2009年01月26日 (月) | 編集 |
福西が引退決意、今後はタレント活動も(スポニチ)
うーん。事情は違いますが、中田ヒデの引退とかに近い、後味の悪さかなと。
やっぱり余力残し過ぎるのは、あまり美しくないですね。美学というより、程度問題として。持ってるものは使わないと。
まあ福西の場合は、プライドやエゴが障害になっている部分はある(プレイスタイルの選択自体も含めて)にしても、基本的には条件的・金銭的な問題のようですけどね。釜山のオファーって、いくらぐらいだったんだろ。まさか愛媛より安いということは、ないと思うんですが。(でもKリーグって感じでもな)
プレイの問題について言うと、多少歳の取り方に失敗しているというところは、否定し難くありますね。ベテラン”なり”とかじゃなくて、単に衰えた全盛期でしかないというか。
例えば同じく運動量とムラ気が問題とされていた(笑)林健太郎が、甲府で充実した老後(?)を送っているのと比べると、やはり体に頼り過ぎていたところはあるでしょうね、特に守備において。
それにしたって、言うほど衰えているわけではないわけでね。見るからに”引退の危機”を感じさせるような。
それを言うなら服部さんの方が、よっぽど。(笑)
あえて凄く根本的、というか身も蓋もないことを言うと(笑)、”ボランチ”なのが、ボランチに転向させられたのが運の尽きというところは、実はあると思います。
当たり負けしない身体能力とロングキックの能力という魅力は確かにあるんですが(だからこそ転向させられたんでしょうけど)、一方で”瞬間”と”センス”の、美味しいとこどりの選手でもあるわけで。・・・・本当にセンスはありますよね、”美味しい””瞬間”をとる。
実際のところの「スタミナ」が、日本人ボランチの(あるいは同年代の)標準からして大きく問題なほど無いわけではないだろうと思いますが、基本的な発想が、『持続』と『継続』のボランチのものではないんですよね。見えないところまできっちり埋める。・・・・見せてナンボですから(笑)、福西は。(”隠して”というのも含めて(笑))
いずれにしてもスタミナが「ある」タイプなわけでは、多分無いんでしょうけど。だからジュビロでリベロに回された時は、当時の監督(ハジェブスキー’00年)へのお愛想込み(笑)で、「むしろボランチより向いてる」などと自ら言っていたわけで。
実際本質的にはむしろそっちじゃないかとは思います、比較の問題としては。守備の練習は、改めてしなくてはいけないとしても(笑)。控えた場所から運動量を自分でコントロールしながら守り、かつ常に意表をついて、美味しいところを狙い澄まして攻め上がれる。(同志?)
まあ、今だったら田中マルクス闘莉王という、分かり易い見本(手本?)が実際いますけど(笑)。あれも「攻撃力があってかつ身体能力の高い守備手」ではあっても、断じて”ボランチ”ではないわけでね。あくまでリベロであってこそ。福西同様。・・・・逆に”狙え”る選手も限られている、特別だと、そういうポジティヴな事情もあるわけですけど。そして体は心(頭)が動かすわけで、”狙え”る選手は”続け”るのは苦手なんですよ。基本的に別の資質。
ただ一方で、そもそもの「当たり負けしない身体能力とロングキック」の部分は、当時の日本人ボランチの選手層を考えれば、ある意味では求められていた能力、求められていた選手像、資質であったのも、確かなんですよね。おかげさまで(?)その後の現役時代の大部分を、日本屈指の、あるいは破格のボランチとして、こうして過ごすことになったわけですし。そこらへんは一概に駄目だとは、とても言えないところで。
でもジュビロ時代の”全盛期”も含めて、一度もボランチとして「完成」したとか、プレーヤーとしてのイメージがクリアな輪郭を持ったことも、結局無かったような気がします。あり余る基礎能力と豊富な引き出しを、その都度適当に状況にアジャストしていただけで。
ここらへんは(ジュビロの)周りの選手の質に恵まれ過ぎたという、そういうところもあるのかなと思いますが。
例えばもっと早くヴェルディに来ていたら(笑)、誰の陰にも隠れられず、自ら矢面に立ってチームを引き受けて、それによって「何者」かに、ちゃんとなれたかも。・・・・実は良い晩年(後半生)というのは、こういう積極的な自己限定、何者かになる経験をもとに、可能になるような気がするんですよね、色々な選手を見ていると。「才気」のままボーッと過ごすのではなく。どのレベルの選手にも、その人なりに立ち返る基準というか、身に付いた「型」みたいなものは必要なので。その後”応用”する。単なるデフォルトの柔軟性ではなく。
