2019年12月10日 (火) | 編集 |
間隔置かずに第二弾。(前回)
それだけ読んでるということですけど。まだ無料期間一週間あるけど、またやるのかな。(笑)
"レビューの評価の高い"順に検索して行って、それがちょうど100ページ目までというのが今回分。
今回もほぼ読んだ順。
まずは"かっぴー"作3作品。




『原作版 左ききのエレン』(既刊16巻。14巻からシーズン2)
ちょうどドラマをやっているのは全然知りませんでした。(未見)
少しややこしいですが本人作画によるこの"原作版"web漫画がまずあり、その好評を承けて作画を別の人がやったジャンプ+連載の"リメイク版"
が描かれ、それの重版出来を待って(本人談笑)シーズン2が開始され、そこにドラマも挟まるというそういう流れのよう。
そういう予備知識は無しに読み始めましたが、まず度肝を抜かれたのは絵ですね。



上は最初の3ページですが(なか見検索より)、天才画家と代理店のデザイナーを主人公とするらしい要は"絵""美術"を題材とする漫画を、上手い下手は置いておいて(ま、下手なんでしょうけど当面(笑))この絵柄で描いてしまうという思い切りというか意識の澄明さに圧倒されました。
実際内容もその通りで、美術をめぐる、それを中心とする"才能"をめぐる(副題「天才になれなかった全ての人へ」)、更にそれを取り巻く広告代理店&ファッション業界の"先端"的で"華麗"かつハードでハイソサエティなビジネスの世界という、抽象的で極度に知的で関係するあらゆる人の自意識の暴風雨が渦巻いているような題材を、恐ろしく明確にさっぱりと、尋常じゃない読み易さで読ませる力量というか"デザイン"力に驚きました。相当鬱陶しい題材なはずですけど、スパッスパッという感じで読めます。かと言って単に"読み易さ"に主眼が置かれているわけではなくて、才能とは何かビジネス・仕事とは何かという"テーマ"の追求自体にはド直球の厳しさのある作品。(というかそれが目的。"文体"の問題は付随的)
余りに全てがピタッとハマっているので、何だろうこれは、単に天才という事なのだろうか(でも副題からすると天才"ではない"という自意識で描かれているっぽい)、仮に天才だとしても、これは自分が正に描きたい自分自身の中核に近い素材を新人が怖いもの知らずの勢いで描いた(絵からはそう想像しますよね(笑))、その"時期"だから生まれる特別なバランスなのではないかとか、色々考えながら読んでいましたが。(その時点では7巻まで)




『アイとアイザワ』(全2巻)
で、てっきりUnlimitedでは7巻までしか読めないと勘違いしていたエレンの続きは放っておいて(実際は全部読めます)、何の気なしに手に取ったこの作品。
これはこれで間違いなく優れた作品で、題材としてはある意味よくある"AIと意識/意識・自我とは何か""そのAIの人類への反乱"的なあれですが、それを巧みな設定とクリアな思考・説明で、類似他作品と比べても抜群といっていいレベルの徹底性と網羅性と精度で、しかも全2巻というかなり狭いスペースで一通り描写し切っている非常に優秀な・・・何というか"脚本"で、言われてみればさすがかっぴー氏(笑)という気にはなるんですが。
ただ面白いか面白くないかというと、さほど面白くない。面白くないというか・・・興奮しない。頭でっかちというのとは違うんですけど、知性だけで読んでしまう感じ。通り過ぎるというか。


『金子金子(きんこ)の家計簿』
こちらはかっぴー氏本人作画による、僕もそうと知った上で(笑)読んだ作品。
面白い。文句なく面白い。
"お金"をめぐる、現代おしゃれ人種群像的なギャグ漫画であり、また『左きき』の"ビジネス"パートだけ少し持って来たような、実際に代理店業界で働いていた作者のある意味最も得意というか、ホーム的な内容を気楽に描いた作品のようですが。
これだよねという。この"スパッと"感。この説明尽くして余り無しの、"そういうものとしてそこにある"感じが、かっぴーだよねという。
今度は"新人の勢い"的なニュアンスはまるでないので、要はそういう人なんでしょう。
内容は全然違うけれど、『左きき』の時にあった生理的快感・興奮が、この作品にもあります。
それを可能にしているのは・・・結局"絵"かなという。つまり『アイとアイザワ』との比較で言えば。
上手いとか下手とかではなくて、"本人の絵"であることが大事。原作者・脚本家単独としての可能性は、『アイとアイザワ』においてもある意味十分過ぎる程見えるわけですけど、それはそれとして&それにも関わらず、"かっぴー"が本領を発揮する為にはやはりかっぴーの絵が必要で、つまりかっぴーはなんだかんだ「漫画家」であると、「アーティスト」であると、知性だけではなく生理の表現が必要な人であると、そういう話。
・・・突飛なようですが(笑)、なんかジミヘンとか連想しちゃったんですけどね。ジミ・ヘンドリックス。
曲がいいとかスタイルが革新的とか、色々な褒められ方はするけれど、結局"ジミヘンがああいう風にギターを弾く"ことによって、初めて成立する芸術という意味で。
それを取っちゃうと、つまらないとは言わないけれど、単なる知的なものになるという。分析的というか。
曲だけだと批評、ギターも弾き出すといきなり"爆発する天才"になるという。
なんか変な事言ってますけど、それだけ表現としての"一体感"があるという話ですね、前提として。
ジミヘンで言えば曲と演奏の、かっぴーで言えば内容と絵の。"知的"な内容を単に"知的"で終わらせない。"生き物"として動かす。
かっぴーの絵はジミヘンのギターであると。ないしがっぴージミヘン説。左ききだけに!(お後がよろしい?)
ジミヘン知らないとかいう人は、別にいいです(笑)。ほんとただの比喩なんで。どちらかというと、分からなくて当然の(笑)。まあ絵ある場合と無い場合との違いを、見比べてみるのは、実際面白いと思いますよ。
他にもまだまだ傑作群。


『やれたかも委員会』 吉田貴司
これはなんか、ドラマになってたのを知ってた気がします。見てはいませんが。
あの時違うように振る舞っていれば言っていれば、やれたのかな?という、男子永遠のテーマ(女子もでしょうけどやはり切実さでは(笑))・心残りを、男二人女一人という構成の"委員会"がやれたやれなかったで多数決で判定してくれるという、そういうシチュエーションの一話完結シリーズ作品。
面白いのはこの"委員会"の構成で、最初は出るエピソード出るエピソード、ことごとく男二人が"やれる"判定で女一人が"やれたとは言えない"判定なのに首をひねって、もっと紛れさせないのかなケースバイケースじゃないのかなと構成の単純さに疑問を持ちましたが、その内気付いたのはこれは単に"対立"ということではなくて、"男の視点"の「限界」を示す意図的な構成なのだなと。
つまり男が特に男に甘い判定をしなくても、男"なり"に客観性を持とうと努力したとしても、精一杯出来て2/3、約7割なのだと。"男としての"100%の裏に、"女"の30%が常に残るのだと、そういうことを示しているのではないかなと。
まあ単純に女審査員の説明する「やれたとは言えない」理由になるほどと思ってしまうことも多いわけですが(笑)、仮にそんなに説得力が無かったとしても、"構造"としてそうなのだという話。
男は男でしかない。残念ながら。あるいは幸いに。(笑)
面白かったです。が!一巻でお腹一杯になってしまったので、二巻以降は読んでいません。
一巻の範囲で、十分に僕の青春に蹴りはつきました。(笑)


『セイバーキャッツ』 山本貴嗣
人類が宇宙中に植民している時代における「中国武術」の価値を問うたアクションSF。
なんのこっちゃという感じですが(笑)、でもかなりマジな作品です。(笑)
中国武術の"考証"は大本気だし、人類文明の発展・拡大の果てに残る(中国)武術の改めての価値という問いもマジです。
まあ答えは言いませんが。(笑)
ストーリーとしては割と普通ですが、随所で武術に伴う中国哲学が深みを添えていて、面白かったです。


『中国少数民族いまむかし: 西江・元陽をめぐる旅』 まえだなをこ
タイトル通りですが、色々かわゆいです。ゆったり旅エッセイ漫画。絵が綺麗。
"少数民族の素朴な美少女"のイメージの喚起力たるや。(笑)


『ギフト』 ナガテユカ
実行犯としての女子高生解体人を含む、アンチヒーロー臓器売買業者の話。
テーマとしての「生命の(本当の)価値」や民主主義的道徳の意味の問い直しは、深いような浅いような、納得するところも無いこともないけれど・・・くらいですが、絵と筋運びが上手なので内容の割りにストレスなく読めます。


『Let's Go なまけもの』 押川雲太朗
元雀ゴロでその時代に稼いだ数十億でのんびり暮らす"なまけもの"おじさんと、ド天然のポジティブ馬鹿のお嬢で、負けても負けても自分が麻雀が下手だと全く気が付かずに高レートの麻雀に飛び込んで行く困った女の子との友情と恋?「麻雀の強さ」の描写・考察が、かなり分かり易くて面白いです。


