ヴェルディ、代表、二次元、女子バレー 他
HBO(ホームボックスオフィス)の過去・現在・未来
2017年09月18日 (月) | 編集 |
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このロゴと、本編開始前に流れる"砂嵐"(笑)を見るだけで、なんかじーんと来ちゃうんですが。
バリエーションはあるらしいんですが、知る限り基本ずーっと変わってないのがまたいいです。

HBO Wiki

HBO(エイチビーオー、Home Box Office の略)は、アメリカ合衆国の衛星およびケーブルテレビ放送局
ケーブルテレビ局の老舗であり、ライバル局のShowtime・Starzを抑えアメリカでトップの実績を誇る。関連企業のワーナー・ブラザース参加のもと、オリジナルのテレビドラマの制作絶対的な自信を持っており、主要なコンテンツとなっている。


後で紹介するように傑作・ヒット作は数多ありますが、最近では何と言っても『ゲーム・オブ・スローンズ』

ゲーム・オブ・スローンズ

が世界中でドラマファンの右翼も左翼も巻き込むようなタイプの大ヒットをしたので、名前くらいは聞いたことのある人も多いのではないかと。「ドラマ史上最高傑作!」なんて大胆な宣伝をしているのも見かけたことがありますが、あながち嘘ではないです。十分可能性はあると思います。ただそれ自体が強力な"原作"つきなので、それを割り引いて僕は"1位"にはしないと思いますが(笑)。でも"5"は堅い。"3"も多分。

まあゲーム・オブ・スローンズについては来たる最終8章完結後に、また語る機会(笑)を設けるとして。


歴史と作品

まずはHBO製作ドラマの歴史を、重要な技術的業界的トピックと照らし合わせながら。
ちなみに例に挙げているのは、僕がちらっとでも見たことのある作品です。

1972年 - Sterling Manhattan Cableにより放送開始。
1975年 - 通信衛星による番組配信開始。
1989年 - タイム・ワーナー発足により、その傘下となる。


 OZ/オズ('97)
 セックス・アンド・ザ・シティ('98)

1999年 - HBO HDの放送開始。

 ザ・ソプラノズ('99)
 ラリーのミッドライフ★クライシス('00)
 シックス・フィート・アンダー('01)
 バンド・オブ・ブラザース('01)
 THE WIRE/ザ・ワイヤー('02)
 デッドウッド('04)
 ROME[ローマ]('05)

・・・2007年1月 - 米ネットレンタル大手Netflixが中心業務をVOD(ビデオ・オン・デマンド )に移行。
2007年10月 - VODサービスJ:COMオンデマンドで放送開始。

2010年 - HBO GOにてVODサービス開始。


 ザ・パシフィック('10)
 ゲーム・オブ・スローンズ('11)
 GIRLS/ガールズ('12)
 LEFTOVERS/残された世界('14)
 HERO 野望の代償('15)

2015年 - スターチャンネルと日本国内最速独占放送契約を締結。
2016年 - HuluとSVOD(定額制動画配信)サービスにおける日本国内独占配信契約を締結。


 クォーリーと呼ばれた男('16)
 ウエストワールド('16)
 ビッグ・リトル・ライズ('17)

ふーん・・・。
書く前に僕がイメージしていた"ストーリー"は、「ケーブル・衛星・ネット配信の3つの時代を変わらぬクオリティで駆け抜けて来た"HBO"」みたいなものだったんですけど、ケーブル局として創設された2年後にはもう衛星放送が始まっているし、しかもそこから日本でも見られるような作品が出て来るまで20年以上かかってるし、なんか思てたんとちゃう。(笑)
ただその恐らく日本初お目見えの『OZ』の時点では「ケーブル局」として紹介されていて、今でもそう紹介されるのが普通なので、どうなんでしょう、アメリカ国内では基本ケーブルで配信していて、それを国外(または国内遠隔地?)に持っていく時に衛星を使うと、そんな感じの単純な理解でいいのかな?

