ヴェルディ等サッカー、漫画、アイドル 他
東アジア選手権韓国戦
2010年02月15日 (月) | 編集 |
あー、これは酷いですね。

東アジア選手権2010 決勝大会 日本代表 ●1-3○ 韓国代表(国立)

上手くいっていない、足りないというよりも、"軸"が無くなってしまっているような感じ。


"幹"の次は"軸"かよという感じですが(笑)、いや、別に新概念を提唱しようとしているわけでは。
ごく一般論。

岡田ジャパンの「中央」が弱いという話、現象論を香港戦でしましたが、その背景の構造が改めて見えた感じです。
単に中盤パスワークのクオリティが低い、俊輔がいないとかいう、それだけの話ではないですね。


回顧的に整理すると、初期型俺流岡田ジャパンの特徴は、

 1.(例えばオシムジャパンに比べて)一段高く、意識的な特攻的ハイプレス。
 2.それを掻い潜られたorボールを奪われた後の、(下がるのではなく)「すかさず一歩前へ」あえて出ての、動き直し/奪い返し。


この一連の動きの統一性徹底性がまずあって、次に

 3.奪ったボールを円環/横に揺さぶりをかけながら、最終的にはゴールへ直線的に怒涛の勢いで流れ込む、集団的なボール運び。

これが一応の完成形というか、基本ラインだったわけですね。
更に言うと、"3"の「集団的」なボール運びが可能になるのは、"1""2"のプロセスを通じて単純に言えば既に密集が自然に作られているし、精神的にも呼吸・イメージ的にも十分に活きた"グループ"になっているからですね。
勿論攻撃パターン自体の反復練習もしていたようですが、それにしても基本大雑把な岡田監督のチーム/グループ作りでも、それなりに緻密というか細密なところのある攻撃が可能になっていたのは、そういう一つの流れの中の自然なグループ形成があったからだと思います。

これがまあ、最終予選のオーストラリアとの最初の試合あたりまでの、(俺流以後の)初期型岡田ジャパンのやっていたこと。
そのオーストラリア戦で、1,2はそれなりに出来たけれど3が思うように行かなかったのを、僕などは簡単に言えばクオリティ不足、1,2の非効率による消耗とそこからの3への繋ぎの勢い不足、それから3そのものの訓練・成熟不足という方向でまだ考えていたところがあったんですが、岡田監督は割りとあっさりと、攻撃パターンとして「通じない」と見切ってしまったようで、その後はいわゆる憲剛システム(憲剛トップ下+変則3トップでの、より簡潔かつ縦に早い、時にロングカウンター的な戦術)や"低くて速いニアへのクロス"へと、攻撃戦術の重点を移して行くわけです。

大きく言えば、高速ショートパスの交換による中央突破(の工夫)から、より長いボールやサイドアタックの活用へと。


それ自体はまあ、いいとして。
特にそれが「選択肢を広げる」という意味・形でなら、当面悪いことは無いはずなわけですが。
現実にはそうなっていない。新しいことを覚えると、古いことを忘れるという、トリアタマ的(笑)な展開に、なっているように見える。

チーム作りという観点では、壁にぶつかるとそれにチャレンジするというよりは、さっさと諦めて迂回する、別のより当面容易な入り口を探すという、そういうパターンになっているように、僕には見える。
今回の岡田ジャパンの場合は特に、『接近・展開・連続』という特異なコンセプトを掲げ、それでもって日本人の(密集での敏捷性の高さという)正に特異性を前面に押し出して一点集中突破的にこじ開けるという、そういう企画だったはずなので、あっさり一般的効率性に飛び付くのは道義(?)的に感心しないというのは、まずあります。勿論それだけではなく、あまり簡単に路線変更するのは、そもそもの狙いと成功の根拠を自ら否定する所業じゃないの、それでその先更に監督の座に座り続ける意味と根拠は?という、より実際的な疑問もあります。

また結果としてそのようにチーム作りが寸断されるのは、共通性や一貫性を与えられるような包括的な理論的把握やメソッド的基盤が無いことを表していると、そういうことも言おうとすれば言えると思います。(ただし最終的に問題なのは結果的に出来たチームのクオリティであって、"一貫性"云々は綺麗ごとや野暮であることも多いと、そこらへんの現実は、大人として(笑)呑み込まなくてはいけないでしょうが)


話が少し逸れました。
とにかくある時期までの岡田ジャパンには、中央に意志とシステム(グループ)のプレゼンスが、垢抜けないなりにもちゃんとあり、ゲームの入りや基本イメージにも、迷いはほとんど無かった。("1"→"3")
勿論今も似たようなことはやっている(つもり)わけですが、一時の凝集力が非常に特殊なものであっただけに、それはほとんど"似て非なる"もので、またかつてと同様の威力を前提とすると、当てが外れてゲームコントロールのバランスそのものが、ガタガタになる。

具体的には憲剛システム導入の時点で、それまでより人がややワイドに配置され、スピード感・タイミングもゆったり気味に傾いて、生命線であった"ハイプレス&動き直し"の徹底性は、見る間に緩んで行ったように、僕には感じられました。
例えばその流れで臨んだ例のオランダ戦、ここで僕は「だいたい速くないじゃん、日本の前線の動き。今」「接近しない接近サッカー」などと不満を述べています。プレス(の位置)については相手の怖さもあってやや立ち遅れ&低めになったのが、逆により広いバトルフィールドでのオランダとの運動量の差を際立たせて、前半の"健闘"を生んだのではないかとか、そんな話になってますが。

とにかく初期型の凝集性や中央の使い方の徹底性・連動性は失われて、掛け声や惰性としてのハイプレスや動き直しが残っている、その散漫さが更にどんぶり勘定の総運動量を(監督が)要求していると、そんなその後の状態に見えます。
そして勿論、集団としてのボール運びの統一意識が失われた為に、俊輔を筆頭とする個人の感覚に、中盤パスワークのクオリティも委ねられていると。


要は万事「何となく」やっているということですね。今は。オプション、または良く言ってフィニッシュホールドとしてのクロスアタックの意識以外は。
ボールの取り方も、その連動性も、取ったボールの運び方も、崩し方も。たまの"猛攻"時にも、距離感とポジショニングがパラバラで、効率悪いことこの上無いですからね。

それを大きく縦方向に考えると、プレス→動き直し→余勢を駆ってのショートパスなだれ込みという、単純だけど分かり易い、玉突き的(?)連動性が前からあった状態から、ボール持った時点から個々に次の前への展開を考える、スローで及び腰の状態に、変化してしまっていると。それがつまり、冒頭「軸が無い」とボヤいたことの、簡単に言えば意味。
それに再度指針を与えるには、それこそ平山でもターゲットに入れるか、遠藤が前に上がってとにかく任されるか。

「もっと裏を狙え」あるいは「ミドルを打て」と指摘する人も多くて、それは現象的には正解だと思います。森本合流or「岡崎・森本」コンビが現に成功したというのもありますし。(この前線だととにかく裏を狙わせるという、意思統一がはっきりしますね)
ただ個別の行為としての「裏」や「ミドル」そのものは、基本的に眠くてほっとけば寝てしまう人を、いちいちほっぺた叩いて起こしているようなものなので、じきまた寝ますよ。眠いんですから。(笑)

だから"心がける"程度では余り意味が無くて、それこそ「岡崎・森本」的な選手しか使わない、金輪際玉田とか使わない(笑)、それくらいなら大黒を呼べと、そういうチームだと誰が見てもはっきりさせないと、「チーム作り」「戦術」としては有効でないと思います。チームとしての縦の流れや中盤の"空白"を、FWの人選というシンボルで強引にカバーするという。

佐藤寿人はなんですかねえ、微妙に上品過ぎるんですかね。どうも得意なはずの「裏狙い」のプレーが、チームとして分かり易く号令機能を果たすことが無いですね。まだ柳沢の方が、多分。


まああんまり本気で提案しているわけでもないです。単なる論理的延長。
ここまで壊れたら、予感が"枯れ"てしまったら、もう辞めるしかないでしょう。
まだ何か、新企画ありますか?あるかも知れないとは思うけど、出すなら近日中にお願いします。

前も言ったように今の岡田ジャパンなんてのは、基本的には岡田"新監督"でも3日で作れる類のチームだと思っているので、別に交代のリスクなんて無いと思いますけどね。よっぽど変なのわざわざ連れて来ない限り。
岡田ジャパンが現在までに得ている「成果」を、フレッシュな視点で整理し直して、それに新体制のモチベーション刷新効果を加えるだけでも。今より悪くなるとは。

ほんとに間際になると「大木コーチ昇格」とかでしょうからね(笑)。それはちょっと。
いや、大木"監督"自体は、それこそ最初からやってれば、今のチームよりマシなチームになっていた可能性は高いとは思いますけど。個人的な恨みや侮りは特に無いです。ただ"この次"は困るという。(笑)


・・・・前々から言おうとして、余りに失礼だから言わなかったんですけど、「岡田」「大木」「大熊」という、今の日本ベンチの"顔"の並びの、"ふた昔前の日本人顔"っぷりって凄まじいですよね(笑)。どっから集めて来たんだという。
こんなことあるのかという。これが日本代表の日本化かという。

やっぱり失礼だ(笑)。でも一度だけ言わせて下さい。見納めになる前に。(笑)


スポンサーサイト



コメント
この記事へのコメント
日本化
お久しぶりです。ベンチの日本化
めっちゃウケました。
試合は中国戦しか見られていないのでコメント出来ないです、申し訳ない。
2010/02/17(Wed) 00:11 | URL  | same #-[ 編集]
お久しぶりです
人様の顔のこと言うのは天にツバするあれかも知れないですが、3人揃えられるとねえ(笑)。どうにも壮観で。
異質な"顔"が混じってないのが今代表の欠点を象徴している?とか、強引に言ってみましょうか。(笑)
2010/02/17(Wed) 08:09 | URL  | アト #/HoiMy2E[ 編集]
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック