東京緑、代表、アイドル、二次元、女子バレ
ヒストリーチャンネル 『伝説の企業家~アメリカをつくった男たち~』
2013年11月10日 (日) | 編集 |
見たのは先月6日の無料開放デーの一挙放送だったんですが、何となく書きそびれていたもの。
かなり面白かったです。


伝説の企業家~アメリカをつくった男たち~ (公式)

アメリカは発見されたのではない。造られたのだ。
ロックフェラー、ヴァンダービルト、カーネギー、フォード、モルガン。彼らがアメリカを造った。
産業化時代、彼らは近代的国家という大胆なビジョンを描き、石油、鉄道、鉄鋼、船舶、自動車、エネルギー、金融などの巨大な産業を築き上げた。貧しさの中から立ち上がった彼らは、企業を起こし、経済政策を設け、主要な出来事に影響を与え続けた。

#1 新たな戦い  ヴァンダービルト・鉄道
#2 石油産業の台頭  ロックフェラー・石油
#3 鉄鋼業の飛躍  カーネギー・鉄鋼
#4 産業史に残る大惨事  カーネギー
#5 金融界のエース  モルガン
#6 電流戦争  エジソン(&モルガン)とニコラ・テスラ
#7 政府の買収  モルガン、ロックフェラー、カーネギー
#8 自動車産業の隆盛  フォード



一見すると所謂"立志伝"で、実際そういう内容ではあるんですが、演出としては『プロジェクトX』とも『その時歴史が動いた』ともかなり違って(笑)、むしろマフィアの大ボスたちの一代記とかにでもありそうなダークなトーン。
それは一つには、彼ら大(産業)資本家たちの成功の陰で、どれほどの数の労働者や庶民が搾取・虐待されて来たのかという、ある意味では型通りの"告発"の意味合いがあるわけですが、同時にそうして成功した彼らが自分たちの財産・利益を永久的に維持・継続・肥大化させる為に、いかに結託して"マフィア"を形成するようになったのかという、そういう暗喩が込められているのだろうと思います。

"マフィア"でもあり、また同時に、演出がもう一つ連想させる

企業家

"西部劇"的でもあり。
つまり西部劇でよく見られる、開拓時代の西部の一つの町一つの地方で、力のある一族が超法規的に全てを牛耳るああした光景が、実はその本質をさほど変えないまま巨大化したのが、"アメリカ"であるという。
今現在誰が牛耳ってるかというような問題とはまた別に、そういうあり方のある意味での"正当性"・・・・というか"正統性"を認める部分が"アメリカ"の無意識にはあって、今日の金融界などに見られるように、隙あらばそういう動きは顔を出して来る、"王座"争いが常に起きている、そんなサジェスチョンでもあるのかなという。アメリカニズムとは、"自由競争"なんて綺麗事ではなくて、もっと端的に"ウィナーテイクスオール"のことである、的な。


とここまでは普通の(?)感想ですが、もう一つ見てる内にじわじわ感じて来たのは、これアレなんじゃないのということ。
・・・・いや、アレと言われても分かんないでしょうが(笑)、つまりこのヒストリーチャンネルの過去の同様に印象的なシリーズとして、何と現在シーズン5まだ作られているらしい(よくそんなにネタあるなあ)、『古代の宇宙人』という人気シリーズがあるということを、前に紹介しましたよね。
それは要するに、今日"都市伝説"ものとして、ここ日本でもある意味市民権を得た感のある"既成事実としての宇宙人と地球人の交流"というテーマを、あらゆる角度から慎重に巧妙にかつ豊かに取り上げているシリーズなわけですが。

で、その(笑)ソフトには"都市伝説"、より露骨にハードには「陰謀説・陰謀論」の世界で、"宇宙人説"と並ぶ大物として存在しているものとして、(多くはユダヤ系の)「ごく少数の大金持ちによる世界支配」というものがあるわけです。いわくイギリスのロスチャイルドをおおもととして、アメリカではロックフェラーが仕切ってるうんぬんかんぬん、いわくフリーメイソンから流れるうんぬんかんぬん、いわく300人委員会がうんぬん、ビルダーバーグ会議がかんぬんと、まあ僕も全貌を把握しているわけでは全然無いですが(笑)、とにかく色々とあるわけです。
またそれらが多くは、そのまま"宇宙人"と連結していたりするんですけどそれはともかく。

