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帰って来たハリルホジッチ(?)/ロシア最終予選ホームオーストラリア戦
2017年09月01日 (金) | 編集 |
これでいいと思います。

ロシアW杯アジア最終予選 日本代表 〇2-0● オーストラリア代表(埼玉)

少なくとも今まででもっとも、"応援"したくなるハリルジャパンではありました。


・かなり思い切ったメンバー編成でしたが、僕的には"ギャンブル"性よりもむしろ"妥当"性の方を、より強く感じました。
これだよこれというか、回り回ってようやくやりたいことを素直にやって来たなというか。
「乾」だけは少し意外でしたが。前回出場時のフリーキーなプレイが評価されるのかどうか、いささか疑問だったもので。
・結論的に言うとハリルは気に入っていたというか、気に入っていたからこそ、"勝手"にプレーするのを許していたということなんでしょうね。
・またはもっと積極的に、多くのタスクを背負わせていたか。
・とにかくスペインで鍛え上げた走力と守備力は勿論、大迫以外ではほとんどただ一人の細工力収め力で、走れ走れの前線に一定の落ち着きをもたらしていたと思います。
・最初から原口だったら、果たしてどうだったか。
・まあ相手も相手だし駄目ということもないでしょうが、乾の方が何かと潰しは利く気がします。(笑)
・相変わらず結構ポジションはあっちこっちに流れていて、その分得意の左サイドの突破プレーの「型」はたまに思い出したようにやるだけという感じ。(笑)
本田の場合は"流れる""中に入る"ことも含めて「型」ですけど、そういうのともまた違う。
・実に変なプレー、変な存在感だなと。(笑)

・話戻してとにかく走るぞというメッセージの明確なスタメン、特に浅野を右で先発で使って来たのは驚きました、笑いました。(笑)
・そこまでやるかねという。その発想は無かったわ。(笑)
・この痛快な感じは、僕的には遥かに遡って遡って、永井川又武藤を前線に並べて来たハリルジャパンデビュー戦以来の感触。(遡ったなあ)
・えらいがちゃがちゃはしてたけどとにかく走るんだな縦に速いんだなと、痛快に分かり易かったあの試合。
・"ポゼッション"の臭いとか、かけらも無かった
・それはそれでいい、まずやってみようとその時はそれで納得したはずだったんですが。
・ところが次の2戦目で早速本田香川岡崎の"ザック"(以来)メンバーが先発起用され、その時点では連戦ということもあって虫干し含めた「ターンオーバー」だ、あるいは「別バージョン」のテストだ的解説・解釈が聞かれたわけですが。
・しかし実際にその後起きたことは、どちらかというと"ザック"メンバーを中心とした"縦に速い"サッカーの模索という、折衷的なもので。
・案の定というか何というか、その結果「不徹底な縦に速いサッカー」(メンバーが苦手)と「大幅に劣化したポゼッションサッカー」(監督が苦手)の二つを、試合ごとに状況ごとに行ったり来たりするというのが、物凄く大雑把に言えばここまでのハリルホジッチジャパンだったと思います。
・僕としては、"1試合目"的なメンバーをまず中心に、そこに肉付けして行く、時に応じてベテランや毛色の違った選手を加えて行く、そんな感じで行くのかなと思っていましたし、そうして欲しいと思っていました。
・しかしハリルはそうではなく、古い実績のあるメンバーでまずチームを作って、それを鍛えようと思ったのかその間に若手の台頭を待とうと思ったのか、勿論両方ではあるんでしょうがどちらの比重が高かったのか、それは今もって僕には謎です。
・それ以前になぜそうしたのかも謎ではあるんですが、川又・・・はともかくとして(笑)永井あたりがその後全く呼ばれていないのを見ると、"1試合目"メンバーの実力に単純に大きな不安を感じて、これではサッカーにならんとそう判断したのかなと、そういう推測は一応してみたりします。
・でもその後も「日本人」的感覚で見ると、"ならん"サッカーで結構平気でハリルはやれる人のように見えるんですけどね(笑)。とりあえず走れりゃいいんじゃないの?というか。やはり謎ではあります。
・と同時に、かえって難しいやり方をした気がするなあというのも。最初から「日本は世界の三部」だという認識なら、安全策なんて取る必要無くない?というか。
・とにかくハリルは、いったん"古い"メンバーで整えて、それを徐々に入れ替えるやり方を取りました。
・パターンとしては、("オフト"に戻してスタートした)加茂ジャパンと同じですね。
・それ以外はオフトもファルカンもトルシエもジーコもオシムも、"緊急避難"の第二次岡田ジャパンでさえ、最初にバーンと自分色のメンバーを揃えるところから、始まっています。だから意外と珍しい。
・ザックは(結果的には)"引き継ぎ""総決算"が仕事で特に必要が無かったし、アギーレは万事曖昧でよく分からなかったですが、"マイナーチェンジ"の割には独自色を出していたかな?
・ハリルはいかにも変えそうなのに変えなかった、かなり"慎重"という印象を僕は受けました。
・加茂監督のように、"ファルカンの破壊の収拾"という必然性も、無かったわけですが。