自前のVODサービス(HBO GO)を持っていることは上に書きましたが、"衛星"サービスを持っているという記述は特に無いですしね。"衛星"を持っていないのは当然としても。(笑)
日本でHBO作品を見た人も、少なくとも『OZ』('97)から『ROME』('05)までの作品は、基本的にスカパーを筆頭とする衛星サービスで見たはずです。
だからあえて「時代」を"画"し直すとすれば、「ケーブル局としてアメリカ国内を中心に活動していた時代から衛星を通じて広く海外にも作品が知られるようになった時代を経て、ネット配信の時代を迎えても変わらず健在な"HBO"」とかになりますかね。長いけど。(笑)

(HBOとネット配信)

上では"現在"運営しているものとして、2010年開始の「HBO GO」を挙げていますが、英語版のWikiによると実は早くも2001年には、オンデマンドサービス自体は始めていたようです。書いてあることを見ると多分スカパーオンデマンド等と似たような感じで、比較的最近の"見逃し配信"という補助的役割のようですが。それをより自立的に運営しているのが、現在の"GO"ということなんですかね、見てないんで分かんないですけど。

それはそれとして、ケーブル/衛星時代の雄であったHBOも、ネット時代への対応にはそれなりに頭を悩ませていたようで、2005年のBBCとの共同制作による大作『ROME』の後、しばらく活動が停滞していたようですね。
言われると確かに、見かけなかった。
その間にはNetflixの台頭があり、アメリカでどうしてたのかは知りませんが、日本では試験的にでしょうか、J:COMオンデマンドと手を組んでみたりしています。そして何か方針が定まったのか、社内部門の整備も終えて、2010年からまた活発に活動を再開したと、そんな感じでしょうか。

ちなみにさっき確認してみたところ、現在のところNetflixには作品を提供していないようです。
Huluとの兼ね合いなのか、それともずばりHBO GOでやるからなのか、いずれにせよ"オリジナル制作"が売りのNetflixとは、同じく伝統のコンテンツ力が自慢のHBOは、相性が悪そうではあります。


作風とその変化
『OZ/オズ』と『ザ・ソプラノズ』

'97年の『OZ/オズ』は衝撃的な作品でした。
アメリカの重犯罪刑務所の苛酷かつ日常的(それゆえまた恐ろしい)な暴力や、囚人たちが妙にくっきりかつ細かく出身民族別グループに分かれて対立や"政治"を繰り広げる意外な実態を恐らく初めてTVドラマではっきりと描いた(これらが後の『プリズン・ブレイク』('05)にも繋がる)という意味でもそうですし、またそれらを描く、ネットワーク/地上波ドラマでも既に一つの潮流ともなっていたスティーブン・ボチコ(『ヒルストリート・ブルース』『NYPDブルー』など)作品を筆頭とする"リアル"なタッチ、それをしかし更に振り切った"無意味"とすら感じられる剥き出しの"リアル"感とタブーレスな表現に、「ケーブルテレビ」という別空間の存在を、確かに感じさせられました。
・・・物凄く下世話に例えると、最近BSスカパーが作っている『ダラケ』『モノクラーベ』『ダメ絶対』といった一連のオリジナル番組の持つ"剥き出し"感、"地上波では出来ない"感(笑)、インパクト的にはあれに通じるものがあるかも知れません。(笑)
それをドキュメンタリーやバラエティではなく、ドラマで実現したと。1997年に。あえて言えばですが。(笑)

続く'99年の『ザ・ソプラノズ』では、舞台を現代アメリカのイタリア系マフィアの世界に移し、カポネたちが活躍した"狂乱のジャズ・エイジ"などではなく、現代のアメリカ社会の現実と折り合いながら、それでもしっかり"マフィア"として生きる男たち及び女たちを描いた、ある意味「日常」系ストーリー。
マフィアではあるが人間でもある、"市民"ですらある彼らと我々の同質性をぎりぎりまで追求した絶品の日常系ドラマであると同時に、しかしやはりマフィアである彼らの生活の中に容赦なくカットインして来る暴力が、そのコントラストゆえに尚のこと衝撃的でもある作品。
クリエーター的な共通性は無いようなんですが、「克明な日常表現」と「衝撃的な暴力表現」という持ち味は『OZ/オズ』とも共通していて、これが一つ、「HBO作品」のイメージとして定着したと言えると思います。
一般に有名なのは、勿論その間に作られた『セックス・アンド・ザ・シティ』('98)でしょうが、この『ザ・ソプラノズ』の方もアメリカではエミー賞作品賞受賞など高い評価を得て、HBOとケーブルドラマの存在を世間に知らしめた作品になったようです。