だから今季福西は、ある意味選手生活で一番考えたかもしれないですね。主体性をもって。
やや遅きに失した感はありますが。でも結構燃えてたと思いますよ(笑)、何回も言っているように。
キャリア的にはFC東京での一年が、ほとんど寝てた感じで勿体なかったですね。
それでも結局福西は福西だったかもしれないですが、その場合は逆に、もっと前目やピンポイント的な攻撃のスペシャリストというキャラ設定も、どこかで作っておければ良かったんだろうなと、そっちの方向にも残念。「中心」「要」にいざるを得ない、”ボランチ”ではなく。
それならば例えボランチとしてフルには信頼出来なくても、明けて33歳の福西を、Jリーグに置いておくことはもっと楽だったでしょう。現在でもそういう能力/可能性は実際あると思いますが、普通にこれからやるとすれば、実績的には「奇策」の部類になってしまう。福西のプライドも含めて、よっぽど気合の入った監督でもないと、なかなか難しい。まあ一年の実績でも何とかならんことはないので、そこらへんは昨年の監督の柔軟性の無さを、多少恨みたいところはありますが遠い話。
勿論そもそもコンバートされずに、そのまま攻撃の選手(元はFW)として育ったらどうだったかなというのも、心残りではあります。あの身体能力と柔らかい技術、飛び込みの勘とずる賢さ、普通に代表級じゃないかと思いますが。ただそれも”ボランチ”としての出場経験によって、初めてプロ選手として形作られたという可能性が実際あるので、別にジュビロの関係者を批判する気は無いですが。(笑)
でもFWだったら(それでこの歳まで来れてたら)、さほど問題無く現役生活は続いたんだろうなと。
そしてもしCBとしてモノになっていたら、今でもバリバリ代表選手だったかも。・・・・ちなみに2002年の宮城でトルコに敗れた後、直後に僕が現実逃避的に構成した”2006年”の日本代表のCBには、必須のレギュラーとして福西の姿がありました(笑)。あのドロドロの状況でも、”個人”として踏ん張れそうな選手として。まあ3バック基本でしたが、あの時代ですから。リベロとストッパー、両方の候補。
なんかさあ、やっぱ勿体ないよ、とにかく。銭の取れる選手なのに。
・・・・実際にはその”銭”が、取れる以前にやれないんでしょうけどね、今のJリーグの状況だと。
やっぱおかしくない?廣山が草津で福西が愛媛って。ごめん、頑張ったけどやっぱ愛媛の福西って、想像出来ないや(笑)。そんなにJ1っていい選手沢山いるの?
2人の「価値」そのものというより、要は「労働市場」的な成り行きなんだと思いますけどね。何と言うか現在いる「正社員」の利益を守ることが精一杯で、後はよほどスーパーな選手以外は使い易さ雇い易さがとにかく優先という、守りの姿勢。普通に力が”ある”だけでは、今はなかなか雇ってもらえない。戦略的価値の優先順位が低いというか。”可能性”や”幅”を買う余裕は無い。
たまたま今不景気というのは勿論あるんでしょうが、それを前例として今後も基本的にこんな感じのリーグになるんじゃないかなという、嫌な感じもしていますが。
勿論最初に言ったように、使い易い計算し易い”ベテラン”選手に自己形成する責任は本人の方にあるわけですが(その基準でも廣山は・・・・)、イラネになるカーブがちょっと急過ぎる感じはします。
むしろJ1クラブの頑張りよりも、J2クラブのステイタスアップの方が、現実的なのかなとか。廣山が草津でも福西が愛媛でも、おかしいと感じないですむような。ある程度は名前の問題ですけどね。そういう意味では、どんどんそれぞれが「昇格」経験を積むことが近道なのかも知れません。
だからと言って、譲れませんけど。(笑)
(追記)
という時節柄、なぜか堪えたこの記事。
相撲で27%取れるのか。それに引き換え。むしろ野球も取れないのが救いかも。(笑)
まあJリーグは定義として「全国」相手の商売じゃないので、もし地域毎に放送・調査する体制にでもなったら、常時そんな数字になるのかもなという気がしますが。以上余談。
02年日韓、06年ドイツ大会と2度のW杯に出場した元日本代表MF福西崇史(32)が現役を引退することが25日、明らかになった。
