2010年07月11日 (日) | 編集 |
いやあ。今大会ベストゲーム?!
南アフリカW杯3位決定戦 ウルグアイ代表 ●2-3○ ドイツ代表(ネルソンマンデラベイ)
これが決勝へのプレッシャーになるか。(笑)
"3位決定戦"ならではと言えばそれまでですが、それにしても見事な解き放たれ方。
両軍とも一つ一つのプレーが、とにかく"大きい"。見てて気持ちが良い。
ドイツの最初の2得点とかは、実に分かり易く豪快でしたね。ズバッ!!バサッ!!という感じ。(笑)
状態が心配されたドイツはあのスペイン戦から中二日で、見事な立ち直り/切り替え。
・・・・むしろ"何事もなく"という感じもあって、逆にスペイン戦では要するに怯えてたんだということが証明されてしまったようなところもありますが、ともかくも見事に、立ち直って来てくれました。
まああれですね、オシム(再放送でじっくり聞いた)の言うように恐らくは監督の方から、あらかじめ慎重に行くようにという指示があって、若い選手たちがちょっとそれに素直に応え過ぎたみたいなところは、あったんだろうなと。レベルは違いますけど、何やら日本代表(日本人)的なひたむき感馬鹿正直感(笑)。やはり"新しい"チーム、新しい文化なんだなあという。
そうして改めて"圧勝"でも"不発"でもない、ある意味ノーマル状態でのドイツ代表を見てみると、特徴としては「縦」への(初手の)鋭い突っ込みと、それに呼応して決然とその瞬間に人数をかけた集団攻撃というもので、これがまあ多分、ラテン的な持ちっ放しパス/ポゼッションサッカーとはまた違う、ドイツ式の「コンビネーション」サッカーということなのかなという。
本人談によればその創成に大きく関わったらしいフィンケで言えば、去年の就任初年度の好調時の浦和のサッカーには、確かにそんなような特徴は見出せました。ただ例えば今回のドイツ代表に比べると、その時期/フレッシュな勢いのある時期ですら、フィンケのそれにはより曲線的というか、ちまちました細かさの方の印象は強くて、今年のチームはむしろそっちを主体に、「安定」を得ているようなそういう感じも。
最終的にはやっぱり、監督の個性というものはあるだろうなと、まあ当たり前の感想ですが。
いずれにしても、趣旨としては必ずしもそうではなくても、カウンター向き、カウンターサッカーとの組み合わせに面白みがあるように感じられるスタイルで、そういう意味では今後の日本代表にとっても、少なからず参考になるというか、導入ソフト(笑)候補の一つではあるだろうなと。
ただ日本は日本で、ドイツに比べればかなりラテン的なところもあるように思うので、その兼ね合いがどうなるかというのと、他にも選択肢はありそうというのと。まあこれからですね。
ウルグアイの方は・・・・。上手い!!ですよね、改めて。その時になった時の圧倒的な上手さ、攻撃の粘っこさ。
やはり南米は南米。そう簡単に"らしからぬ"とか、やはり言ってはいけないと。
というか、ウルグアイが「堅守速攻」で、力攻めより"抜け目なさ"を第一の売りとしているのは、要は南米という環境にいるから、ブラジルやアルゼンチンという化け物との相対的な関係においてなんだという、長く慣れ過ぎてウルグアイ人自身も忘れてるかもしれない、それ以上のことを求める意欲を見失ってるかもしれない、そういう何か可能性のようなものを、垣間見た気がしましたが。
例えば同じ"ブラジル"なら"ブラジル"という同一の勢力圏内に限っても、日本にやって来たブラジル人選手たちが、本国で固めていたプレイスタイル以上の、以外の、より包括的な上手さを日本という新たな環境で発揮し出す、覚醒し出すということがしばしばありますよね。
ある"タイプ"の選手を取ったつもりが、結局は何やらせても日本人より上手かったりして、いかにあちらの選手層が分厚いか実力の奥が深いかを感じさせられて、感銘は受けるけど同時にうんざりしたりして。(笑)
ウルグアイが「堅守速攻」の脇役キャラだというのもつまりはそういうことだというところはやはりあって、仮にウルグアイがレアメタルでも掘り当てて(笑)経済力がついて、「アカデミー」の一つでも成功させて意識改革を成し遂げれば、ブラジル・・・・はともかくアルゼンチンくらいには、いつでもなれておかしくはないのかもなとか。
逆に日本は、現状アジアでは、「上手い」国として、大国として優位を示していて、しかしそれがそのままその上のレベルでは通用しなくて、例えば今大会では、ああいう戦いに活路を見出したわけですけど。