『編プロ☆ガール (主任がゆく!スペシャル)』 川崎昌平
だだでさえの出版不況の中、出版社の下請けで更に過酷な環境で働く編集プロダクションの社員たちの出版業界残酷物語。・・・のはずなんですけど、最終的にはそれでも"働く"って素晴らしい、"本"て素晴らしいという話に着地してびっくりという内容。(笑)
別にブラック労働を肯定しているというわけではなくて、"業界"の構造的問題は当然指摘するんですが、ただそれはそれとして「本」が好きである、そして編集プロダクションで働くのは大変だし金にならないけど、面白いか面白くないかと言えば結局面白いという、そういうことみたいですね。
二周くらい回って感動に行き着く本です。(笑)
漫画に添えて、その回の内容についての解説がいちいち設けられていて、それも面白いです。


『野宮警部補は許さない』 宵田佳
警察の内部監察の予備みたいな部署の話。
そこを仕切る、あえて出世コースから外れて来たとんでもなく性格の曲がったイケメン(元)エリート警部補と、それに振り回される新人熱血女性警察職員の話。
設定としては色々とありそうな、"アニメ化前提"みたいな感じもしないわけではない(笑)作品ですが、その警部補の"性格の悪さ"の描写やそれと密着した捜査テクニックの"謎解き"的な面白さが、「機能」的にとても高くて読ませます。"内部監察"に伴う「善悪」の感覚も、なかなか繊細で面白いです。単純な正義感ではないけれど、一周回ってなるほどそういう風に"断罪"するのかと、やっぱり悪いことは悪いよねという、そういう心地よさもあります。
ある意味理想的な「警察」ストーリーかもという。アニメ化・・・しそうだなあ(笑)。色々狙いが正確な作品。
沢山読みましたね。
レビュー評価もろ上位よりも、その少し下くらいに、僕が面白いと思うものが集中しているということかも。
さあ"100ページ"以下はどうなっているでしょうか。(笑)
それだけ読んでるということですけど。まだ無料期間一週間あるけど、またやるのかな。(笑)
"レビューの評価の高い"順に検索して行って、それがちょうど100ページ目までというのが今回分。
今回もほぼ読んだ順。
まずは"かっぴー"作3作品。
『原作版 左ききのエレン』(既刊16巻。14巻からシーズン2)
ちょうどドラマをやっているのは全然知りませんでした。(未見)
少しややこしいですが本人作画によるこの"原作版"web漫画がまずあり、その好評を承けて作画を別の人がやったジャンプ+連載の"リメイク版"
そういう予備知識は無しに読み始めましたが、まず度肝を抜かれたのは絵ですね。