昨年11月30日に東京Vから戦力外通告を受けて移籍先を探していたが、オファーのあったJ2愛媛や韓国Kリーグの釜山とは条件面で合意せず、引退の意思を固めた。近日中に正式発表される。
うーん。事情は違いますが、中田ヒデの引退とかに近い、後味の悪さかなと。
やっぱり余力残し過ぎるのは、あまり美しくないですね。美学というより、程度問題として。持ってるものは使わないと。
まあ福西の場合は、プライドやエゴが障害になっている部分はある(プレイスタイルの選択自体も含めて)にしても、基本的には条件的・金銭的な問題のようですけどね。釜山のオファーって、いくらぐらいだったんだろ。まさか愛媛より安いということは、ないと思うんですが。(でもKリーグって感じでもな)
プレイの問題について言うと、多少歳の取り方に失敗しているというところは、否定し難くありますね。ベテラン”なり”とかじゃなくて、単に衰えた全盛期でしかないというか。
例えば同じく運動量とムラ気が問題とされていた(笑)林健太郎が、甲府で充実した老後(?)を送っているのと比べると、やはり体に頼り過ぎていたところはあるでしょうね、特に守備において。
それにしたって、言うほど衰えているわけではないわけでね。見るからに”引退の危機”を感じさせるような。
それを言うなら服部さんの方が、よっぽど。(笑)
あえて凄く根本的、というか身も蓋もないことを言うと(笑)、”ボランチ”なのが、ボランチに転向させられたのが運の尽きというところは、実はあると思います。
当たり負けしない身体能力とロングキックの能力という魅力は確かにあるんですが(だからこそ転向させられたんでしょうけど)、一方で”瞬間”と”センス”の、美味しいとこどりの選手でもあるわけで。・・・・本当にセンスはありますよね、”美味しい””瞬間”をとる。
実際のところの「スタミナ」が、日本人ボランチの(あるいは同年代の)標準からして大きく問題なほど無いわけではないだろうと思いますが、基本的な発想が、『持続』と『継続』のボランチのものではないんですよね。見えないところまできっちり埋める。・・・・見せてナンボですから(笑)、福西は。(”隠して”というのも含めて(笑))
いずれにしてもスタミナが「ある」タイプなわけでは、多分無いんでしょうけど。だからジュビロでリベロに回された時は、当時の監督(ハジェブスキー’00年)へのお愛想込み(笑)で、「むしろボランチより向いてる」などと自ら言っていたわけで。
実際本質的にはむしろそっちじゃないかとは思います、比較の問題としては。守備の練習は、改めてしなくてはいけないとしても(笑)。控えた場所から運動量を自分でコントロールしながら守り、かつ常に意表をついて、美味しいところを狙い澄まして攻め上がれる。(同志?)
まあ、今だったら田中マルクス闘莉王という、分かり易い見本(手本?)が実際いますけど(笑)。あれも「攻撃力があってかつ身体能力の高い守備手」ではあっても、断じて”ボランチ”ではないわけでね。あくまでリベロであってこそ。福西同様。・・・・逆に”狙え”る選手も限られている、特別だと、そういうポジティヴな事情もあるわけですけど。そして体は心(頭)が動かすわけで、”狙え”る選手は”続け”るのは苦手なんですよ。基本的に別の資質。
ただ一方で、そもそもの「当たり負けしない身体能力とロングキック」の部分は、当時の日本人ボランチの選手層を考えれば、ある意味では求められていた能力、求められていた選手像、資質であったのも、確かなんですよね。おかげさまで(?)その後の現役時代の大部分を、日本屈指の、あるいは破格のボランチとして、こうして過ごすことになったわけですし。そこらへんは一概に駄目だとは、とても言えないところで。
でもジュビロ時代の”全盛期”も含めて、一度もボランチとして「完成」したとか、プレーヤーとしてのイメージがクリアな輪郭を持ったことも、結局無かったような気がします。あり余る基礎能力と豊富な引き出しを、その都度適当に状況にアジャストしていただけで。
ここらへんは(ジュビロの)周りの選手の質に恵まれ過ぎたという、そういうところもあるのかなと思いますが。
例えばもっと早くヴェルディに来ていたら(笑)、誰の陰にも隠れられず、自ら矢面に立ってチームを引き受けて、それによって「何者」かに、ちゃんとなれたかも。・・・・実は良い晩年(後半生)というのは、こういう積極的な自己限定、何者かになる経験をもとに、可能になるような気がするんですよね、色々な選手を見ていると。「才気」のままボーッと過ごすのではなく。どのレベルの選手にも、その人なりに立ち返る基準というか、身に付いた「型」みたいなものは必要なので。その後”応用”する。単なるデフォルトの柔軟性ではなく。
