2019年06月11日 (火) | 編集 |
「燃料着火?」という予定のタイトルから変更して。(笑)
キリンチャレンジ杯2019 日本代表 〇2-0● エルサルバドル代表(宮城スタジアム)
まあ実際火自体はちょぼちょぼついていたと思います。投下された"3バック"という燃料に。(という内容の予定だった)
・色んな選手を代わる代わる使うのがこのシリーズの方針だというのは理解しつつも、3-4-2-1のオルタナティブとしての価値づけを重んじる(ようと試みる)なら、前の試合の酒井・長友と同様に室屋・山中というより"本職""専門職"性の強いオーソドックスな人選でもってまずは戦う。
・つまりは"システム"自体のテストという意味合いをはっきりさせた方がいいのではないかと、そう思ったからです。
・更に言うと例の"3人"が猛威を振るっていた4-4-2のチームでは今一つ機能の仕方がはっきりしなかった伊東が、このシステムだとどうなのか("3人"の機能性に疑問もある一方で)、それをまずはシャドーの方で見てみたかった、そういう気持ちもあり、この日のやや極端なサイドの人選には疑問がありました。
・やってもいいけど順番的に今なのかなという。
・それに対して放送席情報によると、トリニダード・トバゴ戦はサイドが少し下がり過ぎた、積極性に欠けた、それに対する手当としてのサイドの人選だというのがとりあえずの解答。
・それ自体は筋道としては分かりますが、やはり"最終手段"をいきなり使っちゃってるような感じはありますね。下がり過ぎたのなら上がらせればいいんじゃないのという。それが出来ないのなら、今後も"サイドバック"タイプはこのポジションでは使えないことになってしまう。
・実際後半室屋・山中を入れた時には4バックに直しているので、早くもそれが"結論"なのかも知れませんが。
・"人材"として、国際水準の"サイドバック"と、"伊東・原口"タイプのどちらが日本に豊富か、これは意外と難しいところな気がして、だから"伊東・原口"でいいのなら必ずしも選択肢が狭まることにはならない可能性はあると思いますが。
・ただそれだと試合中の"可変"システムとしての融通性はどうなるのか、更には"4バック"チームとの人材的互換性はどうなるのかいちいち別な選考をするのかと、そういう疑問はありますね。
・余りにも3バックに特化したチーム作りになるというか、ひと昔前(4バックが主流化する前)の3-5-2とかのイメージに近いというか。
・一方で堂安・南野というシャドーの人選には、一定の分かる感はありましたか。
・「中島は明らかに合わない」「堂安はまだ許容範囲」「南野にはベストではないけれど可能性はある」という、前回の僕の評価をある種なぞるような選択というか。
・是非一回試しておくべき組み合わせというか。
・実際南野のプレーに"可能性"は感じました。
・"シャドー"としての前への迫力はそこまでではないですが、中島に比べればシャドーとしてのシステム的齟齬は無いリズムやポジショニングでプレーしつつ、4バックの時にやっていた"トップ下"的な繋ぎのプレーを、兼任的にこなすような感じ。
・その中で自分なりのシュートのタイミングを、図るというか調整するというか。
・それ自体には展望は見えた気がしました。
・一応"持ち味"は出ていたというか。上手くすると4バックの時より得点チャンスは増えるかもなと。(南野個人の)
・まあ"2シャドー"というよりも、一般的4-4-2における"2列目"の組み合わせ(堂安との)を、1トップの下のより横に狭いスペースでやっていたような感じ。
・またしても"属人"感は凄く強い、南野以外だとこういうプレーにはならない感じがしますけど、サイドで問題にした「4バックチームとの人材の共有」という意味では、こちらは平和か。
・中島を入れる時には4バックにしてましたし、何かもう色々割り切り済みというか、一つの完成形をいきなり示そうとしていたような感覚もありましたね、これはサイドの人選問題も含めてですが。
・トリニダード・トバゴ戦との間に、もう1,2試合挟まってるような感じというか。
・頭の中でないし練習の中で、色々シミュレーションをして可能性の取捨選択は済んでるのかなと。
・我々に裸の"テスト"は見せてくれないというか。(笑)
・4バックの時のワンダー3の「完成」もいきなりでしたし、割りとそういう監督なのかもしれませんね。
・おっとりしているようで聡いというか。
・ただプロセスが可視的でないこともあって、やはり「システム」と「人」との区別がつきにくいというか、最初から癒着的という部分はどうしてもあるように思います。
・恐らく頭の中ではシステムそのものを考えるプロセスも、例えば"室屋・山中"(あるいはサイドバックタイプ)での運用みたいなものも、一回は考えているんだろうと思うんですが。
・結果的にははっきり試される機会の無いまま、1ステップ飛ばした形でいきなり結論が来ている。
・それで僕らはともかくとしてチームが、選手が、納得している監督の考えやイメージを理解出来ているのなら構わないんですけど。
・ただワンダー3をめぐるその後のあれこれを見ていると、やはり一つの結論というか完成形だけが突出して、それ以外は無みたいな連続性の無さは、発生しているようには見えましたね。
・仕上がりの早さというのは試合数の限られる代表監督としては、長所である可能性は論理的にはあるわけですけど。
・一方で長い強化期間や選手の選択肢の(クラブに比べた)多さやまた一方での召集の不自由さなどを考えると、もう少し緩く構えた方が、構造としては強靭な気がしますね。
・ワンダー3チームのある種の"寿命"を思い起こすに、この企画もじきに終わってまた別の企画を遠からず考えなければいけなくなるような気がするというか。
・"完成"させ過ぎる弊害というか、選手の選択肢の多さが必ずしもチームの奥行きになっていない勿体なさというか。
・「誰が出ても同じ」なんて綺麗ごとはそうそう実際には成立しないにしても、それにしてもわざわざ追い詰められているような感覚はあるというか。
・まあ今回の3-4-2-1のチームが、現実としてワンダー3のチームのような目覚ましい完成度や威力を示しているわけでは(まだ)ないわけですけど。
・そういう意味では"先"はあるというか、「完成形」にならない可能性はまだ十分にありますが、チーム作りのプロセスとしては基本的に同じなのかなと、そんな気がしたという話です。
・"森保式"が見えた気がしたというか。(笑)
・...僕もちょっと飛ばし気味かな?(笑)、改めて整理すると、森保監督なりに筋道立ててチーム作りのプロセスは考えているし、システムと人もいったんは別々に考えてはいるんだけれど、それらのステップを飛ばし気味にしか可視的に示さないので、結果的にいきなり結論があるように見える、システムと人も最初から癒着して存在しているように見えるということ。
・問題は"見える"だけならいいんですけど、やはり他人の思考を理解する(させる)にはある程度以上の親切な説明が必要となるので、結局は実際にやるチームや選手も"結論"だけを受け取ることになっている、プロセスの内在化が不十分である、そういうことになっていないか。
・更に言うと森保監督自身も、自分の出した"結論"に縛られていないか、そういう疑問が、ワンダー3のチームを見た経験からはわきます。
・...自分の考えたことでも、"書き留めて"おかないと意外と忘れるんですよね(笑)。何でそういう結論になったんだっけかなあという。
・森保監督の普段の言動からすると、最初から属人的な人だとはどうも思えないんでね。何が結果としてそうさせるのかなという。
・例えばどんなに理論志向の監督でも、あるクラブチームを一年間二年間率いれば、限られた人材の中で最終的に採り得るやり方使える選手は自ずと決まって来てしまいますよね。
・ああいう追い込まれ方を、もっと緩く構えられるはずの代表チームで、わざわざ自分でしているような感じがする。プロセスを急ぐことによって。
