2015年08月13日 (木) | 編集 |
ハリル・・・の方の中国戦も書いてませんが、あんまり書きたいことが無かったですし、女子の方は一切触れる間が無かったのでまとめて。
日本女子代表 ●2-4○ 北朝鮮女子代表 (武漢)
日本女子代表 ●1-2○ 韓国女子代表 (武漢)
日本女子代表 ○2-0● 中国女子代表 (武漢)
負けたからどうという性格の試合ではなかったのは、前提として。
あるいはロンドン五輪以降、カナダW杯までの佐々木ジャパンの試合を見ていれば、主力を外した試合での機能の再現性が低いこと自体は、当然予測出来るというかそもそももう期待もしていない(笑)という、そういう割り切りもまた前提として。
それにしても・・・という感のある、「若手」と「佐々木則夫監督」の取り合わせでした。取り合わせの悪さというか。
佐々木監督については、前回の総括では、主に"レジェンド"チームとの密着度の高さから、「世代交代」作業への不適合を説明しました。
しかし今回改めて、なるべくフラットな目線で佐々木監督のやることを観察した結果、元々思っていなかったわけでもなかったんですが、もっと根本的に"若手"向きではない、そういう作業に向かない監督なんだということを、確信・再認識してしまいました。
一言で言うとこの人は、要するに"用兵家"なんですね。それ以上でもそれ以下でもない。
"用兵家"であるということは何を意味するかというと、一つは「戦術」や組織・メカニズムそのものを、作ることが出来るわけではないという前回も疑念を呈した限界と、もう一つはある程度「完成」された大人の選手しか、扱えないということ。
・・・つまり(用兵の)「駒」として。
言い換えるとこの人は、選手を「駒」としてしか扱えない人で、従ってまだ未熟な未完成な選手を、育成的にある程度の思いやりをもって扱うというのは、苦手だということ。
逆に「完成された大人の選手」を扱うのは上手くて、それが近年のなでしこの好成績に、少なからぬ貢献はして来たわけですが。
今回の例で言えば、例えば京川の扱い方。
なぜ右SBなのか。
スピードがあるから?素質に期待して?
それはまあ、究極的には無いわけではないし、あるいは佐々木監督の構想するチームに、そういうピースがゆくゆく必要なのかも知れません。
ただ京川というのは、僕もよくは知りませんが、それなりにデリケートな行程を経てここまで来た選手で。若い時から期待されて、でも大きな故障もあってフル代表は勿論、躍進したアンダー代表2012年"ヤングなでしこ"にも乗り遅れたような格好になって、そこからようやく立ち直って国内リーグで"FW"として地歩を固め始めた、そういう段階の選手。
そういう選手を今回抜擢する、それ自体はいいんですがそのポジションがなぜか初体験の右サイドバック。どういうことなのか、それは"評価"しているということなのかしていないということなのか。"FW"として認めているのか認めていないのか。
例えば国内リーグなりフル代表なりで、これまでもコンスタントにFWとして出場しながら今一つブレイクし切れていない選手、そういう選手をその潜在能力を見込んでコンバートする、それならよくあることだしある種の"思いやり"でもあるでしょう。しかし京川はまだそれ以前の、どうやら自分もトップレベルでFWとしてやっていけそうかなと、自信を持ち始めたくらいの段階の選手。
それをいきなりフル代表で全く別のポジションにぶち込むというのは、単純に乱暴であるし、選んだんだから抜擢のようではあるんだけど、逆に「お前にはFWとしての未来は無いから」と、先手を打って否定しているようにすら取れる。
実際には勿論そんなことはなくて、能力を評価はしている→それはそれとして右SBに活きのいいのが欲しい→じゃあやらせてみようかということなんでしょうけど、なんか色々と間が飛び過ぎというか、自分の都合だけで選手を使い過ぎというか。
