ヴェルディ等サッカー、漫画、アイドル 他
調整試合その1 韓国戦
2010年05月25日 (火) | 編集 |
実は試合としては、結構楽しかったりします。

キリンチャレンジカップ2010 日本代表 ●0-2○ 韓国代表(埼玉)

韓国の真剣さが心地いいというか。勝つべき方が、ちゃんと勝って結構でございましたというか。


その韓国の真剣さが、お馴染みの「対日本」云々というよりも、むしろチーム内競争や純サッカー的なクオリティへの関心や、最初の話とも関連しますが監督に与えられたタスク遂行そのものの達成度に焦点が当てられている、そこから来ている感じが、羨ましいというか、それが当たり前というか。
監督はかなりこの試合に焦点を当てて来た感じもするけど、それはそれとして、いざ始まってから選手たちが見ているものがね。・・・・やってみたら物足りないので、モチベーションを自己調達してたのかも知れないけど。(笑)

ハードにプレーされても、ラフとか何とか言うより、テンションが違うからしょうがないよねという、そういう感じ。
日本代表はもうずーっと、テーマが見つからない感じでやっている。"課題"は毎回あるんでしょうけど、それは注意事項であって、目標ではないはずなのでね。
「カウンター」と「ロングボール」対策というのは、別に間違いではないんでしょうけど、実際にはベースのやり方や"長所"の方が見えなくなりつつある状態なわけで、そこで短所に関心を移しても、腰が引けるばっかりになるのは当然で。

・・・・ていうか「短所・リスクに目を瞑ってでも長所・メリットで勝負する」というのが、このチームの根幹だったはずなわけで。今更"はず"とか言っててもしょうがないんですけど、とにかくもう、軸が。
サイクル的に言えば例えばトルシエの"サンドニ"の後のスペイン戦の、どん引き5バックとかやり始めたあそこらへんの感じが今頃来ているというか。あれも随分危険な時期だったというか、切り抜けられたのは運が良かったのとやはり同じ奇矯な戦術でも基本のクオリティの違い、宗旨変えに近い変更を試みても帰るところがあったトルシエジャパンと、それが怪しい岡田ジャパンと。

それと思いっ切り分かり易くやった宣伝上手のトルシエと、腕も無いのに微調整で何とかしようとしている岡田監督と。
とにかく分かり難いですよね。何でもかんでも手を出して。毎度一つ一つの「課題」と取り組んで、良かれと思ってやってはいるんでしょうけど。最早俺流ですらもないし。

どうせまた叩かれるんだろうけど、俊輔が「本田が入ってパスが以前のようには繋がらなくなった」と言ってるのも、別に嘘ではないわけですよね。言うべきなのか、大局としてどうなのかはともかく、彼の立場としてはそう言うしかないでしょう。
例えばオシムが「俊輔を中心にすべきだ」と言っているらしいのも、別に贔屓(笑)とかではなくて、チーム作りの筋と経済として言ってるんでしょうし。目移りばっかりしててもしょうがないと。
・・・・スカパーのインタビュー(「獅子の驕り 兎の準備 #01」)で本田ボランチ案とか出しているところを見ると、そもそも本田に攻撃の中心選手としての能力を認めていない可能性はありますが。


同じくスカパーのW杯直前企画で、'98のクロアチア戦のリメンバー放送とかを見てたんですが、いやあ、いいチームでしたね、記憶にある以上に。名波相馬+αの左サイド、利いてるなあ。加えることのヒデ、の二段構えが、なかなかによく出来ている。
もう少しチーム全体に国際経験があれば、勝てた試合でしたねえ、当時の戦力でも。何が難しいって、「勝てる」「勝つ」というイメージを持つのが難しいんですよね、国際経験や、そこで勝った経験が無いと。具体的な試合展開も含めて。
どのみちあの守備的な構えだと、勝つにしても少ないチャンスの"どれか"が運良く決まるのを待つ感じになってしまうでしょうから、あの時のクロアチアが相手なら、もう一回やるのならやっぱり4バックでやらせてみたいですかね。向こうが後半本気出して来たら、その時は3バックで。

あの大会の岡田監督の指揮で、どうしても納得が行かないのは次のジャマイカ戦まで3バックで行ったことで、挙句3点取られてりゃ世話無いわけですが、要するにちょっと、余りにも早い段階で、"4バック"という選択肢をチームから落としてしまったということでしょうね。"カズ"もそうですけど。(笑)

