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清水-浦和(’10)、名古屋-山形(’10)
2010年05月04日 (火) | 編集 |
次節に浦和戦を控えて、スカパー無料開放デーでまんまと(?)両方とも前哨戦的に見れたので、簡単に。



J1第9節 清水 ○2-1● 浦和(エコパ)

軽く首位攻防戦、一応"小野シンジ"の因縁つき、あるようで少ない「ポゼッション」チームどうしの対決と、盛り上がる為の材料は結構揃っていたはずなんですが、何とも言えないまったりした試合に。
途中ちょいちょい、気持ち良く眠りました。(笑)

レベルが低かったわけでもないし、当事者にはそれなりに厳しいつばぜり合いの90分間だったろうとは思うんですが、地味。一言で言って地味。
"絡ん"だけど、"ぶつかっ"てはいないというか。どちらにも突破力や爆発力が欠けていたというか。互いの地味さを引き出し合ったというか。(笑)

それぞれの"事情"を言うと、まず今季の浦和は、前年に比べてこれまでそれなりに安定した戦いをして勝ち点も稼いではいますが、その"安定"の基本的な性格は、意図してかどうか前年に見せたテンションやスピード感をやや落として、悪く言えば"日和る"ことによって得たもので、だから「強く」なっているのかは疑問、少なくともMAXが上がっているのかはということを僕は言っていたわけですが、まあとにかくそういうこと。

一方の清水はというと、そういう"姿勢"や"志"という意味での疑念は特に無いし(そもそもニュースタイルに挑戦中なわけですし)、クォリティも順調に上がって結果も出ているわけですが、一方で「今年」という限定取っ払っての、健太監督の地味キャラというか慎重居士というか(笑)、そういう体質はどんなに"攻撃的"にシフトチェンジしてもさほど変わらず感じられるので。
それは"良さ"ともほぼイコールではあって、とにかく粘り強くて堅実で、腰高4-3-3でもしっかりバランスの取れたチームを作っていて。
・・・・ただほんとに"バランス"なんですよね。ほとんどそれ自体が目的であるような、本体であるような。やり方はダイナミックであっても性格はダイナミックではない。そのやり方自体のダイナミズムとクオリティで、どこまでリーズナブルな成果を得られるかという。"もぎ取る"というよりも。

"縮んだ"チーム(浦和)と"自足した"チーム(清水)の対決というか。
これがこの、現在のJリーグを代表する"攻撃的"戦術を掲げた2チームによる"首位攻防戦"の、隠れた性格かなという。
いかにも引き分けが似合いそうなところを、両チーム合わせたほとんど唯一の飛び道具、ヨンセンの頭がうっかり(?)白黒つけてしまいましたが。(笑)
永井のが決まってたらもっと派手だったんですけどね。そうはならないのが健太監督のチーム?(笑)

いや、嫌いじゃないですよこういう試合。
なんかセリエAの中位(やや下)どうしの試合でも見てるような感じで(笑)。あくまで心地よい眠気。
森本が出ないと分かって見ていたテレ東のカターニャ-ユーべ戦も、なんだかんだ楽しかった。
ただまあ、現在のフィンケレッズの「限界」と健太エスパの「宿命」を、垣間見たような気はしました。



J1第9節 名古屋 ○2-1● 山形(瑞穂)

ここんとこあんまりいい評判を聞いてなかったんですが、久しぶりに見た名古屋のサッカーの"ダイナミック"さに、唸ってしまいました。
やっぱガイジンさんは違うなあと。さぞかし肉食ってんだろうなあと。・・・・ピクシー監督のことですけど。(笑)
いい意味で大雑把ですね。鷹揚というか。でも押さえるところは押さえてる。

肉くらい日本人も食ってるはずなんですけどね。
いやいや。(笑)

例えば同じく"攻撃的4-3-3"を標榜していても、上の健太監督の清水がそのサッカーを"仕上げる"ことに心を砕いているのに対して、ピクシー名古屋はもっとシンプルに、"使って"いるんですよね。便利だから。攻撃力を高めるのに。その違い。趣味と実益の違いというか。(用法違)

それは一つには、ビクシーと健太さんの、余りにも違うサッカー的な生い立ちというか環境というか、血肉化されている教養の違いというか、それは勿論あるでしょう。それ自体をまず学ばなければならない健太さんと、多少は"近年"的要素はあっても、基本的にはいくつか引き出し開ければ済むビクシーと。
ただそういうテクニカルな問題以上に、意識の違い、サッカーの一つ一つの要素や言語に対する"構え"の違いみたいなものを、感じてしまいましたが。簡単だ思えば簡単だし、難しいと思えば難しい。(笑)
日本人はよく、何でも"工芸品"にしてしまう("工業製品"ではなく)と、ある時期からよく言われるようになりましたが。どのみち一億総オタク。(?)

ともかくピクシーのざっくりした"4-3-3"に乗っかった名古屋の攻撃は、ここまでの経験もあってでしょうが、細かい局面の打開も勿論元々のオハコの大きなゲームメイクも、何とも言えずリラックスした、少々のズレやミスの可能性は気にせずに4-3-3自体の機能性を信頼した悠々とした感じのもので、そこに更にかき集めた選手たちの個々のクオリティの高さが加わって、気持ち良くやっている時は小林監督率いる山形の定評のある緻密さも粘り強さも、てんで出番が見当たらないような、そういう"反則"感に満ち溢れていました。

実際"高い位置でワイドに開いている""フィールドに人が均等に配置されている"という4-3-3の特徴・利点を、非常にシンプルに、改めて感じさせられましたね。なぜこのシステムを使うのかということを、"攻撃的"という象徴抜きに、至って具体的に。

まあピクシー個人が、何回か言っているようにシンプルな人、シンプルなチーム作りに特徴のある人でもあるんですけどね。同じ(?)ガイジンでも、フィンケなんかは日本人ばりにオタク的ですし。まあ、あの人はあの人で、かなり特異なサンプルのような気もするんですが。
話戻してだいたい見えて来た気がするので、ここでピクシーの"監督"としての特徴をまとめておくと、

1.飛び切りの才能に恵まれた(サッカー的に)育ちのいい人らしく、非常にシンプルに楽観的にサッカーを捉えていて、またそれを選手/チームに伝える一定の能力を持っている。
2.ベンゲルやオシムに影響を受けつつも、しかし決して"戦術家"タイプではなく、オーガナイザー&モチベータータイプの方が本質。(攻撃サッカーの"精神"は受け継いでいるけど)
3.基本的な組織構成力は備えているが、根底の部分では問答無用の個人技主義、オールスター足し算主義。


”2”は”1”の、”3”は”2”の帰結とも言えます。
ちなみに”3”の直接の根拠は、「三都主」「ケネディ」「闘莉王」に代表される、およそ繊細とは言い難い(笑)、就任以来の選手集めチーム編成の傾向です。「とにかく上手くてデカい選手11人」(で圧倒する)というのが、極端に言うと理想なんじゃないでしょうか。本音というか。(笑)

やはり「名選手」監督ではあると思うんですよね。ジーコ・ラモスとも、そんなに遠くない。
腕は随分違いますが。(笑)
ついでに言うと、”2”(と”3”)に着目すれば、犬飼会長がギドに(無意識に)求めているかも知れない資質は、実はピクシーも備えているんじゃないかと(笑)。対照的なフィンケが放逐した"元浦和"選手たちとの仲の良さが、いい証拠というか象徴というか。
どうよ?会長。選択肢に。

というようなことを踏まえて、明日の浦和-名古屋戦を見てみるとかみないとか。


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