で、仮にあと一、二大会その延長上で"成功"して、その間それなりにディテールや独自の強味も細かく蓄積して安定して、いつしかアジアでも基本そうした戦いをするようになって。二、三十年後にはすっかり「堅守速攻」の"曲者"チームとして認知されて、たまに少しアクティヴにやるとえっ、日本てこんなに球回し上手だったのと、そんな風に言われたりするなんてことも、あるのかな、無いのかなという。(笑)
まあでもあれですよね。確かにレベル差は厳然とあるけど、「アジア仕様」と「世界仕様」を露骨に二つ使い分けるって、合理的なようだけどやっぱり気持ちが悪いと思いますけどね(笑)。あざといというか。
それくらいなら、最初から「世界仕様」の方でやった方が、仮にそれがリアクションでもという、そういうことが言いたかったのかな、違うのかな。(笑)
当面の、あるいはここしばらくの問題はむしろ、その例えば「アジア仕様」と言った場合のそれを、アジアでもやり切れなかったことの方ではないかと。
・・・・つまりオフトの一次予選は鮮やかだった。最終予選でもそれなりに面目は施した。トルシエには勿論あの"アジア杯"がありますし、ともかくそうしたチームがアジアでは一つ堂々たる「形」を見せていたのに対し、ジーコや岡田はアジア予選の時点で既に不様だったわけで。アジアのレベルが上がっている?そうかな。単にこっちのクオリティ不足だと、僕は思ってますけどね。
こうして見ると加茂ジャパンというのは、実は最初から純粋に「世界仕様」だった唯一のチームだったかもなという(予選すらまともにやってないオシム・ファルカンはとりあえず除く)。外国チーム相手にいくつか思い出に残る戦いをしつつ、アジアでは必ずしもそんなに効果的ではなかった。"不様"でこそありませんでしたが。
・・・・オフトは別に「アジア仕様」のつもりはなくて単に正攻法、日本代表にサッカーの基礎を叩き込んだわけですけど、元がオランダの人ですから強者(きょうじゃ)のサッカーではあるわけですよね。綺麗事というか。
通用する/しないとか言ってもさあ、元があんまりあれだとすっきりしないですよねえ、仮に妥協・変更するにしても。
フォルランは改めて、"レンジの広い"選手だなと。
既に言ったシュートレンジのことは勿論ですが、「作り・崩し」→「決め」のプロセスの中で、「決め」担当ではあるんだけど「崩し」が終わるか終わらないかくらいで早めに作業を引き取って(笑)、自分の甲斐性で呑み込んでまとめて仕上げ切ってしまうという。・・・・勿論この日の二点目のスーパーゴールを、直接のインスピレーションとして書いてはいるわけですが。
見てて何となく思うのは、なんかオランダ人ストライカーみたいだなということ。
"ファン"がつく人たち?(笑)。ニステルローイとか、バステンとか。(笑)
間違いなくゴーラーなんだけど、どこかメーカー的な臭いの残る。あるいは"アーティスト"的な。
フッキ的な"全部自分でやる"とは少し違うんだけど、ある程度アバウトに預けても、だいたい何とかしてくれそうな。勝手に完成品に仕上げてくれそうな。
とにかく、今大会で一番印象に残った選手かも。
後は誰だろう。ボアテンクのこの試合の二つのロングクロスは結構快感。ガーナの兄弟の方(笑)の動きのダイナミックさも好き。同じくギャンの、"決めた方の"シュート(笑)も、えげつなくて良かったかな。
シュバインシュタイガーはあれですよね、多分中田ヒデがジーコジャパンで本当は望まれていた役割を、今回完璧にやり切ったという、そういう感じはしますね。"元オフェンシブのボランチ"という意味でも、"チームリーダー"という意味でも。
まさか3位決定戦単独で、こんなに書くことがあるとは。
いい試合でした。
ただこれをいつもやれというのは、やっぱり無理があるというか、限りなく綺麗事だと思います。
どうしても言いたいのなら、メンタル含めて最終的に「やらせる」責任、"能力"が、それを言う監督個人の方に問われるだろうなと。
原理原則だけじゃ無理。
・・・・特にフィンケに、メンタルや選手交代について、あんまり言う資格は無いんじゃないかと、どうしても思ってしまいましたが(笑)。スカパーのドイツ-スペイン戦の再放送を見ながら。
南アフリカW杯3位決定戦 ウルグアイ代表 ●2-3○ ドイツ代表(ネルソンマンデラベイ)
これが決勝へのプレッシャーになるか。(笑)
"3位決定戦"ならではと言えばそれまでですが、それにしても見事な解き放たれ方。
