2006年05月18日 (木) | 編集 |

今週(5/18号)のモーニング掲載の読み切りSF。
大感動、大泣き。それもどちらかというと”男泣き”の部類。
設定自体から来る骨太の感動に泣いた。
「存在論的な感動を与えるSF漫画」という意味では『プラネテス』と同種だけど、”SF”度、SFとしての純度という意味ではこちらが上。SF的想像力、いや科学的想像力自体のロマン性が与える感動というか。
わたくし事ですが年々僕の自己保存欲は妙な具合になっていて、勿論自分はかわいいんだけど自分以外はかわいくない。・・・・人聞き悪いな。(笑)
例えば自分<日本人<男<人類みたいな感じで、本来(?)自己保存欲の対象、つまり「自己」の範疇というのは(”自分”を中心とする)同心円的に広がるもので、だから”ナショナリズム”というものも可能だし、人種差別もあるし、その「同心円」を相対化するために、吉本隆明(ばななの父ちゃん)は”配偶者と自分の2つの中心を持つ「楕円」”=『対幻想』なんて概念を持ち出したりしたわけですが。
ところが最近の僕はその同心円構造がたまにしか発動しなくて、さすがに自分への執着を断っちゃったりはまだ出来ないとしても(笑)、自分の所属グループへのひいきというのはほんとに薄い感じになっている。勝つべき方、より勝ちたい方が勝てばいいし、要はトータルで何が起きてるかが問題で、その為に自分の「同心円」が負け組に回ろうが基本的にはどうでもいい。勿論限りなくケースバイケースではあるわけですが。
で、その”ケース”の最たるものが人類vs他の生き物(もしくは自然)という「グループ」の対立のケースで、僕はもう真面目に人類への忠誠心は無いので権力は持たせない方がいいです(笑)。それこそ近所の野良猫たち数匹と全人類の生死の選択を迫られたら、ノータイムで野良たちを取ります。
ただしここまで”平等”を更に越えた極端な反応が起きるのには別のエリート意識が裏にあって、要するに人類の生存や所業を宇宙・・・・は広いからともかくとして地球に対して申し訳ない、場合によっては余計なものと感じる贖罪意識みたいなものがあるわけで。まあそんなに珍しい思想でもないですが。
例えば近年の大トピックス『地球温暖化』なんかでも、典型的な”大水没”的な状況を思い描いた時に僕の頭をまずよぎるのは、「人類の生活環境の危機」のことなんかでは全然なくて、「巻き添えにしてすまん、陸上生物たち」ということだったりします。人類が滅びるのはてめえの勝手、一緒に陸を目指した仲間としてあきらめて許してくれるかなとそれが心配。
で・・・・そういうテーマを扱った漫画です。
実際にある仮説を元にした、『温暖化』の全地球的な最悪のシナリオと、それをめぐる人類と他の全生物の権利に関する壮大なプロジェクトの行方。そこに更に人類vsマシン/コンピュータ/ロボットというサブテーマが絶妙に絡みます。
勿論僕がやらかしたような単線的な自己処罰一本の思考の話ではありません。救われます。
”支配人”の「はしゃぐんじゃない!」という名セリフに泣きます。是非。
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この記事へのコメント
ここのところ個人的にかなりテンションの下がっていたモーニングですが今週のHOTELは久しぶりにガーン!ときました。
正直、読み始めのあたりはだめっぽいなと思っていたのですが、人が出てこなくなってからが本当にすごかった。
「すこしバカになったぼくは」のあたりで完全に持っていかれてしまいました。これでまた少しモーニングを続けられそうです。
正直、読み始めのあたりはだめっぽいなと思っていたのですが、人が出てこなくなってからが本当にすごかった。
「すこしバカになったぼくは」のあたりで完全に持っていかれてしまいました。これでまた少しモーニングを続けられそうです。
読み切りで命を繋がれても、モーニングとしては素直に喜べないように思いますが。(笑)
僕は漫画はこだわるようでこだわらないので、結構島耕作とか定番ものでものほほんと楽しんでしまうので当分大丈夫そうです。ていうかモーニングのない木曜日なんて。(笑)
誰か感想書いてないかなと心当たりの人を回ったんですがなかったので、オチョーさんに賛同してもらえて嬉しい限りです。
>「すこしバカになったぼくは」のあたりで完全に持っていかれてしまいました
「人間性」「人間味」って、むしろ人間以外が表現すると改めてパワーを感じるというところがありますよね。確かに最初は(人間側の)罪悪感がストレートに出過ぎかなみたいなところがありました。
僕は漫画はこだわるようでこだわらないので、結構島耕作とか定番ものでものほほんと楽しんでしまうので当分大丈夫そうです。ていうかモーニングのない木曜日なんて。(笑)
誰か感想書いてないかなと心当たりの人を回ったんですがなかったので、オチョーさんに賛同してもらえて嬉しい限りです。
>「すこしバカになったぼくは」のあたりで完全に持っていかれてしまいました
「人間性」「人間味」って、むしろ人間以外が表現すると改めてパワーを感じるというところがありますよね。確かに最初は(人間側の)罪悪感がストレートに出過ぎかなみたいなところがありました。
HOTEL感動しました!!