『ROME[ローマ]』と『ゲーム・オブ・スローンズ』

'05年と'11年と少し離れていますが、「歴史劇」系作品として、まとめてみました。
OZ、ソプラノズで現代の"犯罪(者)劇"の作り手としての名声を確立したHBOが、英BBCとの共同制作ではありますが古代ローマを舞台にした歴史劇『ROME[ローマ]』を送り出して来た時は、少し意外ではありましたが見てみるとなるほどという感じでした。つまり「内乱期のローマ共和国」という舞台設定は、「重犯罪刑務所」「マフィア社会」とある意味同様に、日常に暴力の気配の溢れた、比較的簡単に人が死に、気分次第でどんな残虐行為が行われても不思議ではない世界で、そういう意味でHBOの"持ち味"は十分に発揮されていました。
勿論単にそれ目的の同工異曲などではなく、より包括的なHBO流のリアリズムでもって古代ローマを描いたらどうなるかという、そういう企画だろうと思いますが。よくある"人間化"とはまた違った形で英雄性神話性歴史性を剥ぎ取られた有名無名のローマ人たちの姿は、どこかHBOが描いて来た現代の"犯罪者"たちに、似ているところがあります。元の"人間性"がどうであれ、日常的に暴力を引き受けざるを得ない社会に放り込まれたら、人はどのように振る舞うのかどのような顔を身につけるのか。

加えて「歴史劇」にしたことで見えて来るのは、"戦乱状況"の真の怖さ、更に言えば「人権」意識など共有されてもいない、「人命」や「個人の尊厳」の価値が限りなく低い非近代社会が、どれほど苛酷なものか耐え難いものかということ。いかに現代の我々が恵まれたあるいはレアな幸福を享受しているのかという、歴史的時代的な視野、実感。それを一切の"神話"化を拒否するHBOの強靭なリアリズムは、まざまざと描き出してくれます。
そしてそのアングルは、そのまま"中世ヨーロッパ"風の世界を舞台にした(基本的には)歴史ファンタジー『ゲーム・オブ・スローンズ』にも引き継がれているというか、効率的に適用されています。その余りにも簡単に無意味に人が死ぬ社会に辟易した登場人物ヴァリス公デナーリス女王は、ある種の民主主義や徳治国家を作中で目指しているようなんですが、その顛末がどうなるのかは、完結していないので僕も知りません。(笑)
まあ日本の"戦国時代"なども、一回このタッチで描いてみて欲しいですね(笑)。惨(むご)さならば負けないはず。

「映画的TVドラマ」化の時代?

そうなった技術的環境的要因は、ちょっと僕にはよく分からないんですが。
映画専門チャンネル"スターチャンネル"との提携は、「象徴」としては分かり易いですが、時系列的に「原因」とは言い難いですし。

作品的に言うと、スティーヴン・スピルバーグとトム・ハンクスが製作に関わった'01年の『バンド・オブ・ブラザース』やその流れで作ったらしい'10年の『ザ・パシフィック』も十分に"映画"的ではありますが、こちらは多分(曖昧な用語ですが)「テレビ映画」などと総称される、より伝統的な枠組みで考えるべき作品だろうと思います。
そうではなくて僕が言っているのは、上の表で言えば'12年の『GIRLS/ガールズ』以降の、確かに"テレビドラマ"として作られてはいるんだけど、その映像の質感や演出スタイルが酷く「映画」的な作品のことです。中で一番有名なのは『ウエストワールド』でしょうか、こちらは正に、1973年の映画を基にしているらしいですが。

