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最近読んだ電子書籍漫画単行本 ('20.3.23) ~ボールスポーツもの特集
2020年03月23日 (月) | 編集 |
ツイッターで予告して自分にプレッシャーかけてまで先週末~今週はサッカー記事を書く予定だったんですが、どうしても忙しくて無理そうなので代わり(?)にサッカーを含む(ボール)スポーツ漫画の一斉レビューなどを。
結局漫画なんですけど。(笑)

完読したものはありません。
冒頭数巻を各サイトで無料で読んだものの中から、例の"講談社20誌"に連載中でないもの。
[  ]内は試し読みに使ったサイトです。


(サッカー)



『アオアシ』 小林有吾 [Kindle]

「アオアシ」という長期流行中の"甘酸っぱい青春"もの系っぽいタイトル、少年誌丸出しの熱血バカ(ていうかサル(笑))っぽい主人公のルックスと表紙のデザインで、正直「日本のサッカー漫画」に対する最近僕の中で俄かに高まっていた信頼感が無ければとても読む気にならなかった作品ですが、相当面白かったです。
主人公は見た目通りの"熱血バカ"タイプで、しかも登場時の活動基盤は地方(四国)の弱小中学サッカー部&草サッカーというこちらも見た目通りの(笑)「サル」属性なんですが、これはむしろキャラ造型の"正確性"と賞賛すべきなのかも。いや、何というかそういう"外見"からは"意外"な読み応えの作品ではあるんですが、でも狙いとしての「裏切り」ではなくて「型」を型のまんま平然と使いながらしかし内実でねじ伏せている感じの、どうも不思議な読み味の作品なんですよね。
それはもう一人の主人公的人物の"性格破綻の天才監督"やら、その他の主人公が出会うライバルたちにしてもそう。多分"企画書"みたいなものを読まされたら、その段階ではふーんとスルーしておよそそそらなそうな感じの。そういう意味で、「デザイン」に対する僕の印象は別に間違ってはいないと思うんですけど。騙されてはいないというか偏見ではない(笑)というか。もし結果「傑作」になっていなかったら、「陳腐」な作品と言うだけだったのではないかという。
・・・Wikiには作者は元々スポーツ漫画に興味が無かったとあるので、そういう意味で"スポーツ漫画としての造型"については特に狙いも愛情も無い(笑)、類型的なものになってるのかなという。
なのに何でこんなに面白い。(笑)

面白さとしては一つには

1.プレーヤーとしての主人公の能力

言ったように"田舎"のチームのワンマンプレーヤーである主人公は、少なくとも登場時はひたすら自分でボールを持って離さずにドリブルしまくってゴールまで行く、原始的というか"子供"のようなプレイスタイル。運動能力の高さこそ既にうかがわせてはいるものの、今時中学卒業年齢にもなってこんな"教養"の低い選手になぜJでもトップクラスの育成プログラムを誇るクラブの前出のユース監督が興味を持ったかというと、それは好き勝手滅茶苦茶やっているようで実は彼なりにゲーム全体やチームメイトの状態を細かく把握し、(彼の考える)勝利への最短距離を常に探っている彼の独特のゲームアイに気付いたからなんですね。それがその後激変するサッカー環境と、"誤解"を生みがちなパーソナリティとの兼ね合いの中でそれがどのように発揮されて行くのか活かされて行くのか、序盤を読んだだけでも既に相当に楽しみです。
・・・個人的には、ヴェルディ在籍時のエジムンドとか思い出したりしたんですけどね。一見"わがまま"に見えるフォア・ザ・チーム、"チーム"の勝利を最短距離で目指すゆえの"ワンマン"プレー。まあやはりどちらかというと南米的な、"野性"の知性ではあると思います。それを欧州的現代的フォーマットで、どう活かすのか。

2.ずばり本格的J"ユース"漫画

スタートが中学卒業年代ですから、"これから"ユースに入るわけですね。単にトップへの通過点としてではないJユースそのものが、がっつりと描かれるありそうでなかった作品。
当面描かれているのは、ヴェルディなどを連想させる国内トップクラスのユースチーム、ユース選手たちの、圧倒的な"エリート"性。よく"たまたま中高生年代のキャラを使ってるだけで中身は大人・プロ・何なら人類最強"みたいなインフレ描写が少年漫画ではありがちですが(笑)、そういうのではないもっとリアリティのある"エリート"性が、結構怖いくらいです。十分に上手いんだけどそのレベルには至らない"有望"選手たちの絶望感と共に。とにかく読み応えがありそうです。

・・・いずれについても何というか、単に"取材"したとかいうレベルのものにはとても見えないので、スポーツ"漫画"には興味が無くてスポーツやサッカー自体には、それなりの見識を元々持っていた人に違いないとは思いますけどね。




『Mr.CB』 綱本将也(原作)谷嶋イサオ(作画) [DMM]

競馬好きらしい(笑)原作者による、「ミスターシービー」という往年の名馬の名前にかけた、「CB(センターバック)」を主人公にしたサッカー漫画。具体的には、かつてのレジェンド代表CBが見込んだ、無名の天才新人CBとの師弟物語、なのかな?
センターバックという題材も珍しいですが、同時に進行するJ3相当の下位カテゴリーにくすぶるプロクラブの経営問題やそもそもの"存在意義"の問題も鋭く問われていて、そちらだけでも読み甲斐がありそう。そこに更に新任の異能監督やサッカーメディアの野心的な女記者など序盤にして次々燃料が投入される欲張りな作品ですが、さすが『ジャイキリ』等で実績のある原作者で危なげはありません。
ていうか正直、ジャイキリとは次元の違う面白さで、そこらへんは何というか現在は原"案"と表記されているジャイキリとの、距離感の差というかコミットメントの深さの差を感じてはしまいます。やはりあれはどちらかというと、"ツジトモ"の作品なんだろうなという。
1巻しか読んでないですが既に十分に面白いです。これからどのような、「CB」ディテールが語られるのか。




『修羅の門異伝 ふでかげ』 川原正敏(原作)飛永宏之(作画) [Kindle]

「原作」「作画」方式ではありますが、単行本中の解説によると原作者の友人である作画者が、多忙で描けない原作者の代わりにわざわざ絵柄を似せて作画しているという、珍しいと言えば珍しいスタイルの作品。
そもそも人気格闘技漫画『修羅の門』



のスピンオフの、"サッカー"漫画という不思議な作品でもあって、絵柄と共に世界観にも共通性を持たせているらしいです。(そちらは未読)
ストーリーもかなり変わっていて、南米寄りの天才サッカー選手である主人公が、規律でガチガチに固まった(名門)高校サッカー部のやり方を嫌って、せっかく入部テストに受かったのを蹴って草サッカーチームを結成し、目指すはそれでも参加可能な天皇杯、天皇杯の決勝という形で可愛い幼馴染への「国立に連れて行く」という約束(つまり本来は高校選手権で果たすはずだった)を果たそうという、なんか薬やってるのかなみたいな設定ですが(笑)、作者が多忙を押してもどうしても漫画化したかった作品だけあってサッカー描写にはしっかりした迫力がありますし、"規律サッカーへの反逆"もただのお花畑でない、ぎりぎりの"哲学"の緊張感があります。僕が読めた段階で結成したチームはまだ動き出してませんでしたが、傑作の予感たっぷりでした。


(バレーボール)



『神様のバレー』 渡辺ツルヤ(原作)西崎泰正(作画) [Kindle]

若くて意気軒高・・・にしても異様に自負心の強いバレーボールのコーチが、全日本のコーチへの抜擢を餌にとある弱小中学の男子バレー部のコーチとして、課された無理筋なノルマを果たして行く話。
"神様"とは大層な振りかぶりようですが、それはサッカー以上に"データ"スポーツであるバレーボールにおいて、データ分析を基にした戦術と戦略、加えて敵味方双方の"心理"を残酷なまでに見切った彼一流のチーム運営ゲームコントロールで、論理的に"それしかない"というたった「一つ」の狙いの結果をピンポイントで実現して行く主人公の構想と手腕を指しています。
それにしても"大上段"で、大した気合の漫画だなという(笑)。結構長く続いているので、行く手に待ち受けるだろう様々な困難にどのように「神」の面目を保たせていくつもりなのか、大いに興味があります。