両軍とも一つ一つのプレーが、とにかく"大きい"。見てて気持ちが良い。
ドイツの最初の2得点とかは、実に分かり易く豪快でしたね。ズバッ!!バサッ!!という感じ。(笑)
状態が心配されたドイツはあのスペイン戦から中二日で、見事な立ち直り/切り替え。
・・・・むしろ"何事もなく"という感じもあって、逆にスペイン戦では要するに怯えてたんだということが証明されてしまったようなところもありますが、ともかくも見事に、立ち直って来てくれました。
まああれですね、オシム(再放送でじっくり聞いた)の言うように恐らくは監督の方から、あらかじめ慎重に行くようにという指示があって、若い選手たちがちょっとそれに素直に応え過ぎたみたいなところは、あったんだろうなと。レベルは違いますけど、何やら日本代表(日本人)的なひたむき感馬鹿正直感(笑)。やはり"新しい"チーム、新しい文化なんだなあという。
そうして改めて"圧勝"でも"不発"でもない、ある意味ノーマル状態でのドイツ代表を見てみると、特徴としては「縦」への(初手の)鋭い突っ込みと、それに呼応して決然とその瞬間に人数をかけた集団攻撃というもので、これがまあ多分、ラテン的な持ちっ放しパス/ポゼッションサッカーとはまた違う、ドイツ式の「コンビネーション」サッカーということなのかなという。
本人談によればその創成に大きく関わったらしいフィンケで言えば、去年の就任初年度の好調時の浦和のサッカーには、確かにそんなような特徴は見出せました。ただ例えば今回のドイツ代表に比べると、その時期/フレッシュな勢いのある時期ですら、フィンケのそれにはより曲線的というか、ちまちました細かさの方の印象は強くて、今年のチームはむしろそっちを主体に、「安定」を得ているようなそういう感じも。
最終的にはやっぱり、監督の個性というものはあるだろうなと、まあ当たり前の感想ですが。
いずれにしても、趣旨としては必ずしもそうではなくても、カウンター向き、カウンターサッカーとの組み合わせに面白みがあるように感じられるスタイルで、そういう意味では今後の日本代表にとっても、少なからず参考になるというか、導入ソフト(笑)候補の一つではあるだろうなと。
ただ日本は日本で、ドイツに比べればかなりラテン的なところもあるように思うので、その兼ね合いがどうなるかというのと、他にも選択肢はありそうというのと。まあこれからですね。
ウルグアイの方は・・・・。上手い!!ですよね、改めて。その時になった時の圧倒的な上手さ、攻撃の粘っこさ。
やはり南米は南米。そう簡単に"らしからぬ"とか、やはり言ってはいけないと。
というか、ウルグアイが「堅守速攻」で、力攻めより"抜け目なさ"を第一の売りとしているのは、要は南米という環境にいるから、ブラジルやアルゼンチンという化け物との相対的な関係においてなんだという、長く慣れ過ぎてウルグアイ人自身も忘れてるかもしれない、それ以上のことを求める意欲を見失ってるかもしれない、そういう何か可能性のようなものを、垣間見た気がしましたが。
例えば同じ"ブラジル"なら"ブラジル"という同一の勢力圏内に限っても、日本にやって来たブラジル人選手たちが、本国で固めていたプレイスタイル以上の、以外の、より包括的な上手さを日本という新たな環境で発揮し出す、覚醒し出すということがしばしばありますよね。
ある"タイプ"の選手を取ったつもりが、結局は何やらせても日本人より上手かったりして、いかにあちらの選手層が分厚いか実力の奥が深いかを感じさせられて、感銘は受けるけど同時にうんざりしたりして。(笑)
ウルグアイが「堅守速攻」の脇役キャラだというのもつまりはそういうことだというところはやはりあって、仮にウルグアイがレアメタルでも掘り当てて(笑)経済力がついて、「アカデミー」の一つでも成功させて意識改革を成し遂げれば、ブラジル・・・・はともかくアルゼンチンくらいには、いつでもなれておかしくはないのかもなとか。
逆に日本は、現状アジアでは、「上手い」国として、大国として優位を示していて、しかしそれがそのままその上のレベルでは通用しなくて、例えば今大会では、ああいう戦いに活路を見出したわけですけど。
で、仮にあと一、二大会その延長上で"成功"して、その間それなりにディテールや独自の強味も細かく蓄積して安定して、いつしかアジアでも基本そうした戦いをするようになって。二、三十年後にはすっかり「堅守速攻」の"曲者"チームとして認知されて、たまに少しアクティヴにやるとえっ、日本てこんなに球回し上手だったのと、そんな風に言われたりするなんてことも、あるのかな、無いのかなという。(笑)
