"頂"(いただき)の高さとは ~春高バレーをヒントに(その1)

春高バレー(全日本バレーボール高等学校選手権大会)というものを初めて見ました。(フジテレビONE)
"春"と言っても、1月ですけどね。3年生にとっては最後の大会なので、そういう意味でも、"冬"っぽくはありますが(笑)。サッカーは確か、"冬の選手権"て言いますよね。

結果は大阪代表の、金蘭会高校が優勝。

文句なしでした。同格のチームは他に2,3ありましたが、一番伸び伸びとバラエティに富んだバレーをした、魅力的なチームだったと思います。
僕が特にお気に入りだったのは、2年生の"5番"曽我啓菜選手ですね。

曽我啓菜

身長は170cmそこそこですが最高到達点はVリーガーも含めた日本人トップクラスになる驚異のジャンプ力、身体能力で、ほとんど『ハイキュー』の"変人速攻"的な超速ブロードの威力もさることながら、ジャンプした時の空中姿勢が実に無理なく美しいんですね、一瞬"止まっている"感じがするくらい。「超速」なのに「止まっている」という、この真のフィジカルエリートならではの矛盾。フィギュアスケートかよと思いました。
性格もやんちゃな感じで、ルックスも「シュッとしたおサルさん」みたいな感じで可愛いです(笑)。プレーのイメージにぴったりというか(笑)。金蘭会はなぜかみんなそんな感じでしたけど。

純粋な意味でのルックスとしては、鹿児島南の神ノ田(かみのだ)奈緒選手が、僕のイチ"推し"でしたかね。

神ノ田奈緒

実業団てタイプじゃないから大学行くのかな?既にして"女子大生"的な風格のある、しっかりした美人さんでしたけど。関東の大学にでも来てくれたら見に行きたい。他にも即モデルデビュー出来そうな長身美少女とか沢山いたんですけど、いずれ画像が確保出来たら、まとめて紹介したいと思っています。(笑)


それはそれとして。いやあ、面白かったです。
サッカー/バレー、プロ/アマ(大人/学生)問わず、ここ数年で観た日本人によるチームスポーツ(球技)の試合・大会の中で、一番だったかも。
特に金蘭会(大阪)、東九州龍谷(大分)、下北沢成徳(東京)、誠英(山口)によるベスト4、準決勝以降の試合はどれも凄まじくて、あらゆる種類の涙が出てしまいました(笑)。(ベストバウトは金蘭・成徳の準決勝)

なんか色んな"扉"が開いてしまってまだ収拾し切れていない感じですが、思ったこと気付いたことを、書いて行きたいと思います。


1."スケジュール"の問題

見てみて驚きましたが、スケジュールが凄いんですねこの大会。(公式)

1月4日(木) 1回戦(20試合)
1月5日(金) 2回戦(16試合)
1月6日(土) 3回戦 & 準々決勝(12試合)
1月7日(日) 準決勝(2試合)
1月8日(月・祝) 決勝(1試合)


計51試合を5日間で一気にやってしまう、勝ち進んだチームは最大5連戦、競技が違うとは言えサッカーでは考えられない。
別局でやった2回戦の半分以外は全部見ましたけど、ぶっちゃけ見る方も大変でした(笑)。3日目まではろくに睡眠も取れない。"バレーファン"なのに1/6に再開したVプレミアリーグはまだ1試合も見れてない状態で、何とかならなかったのかこの日程という感じはしますが。
ちなみに準々決勝までは2セット先取、準決勝以降がようやく見慣れた3セット先取という方式で、最初の3日間はとにかく猛烈な勢いで試合が消化されます。試合のテンポも全体的に早くて、決勝は地上波フジで生放送しましたが、CM中に5,6点普通に入っちゃうので、諦めてCSの録画放送の方に回りました。(笑)

その中での一つの"山"が3日目で、一部シード校もありますが1回戦2回戦3回戦と連戦を勝ち抜いて来たチームが、その3回戦の後の同日に準々決勝をやらないといけないんですね。
これはしんどい。見てる方も(笑)しんどい。
上の神ノ田選手の鹿児島南も3回戦にまで進出していて、勿論応援はしていたんですが、しかし勝ったとしてその後もう一回準々決勝を戦うことを考えると、正直もういいんじゃないか、神ノ田ちゃん目の下に隈出来てるぞという感じで、負けた時は少しほっとしてしまいました。

こういうスケジュールから言えること、もたらされることは、最初から優勝するつもりのチームじゃないと、優勝出来ないということかなと。一つ一つ勝ち抜いて、"結果的に"優勝するなんてことは、まず難しいだろうと思います。
最初から5日間のトータルを、"3日目"の連戦をも視野に入れたフィジカル、メンタル、更にはタクティカルなコンディショニングをしてある総合力の高いチームじゃないと、どうしても力尽きる、先細りになる。(鹿児島南がそうだったように)