・最終的には、この試合のメンバーに見られるように、かなりその「入れ替え」は成功したようにも見えます。
・ただ・・・際どかったよね?と思いますが。(笑)
・乾も久保も井手口も昌子も、つい最近戦力になったばかりの選手ですし、それよりは長いですが大迫もそう、代わりの作れなかった長谷部はようやく間に合って、ダブル酒井はまだ一人前になったかなってないか。(多分なってない)
・そして何より原口、彼の突然変異的成長・変態がなかったら、かなりチーム構成が怪しかったはずですが、でもあれは明らかにイレギュラーな成長で、"予定"していたというのは無理があると思います。当初から試していたトップ下として、レギュラーになったというならともかく。
・"台頭"して来た選手の抜擢の仕方、あるいは"揃って"来た駒の使い分けはなるほど思い切りが良く、鮮やかだったと思いますが。
・全体のプロセスとして、それほど周到だったとも秩序立っていたとも、僕には思えません。
・例えばトルシエやオシムのそれ(人事)と比べてね。(別に比べなくてもいいんですけど)
・"旧メンバー"と一緒に沈没する危険も大いにあった、そういうプロセスだったと思います。
・大迫がブレイクするまでは、延々岡崎でお茶を濁していたりもしていたわけですしね。その"間"は無かった。
・"代わる"選手を「望」んではいたでしょうけど、「予期」していたとも「計算」していたとも、僕には思えない。
・まあ結果的に「揃った」駒の使い方に関しては、僕も大いに感心しますし期待もしています。そのことに特に異論はありません。

・この試合に関しては・・・
・要は"開き直った"んじゃないですかね。(笑)
・追い詰められてもいたでしょうし、本当に「解任」の危機も感じていたのかも知れない。
・更に言えば中間には、大迫も長谷部も(本田も?)間に合わないと考えるのが妥当な時期もありましたよね。
・もうどうとでもなれと、いっときはそういう心境にもなったかも知れない。
・そして目標と定められたこの試合に向けて、戦略自体はオーストラリア代表の研究から論理的に導き出されたものだとしても。
・メンバー選考の思い切り、そして選ばれたメンバーの荒々/粗々しいけれど躊躇の無いプレーぶりには、何らかハリルの今までにも増して腹を括った精神状態が反映していた、そんな風にも見えました。
・とにかくこれくらい有無を言わせない感じのハリルが、僕は好きです。そういうハリルならというか。
・それでこそ見ていて感情も乗せられるし、やっていることの"評価"もし易い。


・うーんと、最後に少し、またハリルをめぐる「論」について。
・そんなにハリル解任・批判の具体的な論が盛り上がっていた、あるいはハリル支持派(?)がそれを気にしていたとは知りませんでしたが。
・だからといってまたどうも反撃が極端に振れ過ぎているように感じますね。
・そこに巻き込まれてはマズいので(笑)なるべく冷静に論点を整理すると。

 1.この世にはハリル支持派と不支持派の二種類の人間がいるわけではない。
 2.サッカーは「相手に合わせるサッカー」と「自分たちのサッカー」の二種類で分けられるわけではない。
 3.仮にハリルを"支持しない"人がいるとして、その人が"ポゼッション"や"自分たち"派だとは限らない。
 4.仮に"ポゼッション"寄りのサッカーを日本代表に望む人がいたとしても、その人が「本田」「香川」の起用を望むとは限らない。