だから今季福西は、ある意味選手生活で一番考えたかもしれないですね。主体性をもって。
やや遅きに失した感はありますが。でも結構燃えてたと思いますよ(笑)、何回も言っているように。
キャリア的にはFC東京での一年が、ほとんど寝てた感じで勿体なかったですね。
それでも結局福西は福西だったかもしれないですが、その場合は逆に、もっと前目やピンポイント的な攻撃のスペシャリストというキャラ設定も、どこかで作っておければ良かったんだろうなと、そっちの方向にも残念。「中心」「要」にいざるを得ない、”ボランチ”ではなく。
それならば例えボランチとしてフルには信頼出来なくても、明けて33歳の福西を、Jリーグに置いておくことはもっと楽だったでしょう。現在でもそういう能力/可能性は実際あると思いますが、普通にこれからやるとすれば、実績的には「奇策」の部類になってしまう。福西のプライドも含めて、よっぽど気合の入った監督でもないと、なかなか難しい。まあ一年の実績でも何とかならんことはないので、そこらへんは昨年の監督の柔軟性の無さを、多少恨みたいところはありますが遠い話。
勿論そもそもコンバートされずに、そのまま攻撃の選手(元はFW)として育ったらどうだったかなというのも、心残りではあります。あの身体能力と柔らかい技術、飛び込みの勘とずる賢さ、普通に代表級じゃないかと思いますが。ただそれも”ボランチ”としての出場経験によって、初めてプロ選手として形作られたという可能性が実際あるので、別にジュビロの関係者を批判する気は無いですが。(笑)
でもFWだったら(それでこの歳まで来れてたら)、さほど問題無く現役生活は続いたんだろうなと。
そしてもしCBとしてモノになっていたら、今でもバリバリ代表選手だったかも。・・・・ちなみに2002年の宮城でトルコに敗れた後、直後に僕が現実逃避的に構成した”2006年”の日本代表のCBには、必須のレギュラーとして福西の姿がありました(笑)。あのドロドロの状況でも、”個人”として踏ん張れそうな選手として。まあ3バック基本でしたが、あの時代ですから。リベロとストッパー、両方の候補。
なんかさあ、やっぱ勿体ないよ、とにかく。銭の取れる選手なのに。
・・・・実際にはその”銭”が、取れる以前にやれないんでしょうけどね、今のJリーグの状況だと。
やっぱおかしくない?廣山が草津で福西が愛媛って。ごめん、頑張ったけどやっぱ愛媛の福西って、想像出来ないや(笑)。そんなにJ1っていい選手沢山いるの?
2人の「価値」そのものというより、要は「労働市場」的な成り行きなんだと思いますけどね。何と言うか現在いる「正社員」の利益を守ることが精一杯で、後はよほどスーパーな選手以外は使い易さ雇い易さがとにかく優先という、守りの姿勢。普通に力が”ある”だけでは、今はなかなか雇ってもらえない。戦略的価値の優先順位が低いというか。”可能性”や”幅”を買う余裕は無い。
たまたま今不景気というのは勿論あるんでしょうが、それを前例として今後も基本的にこんな感じのリーグになるんじゃないかなという、嫌な感じもしていますが。
勿論最初に言ったように、使い易い計算し易い”ベテラン”選手に自己形成する責任は本人の方にあるわけですが(その基準でも廣山は・・・・)、イラネになるカーブがちょっと急過ぎる感じはします。
むしろJ1クラブの頑張りよりも、J2クラブのステイタスアップの方が、現実的なのかなとか。廣山が草津でも福西が愛媛でも、おかしいと感じないですむような。ある程度は名前の問題ですけどね。そういう意味では、どんどんそれぞれが「昇格」経験を積むことが近道なのかも知れません。
だからと言って、譲れませんけど。(笑)
(追記)
という時節柄、なぜか堪えたこの記事。
相撲で27%取れるのか。それに引き換え。むしろ野球も取れないのが救いかも。(笑)
まあJリーグは定義として「全国」相手の商売じゃないので、もし地域毎に放送・調査する体制にでもなったら、常時そんな数字になるのかもなという気がしますが。以上余談。
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