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はじめてのバレーボール ~サカヲタ的視点からの
2017年07月26日 (水) | 編集 |
日本の標準的な子供としてそれなりに馴染んでいた"バレーボール"は、記憶にある限りまだサーブ権を持つ側にしか点が入らない「サイドアウト」制でしたから、最も新しくても1998年、19年前というのが僕が以前にバレーボールをテレビで見た最後になります。
ちなみに現在は、どちらでもラリーに勝った側に点の入る、「ラリーポイント」制ですね。

その後再び僕がバレーボールの試合をまともに見るのは2015年の女子W杯まで飛んでしまうので、まあほとんど"はじめて"のようなものですしね。ルールも違うし。
・・・15点取ったのにまだセットが続いていたのには、びっくりしました(笑)。どうしたんだろうと思いました。(笑)

そのW杯での"新星"古賀紗理那のプレーに魅せられ、またしばらく見ない内にすっかり可愛らしくなった女の子らしくなった日本の女子バレー選手たちが楽しく勇ましくプレーする様子にすっかり愛着を覚えて、俄然(女子)バレーボールに興味を持つようになったのでした。
いや、ほんと昔はね、「ぽっちゃりがっちりのお姉さんたちがブルマはいてドタドタやるスポーツ」という、そういうイメージしかなかったのでね(笑)。華奢で可憐な美少女好みの僕のストライクゾーンからは、全く外れていたんですが。なんか随分みんな"女の子"だなあと、そりゃ背は並み外れてデカいにしても。

ただその直後の15/16のVプレミアリーグは、見るには見たんですがGAORAの放送体制が余りに貧弱なのと、目当ての古賀選手が所属のNECで見る影も無く窮屈そうにプレーしているのにがっかりして、それ以上の興味の進展はほとんどありませんでした。勿論翌年の古賀選手は、"案の定"ではありましたが更に不調のドン底で、五輪メンバーからも漏れてしまいましたし。

それがまた動き出したのは、やはりDAZNの参入による、16/17シーズンの完全中継ですね。序盤はGAORAでしたがDAZN加入後はほぼ全試合を見て全チーム満遍なく色んな選手を見る中で、色々と歯車が回転し出した感じ。だから実質半年強ですね、僕が本当に能動的にバレーボールを見出してからは。
中継を見、分からない言葉は調べて、ブログを見、2ちゃんも見(笑)、過去の全日本の動画を漁りと。

そんな中でのここまでの僕の知ったこと理解したことを、主にサッカーファンに向けてまとめておきたいと思います。
いきなり頭越しにバレーのことをガンガン書き出して、呆気に取られている人もいるでしょうから。(笑)


まずは基礎的な部分から。

1. サーブ

(1)攻撃か守備か

サーブは攻撃なのか守備なのか。
同じ"ネット"競技のテニスのイメージで行けば、完全に攻撃のプレーですよね。サーブ側圧倒的有利で、直接的に得点に結びつくことも多く、被サーブ側はいかに凌ぐかということをまず考えなくてはいけない。
バレーでも勿論、"サービスエース"が決まることはままありますし、その時は少なくとも「攻撃」のプレーだと言っていいと思います。サーブ者一人で完結する"個人技"的得点で、サッカーで言えば「直接FK」とほぼ同じ。・・・決まればね。

"決まれば"というのはいかにも結果論的な言い方ですが、実際「結果」が問題で、つまり"サービスエース"という結果に終わった時のみ、それは攻撃のプレーと言えると思います。決まらなかった時は、例え基本的にいいサーブだったとしても"惜しい"プレーだったとしても、何せバレーは"3回"で相手コートに返せばいい競技ですから、"3回"というプロセスを踏む内に"いいサーブ"の余韻(笑)は消されてしまうんですね。
・・・突然柔道の比喩を使うと、「一本」でなければ「技あり」も「効果」も大差ない、それが"3回"で返せばいいというバレーの特質が生む厳しさというか時に虚しさというか(笑)。サーブ側には。

それが"1回"で返すテニスだと事情は違って、"エース"でなくともいいサーブであれば、いいサーブであるだけかなり直接的に相手を追い込むことが出来るわけです。(その分"攻撃"としての比重も高くなる。)

では"決まらない"時(ほとんどそうですが)、決まらない前提でのサーブをどう考えたらいいかというと・・・
「プレッシング」ですかね、サッカーで言えば。
"決まらない"いいサーブが直接的に点に結びつくことは無いけれど、相手のレシーブを困難にしてその分その先のコンビネーションのクオリティを下げる。予定していたプレーや得意の型に持ち込ませないか、精度を低める。まとめて結果として、敵の攻撃の威力を弱める
"プレッシング"と言ってもそれでボールを"奪う"ところまでの積極性は持っていないので、あくまで追い回して邪魔する・遅らせる、あるいはパスコースを狭める・切る、そういうタイプのプレッシング。

プレッシングを「守備」と言うのを嫌がる論者もいなくはないですが(笑)、まあ攻撃か守備かと大別すれば、これは"守備"になると思います。守備の"第一歩"。バレーのプレーはサッカー以上に明確にサーブ"から"始まるので、文字通りの「第一」歩ですね。

男子はもっと究極まで行っているらしいですが、女子でもトップ選手のパワースパイクや高角or超速クイックを100%で打たせてしまっては、守備側はほぼなす術がありません。打たれてからでは遅い。だからなるべく早い段階で攻撃を弱めておく必要があって、各国年々サーブの改善を、"プレッシングの強化"を努力していると、そういう状況のようです。

特に(全)日本の場合は、後述するように(サーブに続く)"第二段階の守備"である「ブロック」に宿命的な弱さを抱えているので、尚更重要であり、前監督眞鍋氏は「世界一のサーブ力」を日本躍進の為のマストとして掲げましたが、その事情は現中田監督の下でも変わらないはずです。
受けたら守れないチームはプレスプレス、とにかくプレスですね。(笑)
だからある選手について「サーブが弱い」と駄目出しがなされている時は、それは単にいちプレーとしての得意不得意の問題ではなくて、「まずきちんとプレスをかける」という、基本戦術を(結果的に)おろそかにしてチームに迷惑をかけている選手という、そういう重大な意味が隠れているわけですね。
まあプレーとしては基本的に"技術"マターなので、サッカーのプレスのように単純に"サボって"いるという場合はまず無いわけなんですけど。ただ結果としては、そういうことになるわけです。


(2)"ブレイク"と"サイドアウト"

これも最初分かんなかったですねえ、何言ってるんだろうと思いました。

"ブレイク"という言葉は、再びテニスでは頻繁に耳にする言葉ですよね。サーブ権を持たない側がその圧倒的不利を跳ね返して、そのゲームを取る。正に"ブレイク"する、状況を覆す。
バレーでも同じくサーブ権をめぐって"ブレイク"という言葉は使われるんですが、使い方は実は全くなんですよ。サーブ権を持つ側が、そのまま点を取ると、"ブレイク"したと、ブレイクポイントを取ったと、言われるんです。
逆にサーブ権を持たない側受ける側が点を取ると、正確には点を取った時に起こることを"サイドアウト"・・・「サーブ権の移動」という意味でそう言います。

これは言葉としては単純に紛らわし過ぎるので、統一するか、どちらかが(まあバレーでしょうけど(笑))使うのをやめるべきだと僕は思うくらいですが(笑)、ともかくなぜバレーで、このようなテニスと完全に逆の使われ方がされているかというと、それにはちゃんと理由があって。
つまり上でもバレーのサーブは必ずしも「攻撃的」なプレーではないということを言いましたが、実際にバレーにおいては、サーブ側の得点率より被サーブ側の得点率の方が高いんだそうで(参考)、だからサーブ側が得点することの方がむしろ"快挙"であり逆転であり、「ブレイク」の名に相応しいと、まあニュアンスとしてはそういう理解でいいと思います。ほんとの歴史的なところは知らないですけどね。とりあえず現在のバレー中継では必ずそういう使い方をされていますから、疑問に思った時は思い出して下さい。(笑)