・・・大きく言ってここらへんが、単純化ないしはごちゃごちゃにされているように見えます。
・1は当たり前と言えば当たり前ですけど、そもそも「支持」とか「不支持」とかいうのはあくまで"政治"的なタームなので、人事権や投票権を持っている人の間での話か、あるいはそういう人たちに向けて何か具体的に働きかけようとしているわけでもなければ、言うだけ滑稽だしそもそも"決める"必要も無いことだと思います。
・少なくとも僕は答えませんよ、仮に質問されても。僕を見て勝手に判断するのは止めませんけど。(笑)
・まあこれは、代表監督に限らない話ですね。クラブの監督でもそうです。
・必要も無いのに"決める"こと自体が、議論の質を落とすと思います。政治的態度は政治の時だけで十分。
・2はそれこそ当たり前ですが、それが巡って3になると、かなり見過ごせない単純化の問題になると思います。
・4も馬鹿馬鹿しい話で、そもそもハリルは上でも言ったようにかなり自発的積極的に本田と香川を起用して来たと思いますが、それは"ポゼッション"をやる為でも"ポゼッションをやれ"という圧力に屈したわけでもないでしょう?ハリルなりの利用可能性を見て、使っているはず。
・逆に僕なんかは、比較すればハリルよりはポゼッション寄りのサッカーを日本代表に考えていると思いますが、でもあんなに本田と香川を使おうとは思わないですからね。逆にびっくりしたくらいです。
・香川はよく分かりませんが、ちなみに本田については、やっぱりサイドでの"アクセント"というのを、「縦に速い」サッカーの中でもハリルは求めている(た)んじゃないかなと、僕は思っていますが。
・乾の重用も、基本的にはその流れなのではないかと。
・とにかく糞味噌一緒の贔屓の引き倒しみたいな"支持"は、見ていて悲しくなるからやめてもらいたいなと思います。
・オシムの時とおんなじだなあとも、また。
・だから名声のある監督は嫌なんだと、変な方向に嫌気が差しそうです。(笑)
・誰も気にしない小物にしよう、小物に。

・後は・・・うーんどうしようかな。まあ言っておくか。
・"作戦家"としてのハリルの手腕を褒める、それ自体はハリルという"個人"の仕事に対する評価として、いいんですけどね。
・ただ日本サッカーに欠けていると問題視されているのは、「作戦」そのものではなくて、作戦を可能とするような「理」や「相対観」の方なわけじゃないですか。
・その時にそれを余りに"ハリルホジッチの「作戦家」ぶり"に集約してしまうと、話が狭くならないか貧しくならないかということ。
・例えば同じ「理」や「相対観」を前提としていても、どの程度"作戦"サッカーになるかはそれぞれの監督の個性によるわけですし、あるいはそれは「スタイル」構築型のサッカーと、別に矛盾しているわけでも共存不可能なわけでもないわけじゃないですか。
・それを「作戦」といういち側面だけ強調して語ってしまうと、逆に従来型の「自分たち」系のサッカー観も、それとのコントラストで温存されてしまうんじゃないのと、大げさに言えばそういうことも言えるかと。
"ハリル"という経験の消化の仕方として、それは正しいのか豊かなのかと。

・・・これらの難点全ては、ひとえにハリルホジッチという一人の監督を、「擁護」しよう「支持」しよう、「名将」であることを論証しようという、過剰で無駄な情熱に由来しているように、僕には思えます。
無駄なんですよ、無駄。保護を必要としている子供じゃあるまいし、端的な是々非々以上の擁護なんて、要らないんです。
ハリルも、ロティーナも(笑)、全ての監督がそうです。どのみち投票権は無いんですから、僕らには。
なるべくぎりぎりまでフラットに議論する、それだけでいいんじゃないですかね。


以上。
なんか景気悪い感じになっちゃいましたが(笑)、とにかく突破が決まってほっとしました。
ロシア涼しいといいですね。


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テーマ:サッカー日本代表
ジャンル:スポーツ
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