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テレ朝新海誠特集(と、『君の名は。』)
2018年01月03日 (水) | 編集 |
『雲のむこう、約束の場所』('04)
『秒速5センチメートル』('07)
『星を追う子ども』('11)
『言の葉の庭』('13)

の、『君の名は。』('16)に至る4作品(新海誠Wiki)を一挙放送。
深夜とはいえ正月とはいえ、大胆な企画でした。
そして内容も。




・いやあ、驚きました。
・こんなに凄い人だったとは。

・本格SFの『雲のむこう、約束の場所』。『君の名は。』を直接的に連想させる"すれ違いラブストーリー"の機能性を徹底的に追求した『秒速5センチメートル』。"ジブリ"スタイルのファンタジー文明論の『星を追う子ども』。逆に"実写"的なクールな映像美で構成されたシティ派(?)の小品『言の葉の庭』
・浅く言えば"何でも出来る"人であるし、もう少し深く言えば、"アニメを知り尽くした"人だなと。
・本当に恐ろしく知り尽くしていて、宮崎駿を筆頭とする過去の先達たちのスタイルやアビリティを、悠々と呑み込んでいて自在に使える感じ。
・それは単に"器用"とかいうレベルではなく、どれをやらしても結局誰よりも上手い、発明者本人よりも上手くやれる感じ。
・だから始まった数分では「はいはいこのパターンね」と若干引きながら見始めることが多いんですが、終わった時にはぐうの音も出なくなっている。(笑)
・一番"引いた"のは本人も「ジブリを意識した」と明言している(Wiki)『星を追う子ども』ですが・・・
・いや、その、何というか、これ宮崎駿じゃないよ、だってあの人こんなに論理的に強靭な作品作れないじゃない。(笑)
・いつも最初だけ勢いが良くて最後何言ってるかよく分からない感じになるのが"駿節"で(笑)、そういう余計な「癖」や「限界」は見習わずに、いいところだけ見習ってそのスタイルが本来たどり着くべきポイントまでちゃんと作品を導いている。
・ぐう。(出た)
・それだけちゃんと分析出来てるということでしょうけどね。
・"憧れ"や"真似"ではなく。

・なら「批評」的な人なのかというと、そうともあんまり思わない。
・というか「アニメ」をどう考えているのか、今一つよく分からない。
・好きなのか嫌いなのか、興味があるのか無いのか。極端に言えば。
・「批評」的な人というのは、"肯定"を結論としようが"否定"を結論としようが、結局"そのジャンル"そのものに焦点を当てていてこだわっていて、そのジャンルにおける"スタイル"問題をああでもないこうでもないと、やるわけですけど。
・そういう執着はこの人には感じられないし、「スタイル」の取り扱いも本当に余裕綽々で、「批評」的な厳しさは逆に無い。
・一つ一つについては鋭いですけど、それは何というか外科医的な即物的な鋭さで、批評的な自意識とは違う。人に見せる為にやっているわけではないというか。自分の"鋭さ"を。
・押井守とかは、"鋭い"と言ってもらいたくて仕方が無い感じが少し引くわけですけど。
・まああえて付言するとすれば、この後の『君の名は。』との比較というスケールで見れば、これら4作品は一種の「習作」だというそういう性格はあって。
・だから気楽に作っていると、そういう面は無くは無いとは思いますが。
・それぞれ劇場公開されて、ヒットも評価も十分にされてはいるわけですけどね。(笑)
・あくまで比較の問題ですけど。
・だから新海誠に新海誠なりの執着や弱点が見えて来るのは、これからなのかも知れない。
・その時にもう一回、過去の監督たちとの比較をすべきなのかも知れない。
・公平性の観点からすれば。(笑)
・まああんまり必要だと思ってないんですけど、現時点で。(笑)
・これはやはり、本物の「新世代」だという、感慨は強い。

・そして『君の名は。』ですが。
・こうした過去作品との関係を、どう考えるべきなのか。(デビュー作『ほしのこえ』('02)も、全部かどうかは定かではありませんがテレビで見たことは見ました)
・上で言ったように"すれ違いラブストーリー"のダイナミズムとしては完全に『秒速5センチメートル』が下敷きになっていますし、あの印象的な「大穴」(クレーター痕)のイメージも、『星を追う子ども』で既に一回出て来ています。
・細々とした人間関係のパターンや「田舎」の風景やそこからの都会への視点など、『君の名は。』を構成している要素のほとんどは過去(の自作品)に繰り返し出て来た、お馴染みのイメージで出来上がっています。
・だから初めて「製作委員会」方式で作られた恐らくは商業的な意味での"勝負作"で、それまでの手法を総結集した持てるものを全部ぶち込んで作った"集大成"と、流れとしては整理したいところではあるんですが。
・うーん、どうなんだろう。そう言うには少し物足りない感じ。ぶっちゃけ一番つまらないし。(笑)
・僕自身全くの後知恵ですが(笑)、"新海誠"を判断するに、『君の名は。』が相応しい作品には思えないというか。
・まあ「外向け」の作品だから、というのはあるんでしょうけど。
・それにしても物足りない。
・やはりどちらかというと"パッチワーク"の方に近いか、あるいは単に"集大成"の「失敗」か。(笑)
・そういう意味でもやはり、"メジャー作家"としての新海誠の評価は、これからのものなのかも知れない。

・だから例の江川達也のあれに代表される『君の名は。』についてのありがちなネガティブな評価も、あの作品単体についてはそんなにゆえの無いものではないと、新海誠の凄さが分かった上でも思うは思います。

「これは売れるなと思いましたけど、プロから見ると全然面白くないんですよ。作家性が薄くて、売れる要素ばっかりぶちこんでるちょっと軽い作品」。(孫引き失礼。)


・これテキストだと「売れ線だからいけない」とかなり浅薄な感じに見えるところがありますが、実際に喋ってるのを見た記憶だとそこまで単純ではなくて、売れ線「でしかない」からいけない、要素を「ぶちこ」んでいるだけだからいけないという、そういう本意の発言には見えました。
内容ではなく手法の問題というか。要素がいけないのではなくて使い方がいけないという。
・繰り返しますがこの作品単体としてはそういう感想は無理はないと思いますし、僕自身もその時点では似た印象を持ちました。
・何だこの"薄さ"は、分かってやっているようではあるけれど、この人の「作家性」はどこにあるんだろうと。
・"ポップス"には"ポップス"の作家性というものはあり得るんだけど、それにしてもこの素材の使い方の無頓着さ、オリジナリティや個人性への無関心さはどういうことだろうと。

・過去作を見た上での結論として言うと、本質的にはこれは的外れな疑問だと思います。だったというか。
・ただししつこいですが(笑)、無理は無いと思いますが。あの作品の評価としては、"正しい"可能性がある。
・それはそれとしてどう"的外れ"かというと・・・これは「ポップス」ではないんですよね。むしろ"サンプリング"ミュージックや"ヒップホップ"に近い。
・同じくポップではあるけれど、「歌謡曲」ではなくて「フリッパーズ・ギター」とかの方にむしろ近い"手法"感の作品・作家なんですね。
・フリッパーズ・ギターを聴いて、「これパッチワークじゃないかオリジナルじゃないじゃないか」と"批判"するのは、とんだ間抜けなわけで(笑)。いや、それ仕様だから。
・『君の名は。』の"オリジナル"感の薄さや過去のアニメ・映画のパターンの転用の無頓着さは正にそういう性格のものであるし、そこまであからさまにやらなくても、過去の新海作品一つ一つで取り扱われている各手法についての、"オリジナル"意識はそういうものだと思います。
"オリジナル"であることに作品の価値の比重はそもそも置かれていないし、"陳腐"とされる手法を用いることにも全然迷いは無い。
・代表的にはほとんどの作品で多用される主人公のモノローグですね。余りの使い古し感に最初必ず「げっ」となるんですけど(笑)、その内"モノローグ"が醸し出すと通常期待される"抒情"に作り手が特に執着していないことが分かって、じきに気にならなくなる。
・ただ"フリッパーズ・ギター"的なものの場合は、そういう"オリジナル"にこだわらないサンプリング的な「処理」そのものが見せ物となっていて、それがつまり上で言った「批評的」ということなわけですけど。
・既に言ったように、新海誠はそういう人には見えない。
・こだわらないのは単にこだわらないのであって、こだわらないことにもこだわっていないというか。(笑)
・じゃあ何なのかというのはまだ分からなくて、ひょっとしたら本人も分かってないのかも知れない。(笑)
・その「混乱」が、『君の名は。』にも表れているということなのかも。
・こうして並べてみると、改めて俺はなんなんだろうという。
・今後『君の名は。』で駆け上がった"集大成""総合"のステージで戦い続けるのか、それともまた"個別"のレベルに"下りる"のか。
・"下りた"方が、クオリティの鉄板保証されるとは思いますが。いくらでも「名作」を量産出来そうというか。
・それだけ凄い人なのは現時点でも確かですけど、後はご本人がどう考えているのか。

・というわけで手法的な"決着"はついていないところはありますが、それにしてもこの「オリジナル」や「差別化」の強迫観念からの解放感は、本当に『新世代』感はあります。僕の世代では無理です。(笑)
・器用な人物知りな人は過去にも沢山いましたけど、そういう人がたいていジャンルに「埋もれて」しまうのに対して、この人の場合は本当に「超越」しているというか、悠々と距離を取っているというか。
・...もう一つだけ言っておこうかな。
・このように"こだわらない"新海誠さんではありますが、その一方で"恋愛"への信頼感は独特のものがあるように見えて、それが昨今大流行りの「青春」系ストーリーの文脈にばっちり合致して、それが大ヒットの要因にもなったし、一方で売れ線クソ野郎の誤解(笑)も招くことになっていると思います。
・あれはねえ、僕も勘違いしているところがありましたが、好きでやってるんですよねこの人、"媚び"てるわけではなくて。
"本気"でやってるというか。
・個人的なものなのか世代的なものなのか、「恋愛」の瞬発力だけは信じてるし逆にそれしか信じていないというか、そこらへんの感じは面白いです。
・"面白い"というかまあ、ミニマムには説得されるというか。
・"求め"は必ずしもしないですけど。おじさんですし。(笑)
・深い問題なのか浅い問題なのか、まだ判断の付かないところがありますが。

以上、こんなバタバタと書いていい内容では多分なかった気がしますが(笑)、とりあえず今夜の地上波放送に合わせて。
僕が見るかというと・・・まあ、見ないでしょうね(笑)。今回は。
もう少し寝かせたい。


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テーマ:アニメ・感想
ジャンル:アニメ・コミック
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