なぜ被サーブ側が有利かというと、これは一応は単純な問題で、(テニスのようには)サーブでは基本的に点にならない以上、まず最初により得点に近付けるプレー、つまりスパイクやクイックを打つ権利というか順番を迎えるのは、サーブを"受ける"側だからです。サーブ側はその敵のスパイクやクイックを凌いで、その後ようやく自分たちの方から仕掛ける順番を迎えるわけで、どうしても後手に回るわけですね。(間に挟まる"ブロック"の問題はややこしいので、また後で書きます)

以上が慣習と理屈ですが、ただそうは言ってもやっぱりバレーでも、サーブを打つ側に"主導権"があるようなニュアンスは、実際のゲームでは感じられますけどね。
やっぱりサーブを受けるのはプレッシャーですよ。受け身は受け身ですからね。確率が低いとは言え最初の"エース"の可能性を持っているのはサーブ側ですし、サーブから始まるプレーの「組み立て」のイメージも、サーブ側のチームは先に持てるわけで。「ようし得点率の高い被サーブ側に回ったぞ」と、リアルタイムで思っている選手はいるのかな。(笑)

それだけに、バレーにおける"ブレイク"という言葉の使い方には未だに違和感はあるんですけど。ほぼノータイムで理解出来るようにはなったといえ。
まあ"サーブ権"を持っているということは、その直前にブレイク(維持)なりサイドアウト(奪還)なりで得点したチームだということですから、その"余韻"が残ってたりもするのかも知れないですけどね。


サーブについては、とりあえず以上です。
次レシーブ。



2. レシーブ

(1) "レセプション"と"ディグ"

まずは引き続き用語の問題。
レセプションとディグ。
答えとしては簡単で、"レセプション"はサーブレシーブ、相手のサーブに対するレシーブのこと、"ディグ"はスパイクレシーブ、相手のスパイク等のアタックに対するレシーブのこと。
これだけだと単に便宜的な使い分けに見えますし、逆に面倒だから全部"レシーブ"でいいじゃんという気もしないではないわけですが・・・

ところがここで無視出来ない問題があって、この二つの"レシーブ"のそれぞれについて、得意不得意、個人個人の向き不向きが、結構分かれているらしいんですよね。
典型的には"レシーブ"の専門職であるはずのリベロ、専門職なんだからお任せでいいようなものですが、実際には"レセプション"の得意なリベロと"ディグ"の得意なリベロが分かれている場合も多々あって、試合中場面場面で使い分けがなされたりします。

勿論他のポジションの選手にもそれはあって、特にレセプション、サーブレシーブの出来る選手出来ない選手、得意な選手不得意な選手の違いは大きくて、メンバー編成や戦術の構成で常に大きな考慮材料とされます。
具体的には何が違うのかというと、僕もまだよくは分からないんですが大まかに言えばディグ、スパイクレシーブの方は、流れの中での瞬間的な反応の要素が大きいので、比較的単純と言えば単純。直感的というか。
ただ一方のレセプション、サーブレシーブの方は、一種の"セットプレー"(サーブ自体がそうですから)であり準備したプレーであり、フォーメーション的要素も含まれまた要求される正確性もディグと比べて厳しいので、「出来る」「上手い」と一般に評される選手の数は、ディグに比べてぐっと限られる感じです。

国レベルの話で言うと、こと"ディグ"に関しては持ち前の敏捷性や小回りを活かして、ある意味放っておいてもどのチームでも、ほぼ日本は世界のトップクラスに常駐しているような印象です。お家芸というか代名詞というか。
ただ"レセプション"に関してはそこまで単純ではなくて、人材やチームの完成度によっては、結構上下するというか必ずしもいつもトップクラスなわけではないというか、常に"目指して"はいるのでたいてい上がっては行くけどという、そういう感じ。僕も見てないチームの方が多いので、また聞きメインですが。

とにかくこの二つが別物であるという認識は、少なくとも持っている必要があるようです。
何なんでしょうね、"レセプションの上手い"選手の特別感というのは(近年では木村沙織、新鍋理沙など)。しばしば"バレーセンス"と、ほぼイコールで語られるようですが。簡単に言えば、ポジショニングやスペースに対する感覚なんでしようけどね、サッカー的な用語法に引き付けて言うと。あと"読み"か。単なる"守備"のようで、存外"クリエイティヴ"なプレーのようです。