で、トータルで見てあのチームが今見ても結構いいチームに見える、特に今の"岡田ジャパン"と比べても見える理由としては、一つは加茂さんが基本の構造をきっちり作った上で、岡田監督の"ひらめき"や柔軟性が加わっているという安定感と。
もう一つは・・・・すっきりしていることですね。メンバーにしろ、戦術にしろ。要は、選択肢が少ないのがいいんだと思うんですけど(笑)。いや、真面目に。だから岡田監督でも、処理出来た。決まったやる事を集中してやらせるのは、今も昔も上手ですから。

それに対して今回のチームは、いちから岡田監督がチームを作らないといけないというのと・・・・それどころか、"新戦術"を作ろうとすらしているわけですが。
それと、選手の選択肢が格段に増えているのと。増えてしまっているというか。最早岡田監督では、扱いかねる程に(そのくせ適当にとっかえひっかえすれば、目先の変化は付けられる)。
せめて監督としてぎりぎりまで現役だったら、そのチームでもベースに出来たのかも知れないですけど。例えば今回でも、もう忘れてると思いますが(笑)山瀬の使い方抜擢の仕方なんかは、子飼いならではの手の内感や独自性があったと思います。前回で言えば、中西永輔の使い方がやけに上手いなあと思っていたんですが、そう言えばジェフのコーチだったんですね。

要は岡田監督は、どちらかというとクラブチーム向きの(またはそこまでの)監督で、前回は選手も戦術も選択肢が少なくて比較的そういう感じでやれたのが、今回は本当に「代表監督」でパニクっちゃったという、そういうことでしょうか。
・・・・わざわざこんなことを言うのは、マリノス時代に見せた統率力と、そこから(僕も含めた)多くの人が予定的に期待した"マネージャー"としての能力が今回余りにあんまりであることの理由が、ずっと気になっていたもので。統率力はある。でもそれは非常に内向きの、限られた仕事を対象としたもので、そのグループの外や代表チームという大きなプロジェトを「運営」するような、そういうスケールの能力ではなかったということかなと。

まあ単純に、"キャパを上回ってしまった"と言っておけば、全部の説明にはなり得るんですけど。(笑)


でまあ、だから、今後の問題としては、とにかくやることをはっきりすっきりさせろと。どうせ色々は出来ないんだからと。むしろ"俺流"で行けと(笑)。あえて今こそ。そういうことになりますか。
ただ前回はオシムの、というかオシムを引き継いだせいに出来ましたが、今回全部自分なんで、開き直るのもなかなか難しいでしょうけどね。

まあ結局、あのオランダ戦あたりまで戻ることになるのかな、特に勝算は無くても。その間にやったことが、全て「無駄」に見えてしまったとしても。
実際無駄なのかも知れませんが、それ以上に、何も出来ないよりは何か出来た方がいいでしょう。それくらいまで、チームが落ちてしまっているので。何か出来れば、それを拠り所に他のことも足して行ける可能性がある。可能性があるだけですけど。

とにかく何でもいいから、戦う準備をしないと。試合をする準備というか。むしろいったん選択肢を狭めて。
そういう意味では、岡田監督が「前半守備専・後半攻撃専とメンバーを分ける可能性がある」(という意味)と言っているのは、悪くはないかなと。こと攻撃面に関しては、これは尋常じゃない敗北宣言ですけどね。"極力接近は避ける"と言っているようなもんですから。(笑)

幸い次はイングランドですから、割り切りには最適の相手だし。それでもしプレスすら最初から通じなかったら、それこそもう、引きこもるのかな?
ただいかんせん、登録メンバーで守りの強い選手が限られている気はしますが。ちょっとシミュレートしてみても。
とりあえず、もう少しコンディションを上げて、で、上がってない選手は使わないということもちゃんとやって。


以上、雑談でした。ほんとは何も書きたくない(笑)。心から書きたいことは無いというか。
雑談ついでに、クロアチア戦見ながらふと気付いた/思ったこと。
それは次期監督の条件ですが・・・・。ズバリ、日本をよく知らない人がいいと思います。
理由は簡単で、フラットな状態で始めてもらいたいからです。