久々のヒットでした。
久々のヒットでした。
Hotelを読んで気が付きました。久々出た感動の一大SF巨編には間違いありませんが、私がさっきまで忘れたいたことをBoichi大先生は思い出させてくれたのです。それは、今から2700万年後は確実にやってくるということ。地球がどうなろうと、人類が生きていようが、絶滅していようが、今現在の時の流れがこのまま続き、時はやがて2700万年経つということ、そして、今から2700万年前も実際にあったということ。自分は2700万年前に地球上に現実に存在していた生物のDNAから生まれてきた父さん母さん達のなれの果てであること。では、今から2700万年後はどうなっているのか、というと?はっきりいって私には解りません。自分には想像できない世界なのです。いくら想像力を働かせても全くイメージが出てこない、まさに想像を絶する世界なのです。そう感じた瞬間、時間の流れがとても遅く遅く感じられました。時間そのものの存在を感じたのです。時間そのものも生命体であると。自分が死んだら時間も無くなってしまうと以前は本気で考えた事もありました。何故なら時間というものは自分自身が感じているものであって、自分が存在しなければ時間を感じることは無くなるのであり自分にとっての時間は消滅してしまうのだと。でもこの作品を読んで冷酷なまでの時間というもの存在を理解できたのです。もしこんなに長い時間生きることができたらどれだけ夢を見られるでしょうか。この物語の中ではこんなに長い長い時間使命を果たし続けたルイは、人間が作り上げた人工知能の完成版としてけなげに2700万年を生き続けます。そして地球が2700万年かけて全てをリセットし元の自然環境を復元させたとき、人類が宇宙へ送り出し2700何年かかって帰還してきた存在と再会したところでルイのミッションは終了します。とてもとても壮大で感動の一大叙事詩といえます。そして何故か未来の地球はいつも空がとても高いのです。Boichi大先生ありがとう.....。
2006/12/16(Sat) 08:55 | URL | Crodia #/HoiMy2E[ 編集]
daiさんにはTB元の方で。
>2700万年
実は結構ウェットなところのあるストーリーで、最初の『素晴らしき世界』の挿入部分ではなんだかなと入り込めなかったりもしたんですが、最終的には宇宙的時間経過の冷厳さがいいバランスでした、確かに。
案外紙数の都合だったりするのかもしれませんが(笑)、物凄くあっさり時間が経つのがかえって良かったと思います。
>時間そのものも生命体である
>自分が死んだら時間も無くなってしまうと以前は本気で考えた事もありました
難しいですね。宇宙(神?)そのものが実はそれを認識する知性の存在によって成り立っているという考え方すら、昔から割りとあるようですし。
中を取るとすれば「生命」の本質/究極を「自分」=人間的知性に限定しない、あるいはそれを超えた存在形態を考えるとか、そこらあたりでしょうか。
なおルイは”完成版”と言うよりも解放版、ブレイクスルー版みたいに考えた方がロマンチックな気がします。
>2700万年
実は結構ウェットなところのあるストーリーで、最初の『素晴らしき世界』の挿入部分ではなんだかなと入り込めなかったりもしたんですが、最終的には宇宙的時間経過の冷厳さがいいバランスでした、確かに。
案外紙数の都合だったりするのかもしれませんが(笑)、物凄くあっさり時間が経つのがかえって良かったと思います。
>時間そのものも生命体である
>自分が死んだら時間も無くなってしまうと以前は本気で考えた事もありました
難しいですね。宇宙(神?)そのものが実はそれを認識する知性の存在によって成り立っているという考え方すら、昔から割りとあるようですし。
中を取るとすれば「生命」の本質/究極を「自分」=人間的知性に限定しない、あるいはそれを超えた存在形態を考えるとか、そこらあたりでしょうか。
なおルイは”完成版”と言うよりも解放版、ブレイクスルー版みたいに考えた方がロマンチックな気がします。
おもしろかった
久々に見たモーニングでうるうる出来ました
えろにもj期待してます
久々に見たモーニングでうるうる出来ました
えろにもj期待してます
2006/12/16(Sat) 09:00 | URL | nabetake #/HoiMy2E[ 編集]
なるほど、本人サイト
http://www.boichi.com
を見るとそういう要素もありそうですね。
なんか結構反響大きい雰囲気もありますし、再登場あるといいんですけど。
あとここまで「うるうる」系の反応があるとも多分本人は思ってなかったんじゃないかと何となく。もっとこう、”哲学的”な・・・・(笑)
http://www.boichi.com
を見るとそういう要素もありそうですね。
なんか結構反響大きい雰囲気もありますし、再登場あるといいんですけど。
あとここまで「うるうる」系の反応があるとも多分本人は思ってなかったんじゃないかと何となく。もっとこう、”哲学的”な・・・・(笑)
リンクを貼られているようなので、ここ