・・・そうですねえ、「若島津」みたいなキーパー(ディガー)はわりかしいるけど、「若林源三」みたいなキーパー(レシーバー)は滅多にいないみたいな、そういう比喩でどうでしょう(笑)。単純過ぎ?(笑)


(2) レシーブとブロック

バレーの"守備"と言えば、まずほとんどの人がとにかく「レシーブ」を思い浮かべると思います。"回転レシーブ"とか。(笑)
実際試合に登場する機会は見るからに多いわけですが、ただあれはある意味では、「最後の手段」なんですよね。やたらしょっちゅう使われる、「最後の手段」ですが。(笑)

例えば「フロアディフェンス」なんて言い方があって、"フロア"つまり床ですね、試合会場の。
勿論"クロスバー"でもあるまいし(笑)、「床」が守ってくれるわけはなくて、床近辺で、床ぎりぎりで行われるディフェンス、くらいの意味でしょうね。つまりは"レシーブ"のこと。
ニュアンス的には、サッカーの「ゴール前」に近いですかね。ゴール前守備、またはペナ内。
つまりはバレーボールで"フロア"近辺で行われる"レシーブ"による守備というのは、サッカーのゴール前で行われるキーパーのファインセーブとかディフェンダーのシュートブロックとかそういう類の「守備」で、ある意味見せ場ではあるんだけどなるべくならそこまで行かせたくはない、守備としては「最後の手段」だという、そういう話。

ではその"最後"の前に何があるのかというと、それは勿論、「ブロック」です。・・・ふーん、"フロアディフェンス"に対して"ネットディフェンス"という言い方があるのか。あんまり味が無いなこっちは。(笑)
出来ればブロックで跳ね返す、あるいはブロックで予定通りにそらしたボールを、後ろに控えたディグ陣とのコンビネーションで拾う、あるいは最低でも敵の攻撃の勢いを殺して、スーパーセーブ無しでも拾えるようなボールにする、それが目標、"フロアディフェンス"の前にある段階。

サッカーで言えば・・・何でしょうね。
サーブをプレッシングと言っちゃったんで、そこからするとブロックは、ボランチのフィルター機能と、それと連動したセンターバックの非緊急的ディフェンス全般とかかな?・・・"非緊急的"って変な言い方ですけど(笑)、つまり決死のシュートブロックとか炎のカバーリングとか、そういうんじゃない(笑)ルーティンで予定通りの守りのことです。細かくは、戦術によって違いますけど。

「センターバック」にしては随分"前"にいるように思うかもしれませんけど、それだけ多様な機能を併せ持った、ディフェンスの中心的なポジションだということです。
実際後に語る予定ですが、バレーの攻撃戦術の焦点は要はいかに「ブロック」を交わすか無力化するかということに集約されていると考えられるので、やはりここが「センターバック」でもあるんだと思うんですよ、決してレシーブ、フロアディフェンスではない。そんなところが"勝負"になっている時点で、ある意味既にディフェンスは"破られて"いるわけです。

いかに日本のディグ陣が、息を吸うようにスーパーセーブを繰り出せるとしてもね。(笑)
本質的構造的には、そういうことだと思います。


以上、結果的に今回は"ディフェンス"について集中的に語ったような形になりましたが、実際にはまず「サーブ」、次に「レシーブ」と、バレーのプレーの順番に素直に話を進めただけです。(笑)
次回は多分、オフェンスが中心。
念の為に言っておくと、別に僕は用語集を作っているわけではないので(そういうサイトはもう沢山ある)、あくまで常識やサッカーファン的感覚から、おや?と思ったこと引っかかったことを、ピックアップして"隙間"を埋めている感じです。だからメニューとしては、必ずしも網羅的にはならないかも知れません。

何か重大な勘違いがありましたら、ベテランバレーファンの方々、遠慮なくご指摘下さい。(笑)
(その2)へつづく。


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テーマ:バレーボール
ジャンル:スポーツ
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