で、今回のこの番組の面白いところは、直接そうした"壮大"な陰謀論に触れたりとかは全くしていないんですが、少なくともアメリカにおいて、そうしたタイプの構想が生まれて来るその源となり得るだろう事実を、過不足なく切り取って提示しているように見えるところがあることですね。
実際に比較を絶する少数の超大金持ちというものがアメリカには存在していて、歴史的に育っていて、それらが一般大衆・・・・ではなくて(これだと"陰謀論")、時の政治権力との対抗上、具体的には反トラストの動きへの防衛策として、結託せざるを得ない歴史的状況があって、かつその戦いに勝利して権益の永久化にほぼ成功している、その様子を説得的に描写している。

性格付けとしては、『古代の宇宙人』シリーズが、相当に(宇宙人説に)肯定的であるのに対して、こちらは限定的肯定ではあるけれど、その"限定"はむしろ「陰謀(説)」が一つの全体として存在していることを否定している、頭を冷やすことを視聴者に要求している、そのように言えると思います。
隠された金持ち連合は実在している、しかしそれは純粋に成り上がりたちの自己防衛であって、フリーメイソントも増して宇宙人とも、何ら関係は無い、そんな"根拠"を考える必要性は無いという、そういう立場。
かなり、説得されましたね。見てる範囲では。限定的肯定による否定という、エレガンス。または巧妙さ。これ自体が、隠蔽の陰謀であるならば。(笑)

別にヒストリーチャンネルという、"人"が存在しているわけではないですが、一方で『古代の宇宙人』シリーズが存在している以上、もう一方の"陰謀"論についても、意識していないわけはないと思います。単なる社会経済的視点からは、作られない/作れないだろうと感じる作品というか。
それゆえの高度なバランス感覚というか知的緊張感というか、そこらへんが非常に面白かったです。


個別に他に面白かったのは、最後にフォードが出て来ますが、彼も勿論、成功したアメリカ的超大金持ち・産業資本家ではあるんですが、ただ"世代"的にはロックフェラー・カーネギー・モルガンらとは一回り違って、彼らに象徴されるエスタブリッシュメントに対抗する形で出て来た、新時代の、"大衆"の時代の資本家という面があるとされていること。・・・・まあ当然、"大衆車フォード"ということではあるわけですが。
例のフォード的"オートメーション"生産も、労働の非人間化というよりは大衆化促進のツール、大衆が力を持つための武器として、位置づけられている。

逆にその時代までは描かれていませんが、そのフォードが後に高名なナチスの擁護者、支援者と成り果てるのも、要は前の世代と同じで基本的には単純に自分の権益の防衛の為という意味合いが、大きいんだろうなと、このシリーズの成り立ち的には想像できます。"思想"的観念的問題というよりもね。
共産主義よりはナチスの方が、遥かにましという、資本主義的利益の防衛の為には。まあ当時のアメリカで、広く見られた考えでもありますが。最終的に金持ちが重視することは何か、という。そんなに複雑な問題ではないというか。

カーネギーというと"カーネギーホール"の良い(?)印象が強いと思いますが、カーネギーは"カルテル"のメンバーの中では当初からかなり世評を気にする軟弱というか偽善的なところがあって、成功してからはかなり早くから世間の方を向いている面があったと。後にモルガンに自己の帝国を丸ごと買収された後は、むしろほっとして生き生きとして、その金で"慈善活動"にいそしんだと、そんな様子も描かれています。

また上の一件でも分かるように、カルテルの中でも最終的に主役となったのは銀行家のモルガンで、彼の資金力と金融活動こそがアメリカ政府までも屈服させ依存させ、それによってカルテルの永存を保証し、あるいは今日の"金融の時代"を招来したと、そんな様子も読み取れます。
ロックフェラーは、ある意味では石油を掘り当てただけの単純な田舎者で、特段に優れた構想力があったわけでもないがそれゆえに強情でもあり、カーネギーのよう弱気を見せることは無かった。ただ時代のリードという点ではモルガンに譲ったし、後の"財団"の慈善活動も言ってみればカーネギーの真似でしかないと、そんな感じ。


まあ、機会があったら、どうぞ。


スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック