ヴェルディ、代表、二次元、女子バレー 他
城福さんの思考法
2010年04月18日 (日) | 編集 |
"癖"(くせ)、くらいに言っておいた方が、無難かな?
6節鹿島戦後の監督談話が、個人的に非常に面白かったです。(J's Goal)

自分たちが目指す攻撃と守備は、試合内容がよかろうが、悪かろうが変えずにやってきています。
そこから逆算したときに、何が足りないのか、どこにが振れているかを考えなければいけない。

例えば、一つの例として自分たちのバイタルエリアを意識すれば、アグレッシブに奪いにいくところが薄まる。攻撃もカウンターを意識すれば、今度は遅攻の判断やポジショニングが少し疎かになってしまう

人間は、何かを追求すれば、何かが疎かになってしまう。僕は『12時ちょうどの針』という話を、よく選手にします。今日もどちらかの針が振れている。なぜか?前節や、その前の試合で10時に振れているからです。そこで我々は、12時ちょうどを目指してはいけない。1時や、2時の場所を目指さなければいけない。損なわれてしまったことを意識しながら、他の部分が失われないようにもしなければいけない。その努力を毎回しています。ちょっとわかりづらいですかね(苦笑)


"何かを追求すれば、何かが疎かになってしまう"というのは、言葉としてこれだけ取り出してしまうと、至って当たり前のことではありますが。
またこの談話オンリーで一番面白いのは、多分"10時のところから12時ちょうどに至る為に、1時や、2時の場所を目指す"という、「振り子の理論」(笑)というか振り子指導法というか、それ自体でしょうね。(まあ、"針"ですけど(笑))

それはそれとして、この談話に僕のアンテナが反応したのは、こういう問題意識が前提としてあったから。

開幕横浜Fマリ戦の感想から。

あんまり成長してないなというか、変わってないなというか。
蓄積のペースが微速過ぎるなというか。


そのコメント欄、CHONOさんへのレスから。

「柔軟性」や「幅」というより、単に場当たり的「分裂」に見える、だから"中"抜きになって、自然的蓄積も薄いという。
(中略)
"情熱を売りにした器用貧乏"みたいな変な感じがするんですよね、城福さんは。それで裏で舌出してるなら天晴れですが、そうとも思えない。単にフラフラしているというか、自分の能力に振り回されているというか。


そして(笑)そうした印象を、チーム作りのプロセス論として、より具体的に表現して下さったモアディープさんのコメント。

要は、チームも監督も選手も 『柔軟性』 が足りないんですよ。
一つの道を否定するのに、一つずつつぶさないと進まないっていう感じ、ある意味愚直というか。


ま、僕の解釈なので、引用が変だったらすいません。

で、今回の城福流「振り子理論」(いいのかなそれで(笑))は、この僕の"場当たり"や"分裂"や"フラフラ"という印象の生じる理由の、かなり有力な説明になってるように見えます。見えますよね?(笑)
要はその振り子だか針だかの行方を、いちいち目で追ってしまうと、その度あっちこっち行ってるようにどうしても見える。しかも個々の過程において、真の目的地である「12時」そのものは、隠されている、直接的には目指されていないわけですから、城福さんの説明に従えば。
・・・・一応言っておくと、城福さんの談話自体は、一試合単位の調整プロセスの説明です。ただ「基本の発想法」という意味で、より長いスパンでも、チーム作りの構造全体の背後にもあるだろうと、そういう話。

モアディープさんの「一つの道を否定するのに、一つずつつぶさないと進まない」というじれったさも、要は行きつ戻りつで常にワンセット、偏りや誤りを直で修正する、あるいはそれ以前に直で正解に向かうのではなく(同コメント欄後段も参照)、まず逆方向に"打ち消す"プロセスが必ず入って来る、その面倒くささ(笑)だと、一応は理解できるように思います。

まあ僕に関しては、単に自分が浅はかでした、もっと"引き"で、振り子や針の"軌道"全体を見なくてはいけなかったんですねと、素直に恐れ入って終わらせてもいいんですけど・・・・。実際そういう面は、はっきりあったんだとも思うんですけど。
どうもまだ納得が行かないですね(笑)。つまりそれはそれで分かったけど、だからと言って城福さんのチーム作りが順調に進んでいるとも、FC東京の未来像や完成像が明るく見えて来たりも、なかなかそう上手いこと印象が修正はされません(笑)。別に意地張ってるわけでもないんですけど。


問題は・・・・。「進んで」るのかな?ということですかね、結局。順調順調じゃない以前に。"進む"という前方向のベクトル、更に言えば「時間」性("未来"像)、そういうものが存在しているのか布かれているのかということ。
つまりは本当に、行きつ戻りつしているだけではないのかということ、言うなれば"横方向"のベクトルしか存在していないのではないかということ。無時間的な純論理的プロセスしか、基本的に存在していないのではないか。

と言って当座の問題として、そういう"布かれていない""存在していない"ことを(仮にそうであっても)、「批判」してるわけではないのでご注意を。
要するにどういうことかと言うと、僕の方は「未来」の「変化」「完成」として、一つの時間の流れの中で"理想"(的状態)をイメージしているのに対して、城福さんの場合はある最初から固定された理想状態、あるいは普遍的な構造、上の言葉で言えば「12時ちょうど」という完璧なバランス、その「達成」が目指されているということ。
更に言うならば、その"普遍"的構造性は攻守のあらゆる分野・部門に共通していていて、城福さんは言わばそれらの各個撃破のドリルをやっているだけで、全体像とか大きなプログラムとかは、ある意味存在しないのではないかという、そういう可能性が見えて来た気がします。それぞれのドリルが終われば、自ずとチームのサッカー全体も、最終形態にたどり着いているはずであるという。

どうりで分からなかったわけだ。基本の発想がかみ合ってなかったんですね。
ちなみに僕の"理想"モデルそのものは、要するに一般的なもので、特にFC東京用に(笑)、あるいは個人的に特別な思い入れを込めて発想されたものでないのは、お分かりだと思います。変だとすれば、それは城福さんの方です。(笑)


この段階で実は「哲学」的に言いたいことが、2,3あったりするんですけど、既に十分ややこしいので、それは引っ越し終わって暇だったら書くとして。(笑)
ただ1点、「時間」性ということに絡んで言っておきたいのは、一種の機械的プロセス主義だけど、にも関わらず『弁証法』ですらもないよなということ。

つまりテーゼが立てられ、それに対してアンチテーゼが立てられ、それが止揚されてジンテーゼに至りというあのプロセスですが、あれ自体、もし意識的に現実的にやったら、結構かったるいプロセスなはずです。"気が付いたらそうなっていた"場合は別にして。わざわざ否定される前提のプロセスを踏むなんて、というのもありますし、やはり基本的には人間は直接に、または直線的な過程を想定して、「正解」に向かおうとするものですから。
それでも弁証法の場合は、いずれ大きな直線、"歴史"や"進歩"に向かうことが前提されての、迂回的なプロセスなわけです。迂回しつつ、"次の"段階に向かう。

しかし城福さんの場合は、発展段階的には、論理階梯的には、一つの平面しかないように見えます(コメントからすると)。その中で行ったり来たりしながら、完璧な"真ん中"を目指すという、そういう風景。
面白いですね。
どうなんですかね、前に進みながら動的平衡を目指すというよりも、予め埋まっている静的な正解/完全を掘り当てる掴み取るという、そういうことでしょうか。あんまりムービングな感じはしないとか、そういうことを言うのはやめましょう。(笑)

まあ言ってみれば、職人的なタイプの科学者の臭いがしますね。上の「哲学」的な"疑問"の、実はこれが一つですけど。
問題は実際のサッカーのレベルで、それがどう出ているかなんですけど。

J1第6節 FC東京 △1-1△ 鹿島(味の素)
J1第7節 FC東京 △1-1△ 京都(味の素)


二試合合わせた共通の印象としては、色々あると言えば色々あるけど、何も無いと言えば何も無いに近い感じも受ける城福FCという、まあ追認的ですがそういうもの。
特に鹿島戦は、久しぶりに最初から/前からガンガン行くFC東京を見ることが出来て、外野的には「やっぱこれだよねえ」とロッテのトッポみたいなことを言いたくなるところでしたが(笑)、試合通してみるとどうも不完全燃焼というか、一つの事を一つの流れで、倦まずたゆまずやっている鹿島との差を感じるというか、見劣りがしたというか。
・・・・まあ、バテるのはしょうがないんですけどね、でもそれに導かれての、一試合を貫通するイメージとか、内側からしみ出て来る一貫性みたいなものが、感じられないんですよね。学んだことがそれぞれにやや気まぐれに、バラバラに出て来るだけで。その"隙間"に、鹿島の"流れ"は確実に沁み入って来るという(と言いつつ負けてはいませんけど(笑))。京都戦での時間帯によるムラとかも、言うに及ばず。

いい悪い別にして、原さんの時や城福さんでも初期には、感じられたもの、それが。日を追ってますます。
それでも"蓄積"しているものはあるでしょうし、カード自体は増えてるんでしょうけど。
そのせっかく増えた"カード"、その実戦的編成にまとまりが感じられないと言ったら、少しは現実的な表現になるかな?"まとまり"or"まとめ"作業の効率というか。あるいはカードの一つ一つが底々(そこそこ)過ぎて、強力なのを一二枚持っている敵にあっさり飛ばされそうというか。


そろそろまとめ(笑)なくてはいけないので、なるべくミニマムに言うと、少なくとも心理的イメージ的には、人には、(FC東京の)選手には、ある程度分かり易い"直線"的プロセスや時間感が、必要なのではないかということと。その方がいちいち「全部」を完璧に仕上げる(出来るのか?)より、効率もいいだろうというのと。
監督は分かってるのかも知れないですけど(笑)。"科学者"本人は。

それとまあ、同じことですがより包括的に、「部分」(的プロセス、課題)を集めるだけで、チームは出来るのかというのと。

前提として現状をあまり好感していないというのもあって、なんか結論的には批判の臭いが濃くなってしまいましたけど、基本的な感想としては、面白かった、興味深かったということです。(笑)
なぜ"分からない"かが分かって、良かったというか。
じれったいですけどね(笑)。まっじめな人だなあというか。

城福さんやFC東京のポテンシャルが、ポテンシャルのままで終わらなければいいんですけど。
ちゃっちゃとまとめられる監督が「次」に来て、あっという間にまとめてしまったりしてね(笑)。あるある。


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