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聖なる夜に? ~「神の遺伝子」
2012年12月25日 (火) | 編集 |
ヒストリーチャンネル『天文学と宗教』(前編) より。

”神”についての天文学、脳科学、分子生物学など、様々な分野からの最新アプローチを総覧した番組の中の一節。
・・・・ちょっとタイトルが良くないと思いますね。てっきり”ニュートンもケプラーも本来は錬金術師だった”とかいう、意外ではあるけど今では半ば常識化したタイプの話かと思って、危うくスルーするところでした。(笑)
とはいえこの箇所以外は、そんなに面白いとは思わなかったですけど。知ってる、またはまあそうだろうなという類の話が主。

とりあえずまずは、放送から抜粋。
地の文がナレーション、「」内が発見者ヘイマー博士の言葉。

有名な分子生物学者のディーン・ヘイマーは、神の遺伝子と呼ばれるものを発見した。
神への信仰、もしくは神そのものが、私たちのDNAに組み込まれているというのだ。
(中略)
「ある人が信じる宗教がカトリックなのかプロテスタントなのかは、100%環境に左右されます。
しかし宗教に惹かれる傾向は、環境にはあまり左右されず、遺伝的に決まります。」
(中略)

前段を聴いた時は、すわ「人類を創成した宇宙人」による、自分たちを”神”とあがめるようにとのDNAへの刷り込みか?とか思わなくはなかったですが、そういうことでもないらしく。(笑)
元々は宗教に限らず様々な”気質””性格”に影響する遺伝子の網羅的研究の中から、偶然に発見されたもののよう。具体的には、「自己超越」(自分自身よりも大きな世界を見ようとする傾向)という性格傾向についての研究から。
つまりはあくまで性格/傾向であって、特定の”神”(概念)や”信仰”に結びつくものではない。残念でした宇宙人さん。(笑)

・・・・ま、分かんないですけどね。より深謀遠慮なのかも知れない。そうして「枠組み」さえ用意しておけば、それに合わせて「はいどうもアタシらが神ですよ」と登場すれば、より(見かけの上での)自発的な反応として、強力な信仰を誘導できるかも知れないし。インディオたちの「白い人」(スペイン人)じゃないですが。
それはともかく。

ヘイマーはあらゆる宗教の信者と、無信仰者も含む2000人分のDNAを分析した。
(中略)
何度かテストを繰り返して、ヘイマーたちは、宗教的世界への強い意識と関連すると思われる、ある遺伝子を特定した。
「関係しているのはVMAT2(小胞モノアミントランスポッター)という遺伝子です。分かり易いように、神の遺伝子と名付けました。神のような概念を信じる能力、受け入れる能力に関係する遺伝子だと思われます。」
(中略)
「面白いことに、宗教的な世界に惹かれる傾向は、完全に独立した気質です。例えば不安などの他の気質とは、明らかに違います。」
(中略)
神の遺伝子の働きは麻薬に似ていて、気分や知覚を調節する脳内の神経伝達物質モノアミンをコントロールする。細胞間を移動するモノアミンの量を調節して、感情的な反応に影響を及ぼすのだ。
「神の遺伝子は、全ての人に存在します。髪の毛の色を決める遺伝子を、みんなが持っているのと同じです。」(中略)
その人の持つVMAT2遺伝子の型が強い程、神の存在をより強く感じる傾向があるという。


あくまで(積極的)「能力」であってかつ「独立」した因子であるということ。
つまり何かの欠落や劣勢などによって引き起こされる、病的なものではないということ。”馬鹿だから宗教に引っかかる”、わけではないという。必ずしも。
分かり易く言うと例えば一方で非常に懐疑主義的相対主義的な哲学的立場を取る人が、同時に(”独立”した因子として)神への真剣なこだわりを持ち続けていても不思議ではないし、あるいはノーベル賞級の優秀な科学者が、強い信仰を併せ持っていてもこれも不思議ではないみたいな話?
実際、こうした実例は切りなくありそうですけど。
より身も蓋もなく言うと、理性で性欲を滅ぼせないように、宗教衝動も滅ぼせない、それらは別々の起源(と根拠)を持つ、機能だから。

「馬鹿」と「宗教」ということで僕の立場から言うとすれば(笑)、むしろ自前の宗教衝動(遺伝子)の弱い人が、「能力」の低い人が、よせばいいのに社会的観念的モチベーションで宗教に興味を持つと、既成の組織宗教の既成性組織性に引きずられる、正に”引っかかり”型の不毛な信仰に陥ると、そんな感じがしますが。
内なる衝動に従って好きでやってる場合、それを”引っかかる”とは言わない。・・・・まあ、「性欲」という例だと、例え本心の願いからや(ヤ)っていても、”引っかかる”という言い方は割りとしますが。(笑)

とにかく「信じる」のも「受け入れる」のも能力の一種であって、当然得意不得意/個人差が大いにあるという話。
そしてそれは「考える/疑う」能力と、必ずしも矛盾するものではないという。あらゆる能力がそうであるように、両方高ければそれに越したことはないというか。

ヘイマーたちは調査の過程で、別の現象にも気付いた。神の遺伝子が及ぼす影響は、幻覚剤によって高められ、また再現することも可能なのだ。
(中略)
「宗教体験がドラッグに似ているというのではなく、どちらも脳の同じ経路に作用するという意味です。」
「強力な神の遺伝子を持つということは、生涯に渡ってごくごくわずかな幻覚剤を摂取し続けるようなもの。それによって少しだけ、宗教に惹かれ易くなるのです。」

生涯に渡ってごくごくわずかな幻覚剤を摂取し続ける。
・・・・俺のことか?(笑)。誰がシラフでラリパッパだこら。
まあ脳内麻薬自体は、常に/適宜、誰の脳の中でも出ているわけですけどね。欠乏するとそれはそれで、むしろ精神病なわけで。
”惹かれ易くなる”というのはつまり、”心当たりがある”ということですねこの場合。まあ「理解」というのは、たいていそういうものですけど。そしてまた理解出来そうだから、惹かれるという。グルグル回ってますが。(笑)

「同じ経路に左右する」という表現・感覚・留保はとても大事で、これは哲学者がよく、あらゆる現象を(結果としての)意識機能のレベルに落とし込んで話をするみたいなことと通じていますね。とりあえず”そうなってる”という話です。それがどういう意味なのかあるいは全体の中でどのような働きをしているのかとかは、その後の話。そこらへんの遠近感の分からない出来の悪い科学者は、すぐ「解明した」とか言っちゃうわけですが。
「解明」や「証明」が「解明」や「証明」たり得るのは、それがそのように機能する枠組が用意されてのこと。ま、これは余談ですが。

実際何と言うか、非常に両義的な研究ですよね。
神の「在」側へも「不在」側へも、どちらへも引っ張り込み得る。
”根拠”にも見えるけど”引きずり下ろし”にも見えるという。最終的には”DNA”とは何かということにも、大きく左右されますし。(宇宙人が作ったんだとすると・・・・(笑))

ともかく、面白い研究ではあります。


本としてはこれ。未翻訳なのか。

The God Gene: How Faith Is Hardwired into Our GenesThe God Gene: How Faith Is Hardwired into Our Genes
(2005/09/13)
Dean H. Hamer
商品詳細を見る
『神の遺伝子:どのように信仰が私達の遺伝子に組み込まれたのか』

参考URL http://lang-8.com/224300/journals/828770


・・・・しかしこれに限らず近年の遺伝/DNAの研究結果を見ていて思うのは、割りとこう単純に、ある機能/形質/表現形に対して、ある「遺伝子」がストレートに1対1で対応していることが多いなという。
一方で脳については、そうした1対1対応的な”局在説”的なものは、どちらかというと古い考えだとされることが多いので、そこらへんのギャップというか時代感(笑)みたいなものが、ちょっと混乱させられるというか。むしろDNAの方が脳よりも、”表層的”にすら見えるという。そんな馬鹿なということではあるんですが。
まあ実際感じとしては、脳よりDNAの方が遥かに先に、解明(笑)が済んじゃいそうな、そんな勢いですけどね。

これも余談ですが。


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