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Boichi『Present』
2006年12月21日 (木) | 編集 |
boichi_present

モーニングの出ない木曜日。うう、寂寥感が。
というわけで、オープニングだけちらっと見て、なんかどっかの新人が書いた『恋風』みたいな寒さ身にしみるヤツだろうと素っ飛ばしてしばらく気が付かなかった、先週号の例の『Hotel』のBoichiさんの再登場作をばひといじり。
まあ率先して持ち上げた(新ブログに移植してます)責任上のフォローという意味合いが濃いですけど。

とりあえず、251ページのひとコマめの「ギイッ」という擬音は、行きがかり上仕方なく息子が母ちゃんとコトに及んだ描写だとそういう解釈でok?違うの?
だとすればまた随分淡白な扱いで。これだけで一本描けるじゃないですか。あんまり関わりあいになりたくないシーンなんで、これ以上突っ込みませんが(笑)。(この方面だけはちょっと厳しいっス、ワタシ)

全体的な印象としては、前作についてのコメント欄でオチョーさんが「人が出てこなくなってからが本当にすごかった」とおっしゃってた、その正に人が出てくる部分のみで構成された作品というそういう態かなと。物理的にもそうですが。悪くはないけど、ううーん。今日のディープは飛ばなかった。
やっぱちょっとウェットなんですかねえ、この人は。体質が。もうちょっと研ぎ澄まして欲しいような気がします。小ネタへの変な未練とか、無駄なエロ気とかも含めて、何かとっちらかってる感じ。二次情報(コメント欄参照)から色々と苦労、作家生活の危機的なものを経て今日のある人だというのが窺えますが、どうもそれで萎えてるというか八方顔色を窺う癖がついてしまっているというか。講談社で責任を持って保護と再訓練を与えてみてはどうでしょうという。

最初は「冷凍保存」の話かと思いました。例のアメリカで既に産業化されてる、不治の病の患者を未来の医療の進歩に託して先送りするというあれ。
むしろその方が話としては分かりやすいような気もしますけどね、倫理的葛藤も鮮明になるし。余計なお世話かもしれませんが。

まあその”ウェット”さ自体が必ずしも不評ではないみたいなので、もう一本くらいは読めそうですかね。そうしていただけると僕も。全体像が結び易い。まだ正直正体不明。
今作の範囲では、やはり佐藤マコトさん(『サトラレ』)の設定で話を転がす力は別格なんだなというそういう感想になってしまいますが。”SF”ってのは結局それだと思います。情緒そのもので引っ張るのはちょっと。

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コメント
この記事へのコメント
ウェット
な感じは、確かにしますよね。
情熱を上手く物語に転嫁してると思うので、あとはやっぱり「引き算」なんだよなぁ。どこまで削り込めるか、ていうのが描く技術だと思うので。何となく、読むのに邪魔なコマがあるよな気がします。HOTELでもそうでしたが。妙な小ネタとか。
どのみち、SFなんてのは、作者が作った「俺設定」に作者自身がどこまでしがみつけるか、必ず現れる矛盾をどのように(ムリヤリ)乗り越えていくか、てのが醍醐味だと思うわけで、そのためには登場人物が多少犠牲にされても良い(笑)気がしました。はい。
2006/12/22(Fri) 22:53 | URL  | 詠 #-[ 編集]
ウェット
なのは一方で半島の人の長所・特徴でもあるわけですが、それとは別に何か生乾きのような(笑)そういう純粋に気持ちの悪いウェットさも残ってますよね。感情が無防備に出てるのと、余計な要素がそのまま放り出されてるのと、全部まとめたある種のだらしなさの全体的印象としての”ウェット”。

本国(時代)の評判を総合するとむしろ”頭でっかち”なタイプみたいですし、いっそ『攻殻』的に突っ走ってしまってそこにウェットさもにじみ出てくるくらいのバランスがいいのかなあとか思いますが。小ネタもエロも、そのスピード感のドサクサの中でならやりたきゃやれよ、適当に読むからという感じ。

現状を前提に「引き算」をして整理してしまうと、意外と普通というか何も残らないような感じもするんですよね(笑)。モチャモチャした感じはそれ込みの資質としてそのままに、全体をもっとダイミックにスピーディに動かして(『Hotel』の後半のように)一つ一つの影響を拡散してしまえばいいというのが僕の改良案かな。
・・・・こんなこと僕らが議論してもしょうがないんですけど。(笑)

ぶっちゃけどの程度「SF」に本気なのかもよく分からないですけどね。他の作家との相対的には”そういう”書き手なのは間違いなくて、だからこれだけ期待を寄せられてるんでしょうけど。「情感溢れるSF」というのは確かに魅力的なスタイルではあります。
2006/12/23(Sat) 03:40 | URL  | アト #/HoiMy2E[ 編集]
冷凍保存
こちらの作品は読んでいないのでよくわからないのですが、ボストンリーガルという海外ドラマで冷凍保存についての回がありました。
老弁護士が冷凍保存してくれるよう裁判所に冷凍保存に反対の考えを持つ弁護士を通して訴えるのですが、冷凍保存の倫理的な問題に対して冷凍保存されなければ病気で余命いくばくもないという葛藤を描いていて、まさにアトさんの書かれているとおりの内容でした。
展開が重要な要素になっているエンターテインメントであるならばやはり納得感のあるオチがあるほうがありがたいですね。
2006/12/26(Tue) 00:45 | URL  | オチョー #-[ 編集]
ボストンリーガル?
うわあレアなもの(局)見てますねえ。
J.COMデジタル?

DEKは逆に葛藤が明快過ぎてネタが足りないとすぐ行き詰まる傾向がありますが、『Present』は情感の方を見せたいのに背景の整理がごたついて落ち着いて味わえなかったというそういう感じです。

冷凍保存は認めざるを得ないんじゃないですかねえ、臓器移植以上に誰も犠牲になるわけじゃないですし。乱立して産業として自壊する可能性も十分にありますが。
あるいはマリファナ等の軽めの麻薬同様に、結局社会の感情的禁忌意識が押さえ込むのか。(合法化されることは基本的にないだろうと思います)

あんまり関係ないですが僕は猫が死んだ時に、剥製にして保存したいなと結構本気で思いました。体が原形を保つというのは遺族にとって意外と大きな要素かも。移植はわざわざ切って取り出しますからね。
2006/12/26(Tue) 23:19 | URL  | アト #/HoiMy2E[ 編集]
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