なぜかと言えば、ジーコ、岡田という、トルシエ以後の二人の"失敗"監督の共通性として、「前の監督へのカウンター」から、仕事を始めてしまっているということがあると思います。
ジーコはとにかく、トルシエが嫌いだった。トルシエのやり方が。岡田は岡田で、オシムのやり方に異議(ゾーンではなくマン、グローバルスタンダード)があった。それら他人への対抗心を基準とした、やや不健康なモチベーションを基本としてやってしまった結果、反動で余りにも極端な、バランスを欠いたやり方を無理やり推し進めて、普通に持てる力すら出せないようなチームを作ってしまった。

だからそういうしがらみが無い人がいいなという、それ以外のチームは、そんな失敗してないんだからという、わずかなサンプルからの短絡的な願いですが。(笑)
とりあえずペケルマンはいいですねえ。能力と言うかタイプとして。是非、結局レギュレーションの変わらないらしい、ロンドンとセットで、お願いしたいものです。五輪は重要ですよ、日本の場合。

しがらみがあると、度を越えて感情的な擁護や叩きを目にすることが多くなって、参るというのもありますし。


ビエルサなんていう、更に法螺っぽい話もありますが(笑)、実際アルゼンチンというのは、いい目の付けどころだと思います。
スペインでは多分、ちょっと高級過ぎる。


スポンサーサイト



コメント
この記事へのコメント
予想していた結果とはいえ、韓国に負ける代表の姿を見るのはツラいです。
パク・チソン、W杯本戦でのエトー、ロッベン対策という意味合いもあっての右SB長友だったと思うのですが、ぶっつけ本番のシステム、ポジションを機能させられるほど日本選手は成熟していないと思うので、もっと前からテストしておけよ、CB阿部、SB今野はお腹一杯、チームマネージメントも考えて、本職の岩政、駒野を使えよ、というのが率直な感想です。

個人的に、殻を打ち破るためには、良い意味でバカになる必要があると思っています。
岡田監督の引き出しにどのような策が入っているのか分かりませんが、仮に空であっても、「秘策を持っている」というぐらいの堂々とした態度で居てもらわないと・・・。

岡ちゃんの標榜する強豪に勝つためのやり方というのは、試行錯誤の末、生み出されたというものではなく、岡ちゃんの頭の中で構築された自己満足なシステムに近い部分があると思いますが、メンバー発表も終わった、この時期に監督を交代するなんて不可能なのだから、冗談でも進退伺を出したとか言うべきではないというか、勘弁して欲しい。


次期監督の契約交渉と今W杯の日本代表の成績は大いに関係あると思うのですが、ポジティブな影響は与えられなさそうですね。ブラジル開催のW杯にアルゼンチン人の監督を据えることで、変な不利益を被らないことを心より願います。私の第一希望は、ビエルサなのですが(笑い)・・・。
2010/05/26(Wed) 02:08 | URL  | デュース #-[ 編集]
ふと思い出した事。
今の話ではないのですが、98年のチームについて(カズや北澤の事はひとまず考えない)、結局何が足りなかったのかなぁとツラツラ考えていて、で、ふと思いついたのは「ああ、左利きのFWが1人いれば、ずいぶん違ったんだろうな」というような事でした。
考えてみると、名波と服部しか左利きがいなかったんですよね、あのチーム(相馬は右利き)。
単純に前線のプレーアングルが違うだけで、もうちょっと幅のある攻めが出来たのでは、と考えるのは、もちろん後付けなわけですけど、じゃああの当時で左利きのFWって誰よ?というと、うーんとまたひとしきり考えた挙句、「小倉の怪我によって日本が失ったものは意外とデカかったのかも知れない」とか、嫌な結論になって余計にダークな感じに。
見方を変えると、この十何年で人材の面での拡張は確かに前進を見せているとは言えるのだろうなと。ただ人材をピックアップする素地が出来ている事と、その人材をポテンシャル以上に育てられているかという面については、疑問も出てくるよなと。
日本サッカーが「進歩」という基準について、今一度見直す時期なのじゃないかとそういう風に思えるわけです。

