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トンイメモ(’12.11.24追加)
2012年11月24日 (土) | 編集 |
先週末終わって週アタマにほぼ書き上げてたんですが、フレッツ光の不調で忘れてたやつ。(’12.6.24)


トンイ DVD-BOX Iトンイ DVD-BOX I
(2011/09/30)
ハン・ヒョジュ、チ・ジニ 他

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全60話、たっぷり楽しませてもらいました。(疲れたけど(笑))
幾度となく、ベタベタの大泣きを。
やはりこう、”フィジカル”が強いよね、韓国モノは。
思わず基本に帰らされるというか。

以下いくつか気になったディテールメモ。(Wiki)
あんまり需要は無いと思いますが(笑)、書いとけば検索とかで誰か見てくれるでしょう。


・王妃の描かれ方

勿論「国母」としての立場・役割の方が重大だというのは分かるんですが、それにしても前王妃も次の王妃も、”女”としての面/嫉妬みたいなのをほとんど、いや全く見せないよなという。意地を張るのはあくまで「国」または「公」方面オンリーで。
逆に王様の方も、”いい人”として描かれてる割りにはいくら何でも蔑ろにし過ぎだろうという。危篤状態の前王妃の病床で一生懸命謝ってましたが、謝りゃ済むというレベルでもないんじゃないかという。(笑)

前王妃の場合は見るからに人格者なのと、トンイとヒビンとの比較の中でのトンイへの肩入れということで一応了解してましたが、向うっ気の強い、当初トンイに敵意を抱いていた後添えまでも、あくまで「公的」な形でしか意向を表現しないので、なんだろうなという。
今までに見た同種の日本や中国のものと比べてもね。別にあえてドロドロが見たいというわけではないんですが(笑)、いくら何でも物分かりが良過ぎるだろうというか、不自然に感じたというか。

そもそもトンイ自身も、最後まで”女”としてのリアリティはあんまり感じなかったというか、二人も子供出来たのが不思議なくらいの感じだったので(笑)、元々この監督はそういう面は描かない/描けない人なのかなと、そういう感じもしますが。(他のは見てません)
それ以外のタイプの”ドラマ”については、これでもかというくらい網羅的に手抜きなしで描いてるのでね。
それとも(李氏)朝鮮の文化・制度では、特に「王妃」というのはそういう存在だとか、そういうことでもあるのか。

まあ”人格者”の前王妃様、好きでしたけどね。僕はタイプでしたが、逆に色っぽく感じましたが(笑)。要らないならくれという。


・”風物詩”としての拷問シーン

作中陰謀が巻き起こる度に、捕らえられた容疑者一味がまとめて宮中のどっか庭(笑)に引き出されて、一斉に同じ拷問を受けてましたが、ただあれどう見ても”自白を引き出す為”というよりも、いずれ自白するだろうことを前提の”先回りしての刑罰””見せしめ”という感じで、かなわんなあ、疑われたら有罪だろうが無罪だろうが、更に言えば自白しようがしまいが必ずひと通り拷問は受けなくてはいけないのかよと、そういう感想を持たざるを得なかったですか。
最初は”悪者”側の特定の「酷吏」の所業かと思いましたが、”正義”側王様/トンイ側が裁く場合でも、結局そこらへんの「儀礼」はそのままでしたからね。おいおいという。

最終回の、獄中の無実の囚人に語りかけるトンイの言葉からすると、一応「合法的」な拷問と「非合法」な拷問の区別はあるみたいなんですけどね。逆にじゃああれは合法なのかと。
実際にどうだったのかというのと、演出意図としてはどうだったのかという。”儀礼”的であること自体には、恐らくは拷問の陰惨さを描写として和らげる狙いがあっただろうと思われるんですが、それ以前に拷問の位置づけの方が謎というか、引っかかるものがあったなあと。

全体としては明らかに”ヒューマン”な、”社会正義”の実現というのをテーマにした作品なわけで、それが何の気なしにああいうシーンを描いているとすれば、やはり日韓の間の”暴力”への感じ方の違いみたいなものがあるのかなという。あるいはもっとミニマムに、現代日本では一応隠れてやっている拷問的な取り調べが、現代韓国では遥かに大っぴらなのかなという。それによる慣れみたいな。
どうなんでしょう。


・「王様、お考え直し下さい、王様」

これもほとんど”風物詩”ですが、王様の(多くは改革的な)決断に対して、直接的には妨げる権限の無いらしい重臣たちが、集団で抗議をする時の決まり文句。
別に議決取るわけでもないようなのに妙にゾロゾロいる(50人くらい?)重臣たちが、要は”デモ”なんですけど嫌に整然と、しかし大音量で、土下座しながら声を揃えてひたすらこれを繰り返す。これが妙に効果的に感じられて面白かったです。

作中の状況としてはほとんどはただ単に、自分たちの既得権益や慣行を変えられるのが嫌だというだけの話なんですが、しかし余りにも整然と、直接的な攻撃性を抑えて、シンプルにこれを繰り返されると、これはこれであるレベルでの”民意”であるという実感が生まれて、容易に無視できない王様の苦悶が理解できるというか、簡単に優柔不断とは言えなくなるというか。
”嘘から出た真”という趣もあるし(笑)、あるいは「大衆(観客)は一人一人は愚かだが、総体としては概ね間違いを犯さない」というウィリアム・ワイラー監督の言葉を思い出す的な部分も。
・・・・実際にはバリバリ特権階級の連中ではあるわけなんですが(笑)、それはそれとしてね。”人々”の願いは人々の願いというか。