順番としては、まずFWとして、最低でも攻撃の選手として使ってみて、それで今いちだったらコンバートする、こういう段階を踏むべきだと思います。それが京川が"消化"出来る、ぎりぎりの手順というか。
ここらへんに関しては(元ヤンなで監督コーチの)本田美登里さんを筆頭とする女子の解説陣も、結構ぎりぎりのニュアンスで不満・不信を表明していたように、僕には聞こえました。おっさん何してくれてんねん!ゴツい手でやたら触るなや!(笑)
逆に京川がリーグでも出たり出なかったりの選手だったら、多少ポジションが違っても勇断・慧眼と、ポジテイブに捉えることも出来るんですけどね。最近調子がいいらしいだけに、筋が分かり難いという。
まあ右SBでない時も二列目で使ったりしていましたから、本当にFWとしては"駄目"だと、判断しているのかも知れませんが。そう本人に言ってたら凄いですけどね(笑)。ただ現状では、"メッセージ"として非常に分かり難い起用法になっているように思えます。
ポジション的に言えば、ついこの前のW杯で、有吉がブレイクしたばかりのポジションなわけですし。あるいは今大会でも、他に薊理絵などよりポジション的専門性の高い抜擢選手もいたわけですし。(こちらもわざわざ左右を代えて使って、解説陣に疑念を呈されてましたが)
京川もどこまで身を入れていいのかという。あるいはそれで駄目なら、FWで呼んでくれるのか、自分は評価されてるのかされてないのか、リーグ戦の頑張りは正しいのか認められてるのか。宙ぶらりんな心境だろうと思います。
柴田華絵なんかもそうですね。ヤンなでの時は女香川的なトップ下のスペシャリストとして、メンバーの中でも最も当時国際的に高水準のプレーをしていたと評価されていたと思いますが、恐らくはその"スペシャリスト"性(と、身長の低さ)が多少災いして、その後なかなかトップレベルの活躍機会が得られなかった。
今回わざわざ呼んだということで、何か使うイメージがあるのかなと思ったら、普通に定番の4-4-2のサイドで使って、案の定窮屈なプレーに終始させて。じゃあ呼ぶなよとは言いませんが(笑)、「世代交代」がテーマの大会だから、アリバイ的に呼んだだけという印象はどうしても残ります。
他に気になるのは、試合中にやたらポジションを交換させること。新しく呼んだ入れたばっかりの選手を、入れたと思った次の瞬間には右へ左へ前へ後ろへ、ちょこちょこちょこちょこ入れ替えて。
どうせいっちゅうねん。勿論何かその時々戦術的システム的理由はあるんでしょうけど、その"都合"が勝ち過ぎるというか、まず新しい選手の持ち味をじっくり発揮させてあげるという、本分がどっかへ行ってしまってるというか。
この"ポジション交換の多さ"というのは、はっきり言って、五輪・W杯の主力メンバーすら、時にとまどいを見せてましたからね。その割に効果が不明確というか。病気に近い、癖だと思います。
こうした"病気""癖"(笑)には理由があって、要はある程度以上の深度で、選手同士のメカニズムを自らイメージ・構成出来ないというのと、それとも関係あるでしょうが(今時)定番4-4-2しか扱えない、4-4-2自体が持っている安定性を使わないと、チームを収められないという、そういうことがあるんだと思います。
だからその範囲内で、選手の組み合わせをコロコロ代えて、変化を期待する、あるいはたまたま(?)上手く行ったものを採用するという、そういう少し機械的な、時に"小手先"にも見えるチーム作りをせざるを得ない。"試合中"とは違う話ですが、前回W杯以来、宮間のポジションが放浪してなかなかハマらなかったのも、限られた選択肢の中での"変化"と"安定"の狭間で、佐々木監督が苦しんだ過程であったようにも思えます。
それにしても、(どのメンバーの場合でも)"トップ下"すら上手く使えないというのは、どんだけ流動性が苦手なんだという感じですが。"流動性が苦手"ということはこれまでも何回か言って来ましたが、その実態はつまり、"安定性""機能性"を作り出すこと自体が既にさほど上手でないという、その裏返しだったということになるかなと思います。
