東京緑、代表、アイドル、二次元、女子バレ
ザック&ヤス本
2014年02月05日 (水) | 編集 |
いつも叩いているこの二人の自伝本を、なぜかまとめて図書館で借りて来ました。(笑)
図書館万歳。
金払う気は全くしないもんな。

まあそれなりには面白かったです。
これからは叩く/批評する前に、とりあえず本を読んでみる(あれば)というのはありかも知れないなと、少し思いました。(笑)


ザッケローニの哲学ザッケローニの哲学
(2010/12/28)
アルベルト・ザッケローニ
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時期としては、ウディネーゼで成功を収めた直後、ミランに引き抜かれる前の出版です。
イタリアでもそういう気の早い便乗本みたいなの出るんですね。(笑)

面白かったのは、以下のあたり。

・子供の頃は寝る前に必ずセリエの選手カードを並べて模擬対戦を妄想していて、それが「監督」修行の原点。(p.11)
....向こうの子供はそうなんですかね。実際子供の頃のこういうのは、"戦術"理解のベースとしては、馬鹿に出来ない気はします。

・「多くの人はゾーンをプレーシステムのひとつだととらえているが、私は、ゾーンはディフェンスの戦術であるとずっと言い続けてきた。」(p.38)
....どういう意味でしょう。攻める時はゾーンじゃないということ?あるいはプレスをかける時は。

・ゾーンは誰かから学んだのではなく、直観と実験と想像力を駆使した独学。(p.41)
・・・・"失業"時代に考えたことなので、どこかに視察に行く余裕など無かったという話。

・「手に入れた部分的な結果だけで満足してしまうことは、「ラテン系」の選手によく起こることである。」(p.86)
....これは別にブラジル人の話とかではなく、イタリア人全般という意味(の"ラテン")。

・"3-4-3"は、"4-4-2"からの発展形で、例えば"4-4-2"から"4-3-3"に移るのに比べて、さほど大きな本質的な変化を必要としないものであった。(p.89-90)
....これ以上のことは書いてないのでよく分からないんですけど、推測出来るのはあくまで「4バック-1の3バック」であり、「2トップ+1」の3トップだということですかね。つまりザックが3バックをやる時にいささか"間に合わせ"のメンバーでやっているように見えるわけ、と、"ビアホフ"のイメージが強過ぎるので引っ張られがちだけれど、元々それほどベタな(電柱+両ウィングの)3トップをやっていたわけではないという。


通して見ると、実は物凄く挫折の多い人なんですね、特に指導者として。
その過程を通じて人格が陶冶された、と言いたいところですが、どちらかというとややルサンチマン的というか、暗めのモチベーションと、同じことですが挫折が多かったからこそ育まれた、穏やかな外面に隠された実は相当に強い自尊心(中二病的?)の存在が、何やら窺える気がする本でした。
自らを"反抗"の人と称したりしていますが、正直あんまり好感度は上がらなかったです。(笑)

次、ヤス本。


三浦兄弟 僕とカズ サッカー少年漂流記三浦兄弟 僕とカズ サッカー少年漂流記
(2010/09/24)
三浦 泰年
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編集判断で三浦"兄弟"とはなってますが、あくまでヤスの本です。
時期としては神戸の統括本部長もやめて、在野で少年サッカーの指導などを行っていた時期。2010年。
北九州の監督就任前というか。(Wiki)

ただ、自分はあくまで都並さんの代役だということも冷静に考えていたように思う。(中略)自分としては僕の左サイドバックには賞味期限があると思っていた。(中略)
最初は左サイドバックとして自分の間合いで"イケイケ"のプレーができていても、試合を重ねるうちに相手が僕のプレーを研究するようになってきたら、自分の良さはそれほど出せなくなる。
(p.151)

だから"魔法"が切れる前に、早く帰って来て下さいと、都並さんには伝えていたと、そういう話。
なかなか大した割り切りであるし、慧眼だなと思いました。
1994年アメリカW杯最終予選直前、都並の離脱で急遽本職ではない左サイドバックとして代表に初召集された、壮行試合コートジボワール戦(!)あたりの話。
やっぱ選手としては、相当にクレバーでタフだったよなと、記憶を再確認。

ここらへんに関しては、むしろオフトのナイーブさの方が、足を引っ張っていたよなとも思います。つまりオフトが求めていたのは、あくまで都並の代わりを"そのまま"務めてくれる選手で、都並ありきのチームイメージをついに修正出来なかったという。ヤスの"成功"→賞味期限切れ、ここまではまだいいけど、次の勝矢抜擢も、選手のタイプが多少違うだけで、構想としては同じ形だったと思いますね。実際に勝矢がやったプレーもね。
そこで例えば"こなせる"堀池を左に回して勝矢右とかなら、それは「都並がいない」ということを受け入れた別のチームになったでしょうけど。その前に江尻を呼んだ時も、イメージとしては分かるけれど無理なのは分かり切ってると思いましたし、ついに都並の夢から醒められなかったという感じ。
チームを構築する腕はあるけど、変えたり"手当て"したりするのは、余り上手くなかった人だなという。柔軟性がというか。万事型通りというか。
・・・・あ、つい思い出話を。(笑)

ちなみに僕自身は、あのACミランのセンターバック、バレージとの接触は、バレージによる意図的なものだと思っている。彼くらいの百戦錬磨なベテランなら、ああいう競り方をしなくても余裕で防げていたと思うからだ。にもかかわらずああいう形でカズと競ったのは、歓迎の意味なのかカズに対する挑発なのか。
(p.189)