こう書くと既存強豪校有利じゃないかここも格差社会かみたいな話になるかも知れませんが(笑)、実際の印象は、そういうものではありませんでした。
一つの言い方ですがCランク、Bランク、Aランクと各校の実力が積み上がって、既に十分に立派なAランクチーム(鹿児島南はBとAの間くらい?)の、その更に上に文字通り"スペシャル"なSランク高校、ベスト4+αが存在しているという感じで、実に分厚く、かつ健康的な"ピラミッド"という印象でした。
Aランク以下のチームの"健闘"にも、Sランク高校の"面目"にも、等しく敬意を捧げられる。

こういう重層性があるから、別に"手を抜いていた"わけでもないんでしょうが、Sランク高校たちが大会の後半になるとそれまで使っていなかった"ギア"をもう一段階入れて来るから、準決勝ないし準々決勝の一部以降に、それまでずっと大会を見て来た僕をもぎょっとさせるような「神試合」が出現するわけです。
ただの"拮抗"とも、(Jリーグお得意の?(笑))低レベル混戦の"ドラマ"とも違う。

過酷は過酷でしょうけど、なかなかよく出来た"負荷"だなと。結果的には。
まあVリーグと日程重ねちゃうのは、やっぱり問題があると思いますけど。サッカーとラグビーと(高校選手権の)決勝同日というのもなあ、もったいない。


2."エース"の憂鬱

もう少し、バレープロパーな話を。
今大会も様々な注目選手、既にVリーグ入りが決まっていたり各年代別大会での実績があったりするスター候補を大勢見ることが出来ましたが、その中で少し悪い意味で目立ったのが、優勝した金蘭の西川有喜選手(2年)、準優勝した東九州龍谷(以下東龍)の中川美柚選手(3年)、両大会屈指の注目エースの比較的の不調・不発だったと思います。

二人とも"調子が上がらない"とか"だらしない"(中川母(笑))とか言われてましたが、どうも僕はそういう偶然的なものだけではなく、ある種"宿命"的なものを、少し感じてしまったんですよね。
二人は大雑把に言えば同タイプで、180越え(西川180、中川183)の高身長から、比較的ゆったりした大きなフォームで、足の長いきれいなスパイクを決めるタイプ。
決まった時はそれは綺麗で、特に西川選手のスパイクは僕は大好きなんですが、ただ決まらない。全然決まらないわけではないですが、なかなか評判・盛名程には決まらない。決まりそうで決まらない。判で押したように、"惜しい"ところで拾われる。

その一方で小気味よくコンスタントにバシバシ決めまくるのが、金蘭なら林琴奈選手、東龍なら合屋咲希選手のような、比べてそこまで身長は無いけれど、その分コンパクトなスイングで速戦即決なスパイクを打つ小回りの利くタイプ。
こういう構図は、他にも多くのチームで見られたと思います。

これはある程度は役割の問題で、"看板エース"は当然マークもきつくなりますし、またバレーボールの基本構造として、"エース"タイプのいるサイド(普通はレフト)でゲームを作ってポンとマークの薄い逆サイドに振る、そこを"サブエース"タイプが軽快に確実に決める、だから"決まる"印象が強い、そういうケースは現全日本の"ライト"新鍋選手を好例に、往々にして見られるケース。


ただ・・・どうしても思い出してしまうのが、NEC/全日本のエース、ないし"永遠のエース候補"古賀紗理那選手の、2015年の全日本デビューを"ピーク"する、長期に渡る苦戦・低空飛行。
・・・というか逆に西川選手らを見ていて、少し古賀選手の"不調"の理由の一つが分かった気がしたという感じですが。Vリーグでは、比較するサンプルが見当たらなかったので、どうも孤立した存在に見えてしまっていたんですが。

古賀選手もこちらも大雑把な分類ではありますが、西川選手らと同タイプの、"大きく、長い、綺麗な"スパイクを打つタイプの大型選手。(公称180cm)
古賀選手についてはフォーム自体の矯正の必要を説く論などもたまに見かけることがあって(特定の人かも知れません(笑))、そういうこともあり得るのかなとぼんやり考えてはいたんですが、ただ今大会の彼女たち大型スパイカーたちのプレーを見ていて、これはどちらかというと単純に身長の問題なのではないか、あるいは身長と筋力や骨格・関節との関係のと、そういう印象が強くなっていますが。

原因はおくとして、その"スケール"の大きさによって"エース"と期待される彼女たちは、逆にその"スケール"感によって実効性が薄くなる、「活躍」した特定の大会・試合では常に"不調"と言われているような(笑)、そういう印象があります。その"大きな"プレーが隙となる、"小さい"プレーを得意とする選手たちの要領の良い実効性と裏腹に。

実際古賀選手は本当に決まらない、決まる試合以外はびっくりするほど決まらないんですけど(笑)、それでも"エース"なんですよね。"エース"と期待され続ける。
それは必ずしもスターシステムによるメディアの誘導した虚名というわけではなくて(そういう面も一部ありますが)、やっぱり彼女が特別だからなんてすよね。具体的には、往々にして"決まらない"彼女のスパイクが、しかし"決まった"時の「やったった」感、「おらー」感、「全能」感が、普通の選手とは違うからです、ただの1点ではないからです。(増して決めまくった試合に至っては)
・・・強いて言えばブロックで完全シャットした時の、よく言われる"流れを変える"効果と似てますかね。

で、この感覚というのは、別に「名前」から来るものではなくて、ズバリ彼女たちのスパイクの球質、「足の長い、綺麗な」スパイクそのものに由来するのではないかというのが、ここしばらく僕の考えていたことで、西川選手らのプレーを見ていて確信を深めたことでもあります。
"綺麗"だから余程十全な打ち方をしないと引っかけられてしまうんだけど、その分決まった時の効果は大きい。それが彼女たちのスパイクの特徴。勿論"決まる"のがまず優先ではあるんだけど、"コンパクト"で"小回りが利く"だけでは多分チームは立ち行かないor頭打ちで、だからやはり彼女たちのような"大型エース"は必要なんですよね、今は"スパイク"という一点だけで論じていますが。

例えばVリーグや全日本には、古賀の他に石井優希や野本のような同体格のスターアタッカーはいますが、古賀よりはコンパクトだったりスピード寄りの彼女たちのスパイクには、どうも"エース"感が足りない。決まってもただそれだけのことで、実際誰がそう決めているわけでもないんだけれど、古賀と同じ期待を彼女たちがかけられることは結局無い。不思議なくらい。
勿論ありし日の"サウスポーエース"長岡(現在長期離脱中)は、得点力という意味では文句なく"エース"級ではあったわけですが、それでもそれは、古賀紗理那の"エース"感とはまた種類の違うもの。いかにも"ライト"というか。

エースはエース、主砲は主砲なんですよね。しつこいですが不思議なくらい。("センター"はセンター?(笑))
四番は四番?(ああ言っちゃった(笑))
2015年のシフトで言えば、「三番・長岡、四番・古賀、五番・石井優」が、理想のクリーンナップ?
最強は長岡だけど主砲は古賀。"風格"というのも、実は立派な戦術要素というか。


とはいえやっぱり多難だなというのが、今大会の感触ではあります。
エースらしいエース、"大型エース"の明日はどこにという。
益々スピード化が進む現代バレーの中で。
やはり"コンパクト"優先なのか、少なくとも「日本人」(の身体能力)という枠内で、"大型エース"という定番の地位はどうなって行くのか。まあ当面は"ブロック"の為に、必要は必要なわけですけど。高さ自体は。

ただいつまでも古賀や西川が"決まる"のを、待っているわけにはいかないでしょうし。いかに(決まった時の)効果が大きいとはいえ。
3人の中では中川の場合は、"高さ"のレベルがもう一段上なので、そっちに活路がありそうな感じはしますが。実際決まっているのも、"高さ"からの鋭角(足長ではなく)スパイクの方がメインに見えますし。
そもそも"速い"バレーの高校でもありますしね。ただスパイクの"魅力"は、僕はさほど感じない。


以上、「強豪校」(S級校)「エース」という、二種類の"頂"(いただき)について、やや強引ですがまとめて論じてみました。
なお、今大会のベストスパイカーは、西川選手でも中川選手でもなく、下北沢成徳の石川真佑選手(2年)だったと思います。前評判通りに。
男子バレーのスーパースター石川祐希選手の妹ですが、さすが血筋でちょっと物が違って、今回論じたような"タイプ"論にも当てはまらない、怪物スパイカーでした。
体格的には170中盤で"コンパクト"タイプっぽいですが、プレーのスケールは"大型エース"寄り、しかもパワーが図抜けていて"大きさ"がにならない。

下北沢成徳全体の"パワー"へのこだわり・オープンバレー志向自体も、実際に見てみると単に古いとか工夫が無いということではないなと。所謂"忘れがちな大事なこと"を、押さえている高校だなと。
全日本のアクバシュコーチ"強打"志向の指導も、一つにはこういうことなのかなとか。

次回はもう少し、サッカーと絡めた"育成"全般の問題について、語ってみる予定です。


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No title

西川選手は体調も悪そうでしたね。とくに準決勝は。
曽我選手や水杉選手が何度も心配そうな顔つきで声をかけてましたし、本人も辛そうな表情をしていました。

No title

皇后杯で見た時も、林選手と曽我選手ばかりが目立ってた気がしますし、あんまり「バンバン決める」西川選手って見たことが無いんですよね。金蘭は割りと誰が決めてもいいような感じのチームなので、こんなものなのかなと思ってたんですが、じゃあ本来はもう少し決まる選手なんですね。
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