とにかくこれから何かの”デモ”を(また?)しようという人は、参考にしてみたらいいと思います。(笑)
毎度お馴染みのシュプレヒコールとかするくらいなら。


・ヒビンの”動機”

これは内容的には作品の根幹に関わる疑問なんですが、結果的にどうも僕の思い過ごしみたいなのであららという話。
側室としてのトンイの最大のライバルヒビン(チャンシ)は、要するになぜあそこまで必死に成り上がろうとしていたのか。

途中からは割りとシンプルに、目の前のトンイに負けたくないと意地になって、それで一線を越えたと言うか修羅/餓鬼の道に迷い込んだと、それは分かるんですが。
ただ元々は上昇志向は強くても同時に聡明で高潔な人で、単に立身出世して贅沢がしたいとか、そういうタイプにはとても見えなくて、しかし当初から単に宮廷で地位を得るだけでなく、「王妃」になるという野望を露わにしていて、だからそこまでして何かしたいことがあるんだろう、その地位でないと出来ない何かがと、そう思っていたわけですが。

例えば世直しとか、あるいはトンイ同様の悲劇の個人史とか、一族の悲願とか。
陰謀兄貴の献身ぶりも、何かただごとではない真剣味でしたし。
ところが実際に語られたのは、王様への政略を越え(てしまっ)た愛であるとか、その結果生まれた王子(太子)への母親としての気持ちとか、その程度の話で。ついに何の”種明かし”もなされずにあれ?という。
一応トンイ同様の”賤民”の出であること、”南人”という政治勢力を代表していることは説明されていますが、前者は途中から全く触れられなくなってしまったし、後者もほとんど結果的なものでしかないし。

要は韓国人俳優の、やや過剰に感情的な演技に、深読みさせられてしまっただけなのかなという。(笑)
かなり拍子抜けしましたね。画竜点睛というか。
あるいは「出世」全般への、無前提な絶対的価値観みたいなものが民族的にあって、僕には分からなくても韓国人視聴者には説明の必要が無いのか。ううむ。


・チョンイムが好き

いや、別に。それだけのことです。(笑)
この人ですね。

奴婢の身分から超異例の抜擢で女官になり、風当たりの強かったトンイの、最初の味方になってくれたコ。
”親切心”というよりは”正義感””潔癖感”で、何か意図があるというよりもそうせざるを得ないという感じで、「公平」性をもってトンイにも接する。
自分でもそういう自分に半ば腹が立ちながら、”せざるを得ない”内的衝動に従う感じが、優等生独特のかわいらしさというか、ちょっとハーマイオニーとか思い出すというか。
僕好きなんですね、こういうコ。(笑)
『ましろ色シンフォニー』の瀬名愛理とかも好きです。

まあ外なる道徳律は割りとどうでもいい(笑)んですが、内なるそれが無いコ(人)はちょっとヤというか、付き合い切れないというか。


こんなとこでしょうか。
まあ何と言うか、権謀と愛憎のクドいほどの泥沼の中で、いい人を”いい人”に描く精彩というか力強さが、例えば日本の時代劇と比べても際立ってるよなという。いい意味で古典的というか、中途半端にモダナイズされていないというか。”本気”度が高い。
それだけ実際には、”悪い人”が多いのかも知れませんけど(笑)。”精彩”を放つ、”力強い”。(笑)

単純に腕がいいというのは、否めなくあると思いますけどね。職人的な意味で。
”センス”に逃げずとも、戦える腕力があるというか。
これからも韓流”時代劇”は見ると思います。現代劇は勘弁(笑)ですが。



(11.24追加)

朝鮮儒教の二千年 (朝日選書)朝鮮儒教の二千年 (朝日選書)
(2001/01)
姜 在彦
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この本を読んで物語の背景についていくつか勉強(笑)出来たので、簡単に挙げときます。
一部のファン向けに。(笑)

まず”王様”である「粛宗」が、李氏朝鮮のどれくらいの時期の王様であるかについての
そこの”22”代目にいます。
在位46年というのは、歴代でも実は2位なんですね。この本を読んでも、何の実力も実績も無かった王様のようですが。(笑)

それから物語中、目まぐるしく足の引っ張り合いを繰り広げていた「西人」「南人」の、粛宗在任前後の権力闘争の具体的内容。・・・・ちなみにトンイのお仲間は基本「西人」の方で、これは朝鮮(儒教)史トータルでは実は圧倒的な主流派ですね。少し意外ですが。

これで見ると、粛宗即位時は南人の天下で、その後西西と、在位期間に3回執権が入れ替わってますね。
いちいち物語の内容を思い出すのもなくらい、目まぐるしいですが。(笑)

そもそも何の対立なんだろうというのすら、見てる時は分からなかったんですが、一応は儒教/朱子学の理論的解釈についての対立が、そもそもの「党」の区別を作っているんですね。それがその基盤とする地縁と結び付いて(「西」「南」)、その内にはもう、地域性とイコールになってしまう。
・・・・そしてそれは、現代の韓国政界の状況にも、実はストレートに繋がっているという。

まあそういう話です。それだけです。(笑)


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