上は最初の3ページですが(なか見検索より)、天才画家と代理店のデザイナーを主人公とするらしい要は"絵""美術"を題材とする漫画を、上手い下手は置いておいて(ま、下手なんでしょうけど当面(笑))この絵柄で描いてしまうという思い切りというか意識の澄明さに圧倒されました。
実際内容もその通りで、美術をめぐる、それを中心とする"才能"をめぐる(副題「天才になれなかった全ての人へ」)、更にそれを取り巻く広告代理店&ファッション業界の"先端"的で"華麗"かつハードでハイソサエティなビジネスの世界という、抽象的で極度に知的で関係するあらゆる人の自意識の暴風雨が渦巻いているような題材を、恐ろしく明確にさっぱりと、尋常じゃない読み易さで読ませる力量というか"デザイン"力に驚きました。相当鬱陶しい題材なはずですけど、スパッスパッという感じで読めます。かと言って単に"読み易さ"に主眼が置かれているわけではなくて、才能とは何かビジネス・仕事とは何かという"テーマ"の追求自体にはド直球の厳しさのある作品。(というかそれが目的。"文体"の問題は付随的)
余りに全てがピタッとハマっているので、何だろうこれは、単に天才という事なのだろうか(でも副題からすると天才"ではない"という自意識で描かれているっぽい)、仮に天才だとしても、これは自分が正に描きたい自分自身の中核に近い素材を新人が怖いもの知らずの勢いで描いた(絵からはそう想像しますよね(笑))、その"時期"だから生まれる特別なバランスなのではないかとか、色々考えながら読んでいましたが。(その時点では7巻まで)
『アイとアイザワ』(全2巻)
で、てっきりUnlimitedでは7巻までしか読めないと勘違いしていたエレンの続きは放っておいて(実際は全部読めます)、何の気なしに手に取ったこの作品。
という話ですが、読み終わるまでそのかっぴーの原作作品(作画は別)だとは全く気づきも連想もしなくてびっくり。視界に入る情報を瞬時に記憶する“カメラアイ”の持ち主である女子高生・アイ。彼女は人工知能の研究機関・NIAIが開発するAI「アイザワ」に恋に落ちてしまう。そこから始まる人類の存亡を賭けた恋と戦いの冒険譚。
これはこれで間違いなく優れた作品で、題材としてはある意味よくある"AIと意識/意識・自我とは何か""そのAIの人類への反乱"的なあれですが、それを巧みな設定とクリアな思考・説明で、類似他作品と比べても抜群といっていいレベルの徹底性と網羅性と精度で、しかも全2巻というかなり狭いスペースで一通り描写し切っている非常に優秀な・・・何というか"脚本"で、言われてみればさすがかっぴー氏(笑)という気にはなるんですが。
ただ面白いか面白くないかというと、さほど面白くない。面白くないというか・・・興奮しない。頭でっかちというのとは違うんですけど、知性だけで読んでしまう感じ。通り過ぎるというか。
『金子金子(きんこ)の家計簿』
こちらはかっぴー氏本人作画による、僕もそうと知った上で(笑)読んだ作品。
面白い。文句なく面白い。
"お金"をめぐる、現代おしゃれ人種群像的なギャグ漫画であり、また『左きき』の"ビジネス"パートだけ少し持って来たような、実際に代理店業界で働いていた作者のある意味最も得意というか、ホーム的な内容を気楽に描いた作品のようですが。
これだよねという。この"スパッと"感。この説明尽くして余り無しの、"そういうものとしてそこにある"感じが、かっぴーだよねという。
今度は"新人の勢い"的なニュアンスはまるでないので、要はそういう人なんでしょう。
内容は全然違うけれど、『左きき』の時にあった生理的快感・興奮が、この作品にもあります。
それを可能にしているのは・・・結局"絵"かなという。つまり『アイとアイザワ』との比較で言えば。
上手いとか下手とかではなくて、"本人の絵"であることが大事。原作者・脚本家単独としての可能性は、『アイとアイザワ』においてもある意味十分過ぎる程見えるわけですけど、それはそれとして&それにも関わらず、"かっぴー"が本領を発揮する為にはやはりかっぴーの絵が必要で、つまりかっぴーはなんだかんだ「漫画家」であると、「アーティスト」であると、知性だけではなく生理の表現が必要な人であると、そういう話。
・・・突飛なようですが(笑)、なんかジミヘンとか連想しちゃったんですけどね。ジミ・ヘンドリックス。
曲がいいとかスタイルが革新的とか、色々な褒められ方はするけれど、結局"ジミヘンがああいう風にギターを弾く"ことによって、初めて成立する芸術という意味で。
それを取っちゃうと、つまらないとは言わないけれど、単なる知的なものになるという。分析的というか。
曲だけだと批評、ギターも弾き出すといきなり"爆発する天才"になるという。
なんか変な事言ってますけど、それだけ表現としての"一体感"があるという話ですね、前提として。
ジミヘンで言えば曲と演奏の、かっぴーで言えば内容と絵の。"知的"な内容を単に"知的"で終わらせない。"生き物"として動かす。
かっぴーの絵はジミヘンのギターであると。ないしがっぴージミヘン説。左ききだけに!(お後がよろしい?)
ジミヘン知らないとかいう人は、別にいいです(笑)。ほんとただの比喩なんで。どちらかというと、分からなくて当然の(笑)。まあ絵ある場合と無い場合との違いを、見比べてみるのは、実際面白いと思いますよ。
他にもまだまだ傑作群。
『やれたかも委員会』 吉田貴司
これはなんか、ドラマになってたのを知ってた気がします。見てはいませんが。
あの時違うように振る舞っていれば言っていれば、やれたのかな?という、男子永遠のテーマ(女子もでしょうけどやはり切実さでは(笑))・心残りを、男二人女一人という構成の"委員会"がやれたやれなかったで多数決で判定してくれるという、そういうシチュエーションの一話完結シリーズ作品。
面白いのはこの"委員会"の構成で、最初は出るエピソード出るエピソード、ことごとく男二人が"やれる"判定で女一人が"やれたとは言えない"判定なのに首をひねって、もっと紛れさせないのかなケースバイケースじゃないのかなと構成の単純さに疑問を持ちましたが、その内気付いたのはこれは単に"対立"ということではなくて、"男の視点"の「限界」を示す意図的な構成なのだなと。
つまり男が特に男に甘い判定をしなくても、男"なり"に客観性を持とうと努力したとしても、精一杯出来て2/3、約7割なのだと。"男としての"100%の裏に、"女"の30%が常に残るのだと、そういうことを示しているのではないかなと。
まあ単純に女審査員の説明する「やれたとは言えない」理由になるほどと思ってしまうことも多いわけですが(笑)、仮にそんなに説得力が無かったとしても、"構造"としてそうなのだという話。
男は男でしかない。残念ながら。あるいは幸いに。(笑)
面白かったです。が!一巻でお腹一杯になってしまったので、二巻以降は読んでいません。
一巻の範囲で、十分に僕の青春に蹴りはつきました。(笑)
『セイバーキャッツ』 山本貴嗣
人類が宇宙中に植民している時代における「中国武術」の価値を問うたアクションSF。
なんのこっちゃという感じですが(笑)、でもかなりマジな作品です。(笑)
中国武術の"考証"は大本気だし、人類文明の発展・拡大の果てに残る(中国)武術の改めての価値という問いもマジです。
まあ答えは言いませんが。(笑)
ストーリーとしては割と普通ですが、随所で武術に伴う中国哲学が深みを添えていて、面白かったです。
『中国少数民族いまむかし: 西江・元陽をめぐる旅』 まえだなをこ
タイトル通りですが、色々かわゆいです。ゆったり旅エッセイ漫画。絵が綺麗。
"少数民族の素朴な美少女"のイメージの喚起力たるや。(笑)
『ギフト』 ナガテユカ
実行犯としての女子高生解体人を含む、アンチヒーロー臓器売買業者の話。
テーマとしての「生命の(本当の)価値」や民主主義的道徳の意味の問い直しは、深いような浅いような、納得するところも無いこともないけれど・・・くらいですが、絵と筋運びが上手なので内容の割りにストレスなく読めます。
『Let's Go なまけもの』 押川雲太朗
元雀ゴロでその時代に稼いだ数十億でのんびり暮らす"なまけもの"おじさんと、ド天然のポジティブ馬鹿のお嬢で、負けても負けても自分が麻雀が下手だと全く気が付かずに高レートの麻雀に飛び込んで行く困った女の子との友情と恋?「麻雀の強さ」の描写・考察が、かなり分かり易くて面白いです。
『編プロ☆ガール (主任がゆく!スペシャル)』 川崎昌平
だだでさえの出版不況の中、出版社の下請けで更に過酷な環境で働く編集プロダクションの社員たちの出版業界残酷物語。・・・のはずなんですけど、最終的にはそれでも"働く"って素晴らしい、"本"て素晴らしいという話に着地してびっくりという内容。(笑)
別にブラック労働を肯定しているというわけではなくて、"業界"の構造的問題は当然指摘するんですが、ただそれはそれとして「本」が好きである、そして編集プロダクションで働くのは大変だし金にならないけど、面白いか面白くないかと言えば結局面白いという、そういうことみたいですね。
二周くらい回って感動に行き着く本です。(笑)
漫画に添えて、その回の内容についての解説がいちいち設けられていて、それも面白いです。
『野宮警部補は許さない』 宵田佳
警察の内部監察の予備みたいな部署の話。
そこを仕切る、あえて出世コースから外れて来たとんでもなく性格の曲がったイケメン(元)エリート警部補と、それに振り回される新人熱血女性警察職員の話。
設定としては色々とありそうな、"アニメ化前提"みたいな感じもしないわけではない(笑)作品ですが、その警部補の"性格の悪さ"の描写やそれと密着した捜査テクニックの"謎解き"的な面白さが、「機能」的にとても高くて読ませます。"内部監察"に伴う「善悪」の感覚も、なかなか繊細で面白いです。単純な正義感ではないけれど、一周回ってなるほどそういう風に"断罪"するのかと、やっぱり悪いことは悪いよねという、そういう心地よさもあります。
ある意味理想的な「警察」ストーリーかもという。アニメ化・・・しそうだなあ(笑)。色々狙いが正確な作品。
沢山読みましたね。
レビュー評価もろ上位よりも、その少し下くらいに、僕が面白いと思うものが集中しているということかも。
さあ"100ページ"以下はどうなっているでしょうか。(笑)
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