逆にこれだけ少ない選択肢の中で、あるいは戦術家として凡庸であるにも関わらず、曲がりなりにもなでしこにあれだけの成績を収めさせて来たわけですから、チーム管理者としての総合力政治力は、相当に高いということだと思いますね。次はなでしことかじゃなくて、どこか男子のビッグクラブでも、やらせてみたらどうだろうという感じです。勿論これは褒め言葉ですが。(笑)
一方で"これから"のなでしこの監督としてはきつい。
完成された選手を思いやり抜きで(笑)ご都合主義的に配置する、配置換えするだけの方法では、チームを"育てる"ことも"作る"ことも、実質出来ないだろうと思います。"完成された選手"自体の大量供給が、期待出来ない以上。
出来上がるのは、既にそうなってると思いますが"佐々木監督の4-4-2"に、都合よくハマってくれる特別に相性のいいあるいは特殊に器用・タフな限られた選手によって構成されたチーム。しかもその"佐々木4-4-2"には、前代のチームが持っていた世界に冠たるパスワークのメカニズムは既に存在していない。なぜならそれは、実質"佐々木監督が"作ったものではないから。(今や結構自信を持って言える。)
きついと思いますね。少なくとも何か日本ならではの戦術的特徴や優位が、さほどそのチームに存在出来るとは思えない。
今大会の成績自体を責める気は無いとは最初に断わりましたが、しかし今大会の成績がそのまま"実力"として固定されてしまう可能性は少なからず感じて、そのことには暗澹たる思いは抱きます。
そして例えば本田監督コーチのヤングなでしこが示してくれたように、前代ほどかどうかは別にしても少なくともそれ以上のポテンシャルは、"若い"世代の日本の女子選手も持っているのは明らかなので。
何とかしてくれよと。具体的には、今度の五輪を限度に引いてくれないかという。とりあえず昔いた時よりだいぶ強くなった、大宮の監督とかどうよという(笑)。お金出して「完成」された選手を、買ってもらって、ね?(笑)
とだいぶネガティヴにはなってしまいましたが、以上が東アジア杯3試合の感想でした。
まあいくつか面白いところもありましたよ。
特に増矢や横山と言った、以前からそれなりに佐々木4-4-2にハマりの良かった選手のプレーはさすがに見るべきところがあって、それに杉田も加えた3人(ぶっちゃけあまり区別がつかない(笑))の共通して放つ弾道の低いドライブシュートは、ある意味日本人の"身長の低さ"を活かした妙技のようにも感じて、面白かったです。こういう"持ち味"というのもあるんだなという(笑)。"小回りドリブル"以外にも。
あとはそうですね、余り見る機会の無かった、宮間の確実性ともまた違う、上尾野辺の左足の華麗さを堪能出来たのも、楽しかったです。
逆に楢本とかはさっぱりでしたね。"遅い"選手があんなに慌ててプレーしていては、成功するわけがないという。むしろ悪くなってるように見えた。あれで「やれることはやった」と本人言っていたそうですから、うーんという。
ずっと期待されている菅澤も、僕はどうもぴんと来ません。半端にデカいだけという感じ。菅澤の"鈍"さが、佐々木監督の"鈍"さにダブって見えるというか。リーグで点取ってるのも、要するにあるレベルに固定して適応してるだけなんじゃないかという感じです。弱い者いじめというか。ならば早々に、海外に行くべきかなと。
ま、色々ありますが。期待はしてます。成功を願ってるというか。
毎度女子OBによる解説は、しっかりしていて好感持てますし。
色々と"評判"のある大竹七未さんのすら(笑)、決して悪いとは僕は思いません。男子の標準よりは、上ではないでしょうか。確実に"愛"がありますしね。
だからこそ、そろそろやらせてみたいと、そういうのも勿論ありますね。(女性に)
日本女子代表 ●2-4○ 北朝鮮女子代表 (武漢)
日本女子代表 ●1-2○ 韓国女子代表 (武漢)
日本女子代表 ○2-0● 中国女子代表 (武漢)
負けたからどうという性格の試合ではなかったのは、前提として。
あるいはロンドン五輪以降、カナダW杯までの佐々木ジャパンの試合を見ていれば、主力を外した試合での機能の再現性が低いこと自体は、当然予測出来るというかそもそももう期待もしていない(笑)という、そういう割り切りもまた前提として。
それにしても・・・という感のある、「若手」と「佐々木則夫監督」の取り合わせでした。取り合わせの悪さというか。
佐々木監督については、前回の総括では、主に"レジェンド"チームとの密着度の高さから、「世代交代」作業への不適合を説明しました。
・どうしたって前のチームの方が良くは見えますし、実際"その"チームにおいては"前の"選手の方が機能し易いわけです。
・増してあのスーパーチームですから。
・最初から"上"から目線で、若手に「台頭」しろといっても、そう簡単に出来ることではない。なまなかな能力では。
・だからたいていは、新世代の方に元々軸のある監督、アンダーの監督とか、あるいは外からやって来て空気を読まない(笑)外国人監督とかが、世代交代をスムーズに成功させるわけです。
しかし今回改めて、なるべくフラットな目線で佐々木監督のやることを観察した結果、元々思っていなかったわけでもなかったんですが、もっと根本的に"若手"向きではない、そういう作業に向かない監督なんだということを、確信・再認識してしまいました。
一言で言うとこの人は、要するに"用兵家"なんですね。それ以上でもそれ以下でもない。
"用兵家"であるということは何を意味するかというと、一つは「戦術」や組織・メカニズムそのものを、作ることが出来るわけではないという前回も疑念を呈した限界と、もう一つはある程度「完成」された大人の選手しか、扱えないということ。
・・・つまり(用兵の)「駒」として。
言い換えるとこの人は、選手を「駒」としてしか扱えない人で、従ってまだ未熟な未完成な選手を、育成的にある程度の思いやりをもって扱うというのは、苦手だということ。
逆に「完成された大人の選手」を扱うのは上手くて、それが近年のなでしこの好成績に、少なからぬ貢献はして来たわけですが。
今回の例で言えば、例えば京川の扱い方。
なぜ右SBなのか。
スピードがあるから?素質に期待して?
それはまあ、究極的には無いわけではないし、あるいは佐々木監督の構想するチームに、そういうピースがゆくゆく必要なのかも知れません。
ただ京川というのは、僕もよくは知りませんが、それなりにデリケートな行程を経てここまで来た選手で。若い時から期待されて、でも大きな故障もあってフル代表は勿論、躍進したアンダー代表2012年"ヤングなでしこ"にも乗り遅れたような格好になって、そこからようやく立ち直って国内リーグで"FW"として地歩を固め始めた、そういう段階の選手。
そういう選手を今回抜擢する、それ自体はいいんですがそのポジションがなぜか初体験の右サイドバック。どういうことなのか、それは"評価"しているということなのかしていないということなのか。"FW"として認めているのか認めていないのか。
例えば国内リーグなりフル代表なりで、これまでもコンスタントにFWとして出場しながら今一つブレイクし切れていない選手、そういう選手をその潜在能力を見込んでコンバートする、それならよくあることだしある種の"思いやり"でもあるでしょう。しかし京川はまだそれ以前の、どうやら自分もトップレベルでFWとしてやっていけそうかなと、自信を持ち始めたくらいの段階の選手。
それをいきなりフル代表で全く別のポジションにぶち込むというのは、単純に乱暴であるし、選んだんだから抜擢のようではあるんだけど、逆に「お前にはFWとしての未来は無いから」と、先手を打って否定しているようにすら取れる。