http://club.shinbiro.com/clb/bbs/sbrClbBbs_View.jsp?bbsid=282198&pg=1&artno=242140
に入れる人がいたら何が書いてあるか教えて下さい。
http://club.shinbiro.com/clb/bbs/sbrClbBbs_View.jsp?bbsid=282198&pg=1&artno=242140
に入れる人がいたら何が書いてあるか教えて下さい。
失礼します。韓国の者です。
あそこはアニメ、漫画関係のサイトなんです。
勝手に人の文を翻訳して持って来るのはどうかと思いますが、
一応、あっちの投稿者さんがここのリンクを貼ってるので、
アトさんに見せても駄目じゃないと思って、
無礼を犯しながらもあっちの文を紹介します。
-------------------------------
投稿者: pot00
タイトル: BOICHIさん、少しずつ慣れていくようです…
実は、個人的に良い思い出も、良くない思い出もある作家さんです。
私は創始期の彼の雑誌デビュー作から注目したし、彼がいくつの短編を描いて新しい試みを描く時、彼を大きく応援したし、
PC通信の同好会時代の彼も知ってます.
しかし, その後
彼と私との考えの違いは本当にあまりにも大きかったし
個人的には彼がいくつかの問題に対して '正しい事実'が分かったら、彼が違う作品をしたんじゃないかという考えもあって。
関係人の多くの証言を通じて, 多くの良くない話を聞いたし。
いわゆる自意識過剰だと言うんですか?
そのまま自然にすれば良い事を、すごい意味を付与する… そんな感じで彼の作品を読んだんです。
(私は彼の絵に対してもあまり同意してないです)
そうした彼が日本でそれも仮名でポルノ雑誌にデビューしたという事実が分かりました。
私が読んだ彼の掲載物はポルノとしてちょっと不足だと感じました。
事実, 惜しいという考えでした。
ちょっとよく育てれば良かった人がこんなにつけられるか思ったが…
意外にポルノ雑誌をすり抜けて来て善戦しますね。
今年初に少年画譜社ヤングキングで連載を取ったようだし….(短期連載なのか分からないが…)
最近モーニング(モーニングは講談社の主力雑誌中の一つです。 バガボンドが連載されて、昔に'ファン・ミナ'のマンガが連載された雑誌ですよ)に連載した
'hotel'という短編がすごく良い評価を受けたようです。
彼が昔に好きだったSFを描いたようですね。
'久しぶりにSFに大作が出た'というマンガファンの称賛が本当にすごいですね。
http://www.shinshu.fm/MHz/67.39/archives/0000126330.html
そういえば, いつのまにか自分のホームページも作りましたね。
もうあまり隠したい気もないようです。
(別途のリンクはしないです。 自然に分かることができます)
しかしやっぱり自分の名前を正式で明らかにしなかったようですね。
事実、ある程彼が彼の弱点でもある'自意識過剰'を乗り越えたのか作品を実際に見てないので判断しにくいです。
ただ圧縮しなければならない短編の特性の上、主題が強く彼のスタイルがむしろ良いことがあって、今までもそうでした。日本でも現在としては新鮮ではないでしょうか。
ただし、この前にも同じく話したように、彼が真の話師としての作家的力量を見せたいのなら、
結局は長編で勝負しなければならないし、あの時も彼の強い意識が日本で受け入れられるか知りたいです。
最後に
ぜひ日本ではマンガより文の先に進む人にならないことと、
韓国でそうだったように日本でもぶつかりながら戦う姿を見せてくれたらと思う矛盾した希望を持って見ます。
-------------------------------
僕はつい先、「HOTEL」を読んでここにたどり着いたんですが、実は僕が読んだのはBOICHIさんの作品じゃなくて、2004年にBOICHIさんの後輩が韓国に発表した作品です。BOICHIさんが後輩のために原作を書いたそうです。それが最近日本で新しく描かれたそうで、色々ググってみる最中、ここに来たんです。
あの後輩さんが描いたのもすごく感動でした。やっばり絵はちょっと不足だったと思いますが・・・BOICHIさん版を読んでみたいですね。
あそこはアニメ、漫画関係のサイトなんです。
勝手に人の文を翻訳して持って来るのはどうかと思いますが、
一応、あっちの投稿者さんがここのリンクを貼ってるので、
アトさんに見せても駄目じゃないと思って、
無礼を犯しながらもあっちの文を紹介します。
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投稿者: pot00
タイトル: BOICHIさん、少しずつ慣れていくようです…
実は、個人的に良い思い出も、良くない思い出もある作家さんです。
私は創始期の彼の雑誌デビュー作から注目したし、彼がいくつの短編を描いて新しい試みを描く時、彼を大きく応援したし、
PC通信の同好会時代の彼も知ってます.
しかし, その後
彼と私との考えの違いは本当にあまりにも大きかったし
個人的には彼がいくつかの問題に対して '正しい事実'が分かったら、彼が違う作品をしたんじゃないかという考えもあって。
関係人の多くの証言を通じて, 多くの良くない話を聞いたし。
いわゆる自意識過剰だと言うんですか?
そのまま自然にすれば良い事を、すごい意味を付与する… そんな感じで彼の作品を読んだんです。
(私は彼の絵に対してもあまり同意してないです)
そうした彼が日本でそれも仮名でポルノ雑誌にデビューしたという事実が分かりました。
私が読んだ彼の掲載物はポルノとしてちょっと不足だと感じました。
事実, 惜しいという考えでした。
ちょっとよく育てれば良かった人がこんなにつけられるか思ったが…
意外にポルノ雑誌をすり抜けて来て善戦しますね。
今年初に少年画譜社ヤングキングで連載を取ったようだし….(短期連載なのか分からないが…)
最近モーニング(モーニングは講談社の主力雑誌中の一つです。 バガボンドが連載されて、昔に'ファン・ミナ'のマンガが連載された雑誌ですよ)に連載した
'hotel'という短編がすごく良い評価を受けたようです。
彼が昔に好きだったSFを描いたようですね。
'久しぶりにSFに大作が出た'というマンガファンの称賛が本当にすごいですね。
http://www.shinshu.fm/MHz/67.39/archives/0000126330.html
そういえば, いつのまにか自分のホームページも作りましたね。
もうあまり隠したい気もないようです。
(別途のリンクはしないです。 自然に分かることができます)
しかしやっぱり自分の名前を正式で明らかにしなかったようですね。
事実、ある程彼が彼の弱点でもある'自意識過剰'を乗り越えたのか作品を実際に見てないので判断しにくいです。
ただ圧縮しなければならない短編の特性の上、主題が強く彼のスタイルがむしろ良いことがあって、今までもそうでした。日本でも現在としては新鮮ではないでしょうか。
ただし、この前にも同じく話したように、彼が真の話師としての作家的力量を見せたいのなら、
結局は長編で勝負しなければならないし、あの時も彼の強い意識が日本で受け入れられるか知りたいです。
最後に
ぜひ日本ではマンガより文の先に進む人にならないことと、
韓国でそうだったように日本でもぶつかりながら戦う姿を見せてくれたらと思う矛盾した希望を持って見ます。
-------------------------------
僕はつい先、「HOTEL」を読んでここにたどり着いたんですが、実は僕が読んだのはBOICHIさんの作品じゃなくて、2004年にBOICHIさんの後輩が韓国に発表した作品です。BOICHIさんが後輩のために原作を書いたそうです。それが最近日本で新しく描かれたそうで、色々ググってみる最中、ここに来たんです。
あの後輩さんが描いたのもすごく感動でした。やっばり絵はちょっと不足だったと思いますが・・・BOICHIさん版を読んでみたいですね。
2006/12/16(Sat) 09:06 | URL | SEviL #/HoiMy2E[ 編集]
せっかくなので新ブログの方でも紹介させてもらいますね。
http://atlanta.blog24.fc2.com/blog-entry-18.html
何か色々屈折のある人みたいですね。
コピーか何かで良かったら、モーニングのBoichiさん版お送りしましょうか?
http://atlanta.blog24.fc2.com/blog-entry-18.html
何か色々屈折のある人みたいですね。
コピーか何かで良かったら、モーニングのBoichiさん版お送りしましょうか?
一言で凄い!他の沢山の人が是非読んで欲しい作品。私はビックリ+泣いてしまいました。
2006/12/16(Sat) 09:10 | URL | アリス #/HoiMy2E[ 編集]
多分反響は編集部にも届いているはずですから、とりあえず同様の企画でまたモーニングに登場してもらいたいですね。
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