・ここらへんは例えば、オフトや加茂やトルシエやオシムのチーム作りとの比較で言っているんですけど。もっと"透明"で緩いやり方を、彼等はしていたように思えます。
・ザックは諸般の事情で割りと最初から属人的というか癒着感がありましたし、ハリルホジッチはハリルホジッチで結構プロセスが飛ぶというか、集まるたびに違うことをやっていた印象がありましたけど。(それについてはオシムも少し)
・ジーコは勿論属人ですけど、ではジーコと森保監督は同じなのかという。結果は似てますけど。(笑)
・まああれですね、アンダーチームの時はもっとゆったりしていたというか、"ラボ"感があった気がするので、やはりトップ代表のプレッシャーは違うのかなという感想は、前回に続いてありますけどね。
・上で挙げた監督の例も、要は昔の監督はゆったりしていたけど最近の監督は拙速的だねという話に読めなくはないので、時代を追うごとに圧が強くなっている要求されるサイクルが早くなっているなんてことは、あるのかも知れない。
・...こんなことを書く予定ではなかったんですけど、書いている内に思いついてしまった(笑)、"森保ジャパンの真実"。
・どうなんでしょうね。
・その他細目。
・"起用"自体は若干唐突に感じた伊東の右サイドですけど、予想・危惧していたよりは随分と伸び伸びと広いスペースで走力を活かしていて、相手関係はありますけどありなのかなと。
・単純に練習で手応えがあった、酒井・室屋より良かったから伊東を使ったと、そういう面はあるのかも。
・"1トップ"永井に関しては、そんなにはっきりした狙いのある使い方には感じませんでしたが、チーム戦術というよりも前の"3人"のコンビネーションとしては、まずまず可能性は見えたかなと。
・そこらへんは逆に、"トップ下"的性格を持ったシャドーとしての南野の存在が、利いていたかなと、どこまで意図的なのかは不明ですが。
・実際曖昧なところはありつつも、「大迫ありき」の行き詰まり感からは、ある種の解放感はあった気がします。逆に永井の負傷で大迫が入って来た時は、失礼ながら今更感というか、その芸もう飽きたよ今は見たくないみたいな気持ちも、よぎらなくはなかったですし。(笑)
・やはり永井の風を通す力というのは独特なので、今後も何らか活かして行きたいなとは思いましたね。もう30なのかあというのはありますが。(笑)
・ていうか前も言いましたが大迫がそこまで替えの利かない選手なら、逆に大迫のいない前提でチームを作って大迫は切り札的に使うという構成はありだと思います。
・アンダーチームでは、一応"ポストプレーヤーを置かない"チームというのも意図的に作ってそれなりに成功していましたし。
・勿論広島では「佐藤寿人」でやっていたわけですし。(ただこれについてはそもそも"広島式"なのかという疑問はある)
・まあ川又とか鈴木武蔵とか、それなりの"代役"プレーをする選手も出ては来ていますから、今から諦める必要はないかもしれませんが。
・とりあえずその為には、3-4-2-1は4-4-2よりは誤魔化しは利かせやすいだろうなと。"1トップの選択"を、"前3人の組み合わせ"にすり替え(?)られるという、そういう可能性。
・久保(建)はさすがのプレーではありましたけど、ただ今まで見た中では一番テンパってもいた気がして(笑)、久保でも緊張することあるんだあという感じ。(笑)
・出来れば単純な"スピードアップ"だけではなくて、もっと何かリズムを"ずらす"感じとかも欲しかったかなと、それでこそ天才クンというか。(笑)
・まあこれから。
・より根本的に言うと、現状の3-4-2-1に見える可能性としては、一応4-4-2(の悪い時)よりはビルドアップの安定感は出て来るかもなと。
・余りにも1トップ頼み、余りにもボランチの"司令塔"プレー一発な4-4-2に比べて。
・ただそれは4-4-2がそういう形に"なって"しまっただけというところもあるし、一方で3-4-2-1の方は少なくともまた固定していない、いい意味で曖昧でニュートラルにプレー出来ているからという、それだけな感じもしなくはない。
・理想としては、「速攻」型の4-4-2と「遅攻」型の3-4-2-1の使い分けなんでしょうが、現状あんまりそういう展望は見えなくて、せいぜい"含みの無い"速攻の4-4-2と、"多少含みのある"速攻の3-4-2-1くらいの違い感。(笑)
・それも狙ってのことなのかどうか。
・ワンダー3の破壊力という4-4-2の特徴がはっきりしている分、3-4-2-1を主力にしていざという時4-4-2みたいな使い分けが、見え易いと言えば見え易いかなと。
・別な言い方をすると、「後半中島投入」パターン。
・まあ4-4-2はもう"やることがない"(しつこい(笑))でしょうから、しばらく3-4-2-1を実地に鍛えて行くのが、当面の問題としてはいい気がしますけどね。
・ぶっちゃけまだどういう特徴があるのかどういうメリットがあるのか、はっきりしないですしね。
・この2試合での"良化"は、あくまでこのシステムのチームとしての総合的な良化という話であって、4-4-2との比較や森保ジャパンという「計画」全体の中でどうという、ヴィジョン的なレベルのものではないように思います。
・とりあえずはもう一回大迫を先発で使ってみて、それで何が起きるのか、かな?
・実ははまらないという可能性も、なくはない気がしているんですが。
・はまったらはまったなりに、はまらなければはまらないなりに、また今後を考える。
とりあえず良くはなっていますしいくつか可能性は見えなくはないと思いますが、やはり何というか、あんまりすっきりした感じにはなりませんね。少なくとも"海外""戦術"方面のサッカーファンが満足しそうな感じには。(笑)
"積み上げ"や"改善"や"選択肢"というよりも、作り直し感が強いというか。また別の話が始まったというか。
余り期待せずでも絶望もせず(笑)、しばらくは見守っていきたいと思います。
キリンチャレンジ杯2019 日本代表 〇2-0● エルサルバドル代表(宮城スタジアム)
まあ実際火自体はちょぼちょぼついていたと思います。投下された"3バック"という燃料に。(という内容の予定だった)
・スタメン、具体的には伊東・原口という、ウイングバックの人選を見た時は、少しうん?と思ってしまいました。GK シュミット・ダニエル
DF 冨安、昌子、畠中(→59'山中)
MF 橋本拳、小林祐希(→80'柴崎)、伊東(→59'室屋)、原口(→67'中島)
堂安、南野(→67'久保建)
FW 永井謙(→59'大迫)
・色んな選手を代わる代わる使うのがこのシリーズの方針だというのは理解しつつも、3-4-2-1のオルタナティブとしての価値づけを重んじる(ようと試みる)なら、前の試合の酒井・長友と同様に室屋・山中というより"本職""専門職"性の強いオーソドックスな人選でもってまずは戦う。
・つまりは"システム"自体のテストという意味合いをはっきりさせた方がいいのではないかと、そう思ったからです。
・更に言うと例の"3人"が猛威を振るっていた4-4-2のチームでは今一つ機能の仕方がはっきりしなかった伊東が、このシステムだとどうなのか("3人"の機能性に疑問もある一方で)、それをまずはシャドーの方で見てみたかった、そういう気持ちもあり、この日のやや極端なサイドの人選には疑問がありました。
・やってもいいけど順番的に今なのかなという。
・それに対して放送席情報によると、トリニダード・トバゴ戦はサイドが少し下がり過ぎた、積極性に欠けた、それに対する手当としてのサイドの人選だというのがとりあえずの解答。
・それ自体は筋道としては分かりますが、やはり"最終手段"をいきなり使っちゃってるような感じはありますね。下がり過ぎたのなら上がらせればいいんじゃないのという。それが出来ないのなら、今後も"サイドバック"タイプはこのポジションでは使えないことになってしまう。
・実際後半室屋・山中を入れた時には4バックに直しているので、早くもそれが"結論"なのかも知れませんが。
・"人材"として、国際水準の"サイドバック"と、"伊東・原口"タイプのどちらが日本に豊富か、これは意外と難しいところな気がして、だから"伊東・原口"でいいのなら必ずしも選択肢が狭まることにはならない可能性はあると思いますが。
・ただそれだと試合中の"可変"システムとしての融通性はどうなるのか、更には"4バック"チームとの人材的互換性はどうなるのかいちいち別な選考をするのかと、そういう疑問はありますね。
・余りにも3バックに特化したチーム作りになるというか、ひと昔前(4バックが主流化する前)の3-5-2とかのイメージに近いというか。
・一方で堂安・南野というシャドーの人選には、一定の分かる感はありましたか。
・「中島は明らかに合わない」「堂安はまだ許容範囲」「南野にはベストではないけれど可能性はある」という、前回の僕の評価をある種なぞるような選択というか。
・是非一回試しておくべき組み合わせというか。
・実際南野のプレーに"可能性"は感じました。
・"シャドー"としての前への迫力はそこまでではないですが、中島に比べればシャドーとしてのシステム的齟齬は無いリズムやポジショニングでプレーしつつ、4バックの時にやっていた"トップ下"的な繋ぎのプレーを、兼任的にこなすような感じ。
・その中で自分なりのシュートのタイミングを、図るというか調整するというか。
・それ自体には展望は見えた気がしました。
・一応"持ち味"は出ていたというか。上手くすると4バックの時より得点チャンスは増えるかもなと。(南野個人の)
・まあ"2シャドー"というよりも、一般的4-4-2における"2列目"の組み合わせ(堂安との)を、1トップの下のより横に狭いスペースでやっていたような感じ。
・またしても"属人"感は凄く強い、南野以外だとこういうプレーにはならない感じがしますけど、サイドで問題にした「4バックチームとの人材の共有」という意味では、こちらは平和か。
・中島を入れる時には4バックにしてましたし、何かもう色々割り切り済みというか、一つの完成形をいきなり示そうとしていたような感覚もありましたね、これはサイドの人選問題も含めてですが。
・トリニダード・トバゴ戦との間に、もう1,2試合挟まってるような感じというか。
・頭の中でないし練習の中で、色々シミュレーションをして可能性の取捨選択は済んでるのかなと。
・我々に裸の"テスト"は見せてくれないというか。(笑)
・4バックの時のワンダー3の「完成」もいきなりでしたし、割りとそういう監督なのかもしれませんね。
・おっとりしているようで聡いというか。
・ただプロセスが可視的でないこともあって、やはり「システム」と「人」との区別がつきにくいというか、最初から癒着的という部分はどうしてもあるように思います。
・恐らく頭の中ではシステムそのものを考えるプロセスも、例えば"室屋・山中"(あるいはサイドバックタイプ)での運用みたいなものも、一回は考えているんだろうと思うんですが。
・結果的にははっきり試される機会の無いまま、1ステップ飛ばした形でいきなり結論が来ている。
・それで僕らはともかくとしてチームが、選手が、納得している監督の考えやイメージを理解出来ているのなら構わないんですけど。
・ただワンダー3をめぐるその後のあれこれを見ていると、やはり一つの結論というか完成形だけが突出して、それ以外は無みたいな連続性の無さは、発生しているようには見えましたね。
・仕上がりの早さというのは試合数の限られる代表監督としては、長所である可能性は論理的にはあるわけですけど。
・一方で長い強化期間や選手の選択肢の(クラブに比べた)多さやまた一方での召集の不自由さなどを考えると、もう少し緩く構えた方が、構造としては強靭な気がしますね。
・ワンダー3チームのある種の"寿命"を思い起こすに、この企画もじきに終わってまた別の企画を遠からず考えなければいけなくなるような気がするというか。
・"完成"させ過ぎる弊害というか、選手の選択肢の多さが必ずしもチームの奥行きになっていない勿体なさというか。
・「誰が出ても同じ」なんて綺麗ごとはそうそう実際には成立しないにしても、それにしてもわざわざ追い詰められているような感覚はあるというか。
・まあ今回の3-4-2-1のチームが、現実としてワンダー3のチームのような目覚ましい完成度や威力を示しているわけでは(まだ)ないわけですけど。
・そういう意味では"先"はあるというか、「完成形」にならない可能性はまだ十分にありますが、チーム作りのプロセスとしては基本的に同じなのかなと、そんな気がしたという話です。
・"森保式"が見えた気がしたというか。(笑)
・...僕もちょっと飛ばし気味かな?(笑)、改めて整理すると、森保監督なりに筋道立ててチーム作りのプロセスは考えているし、システムと人もいったんは別々に考えてはいるんだけれど、それらのステップを飛ばし気味にしか可視的に示さないので、結果的にいきなり結論があるように見える、システムと人も最初から癒着して存在しているように見えるということ。
・問題は"見える"だけならいいんですけど、やはり他人の思考を理解する(させる)にはある程度以上の親切な説明が必要となるので、結局は実際にやるチームや選手も"結論"だけを受け取ることになっている、プロセスの内在化が不十分である、そういうことになっていないか。
・更に言うと森保監督自身も、自分の出した"結論"に縛られていないか、そういう疑問が、ワンダー3のチームを見た経験からはわきます。
・...自分の考えたことでも、"書き留めて"おかないと意外と忘れるんですよね(笑)。何でそういう結論になったんだっけかなあという。
・森保監督の普段の言動からすると、最初から属人的な人だとはどうも思えないんでね。何が結果としてそうさせるのかなという。
・例えばどんなに理論志向の監督でも、あるクラブチームを一年間二年間率いれば、限られた人材の中で最終的に採り得るやり方使える選手は自ずと決まって来てしまいますよね。
・ああいう追い込まれ方を、もっと緩く構えられるはずの代表チームで、わざわざ自分でしているような感じがする。プロセスを急ぐことによって。
・ここらへんは例えば、オフトや加茂やトルシエやオシムのチーム作りとの比較で言っているんですけど。もっと"透明"で緩いやり方を、彼等はしていたように思えます。
・ザックは諸般の事情で割りと最初から属人的というか癒着感がありましたし、ハリルホジッチはハリルホジッチで結構プロセスが飛ぶというか、集まるたびに違うことをやっていた印象がありましたけど。(それについてはオシムも少し)
・ジーコは勿論属人ですけど、ではジーコと森保監督は同じなのかという。結果は似てますけど。(笑)
・まああれですね、アンダーチームの時はもっとゆったりしていたというか、"ラボ"感があった気がするので、やはりトップ代表のプレッシャーは違うのかなという感想は、前回に続いてありますけどね。
・上で挙げた監督の例も、要は昔の監督はゆったりしていたけど最近の監督は拙速的だねという話に読めなくはないので、時代を追うごとに圧が強くなっている要求されるサイクルが早くなっているなんてことは、あるのかも知れない。
・...こんなことを書く予定ではなかったんですけど、書いている内に思いついてしまった(笑)、"森保ジャパンの真実"。
・どうなんでしょうね。
・その他細目。
・"起用"自体は若干唐突に感じた伊東の右サイドですけど、予想・危惧していたよりは随分と伸び伸びと広いスペースで走力を活かしていて、相手関係はありますけどありなのかなと。
・単純に練習で手応えがあった、酒井・室屋より良かったから伊東を使ったと、そういう面はあるのかも。
・"1トップ"永井に関しては、そんなにはっきりした狙いのある使い方には感じませんでしたが、チーム戦術というよりも前の"3人"のコンビネーションとしては、まずまず可能性は見えたかなと。
・そこらへんは逆に、"トップ下"的性格を持ったシャドーとしての南野の存在が、利いていたかなと、どこまで意図的なのかは不明ですが。
・実際曖昧なところはありつつも、「大迫ありき」の行き詰まり感からは、ある種の解放感はあった気がします。逆に永井の負傷で大迫が入って来た時は、失礼ながら今更感というか、その芸もう飽きたよ今は見たくないみたいな気持ちも、よぎらなくはなかったですし。(笑)
・やはり永井の風を通す力というのは独特なので、今後も何らか活かして行きたいなとは思いましたね。もう30なのかあというのはありますが。(笑)
・ていうか前も言いましたが大迫がそこまで替えの利かない選手なら、逆に大迫のいない前提でチームを作って大迫は切り札的に使うという構成はありだと思います。
・アンダーチームでは、一応"ポストプレーヤーを置かない"チームというのも意図的に作ってそれなりに成功していましたし。
・勿論広島では「佐藤寿人」でやっていたわけですし。(ただこれについてはそもそも"広島式"なのかという疑問はある)
・まあ川又とか鈴木武蔵とか、それなりの"代役"プレーをする選手も出ては来ていますから、今から諦める必要はないかもしれませんが。
・とりあえずその為には、3-4-2-1は4-4-2よりは誤魔化しは利かせやすいだろうなと。"1トップの選択"を、"前3人の組み合わせ"にすり替え(?)られるという、そういう可能性。
・久保(建)はさすがのプレーではありましたけど、ただ今まで見た中では一番テンパってもいた気がして(笑)、久保でも緊張することあるんだあという感じ。(笑)
・出来れば単純な"スピードアップ"だけではなくて、もっと何かリズムを"ずらす"感じとかも欲しかったかなと、それでこそ天才クンというか。(笑)
・まあこれから。
・より根本的に言うと、現状の3-4-2-1に見える可能性としては、一応4-4-2(の悪い時)よりはビルドアップの安定感は出て来るかもなと。
・余りにも1トップ頼み、余りにもボランチの"司令塔"プレー一発な4-4-2に比べて。
・ただそれは4-4-2がそういう形に"なって"しまっただけというところもあるし、一方で3-4-2-1の方は少なくともまた固定していない、いい意味で曖昧でニュートラルにプレー出来ているからという、それだけな感じもしなくはない。
・理想としては、「速攻」型の4-4-2と「遅攻」型の3-4-2-1の使い分けなんでしょうが、現状あんまりそういう展望は見えなくて、せいぜい"含みの無い"速攻の4-4-2と、"多少含みのある"速攻の3-4-2-1くらいの違い感。(笑)
・それも狙ってのことなのかどうか。
・ワンダー3の破壊力という4-4-2の特徴がはっきりしている分、3-4-2-1を主力にしていざという時4-4-2みたいな使い分けが、見え易いと言えば見え易いかなと。
・別な言い方をすると、「後半中島投入」パターン。
・まあ4-4-2はもう"やることがない"(しつこい(笑))でしょうから、しばらく3-4-2-1を実地に鍛えて行くのが、当面の問題としてはいい気がしますけどね。
・ぶっちゃけまだどういう特徴があるのかどういうメリットがあるのか、はっきりしないですしね。
・この2試合での"良化"は、あくまでこのシステムのチームとしての総合的な良化という話であって、4-4-2との比較や森保ジャパンという「計画」全体の中でどうという、ヴィジョン的なレベルのものではないように思います。
・とりあえずはもう一回大迫を先発で使ってみて、それで何が起きるのか、かな?
・実ははまらないという可能性も、なくはない気がしているんですが。
・はまったらはまったなりに、はまらなければはまらないなりに、また今後を考える。
とりあえず良くはなっていますしいくつか可能性は見えなくはないと思いますが、やはり何というか、あんまりすっきりした感じにはなりませんね。少なくとも"海外""戦術"方面のサッカーファンが満足しそうな感じには。(笑)
"積み上げ"や"改善"や"選択肢"というよりも、作り直し感が強いというか。また別の話が始まったというか。
余り期待せずでも絶望もせず(笑)、しばらくは見守っていきたいと思います。
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