なるほどねえ、プロ選手ならではの見方、かなあ。
確かに僕も、なんか不用意な当たり方をお互いしたものだなとは思ってましたが、ここまでは。
"そういうこと"あり得るという経験から、言ってるんでしょうね。プロ野球でいう、「危険球」的な問題というか。
勿論カズのセリエAデビュー戦での、バレージとの激突→顔面骨折の場面の話ですね。


いざ(S級講座の)授業が始まってみると、日本のライセンス制度の素晴らしさに驚いた。
(p.210)

印象深かったのは、ディベートの授業だ。(中略)この授業は大好きだった。(中略)
あるいは、単に僕が喋ることが得意で、常に物事を自分にとっていいように伝えることができる天才だからか?
(p.212)

S級受講に妙にはしゃぐ、"向学心旺盛"なヤスの図。
喋ることが得意、なのか。ではあの毎度長いだけで意味不明瞭な暗号文みたいな監督会見は、聞き手の記者の理解力不足によるのか、それとも詐欺師の魔法の効力範囲が目の前の相手に限られていることによるのか(笑)。その魔法は、対面する選手たちにはかかっているから、それでいいのか。


僕はやっぱり、子供を成長させたければ「スパルタ」に限ると思っている。暴力を振るうかどうかは別として、厳しく育てるべきだ、と。これは、いくら時代が変わったといわれても、譲れない部分だ。
(p.236)

言い切っちゃいましたね。
"別として"と言うからには、振るうんでしょうね。
まあここに限らず、「愛情をこめて怒る」ことの強調や、殴ったり泣かしたりすることへの自分自身の体験を通した容認は、あちこちで書かれています。
単に"考え方"という以上の肯定感で、まあ何というか、ヴェルディでの指導を通したパブリックイメージを、裏切らない内容。(笑)
それで自分としては、上に見るように"コミュニケーション上手"だと思っているわけですから・・・・。
うーんという。
一つ一つはともかくとして、コンビネーションとしては少々厄介な感じはしますね。
もう少しだけ、客観視出来ると、多分いいんでしょうけどね。美点も少なからず持っている人。ただちょこちょこアンバランス。言葉足らずというか。これは本全体を通しても、感じられることですけど。

人柄全体の印象としては、とにかく真面目、更に言えば地味、若干求道的と言っていいくらいに、という感じ。
その上での、"勉強熱心"。
ここらへんは、意識してかはともかく、父親(納谷宣雄氏)とが、結構社会規範ぎりぎりの資質の"自由"人であることの、反動というかコントラストというか、遺伝子のいたずらというか。(笑)
どちらかというと余り周りを見ずに"ハマって"行くタイプで、個人/いち選手としてはともかく、指導者としてはどうなんだろうという部分も、多少の偏見込みでしょうが(笑)、感じました。
悪い人ではないですけどね。好感度は、どちらかというと上がった気がします。(笑)


以上、今年も嫌でも付き合うことになるだろう二人の監督の、とりあえずの研究結果です。(笑)


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コメント
この記事へのコメント
>「多くの人はゾーンをプレーシステムのひとつだととらえているが、私は、ゾーンはディフェンスの戦術であるとずっと言い続けてきた。」

これは「ゾーンは守備のやり方の一つであって絶対の原則ではない」って意味なんじゃないかなと思います。イタリア人の指導者のインタビューなんかを読むと、ゾーンの考え方が前提にない守備なんて有り得ないと考えてる方が多いように見えるのでそれへの反発かなと。

>"3-4-3"は、"4-4-2"からの発展形で、例えば"4-4-2"から"4-3-3"に移るのに比べて、さほど大きな本質的な変化を必要としないものであった

管理人さんがおっしゃっているように442からDFを一枚削ってFWを増やすという発想なんだと思います。3-4でまるで4-4のように守れれば前線を一枚増やせるというような。ザックはミラン時代3トップが守備に戻ることを極端に嫌っていたようですが、それはもし一枚でも下がってしまったら442と守備の人数が一緒になってしまって343のメリットが消えるからなのかなと。なんにせよ強者の戦術という感じがします。
2014/02/06(Thu) 23:16 | URL  | swn #-[ 編集]
>「ゾーンは守備のやり方の一つであって絶対の原則ではない」
文脈としてはですね、まだマンマークが一般的だったイタリア・サッカー界で、ザックを含む何人かが今まさにゾーン・ディフェンスという新戦術をぶち上げているその最中の話なので、"守備のやり方"としての価値をわざわざ限定的に言うというのは、ちょっと考えづらいかなあと。
で、思い出しましたが別のところで、自分の3-4-3を「サッキの守備(プレッシング)とゼーマンの攻撃(3トップ)を合わせたもの」だと言ってるので、やはり"ゾーン"であることを守備面に限定する、そういう趣旨の発言なんじゃないかなあと。若干後出しで申し訳ありませんが。(笑)

>442からDFを一枚削ってFWを増やすという発想
なるほど。いや、そこまで理解してなかったです。(笑)
それだと特に、「4-3-3への変化」との比較の意味がよく分かりますね。中盤は一切いじらないわけですね。チームの母体は変わらないというか。
改めてトリッキーだなあ。
2014/02/07(Fri) 00:55 | URL  | アト #/HoiMy2E[ 編集]
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