教」の問題もかなりスペースを割いて正面から追求されていますが、これもちょっと隔靴掻痒かも。まあスタートレックはここらへん、常にそうですね。品が良過ぎるというか、所詮”理系”という限界があるというか。良くも悪くも客観的、良識的。
ただそういう切り口で、ありとあらゆることを、ありとあらゆる方向から考えてみる、そういうシリーズですね。

実は一番凄味があるのは、商人民族フェレンギ人(クワーク)の描写かなと。これについては逆に、無理にでも客観的で感情を抑えたスタンスが、この見るからに感じの悪い連中(笑)の多彩な表情を、辛抱強く浮き彫りにすることを可能にしていたと思います。


『アース2』(’96)

日本に輸入された「海外ドラマ」屈指の、謎の作品?
やってる最中も謎でしたし、素性も謎ですし、終わり方もまた謎。未だに特に、位置付けられない。
ちゃんと地上波(日テレ深夜)でやったんですけどね。(笑)

まずタイトルですが、僕を含めて多くの人が勘違いしたように『アース』という作品の”2”ではなくて、”第2の地球”というような意味での『アース2』です。だから『アース3』はありません。(笑)
つまりは生存の為の第2の地球を求めてある星に移民した人たちの話なんですが、ただの悲喜こもごもの開拓民ものではありません。その星への到着自体が、例の『LOST』的な若干陰謀含みの予定外の形ですし、その謎を探りつつ生存の必要の為に本来の到着予定地まで横断旅行をしなくてはならず、そしてその星自体に秘められた怖い怖い謎がまたそれに絡んで来るという、だいたいそんなストーリー。

”怖い”と言っても別にプレデターが襲って来るわけではなく、いや、当初はそんな風にも見えた存在もいたんですが必ずしもそういうことでもなく、本当に怖いのはやはり人間で、でも最終的にはその”星”という命との対決、受け入れてくれるかという問題が最大の問題で、え?エコロジー?まあそういうところもあるんだけどもっと複雑、ちょっと『蟲師』みたいなところもあるんだよなって、何だか分かりませんね。(笑)
あんまり説明したくないんですよ。自分で見て、堪能して欲しいって、機会があるのかどうか疑問ですが。(笑)
結局何が”怖い”って、ムードの喚起力があり過ぎて怖いんですよね。何か変なものを覗いている感じがするというか。

そこらへんの一つ一つのディテールやイメージを楽しめる人には、降って湧いた天才的な作品ということで激賞されますが、”ストーリー”と”論理”しか受け付けない人には、何だか分からない、もしくはよくあるエコロジー的な作品でしかないみたい。
僕は勿論前者で。ていうか「SF的情緒」というものが世の中にはあると思うんですけど、無いですか。それこそ『2001年』とか。『プラネテス』でもいいけど。そういう意味ではむしろ”正統”の臭いすらしますけど。で、そういう無駄に本格感のある作品が(笑)、どういう脈絡で突然作られたのかというのが、その間前後のSFドラマの状況からも、どうもよく分からない上に低視聴率か予算不足かで、打ち切り的に変なラストで終わってしまったので、ただでさえ謎だった作品が完全に謎になってしまって、あららららという。(笑)

まあ見る機会があったらどうぞ。そうですね、釘宮理恵の先祖、かつてのこそばゆ声の大エースこおろぎさとみがハマり役で大活躍する作品と、そんなことも付け加えておきますか。(笑)
役者はいいんですよねえ、みんな、あちら側のも。リキは入ってたように見えるんですけど。


『スターゲイト』(’97)

今更何を書こうかしら。ここ2,3年で、最も僕を楽しませてくれたTVドラマであるのは間違いないんですが。
”SF”としてのオリジナリティでは、スタートレックには譲るところは多いと思います。ただ同じような要素を徹底的にキャッチーに再編成してアピールして、かつ十分に知的でユーモラスで趣味がいいという、なんかずるいぞこの野郎、でも面白いからOKみたいなそういう作品。(笑)
具体的には、まず(惑星間のワームホールネットワーク)「スターゲイト」という基本ツールのキャッチーさと、(宇宙船でもただのワームホールでもないという)オリジナリティと。それから”スーパーヒーロー”と”群像劇”の、ちょうど上手いこと中を取った4人組のパーティバトルという設定のハマり具合と。そして勿論、”元マクガイバー”(笑)R・D・アンダーソンのオニール大佐を筆頭とする、その「4人」のキャラの魅力と組み合わせの妙と。

個人的には宿敵ゴアウルドや同盟者アスガードたちの出自の伝奇要素、それぞれが古代(神話)の神々の正体であるという設定と雰囲気もお気に入りで、だから最終9・10シーズンの敵オーライは、それが無いのでそれだけでも魅力半減。勿論R・D・アンダーソンの離脱も痛いし、オーライのいかにもな新興宗教ぶりが重苦しいというのもあって、結論としては要らなかったと思います。
新リーダーは頑張ってたんですけどね。スピンアウト『アトランティス』の方に回してやりたいくらい。(笑)

とにかく本当に本当によく出来た楽しい作品で、どちらかと言うと”緻密な構成”というよりもアイデアとインスピレーションでその場その場を凌いでいるところもありますが(笑)、その凌ぎ方がまた。
それは”シリーズ””シーズン”単位でもそうですが、「一回」の中でも毎度毎度感心させられることが多くて、特に捻りに捻った、遊びに遊んだ(笑)「承」や「転」を、45分という決まった枠の中できっちりもう一回引っくり返してまとめ上げる『解決』の腕の冴えは、アメドラの定番ではありますがしつこく驚きます。
2分でどれだけ多くのことを描けるか、それを『スターゲイト』には、教えられました。

いや、ほんと、残り時間を計算して(笑)、「これでちゃんとまとまりつくのかなあ」と、しょっちゅう心配になるんですが、つくんですねえ、ちゃんと。プロだよなあ。
一方で実はスタートレックに比べても、神秘主義や宗教・哲学に関する見識は遙かにディープで能動的なところがあって、基本的に作り手の人種が違うんだなということは感じますが。僕寄りというか。(笑)


(ホラー、ファンタジー)

『アメリカンゴシック』(’95)

ころっと忘れてましたが、有名なホラー監督サム・ライミの、製作番組。
地上で活動する「魔王」とその人間とのハーフの「息子」との関係・対立を軸にした、割合ストレートなオカルト設定作品。ではあるんですが・・・・
でも実態は高度な心理劇で、”善悪”をめぐるかなり本気の考察を真の目的とした作品で、いいんだか悪いんだか。それなりにヒットはしたらしいですけどね。

典型的にはその魔王の人間の殺し方(笑)で、最終的には魔王らしい超能力(霊能力?)で殺すんですが、その前にコツコツと心理的論理的に追い詰めて、その一見まともらしい人間に潜む偽善・欺瞞に直面させて、自ら「もうどうにでもしてくれこんな俺」という状態にして、”落とし”てから、最後の仕上げの賑やかしとしてそういう力を使うんですよね。だから本当は、「魔王」じゃなくてもいいんですよ(笑)。殺し自体は刃物でも銃でも、自殺ほう助だっていいくらいで。特別な”力”は必要じゃない。だから”心理劇”だと言うんですけどね。

「息子」を自分の陣営に取り込むのも、あくまで基本は”説得”だという、品の良さ。(笑)
辛抱強く、”ケース”を重ねて、ほらこんなに「善」はいかがわしいだろう?「悪」は清々しいだろう?と、あくまで論理的に、自発性を尊重する形で(笑)誘導する。
実際かなり、説得されます。僕が(笑)。ほんと傲慢だよなあ、「善」は、あの”天使”どもはと。自分が正しいと決めてしまうと、人はとことん残酷にも卑怯にもなるという、例の黄金律も含めて。
最後どうなるんだったっけかなあ。まあ息子もなかなかのもんなんですけどね、薄汚い人間どもに揉まれて(笑)、むしろ親父よりスケールの大きい悪になる素質すら見せる。面白かったなあ、そこらへんの描写。

もう一つ面白いのが、舞台設定に(過度に)忠実に、全編南部訛り丸出しだということで、つまり別に「無教養な」「田舎者」タイプだけでなく、沈着な天才児の、かなり魅力的な少年であるその息子も、息子の学校に赴任して来た超色っぺえ”都会的な”美人先生も、ズウズウヅラヅラ英語を喋るんですね。(笑)
それが何とも言えず味わい深くて、かつむしろ色っぽさが倍加して。あんまり見たことないなあ、こんなの。普通はあえて、抑えて喋らせてるんでしょうか。(だから勿論、字幕で見て下さい)


『バフィー ~恋する十字架』(’97)

『アリー』『グレイズ・アナトミー』と並ぶ、”女の子と一緒に見よう!”作品(笑)。なんだけどね。
開始当時はそういう年齢だったサラ・ミッシェル・ゲラー扮する、ピチピチ女子高生ヴァンパイア・ハンターの活躍を描く学園青春ストーリー・・・・てな感じで始まったんだろうと思うんですが、人気が出て続いて、結構次々とスケールアップする巨悪と戦う羽目になるという、少年ジャンプ的展開(笑)の作品。

ただ最初から、一筋縄では行かないねじくれたユーモアセンスと、隠れた知性の感じられる作品ではありました。サラ・ミッシェル・ゲラーも、むしろ暗い人でしょうし、本来。複雑というか。
製作・脚本の人は、多分ローマ字でOTAKUと表記したらいいような背景・世代の人で、基本設定もアメコミとかよりも日本の漫画やアニメの方に、むしろインスピレーションがあるのではないかと。作品自体はそうしたバトルものとしての活発な展開と同時に、『ビバヒル』的とも日本の少女漫画的とも、どちらともつかない同級生的だったり宿命的悲恋だったり、様々な恋愛的あれこれで同人妄想っぽい女子人気も大いに獲得して、日米双方でヒットしました。

こういうと内向きな作品のようですが、むしろそういうOTAKU的妄想女子的な諸要素を、耽溺&自虐しつつも同時に骨太で透徹した自己批評で、かなり堅固に社会化することに成功した優れた作品だと思います。自己満のようで自己満ではない。それこそエヴァンとかに比べても。
まあでもとにかく、会話が面白いですよ。スライダーとシュートを中心に、ほぼ全球が何かしらの変化球で、それを細かーくゾーンを出し入れして、かつ結構手元で伸びるという(なんじゃそりゃ)。そう簡単に、ジャストミートはされんよという。ストーリー展開も厭らしく、裏裏突いて来ますしね。

・・・・ところがぎっちょん。冒頭の話ですが。
かれこれ一年半くらいでしょうか、掲示板上でこの作品について定期的に語り合って来た女の子が当時いたんですが、ある時話題が「『バフィー』のユーモアの意地悪さ」に及んだ時に、そのコいわく「どうしてああいうこといちいち言わせるんでしょうね、台無しになるのに」(意訳)。ん?ちょっと待て、その”台無し”をメインに楽しむのがこの作品ではないの?じゃあ今まで何を面白いと思って見てたのかなキミはと、あえて言葉にはしませんでしたがびっくりしました。(笑)
一応笑いはするらしいんですけどね、基本設定としては雑音らしいんですよ、そのコにとっては。僕がメインに楽しみにしていたものが。逆に僕が「背景」「状況説明」としてのみ認識していたような”ストーリー”部分を、そのコは本気で見ているということのようで。前後からすると。

うーん。ここまで違うものかと。ある種トラウマ(笑)。ちなみに姉妹編『エンジェル』も、同レベルに面白いです。


『霊能者アザーズ』(’00)

他に同レベルのはいくつかある気はするんですが(『ポルターガイスト ザ・レガシー』とか『ミレニアム』とか『ミディアム』とか)、思い入れがあるのはこれかなあ。
まずはジュリアン・ニコルソンがかわいいというのと(笑)。断固としてかわいいというのと。
それから背景不詳なんですが、妙に”本気度”が高いんですよね、「霊」関係の。実話をもとにしているか、作っている人はこうした内容を基本信じているか。それが独特の迫力と、悲痛さで、インパクトがありました。

「アザーズ」とは霊能者の研究・実践結社みたいなもののこと。”女子大生”ジュリアン・ニコルソンは自らは望まないそうした方面の特異な才能を買われて、スカウトされて協力をすることに。仕事は・・・・成仏支援?(笑)
正直細かい内容覚えてないんですが、暗くて悲しいけど、切なく美しい話が多かったような。演出的にもね。
勿論恐ろしい敵との戦いもあり、最後は・・・・最後は・・・・。その方面では名高い、凄まじく乱暴な”打ち切り”ラストで、ある意味見ものです。(笑)

かわいいのになあ。(しつこい?)


まだまたありますけどね。『がんばれベアーズ』とか、『パートリッジ・ファミリー』とか、基本見ないコメディも、古いのは結構みんな面白い。次イギリスその他編です。


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コメント
この記事へのコメント
日本のドラマに関しては
アトさんの仰るとおり

>製作・脚本のトム・フォンタナが実質の
>”監督”で、クレジット上の「監督」は日本の
>アニメにおける各話「演出」にあたるのか。
>ちょっと分かりません。

と言う傾向があるみたいですね。

日本アニメの総監督と言う、半年ないしは一年のシリーズで、
自分の色を出すポジションというのは珍しいのかも知れません

もっとも、東映アニメの作品に関しては、やはり監督(SD)より、
プロデューサーや脚本の影響力が強いみたいですが
2009/01/24(Sat) 02:53 | URL  | わたなべ #RoHUgdWQ[ 編集]
日本のテレビのは
ドラマもバラエティも含めて、「監督」ではなくて「D(ディー)」ですよね。別物というか。(笑)
建築における現場「監督」にも近いですが、ただその方面の歴史の本を読むと、アメリカ/ハリウッドでも当初は会社とボス的な製作者がクリエイティヴなイニシアチブを一手に握っていて、各作品の「監督」はほんと中間管理職という感じで、独立的に”作家”みたいな認識が出て来るのは結構後の方みたいです。

日本のアニメはむしろ映画における「監督」が確立した後に、またそもそも既成のテレビ界の外部から入って来たせいか、割と最初から「監督」の権限は大きいですね。前のわたなべさんの解説によると、もし労働量的な事情が無ければ、恐らく各話の演出も、基本的には監督自身がやるだろうということですし。
アメドラの場合は、それらの中間という感じですかね。”製作総指揮”的なポジションの人(多くは脚本家)の存在がまずありきとして、でも”directer”はdirecterで、たいていは一人の人が一貫性と個性を持って、担っている。
2009/01/24(Sat) 12:16 | URL  | アト #/HoiMy2E[ 編集]
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