ちなみにこないだの韓国戦は後半しか見てないので、特に感想はありません。前半を見てても、何らかの感想を持つような試合ではなさそうでしたが。
2010/05/26(Wed) 12:05 | URL  | 詠 #tHX44QXM[ 編集]
逆に韓国が日本を圧倒してたかというと、そうでも無い。 日本のあの守備対してシュート9本しか打てない韓国も、やはりGL敗退濃厚かなという感じがします。
2010/05/26(Wed) 13:25 | URL  | レブス #-[ 編集]
>デュースさん
そう言えば岩政ってのがいましたね。という感じですが。(笑)
まあ普通に解釈すれば、「トゥーリオの代わり」だから配球能力で阿部ということなんでしょうが、それ以前に岩政ろくに使ってないんだから使っとけよとは、確かに思います。・・・・逆に"使ってない"から、怖くて使えないのかも知れませんけど、それを言っちゃあね。
駒野はもう、本当に純粋にバックアップなんでしょう、攻守双方において、特には期待していない。内田未満の今野未満という、位置づけ。

>殻を打ち破るためには、良い意味でバカになる必要がある
正にそれが、今回の岡田ジャパンの企画意図だったわけですが、バカになり切れずに、あるいはなっても殻が破れなかったので、今更利口になろうとしているというそういう状態じゃないでしょうか。

>試行錯誤の末、生み出されたというものではなく、岡ちゃんの頭の中で構築された自己満足なシステム
ズバリ空想ですね。だから元々試行錯誤は出来ない。
それが必ずいけないとは思いませんが、実際にやり出してからは"試行錯誤"も付き物になるわけで、で、その試行錯誤の振り幅が大き過ぎてちょいちょい軸を見失って帰って来れなくなっているというのが、僕が繰り返し言っていることですね。
その根本に何があるかと言えば、そもそもの"空想"自体の貧しさ・粗さ、想像力不足だと僕は思ってるんですけど、そこらへんについては総括する時にでも、改めて書くつもりです。

ビエルサはよく分かりませんが、ペケルマンはむしろ今回出ない、若手の方に興味を持ってもらえれば、やってくれるんじゃないかと。(笑)
2010/05/26(Wed) 14:45 | URL  | アト #/HoiMy2E[ 編集]
>詠さん
"左利き"ってだけなら実は平野孝がいたんですけど、ほとんど誰も覚えてないでしょうね。(笑)
アングルかあ。アトランタ(チーム)では確かに欲しかったですね。ただヒデが指揮を取る前提のフランスのチームだと、ほとんど一発のロングスルーしか狙ってないので、そういう品のいい話はあんまり関係無い気も。「城と岡野にしてくれ」という割り切りには、当時は驚かされましたが。
"人材"については、選手側の進歩に監督側の見識が追い付いていないという状況がカテゴリー問わず生じていて、それでせっかく色んな選手が出て来ても価値を理解されないか甘やかされるorほっとかれて、磨かれ切らないまま終わるという現象が広範に見られるというのは、あると思います。
一番確実なのは、日本人監督禁止令を出すことだと思いますけど(笑)、なかなかそういうわけにも行かない。

>レブスさん
9本ですか。まあ後半かなり落ちた&落としましたしね。
それこそまたヒディンクでも連れて来れば、近いレベルのパフォーマンスを出来そうなポテンシャルは感じるんですけど、やや勢いだけというところも確かに見えました。日本には"かませ"ても、一流国には結局通じないという、古来のパターンに収まるのかも知れません。
要は韓国は少なくとも普通に"W杯に向かうチーム"になっているのに、日本はなっていなかったという、そういうことが言いたかったわけですね。ま、お分かりでしょうけど。
2010/05/26(Wed) 16:32 | URL  | アト #/HoiMy2E[ 編集]
おおぅ
そういえば平野もいたか。言われてみれば惜しいヘディングが一発ぐらいあったような記憶が。確かに忘れてました。すっかり。申し訳ない(笑)。
当時の状況がそうさせたにせよ、結構シンプルな方向性で構築できたのは、加茂さんが作ったベースに乗ったからなのかな?
今は色々と人材面やら戦術面やらで出来る要素が増えてるけれども、逆に効率の良いマネジメントが出来てない気はしますね、という辺りで、多少は本文との関連性が出来たでしょうか(笑)
2010/05/26(Wed) 17:21 | URL  | 詠 #tHX44QXM[ 編集]
>バカになり切れずに、あるいはなっても殻が破れなかったので、今更利口になろうとしている
良い意味でバカになるつもりだったのが、ただのバカになっていただけだったということに、今更ながら気付いてしまったという段階なんですかね。自信を無くすくらいならば、気付かないまま本番に突入した方が良かったのに・・・。