実際には勿論そんなことはなくて、能力を評価はしている→それはそれとして右SBに活きのいいのが欲しい→じゃあやらせてみようかということなんでしょうけど、なんか色々と間が飛び過ぎというか、自分の都合だけで選手を使い過ぎというか。
順番としては、まずFWとして、最低でも攻撃の選手として使ってみて、それで今いちだったらコンバートする、こういう段階を踏むべきだと思います。それが京川が"消化"出来る、ぎりぎりの手順というか。
ここらへんに関しては(元ヤンなで
逆に京川がリーグでも出たり出なかったりの選手だったら、多少ポジションが違っても勇断・慧眼と、ポジテイブに捉えることも出来るんですけどね。最近調子がいいらしいだけに、筋が分かり難いという。
まあ右SBでない時も二列目で使ったりしていましたから、本当にFWとしては"駄目"だと、判断しているのかも知れませんが。そう本人に言ってたら凄いですけどね(笑)。ただ現状では、"メッセージ"として非常に分かり難い起用法になっているように思えます。
ポジション的に言えば、ついこの前のW杯で、有吉がブレイクしたばかりのポジションなわけですし。あるいは今大会でも、他に薊理絵などよりポジション的専門性の高い抜擢選手もいたわけですし。(こちらもわざわざ左右を代えて使って、解説陣に疑念を呈されてましたが)
京川もどこまで身を入れていいのかという。あるいはそれで駄目なら、FWで呼んでくれるのか、自分は評価されてるのかされてないのか、リーグ戦の頑張りは正しいのか認められてるのか。宙ぶらりんな心境だろうと思います。
柴田華絵なんかもそうですね。ヤンなでの時は女香川的なトップ下のスペシャリストとして、メンバーの中でも最も当時国際的に高水準のプレーをしていたと評価されていたと思いますが、恐らくはその"スペシャリスト"性(と、身長の低さ)が多少災いして、その後なかなかトップレベルの活躍機会が得られなかった。
今回わざわざ呼んだということで、何か使うイメージがあるのかなと思ったら、普通に定番の4-4-2のサイドで使って、案の定窮屈なプレーに終始させて。じゃあ呼ぶなよとは言いませんが(笑)、「世代交代」がテーマの大会だから、アリバイ的に呼んだだけという印象はどうしても残ります。
他に気になるのは、試合中にやたらポジションを交換させること。新しく呼んだ入れたばっかりの選手を、入れたと思った次の瞬間には右へ左へ前へ後ろへ、ちょこちょこちょこちょこ入れ替えて。
どうせいっちゅうねん。勿論何かその時々戦術的システム的理由はあるんでしょうけど、その"都合"が勝ち過ぎるというか、まず新しい選手の持ち味をじっくり発揮させてあげるという、本分がどっかへ行ってしまってるというか。
この"ポジション交換の多さ"というのは、はっきり言って、五輪・W杯の主力メンバーすら、時にとまどいを見せてましたからね。その割に効果が不明確というか。病気に近い、癖だと思います。
こうした"病気""癖"(笑)には理由があって、要はある程度以上の深度で、選手同士のメカニズムを自らイメージ・構成出来ないというのと、それとも関係あるでしょうが(今時)定番4-4-2しか扱えない、4-4-2自体が持っている安定性を使わないと、チームを収められないという、そういうことがあるんだと思います。
だからその範囲内で、選手の組み合わせをコロコロ代えて、変化を期待する、あるいはたまたま(?)上手く行ったものを採用するという、そういう少し機械的な、時に"小手先"にも見えるチーム作りをせざるを得ない。"試合中"とは違う話ですが、前回W杯以来、宮間のポジションが放浪してなかなかハマらなかったのも、限られた選択肢の中での"変化"と"安定"の狭間で、佐々木監督が苦しんだ過程であったようにも思えます。