何が「映画」的かというのを説明するのは、ちょっと難しいんですけどね。元々(地上波)"テレビ"の枠を越えた思い切った演出で名を上げた局ではありますし、上の"テレビ映画"二作は勿論、『ローマ』も『スローンズ』も、テレビドラマとしては破格の製作費の投入で既に知られていた作品ではありますし。
ただ"超越"することや"破格"することと、最初から枠や格が無いor変わってしまうのは別なことなので。
・・・同じ「美麗なグラフィック」でもファイナルファンタジーの"6"以前と"7"以降は別物だと、こんな比喩である程度は伝わるかと思いますが(笑)。あそこまで大きな技術的変革がなされたという情報は、特にありませんが。

とにかく最近のHBOドラマはどれもこれも、確かに"ハイクオリティ"ではあるんですけど、それはどちらかというと「映画」的なはったりが利いている、クラス感があるというタイプのものであって、「TVドラマ」という良くも悪くもコンパクトな枠ならではの煮詰め方の結果という、手応えが薄いんですよね。簡単に言うと、これなら映画を見るから別にいいやという感じ。ファンとしては少し寂しいですし、不安です。


"HBO"とは何なのか。そしてこれから。

とにかくこれだけ長期間、一つの放送局一つの製作母体、一つのブランドが一貫性と信頼性を保ち続けているのは、他に見たことがありません。・・・というか、HBO以外は、どこが作っているとかほぼ意識したことがありません。それだけ一貫して、特別な印象を残す作品を作り続けているというわけです。
加えて言うならば、『OZ/オズ』『ザ・ソプラノズ』の時点では、いかにもアウトサイダーというか「テレビドラマ界の梁山泊」みたいなイメージだったのが(笑)、生き残るのみならずこんなメジャーな存在になるとは、全く想像していませんでした。作っているのは相変わらず、レイティングが付いて回るようなエグい作品ばっかりですけど。(笑)
まあタイム・ワーナー傘下で、意外と資金力自体は、早くからある方だったみたいですけどね。

こうしたコンテンツ力、コンテンツの一貫性や統制力がどこから生まれているのかは、正直謎です。『OZ/オズ』と『ザ・ソプラノズ』という同傾向の作品でさえ全く違うように、クリエイターベースでそれが維持されているわけではないようですからね。"ブランド"力なら負けない(笑)日本のジブリのように、専ら二人の監督で回しているというのなら、分かり易いんですが。
誰か強力な人が中核にいるんだろうな、ジャニー喜多川みたいな人なのかなと(笑)、しょうもない想像しか出来ませんが。

結局"年表"を見ている限り、ネット配信の時代への対応の過程で、多少なりとも中の人の入れ替わりがあり、プロデュースセンスにも引っ張って来るクリエイターのタイプにも変化が起きた、そういうことはありそうではありますね。
同時に考えられるのは、視聴形態が多様化したことで、従来専ら映画を中心に見ていた層が大量に流れ込んで、それに合わせて作風も変えて行ったとか。製作費自体は、むしろ潤沢化の傾向にあるようですし。

今のところ、HBO製作作品以外で、目立つような「映画」化傾向は僕が見る限りでは見られない(Netflixは未確認)ので、それがテレビドラマの"未来"なのかと言われるとそれは何とも言えないですが。
・・・"テレビドラマ"という言い方もいい加減厳しいんですけど(笑)、じゃあ代わりに何と言えばいいのかというとそれがまだ。(笑)
そうねえ、だから単純にジャンルの"境界"が薄くなってしまった、それでより名声のある方、「映画」に寄って行ったと、そういう可能性も、あるかも知れませんね。

僕としては、メジャーもゴージャスも結構ですけど、"梁山泊"の心意気も忘れないで欲しいなと、願うばかりです。
どうも余りにもストレートに"インテリ"臭いんですよね、最近のは。元々知的ではありましたが、なんか違うんだよなあ。
とりあえずは『ゲーム・オブ・スローンズ』の最終シーズン8を、早く見たいけどでも急がないでいいから(笑)、しっかり作って下さい。待ってます。


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