まあでもあれですよね。確かにレベル差は厳然とあるけど、「アジア仕様」と「世界仕様」を露骨に二つ使い分けるって、合理的なようだけどやっぱり気持ちが悪いと思いますけどね(笑)。あざといというか。
それくらいなら、最初から「世界仕様」の方でやった方が、仮にそれがリアクションでもという、そういうことが言いたかったのかな、違うのかな。(笑)
当面の、あるいはここしばらくの問題はむしろ、その例えば「アジア仕様」と言った場合のそれを、アジアでもやり切れなかったことの方ではないかと。
・・・・つまりオフトの一次予選は鮮やかだった。最終予選でもそれなりに面目は施した。トルシエには勿論あの"アジア杯"がありますし、ともかくそうしたチームがアジアでは一つ堂々たる「形」を見せていたのに対し、ジーコや岡田はアジア予選の時点で既に不様だったわけで。アジアのレベルが上がっている?そうかな。単にこっちのクオリティ不足だと、僕は思ってますけどね。
こうして見ると加茂ジャパンというのは、実は最初から純粋に「世界仕様」だった唯一のチームだったかもなという(予選すらまともにやってないオシム・ファルカンはとりあえず除く)。外国チーム相手にいくつか思い出に残る戦いをしつつ、アジアでは必ずしもそんなに効果的ではなかった。"不様"でこそありませんでしたが。
・・・・オフトは別に「アジア仕様」のつもりはなくて単に正攻法、日本代表にサッカーの基礎を叩き込んだわけですけど、元がオランダの人ですから強者(きょうじゃ)のサッカーではあるわけですよね。綺麗事というか。
通用する/しないとか言ってもさあ、元があんまりあれだとすっきりしないですよねえ、仮に妥協・変更するにしても。
フォルランは改めて、"レンジの広い"選手だなと。
既に言ったシュートレンジのことは勿論ですが、「作り・崩し」→「決め」のプロセスの中で、「決め」担当ではあるんだけど「崩し」が終わるか終わらないかくらいで早めに作業を引き取って(笑)、自分の甲斐性で呑み込んでまとめて仕上げ切ってしまうという。・・・・勿論この日の二点目のスーパーゴールを、直接のインスピレーションとして書いてはいるわけですが。
見てて何となく思うのは、なんかオランダ人ストライカーみたいだなということ。
"ファン"がつく人たち?(笑)。ニステルローイとか、バステンとか。(笑)
間違いなくゴーラーなんだけど、どこかメーカー的な臭いの残る。あるいは"アーティスト"的な。
フッキ的な"全部自分でやる"とは少し違うんだけど、ある程度アバウトに預けても、だいたい何とかしてくれそうな。勝手に完成品に仕上げてくれそうな。
とにかく、今大会で一番印象に残った選手かも。
後は誰だろう。ボアテンクのこの試合の二つのロングクロスは結構快感。ガーナの兄弟の方(笑)の動きのダイナミックさも好き。同じくギャンの、"決めた方の"シュート(笑)も、えげつなくて良かったかな。
シュバインシュタイガーはあれですよね、多分中田ヒデがジーコジャパンで本当は望まれていた役割を、今回完璧にやり切ったという、そういう感じはしますね。"元オフェンシブのボランチ"という意味でも、"チームリーダー"という意味でも。
まさか3位決定戦単独で、こんなに書くことがあるとは。
いい試合でした。
ただこれをいつもやれというのは、やっぱり無理があるというか、限りなく綺麗事だと思います。
どうしても言いたいのなら、メンタル含めて最終的に「やらせる」責任、"能力"が、それを言う監督個人の方に問われるだろうなと。
原理原則だけじゃ無理。
・・・・特にフィンケに、メンタルや選手交代について、あんまり言う資格は無いんじゃないかと、どうしても思ってしまいましたが(笑)。スカパーのドイツ-スペイン戦の再放送を見ながら。
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◆本命無き優勝争い
今大会の大きな特徴は、本命と挙げられる国がないということだった。
そのため、私は事前に優勝予想をしなかった。
イングランドが無理だという可能性はかなり高かったため書いておいたが、
ベスト4も無理どころがベスト16で敗退してしまった?...
2010/07/19(Mon) 15:25:51 | エクスペリメント
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