それにしても、(どのメンバーの場合でも)"トップ下"すら上手く使えないというのは、どんだけ流動性が苦手なんだという感じですが。"流動性が苦手"ということはこれまでも何回か言って来ましたが、その実態はつまり、"安定性""機能性"を作り出すこと自体が既にさほど上手でないという、その裏返しだったということになるかなと思います。
逆にこれだけ少ない選択肢の中で、あるいは戦術家として凡庸であるにも関わらず、曲がりなりにもなでしこにあれだけの成績を収めさせて来たわけですから、チーム管理者としての総合力政治力は、相当に高いということだと思いますね。次はなでしことかじゃなくて、どこか男子のビッグクラブでも、やらせてみたらどうだろうという感じです。勿論これは褒め言葉ですが。(笑)
一方で"これから"のなでしこの監督としてはきつい。
完成された選手を思いやり抜きで(笑)ご都合主義的に配置する、配置換えするだけの方法では、チームを"育てる"ことも"作る"ことも、実質出来ないだろうと思います。"完成された選手"自体の大量供給が、期待出来ない以上。
出来上がるのは、既にそうなってると思いますが"佐々木監督の4-4-2"に、都合よくハマってくれる特別に相性のいいあるいは特殊に器用・タフな限られた選手によって構成されたチーム。しかもその"佐々木4-4-2"には、前代のチームが持っていた世界に冠たるパスワークのメカニズムは既に存在していない。なぜならそれは、実質"佐々木監督が"作ったものではないから。(今や結構自信を持って言える。)
きついと思いますね。少なくとも何か日本ならではの戦術的特徴や優位が、さほどそのチームに存在出来るとは思えない。
今大会の成績自体を責める気は無いとは最初に断わりましたが、しかし今大会の成績がそのまま"実力"として固定されてしまう可能性は少なからず感じて、そのことには暗澹たる思いは抱きます。
そして例えば本田
何とかしてくれよと。具体的には、今度の五輪を限度に引いてくれないかという。とりあえず昔いた時よりだいぶ強くなった、大宮の監督とかどうよという(笑)。お金出して「完成」された選手を、買ってもらって、ね?(笑)
とだいぶネガティヴにはなってしまいましたが、以上が東アジア杯3試合の感想でした。
まあいくつか面白いところもありましたよ。
特に増矢や横山と言った、以前からそれなりに佐々木4-4-2にハマりの良かった選手のプレーはさすがに見るべきところがあって、それに杉田も加えた3人(ぶっちゃけあまり区別がつかない(笑))の共通して放つ弾道の低いドライブシュートは、ある意味日本人の"身長の低さ"を活かした妙技のようにも感じて、面白かったです。こういう"持ち味"というのもあるんだなという(笑)。"小回りドリブル"以外にも。
あとはそうですね、余り見る機会の無かった、宮間の確実性ともまた違う、上尾野辺の左足の華麗さを堪能出来たのも、楽しかったです。
逆に楢本とかはさっぱりでしたね。"遅い"選手があんなに慌ててプレーしていては、成功するわけがないという。むしろ悪くなってるように見えた。あれで「やれることはやった」と本人言っていたそうですから、うーんという。
ずっと期待されている菅澤も、僕はどうもぴんと来ません。半端にデカいだけという感じ。菅澤の"鈍"さが、佐々木監督の"鈍"さにダブって見えるというか。リーグで点取ってるのも、要するにあるレベルに固定して適応してるだけなんじゃないかという感じです。弱い者いじめというか。ならば早々に、海外に行くべきかなと。
ま、色々ありますが。期待はしてます。成功を願ってるというか。
毎度女子OBによる解説は、しっかりしていて好感持てますし。
色々と"評判"のある大竹七未さんのすら(笑)、決して悪いとは僕は思いません。男子の標準よりは、上ではないでしょうか。確実に"愛"がありますしね。
だからこそ、そろそろやらせてみたいと、そういうのも勿論ありますね。(女性に)
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