>選手側の進歩に監督側の見識が追い付いていないという状況
国際経験が豊富で世界のトップレベルを体感している選手が増えている現在、選手時代はもちろん、指導者としても国際経験のない人物が、代表監督や監督選考を行うことが許されなくなってきているのでしょうね。(オフトやファルカン就任の際にも、似たような議論があったような気もしますが・・・。)


個人的に、近年の韓国ユース年代の躍進と02年のヒディンクとは密接な関係があると思っています。オランダスタイルを韓国スタイルと定め、W杯でベスト4になることで良い意味でバカになることができ、その状態を維持しているのではないかな、と。(誰もが知っている02年の韓国代表がベースだという共通認識もあるようにも思いますし・・・。)

また、02、06、10のW杯でレイモンド・フェルフェイエンという02年の韓国を鍛え、EUROでロシア代表のフィジカルコーチをしていた優秀な人材の確保に成功するなど、オランダサッカー界とのコネクションも築いているようで、友好関係にある協会が複数あるはずなのに、そのコネクションを生かし切れていない日本協会とは違うんですね。(韓国ユース代表のフィジコは池田正剛氏で、日本の人材まで活用されている始末ですし。)

トゥーロン国際大会に参加していた選手が帰国したようですが、大学生ではなく、大迫や登里を代表に帯同させて欲しかった。
ペケルマンには、U-17代表をW杯代表に帯同させるというアルゼンチン式の育成メソッドを、アドバイザー的立場の契約を結んだギドには、親友クリンスマンがドイツ代表に導入したアメリカ式の最新型フィジカル、メンタルトレーニングのメソッドを日本代表に導入してくれれば、日本サッカーのレベルアップも期待できると思うのだけれど・・・。

アルゼンチン協会のグロンドーナ会長は親日家で、コパ・アメリカに日本を招待したのは彼らしいので、アルゼンチン系の指導者の招聘の可能性は低くないのかもしれませんね。
2010/05/26(Wed) 19:26 | URL  | デュース #-[ 編集]
>詠さん
加茂さんはファルカンや西野監督が広げて見せた"夢"を、かなり削り取るようにして"べース"を構築して、一部削り過ぎのところもあった気はしますが、あれはあれで実に堅固で必然性のある身の丈で、見事なものだったと思います。
今のそれなりに豊饒な土壌を活かし切る為には、多分単なる"取捨選択"や"試行錯誤"以上の見識が無いと、かえって混乱して難しいのではないかなと。少なくとも不全感が残るというか。
・・・・ただし本当の「セレクター」型の代表ってまだ作られていないと思うので、それはそれで見てみたい気はしますが(ただし次ではない)。ジーコは特殊過ぎました。

>デュースさん
まあ国際経験というか、基礎教養というか、背景的文化というか。
それらの内のそれぞれを、部分的に「学んだ」結果として今日の日本サッカーも新世代の選手たちもあるわけですが、それを事に当たってもう一回まとめるというか、きちっと位置づけて機能させる包容力というか、そういう奥行きがまだ全然、日本人監督には足らないと思います。平均値で外国人監督に完敗というか。

韓国がオランダならば、日本はどこでしょう。やはりアルゼンチンなんでしょうか。実は小野剛は以前ははっきりそう言っていたんですが、"押し付けられた"代表監督オシムを中途半端にフォローしている内に、すっかりよく分からない人になってしまいました。
原"スペイン"ヒロミが、「スペイン系」繋がりなのか何だか知りませんが(笑)アルゼンチンに目を向けているらしいのは、そういう意味で強化の流れを密かに戻すことになるかも知れませんね。
ギドはさすがに・・・・"掬い"ようがないですかね(笑)。悪い人ではないですけど、「顔」以外の何かを期待するのはちょっと。
2010/05/27(Thu) 00:07 | URL  | アト #/HoiMy2E[ 編集]
>韓国がオランダならば、日本はどこでしょう。やはりアルゼンチンなんでしょうか。
少し前のNumber誌715号のヒディンクのインタビューで面白いものを見つけました。

サッカー大国では無い国を強くするための方法論を一つ持っている。
まずやるべきなのは、その国がなぜそういうサッカーをするのか、本質的なルーツを知ること。言い換えると、その国の“精神”を理解するということ。
ロシアは歴史的な過去の政治システムが影響して、選手は命令に従うことに慣れすぎていた。よくいえば規律があるが、悪く言えば柔軟性がない。

しかし、試合中には予想不可能なことが起こるため、即興でプレイ出来なければ、通用しない。だから彼らが自分で考えることができるように、意識を変えることに全力を注いだ。
そして、ロシア人の特徴(真面目さとスピード)を生かすために、“コレクティブカウンター”という試みを行った。

ロングボールを蹴ってカウンターを狙うのではなく、ハイテンポでショートパスをつないで相手ゴールに迫るというもの。
ポイントは1人か2人でカウンターを仕掛けるのではなく、5、6人が同時に相手ゴールに迫ること。相手は、度のスペースをみればいいか、誰をマークすればいいか、混乱する。
注意すべきは、カウンターでゴール出来なかった場合、素早くボールの後ろに戻って守備をすること。“コレクティブカウンター”トータルフットボールの変形の1つだと、私は考えている。

日本人はスピードがあり、真面目で、ハードワークを厭わないので、“コレクティブカウンター”に向いている。
注意すべきは、“効率”を意識すること。日本人は常にハイスピードでプレイする傾向があるが、効率を欠けば、エネルギーを無駄に使うことになる。いかに持っているエネルギーを効率よく使うか鍵。“効率”は近代サッカーのエッセンスである。


コンフェデ杯ブラジル戦の幻の加地の得点やW杯直前のドイツ戦の1点目、オシムがやろうとしたサッカーとの共通点が多いように思うのですが、どうなんでしょうか?

私は、アルゼンチンスタイルというものがよく分からないのですが、共通する部分はあるのでしょうか?
2010/05/27(Thu) 23:58 | URL  | デュース #-[ 編集]
コレクティヴカウンター
言葉として知ったのはだいぶ後なんですが、似たような発想自体は僕も持ったことがあります。主に反町ジャパンの観察から。

>3バックのソリッドさと全員の高い守備意識を元に、インスピレーションや「無常」(わらい)ではなくて、一つ一つ局面のコンビネーションを組み上げて作って行く追い越しプレーと結果としての流動性。
http://atlanta.blog24.fc2.com/blog-entry-995.html

日本の"守備ベース"の戦い方の可能性について。
http://atlanta.blog24.fc2.com/blog-entry-1053.html(イタリア戦部分)

これらを流れで位置付けたエントリー。
http://atlanta.blog24.fc2.com/blog-entry-1120.html
・・・・トラックバック元の酩酊さんの論も参考に出来るかと。

イタリア戦はね、その後に出たインタビュー記事でも、かなり本気な感じでカシラギ監督(ら)が褒めてくれていたので、ちょっと泣きそうになりました。(笑)
おい、イタリア人にサッカーで褒められたぞ!!

「コンフェデブラジル戦」「ドイツ戦」は、正直覚えてないので何とも言えません。
オシムについては、むしろ型にはめないところに特徴があるように思うので違うんじゃないかという気がしますが、デュースさんの力点(オシム把握)はまた違うところにあるんでしょうね。説明できるようならば、お願いします。
2010/05/28(Fri) 15:02 | URL  | アト #/HoiMy2E[ 編集]
アルゼンチンスタイル
具体的には、サビオラらの活躍した2001年Wユースあたりのアルゼンチンサッカー(正にペケルマン)を、育成システムも含めて大きく参考・手本にする方向性、ということみたいです。
見ていないので、僕もそれ以上のことは。でもまあ、何となくは分かりませんか?(笑)

それとその時言っていたのは、「オランダ(とブラジル)の方向性は取らない」と言うことで、その特徴を確か"プレイスメント"と"マン"(特に前者)という言い方で、表していたと思います。
つまり"アルゼンチン"が何か、というより、"オランダとの対照におけるアルゼンチン"という風に把握した方が、理解・推測し易いでしょうね。

で、それだけではまとめられないとしても、従来や相対としてはいかにも"オランダ"っぽいオシム、それも自分で選んだというよりは鶴の一声で押し付けられた監督の方向性を、当たり前のような顔で支持していたので、は?と思ったわけです。所詮中間管理職だなあと。
あえて聞けば何か説明はあったんだろうとは思いますが。理論的に必ずしも相容れないものとも。ただ、加藤久は無視された時は辞めたぞと、そういうことは思い出しました。(笑)

・・・・その反動のお友達人事(岡田)、ですかねえ。
2010/05/28(Fri) 15:19 | URL  | アト #/HoiMy2E[ 編集]
ブラジル戦のゴール
http://www.youtube.com/watch?v=hN9tmlDzVKM
ドイツ戦のゴール
http://www.youtube.com/watch?v=3u-J3KoannA&feature=related

改めて、見返してみると、スピードやフォローする選手の数にそれぞれ物足りなさを感じたのですが、こういう攻撃の延長線上にコレクティブカウンターがあるのではないのかな、と。

私のオシムのイメージは、ボールホルダーの後ろから湧き出るように選手が出てきて、追い越していく、ボールホルダーもパスを出した後、スペースに飛び出して行く、というものです。
アジア杯での違うやり方をやっていたと思うので、オシムの持っている複数の引き出しの内の1つだと思うのですが・・・。
2010/05/30(Sun) 16:04 | URL  | デュース #-[ 編集]
なるほど
おっしゃりたいことは分かりました。
二つの動画(御苦労さまです)とオシムについての説明は、要するに攻撃の「中身」というか、正にその瞬間に起きている現象の例示&説明ですよね。それらそのものについては特に異論も何も無いんですが、僕が問題にしているのはそういう「中身」もプロセスの一部として含む、"コレクティブカウンター"という全体の「枠組み」なんですね。
つまり簡単に言うと、例え"コレクティブ"であろうと、まず前提として「カウンター」戦術ではあるわけです、当たり前ですが。で、その際のカウンターアタックを、少人数のスーパーなアタッカーに委ねるのではなく、瞬間的に人数をかけて"コレクティブ"に行うのが"コレクティブカウンター"なわけでしょうが、その今の話の後者の部分(の例)を、詳しくデュースさんは説明して下さったんだと思います。
で、僕が「オシムは違う」と言ったのは、オシムは一試合一試合について"戦略"的に対応(例えばカウンター気味とか)することはあっても、基本戦術を何か型にはめることはしない、あくまで叩き込んだプレー原理の理想的には自然な帰結として、得点や勝利がもたらされる、そういう目標でやっている人だと思うということです。仮にそれが、弱小日本であっても、出来る限りニュートラルに。
だからオシムのプレーシステムをコレクテイブカウンターに「利用」することは出来るでしょうが、オシム自体が全体としてそれに直接関係するとは特に思わないという、そういうことです。関係が無いというよりも、あえて名前を挙げる必要性は感じないというか。

僕自身のそもそもの関心はむしろ「カウンター」の方、「守備ベース」の戦い方の方にあって、その場合に生じて来るだろう、得意のショートカウンターよりもっと長いレンジも含んだカウンターアタックの恒常的な成功率を、あらかじめコレクティブに仕込んでおけるというそういうメリットですね。(少人数ロングカウンターはどだい無理ですから)
守備の安定性と、真っ向からポゼス("攻撃的")するよりも実際には攻撃力は高まるんじゃないかという、そういう可能性ですね。
その際のカウンターアタックの「中身」自体は、ある意味どうでもいいんですよ、オシム流でも何でも使えるものは使えばいいし、またどの程度"パターン""オートマティズム"化するかもね。その最適バランスを見つけるのは、後の問題。最終的にはヒディンクすら、別にどうでもいい(笑)んです、僕は。
2010/05/31(Mon) 22:30 | URL  | アト #/HoiMy2E[ 編集]
>“コレクティブカウンター”トータルフットボールの変形の1つ
これ自体は分かるんですけどね、守備は守備、攻撃は攻撃ではないというのは。それでは機能しないというのは。そもそも守れないし(日本では)、守から攻へもスムーズに移れないでしょうし。
実際そのように反町ジャパンもやっていましたし。だから「全員ボランチ」(つまり"トータル")とか、言っていたわけです。

ただあえてこの概念を新たに提唱する分かり易さとして、ある程度分ける必要はあるというか、「守」を強調する必要があるというか。
2010/05/31(Mon) 22:50 | URL  | アト #/HoiMy2E[ 編集]
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック