![]() | Rolling Stone (ローリング・ストーン) 日本版 2007年 09月号 [雑誌] (2007/08/10) 不明 商品詳細を見る |
で、こちらの前ふり・元ネタがこれ。
綾波関係ねえー。(笑)
こちらは"名盤"と銘打ってますね。後世・シーンへの"影響力"を重視したと、そういう説明。
そういう意味もあってか、選んだ100枚を順位とは別に、年表として再配列したページがあるのが、結構親切で有難い。
前回と同様に誌面に従って、こちらは1位から下って行く形式で。
1位~50位
1 はっぴぃえんど『風街ろまん』 ('71)
2 RCサクセション『ラプソディ』 ('80)
3 ザ・ブルーハーツ『ザ・ブルーハーツ』 ('87)
4 YMO『ソリッド・ステート・サバイバー』 ('79)
5 矢沢永吉『ゴールドラッシュ』 ('78)
6 喜納昌吉&チャンプルーズ『喜納昌吉&チャンプルーズ』 ('77)
7 大滝詠一『ア・ロング・バケーション』 ('81)
8 フィッシュマンズ『空中キャンプ』 ('96)
9 サディスティック・ミカ・バンド『黒船』 ('74)
10 コーネリアス『ファンタズマ』 ('97)
11 佐野元春『SOMEDAY』 ('82)
12 荒井由実『ひこうき雲』 ('73)
13 ジャックス『ジャックスの世界』 ('68)
14 山下達郎『SPACY』 ('77)
15 X『BLUE BLOOD』 ('89)
16 アナーキー『アナーキー』 ('80)
17 キャロル『燃えつきる~キャロル・ラスト・ライブ』 ('75)
18 戸川純『玉姫様』 ('83)
19 プラスチックス『ウェルカム・プラスチックス』 ('80)
20 村八分『ライヴ』 ('73)
21 フリクション『軋轢』 ('80)
22 暗黒大陸じゃがたら『南蛮渡来』 ('82)
23 BOWOW『WARNING FROM STARDUST』 ('82)
24 外道『外道』 ('74)
25 ボアダムズ『チョコレート・シンセサイザー』 ('94)
26 矢野顕子『ジャパニーズ・ガール』 ('76)
27 ザ・スターリン『STOP JAP』 ('82)
28 ルースターズ『グッド・ドリームス』 ('84)
29 ミュート・ビート『FLOWER』 ('87)
30 遠藤賢司『満足できるかな』 ('71)
31 憂歌団『生聞59分』 ('77)
32 サザンオールスターズ『人気者でいこう』 ('84)
33 INU『メシ喰うな』 ('81)
34 Dir en grey『Withering to death』 ('05)
35 フリッパーズ・ギター『カメラ・トーク』 ('90)
36 Char『Psyche』 ('88)
37 少年ナイフ『レッツ・ナイフ』 ('92)
38 四人囃子『一触即発』 ('74)
39 カルメン・マキ&OZ『カルメン・マキ&OZ』 ('75)
40 ラウドネス『DISILLUSION~撃剣霊化~』 ('84)
41 RCサクセション『カバーズ』 ('88)
42 ゼルダ『ゼルダ』 ('82)
43 レベッカ『レベッカⅣ~Maybe Tomorrow~』 ('85)
44 シーナ&ロケッツ『真空パック』 ('79)
45 ゴダイゴ『CMソング・グラフィティ・ゴダイゴ・スーパー・ヒッツ』 ('78)
46 たま『ひるね』 ('91)
47 メルツバウ『緊縛の為の音楽』 ('91)
48 カヒミカリィ『MY FIRST KARIE』 ('95)
49 不失者『1st』 ('89)
50 エレファント・カシマシ『エレファント・カシマシⅡ』 ('88)
太字はsnoozerと共通して選ばれているアルバム、紫字はsnoozerがアーティスト自体、選んでないアーティストによるアルバム。
51位~100位
51 ギターウルフ『狼惑星』 ('97)
52 P-MODEL『イン・ア・モデル・ルーム』 ('79)
53 いとうせいこう『MESS/AGE』 ('89)
54 バッファロー・ドーター『キャプテン・ヴェイバー・アスリーツ』 ('96)
55 あぶらだこ『あぶらだこ』 ('85)
56 頭脳警察『頭脳警察1』 ('72)
57 紫『紫』 ('76)
58 一風堂『Lunatic Menu』 ('82)
59 テイ・トウワ『Future Listening1』 ('94)
60 ランキン・タクシー『ワイルドで行くぞ』 ('91)
61 KEN ISHII『JELLY TONES』 ('95)
62 クリエイション『ピュア・エレクトリック・ソウル』 ('77)
63 暴力温泉芸者『NATION OF RHYTHM SLAVES』 ('96)
64 ピチカート・ファイヴ『Happy End of the World』 ('97)
65 ムーンライダーズ『青空百景』 ('82)
66 S.O.B『What's The Truth?』 ('90)
67 The Fantasiic Plastic Machine『The Fantasiic Plastic Machine』 ('97)
68 高木完『Grass Roots』 ('92)
69 小沢健二『LIFE』 ('94)
70 ローザ・ルクセンブルグ『ぷりぷり』 ('86)
71 フラワー・トラベリン・バンド『SATORI』 ('71)
72 電気グルーヴ『A(エース)』 ('97)
73 サロン・ミュージック『ラ・パロマ・ショー』 ('84)
74 スチャダラパー『5th wheel 2 the coach』 ('95)
75 BOØWY『ジャスト・ア・ヒーロー』 ('86)
76 パフィー『Jet CD』 ('98)
77 泉谷しげる『'80のバラッド』 ('78)
78 リノ・ラティーナⅡ『Canival of Rino』 ('01)
79 ブランキー・ジェット・シティ『BANG!』 ('92)
80 藤原ヒロシ『ナッシング・マッチ・ベター・トゥ・ドゥ』 ('94)
81 サンディー&サンセッツ『イミグランツ』 ('82)
82 東京スカパラダイスオーケストラ『TOKYO SKA PARADISE』 ('89)
83 ミスター・チルドレン『Atomic Heart』 ('94)
84 ザ・ストリート・スライダーズ『スライダー・ジョイント』 ('83)
85 サニーデイ・サービス『東京』 ('96)
86 スーパーカー『HIGHVISION』 ('02)
87 ミッシェル・ガン・エレファント『High Time』 ('96)
88 ニューエスト・モデル『プリティ・ラジエーション』 ('88)
89 椎名林檎『勝訴ストリップ』 ('00)
90 リップスライム『FIVE』 ('01)
91 ハイ・スタンダード『アングリー・フィスト』 ('97)
92 ナンバーガール『シブヤROCKTRANAFORMED状態』 ('99)
93 奥田民生『股旅』 ('98)
94 スピッツ『スピッツ』 ('91)
95 V.A.『GO-GO KING RECORDERS original recording VOL.1』 ('06)
96 くるり『TEAM ROCK』 ('01)
97 シアター・ブルック『TALISMAN』 ('96)
98 マキシマム・ザ・ホルモン『ぶっ生き返す』 ('07)
99 宇多田ヒカル『First Love』 ('99)
100 カジヒデキ『TEA』 ('98)
あぶらだこは全アルバムタイトルが『あぶらだこ』だそうで、この'85年の『あぶらだこ』はsnoozer版の'86年の『あぶらだこ』とは別作品です。ちなみに僕は'85年の方を持っている、ということを今回初めて自覚しました。(笑)
さて講評(?)。
一言で言うと、よりポップ、ないしはベタ/ヤボなものにも寛容なのが、ローリングストーン版の特徴というのは言えますね。
『ソリッド・ステート・サバイバー』『ロング・バケーション』『SOMEDAY』『人気者でいこう』、矢沢永吉、レベッカ(!)、ゴダイゴ(!)、BOØWY、パフィー(!)、ミスチル、宇多田ヒカル。
更に言うと、X、BOWOW、ラウドネス、紫と、ハードロック/ヘヴィメタルにも妙に寛容ですが、これは"ローリングストーン"誌ということでアメリカ人も聴くという前提ないしは欧米での和製ハードロックの評価の高さ・人気みたいなものも、関係してるのかなとか。
こうした選出基準についてsnoozer誌では、"全方位"的である無定見であるという批判がなされていたわけですが・・・どうでしょう。
実際に両誌のものを見比べた感想としては、むしろローリングストーン版の方が定見がある、基準がしっかりしているように僕には感じられました。一見すると有名な作品を並べただけみたいに見えるところも無いわけではないですが、"影響力"という基準は公平かつ明確なものですし、チョイスとしてはメジャー・無難でも、しかし「順位」の意味はこちらの方が遥かに内容があるというか、主張が感じられるというか。
snoozerはいくら何でも清志郎とどんとを贔屓し過ぎですし、150枚という枚数含めて余りにも混沌としているというか、複数の選者が思い入れを開陳しているだけという印象がどうしてもあります。"マニアック"という品格にも、達してない感じ。
一方でローリングストーン誌も十分にマニアックなチョイスはなされているわけですし、それと大メジャー作品の"影響力"の順位付けに妙味を感じるというか、主張を感じるというか。
単純に「ディスクガイド」としても、ローリングストーン版の方が優秀だと思いますしね。コンプリートを目指す気になるというか。50枚少ないし。(笑)
どちらも今後参考にはしますが、とりあえず両方買ってみて良かったなと、そういうことは言えます。
言えて良かったというか。(笑)
個別には・・・喜納昌吉6位ってほんとかよ(笑)。ここだけは妙に、こだわりが突出している感じ。だからといってThe ブーム(島唄)とか入れられても、それはそれで困るわけですが。そんなに沖縄影響あるかね。いっそ安室奈美恵ならともかく。(笑)
ルースターズは今回入りましたが、そうか『Good Dreams』か。苦労してるね、選ぶのに、という感じ。(笑)
"ロックンロール"と"サイケ"の、2大体質の中を取ったんでしょうけどね。とはいえ基本的には、「ルースターズ」を入れる為の、あえてのチョイスだと思います。
個人的には、バッファロー・ドーターとサロン・ミュージックを入れてくれたのが嬉しいですね。あとBOØWYが『ジャスト・ア・ヒーロー』なのも。(参考)
スピッツの初期そんなにいいのかね。『ハチミツ』から遡ってって、『惑星のかけら』あたりでリズムがもっさいのに嫌になって止まっちゃったんですけどね。その後リズムが"抜けて"からは、毎回楽しく聴いてますけど。
・・・と、叩き台として語りたくなるような秩序性を、ローリングストーン版には感じるということです。
snoozerのは、あれ審査途中のリストが流出しちゃったんじゃないの?みたいな感じ(笑)。あそこからブラッシュアップして行く予定だったんだよね?という。
両誌の他の記事の方もボチボチと読んでるので、"7年前"から見た"今"みたいな感じで、その内何か書きたいと思っています。
向こうは「ケン・イシイ」表記なのでややこしいですけど。
確かにこちらのベストの方が納得出来ます。特にシーンへの影響力に関しては。
ただ仮にも元読者であり、snoozerと同時代性を共にした身としてはshing02、ザ・ブルーハーブの90年代後半のヒップホップが入っているってだけでsnoozerに肩入れしたくなるんですよねえ。
それで気になって念の為に確認してみたんですが、ローザは人名だとルクセンブル"ク"でバンド名だとルクセンブル"グ"になるみたいですね。
まあユングとユンクみたいなものですね(笑)。慣用(グ)と正式ドイツ読み(ク)。
snoozerは、記事自体は面白いのは結構ありました。"編集"のアマチュアイズムとプロフェッショナリズムの違いという感じでしょうか。
ただ洋楽に比べても、想像される読者の平均民度というか、知識量との相対で言うと・・・。ちょっと、分かり難過ぎるかなと。逆に「ローリングストーン」ありきなら、より価値が出て来るかもという。(笑)