『ハリガネサービス』 荒達哉 [コミックシーモア]

中学時代、元々平凡な素質の上に足の大怪我でジャンプの出来なくなったバレーボーラーの主人公が、仕方なく"練習台"としてのサーブ専門選手として日々を送る中で、いつしか身に付けた変態的なサーブ技術を活かして、名門高校バレー部の"ピンチサーバー"として(後にそれだけではなくなるようですが)意外な大成をして行く話。
主人公のサーブ技術が飄々と変態的に凄くて笑えるのと、最初主人公の一般的な運動能力と技術の低さを見下して相手にしていなかった強豪校のチームメートが、むしろエリートらしい"技術"への率直さで主人公を認めてサポートに回って行くプロセスが凄く熱くて良かったです。エリートの中にもエリートの苦悩があって、それを描くのももう一つのテーマかなという感じ。


(その他のスポーツ)



『WILD PITCH !!!』 中原裕 [Kindle]

最終的にはいわゆるプロ(NPB)に行くんだろうと思いますが、そこにまでは至らない"独立リーグ"の実態と、そこらへんのランクの野球選手たちの悲喜こもごもを描く漫画、かな?という。
ドラフトにかかるかかからないかの当落線上の選手たちがさらされる駆け引きや選択、Jリーガーもそうでしょうが独立リーグの標榜する"地域密着"を、実際にどのように選手たちが受け止めているのかなど、興味深い描写が沢山出て来ます。





『ROBOT×LASERBEAM』 藤巻忠俊 [コミックシーモア]

かの『黒子のバスケ』の作者が描く・・・何と"ゴルフ"漫画(笑)。意外過ぎる。内容も意外性に満ちてましたけど。
喜怒哀楽が薄くて"ロボ"とあだ名される超理系主人公が、ひょんなことからトライすることになったゴルフを飽くまで理系的にしかしえぐい効率で自分のものにして行く話。
『神様のバレー』辺りとも共通するものを感じる、スポーツへの徹底的に理系的科学主義的なアプローチの漫画の、最近の"潮流"と言っていいかも知れない一つかなという。
主人公の「理系」性と能力に説得力がちゃんとあって、かなり面白いです。





『送球ボーイズ』 フウワイ(原作)サカズキ九(作画) [Kindle]

比較してこちらは割りとオーソドックスと言えばオーソドックスかも知れない、"熱血"ハンドボール漫画。主人公は異能ではありますが。
「ハンドボール」そのものが珍しいのと、ハンドボールのメッカらしい富山県氷見市の描写の濃厚な地方色が面白くて、飽きずに読めました。
何でかこういうマイナースポーツを描いたものの方が、選手たち一人一人の"超人"ぶりや競技の厳しさが伝わって来ることが多くて、そこが迫力ですね。競技自体をアピールしたいという、作者の情熱の本気度とその競技への集中的な関心のなせる業という感じですが。




『灼熱カバディ』 武蔵野創 [Kindle]

・・・実際にはカバディはボールを使いません。(笑)
ただ体育館スポーツとして定着してますし、ユニフォームも含めてイメージ的には凄くボールスポーツっぽくて、この項を書き出す直前まで"ボールを使っていない"ことを意識していなかったくらいで。
そうですねえ、「体育館でやるラグビー」という感じでしょうか、ただしボールを使わない。選手の見た目的には、ハンドボールっぽいか。
上で"マイナースポーツものならではの楽しさ"について言いましたが、こちらはもう、マイナーどころの騒ぎではない(笑)ので、どちらかというと「知らないスポーツを知って行く」喜びという感じでしょうか。作者自身と共に。
登場人物たちも"子供の頃からの生粋のカバディプレイヤー"などおよそ例外中の例外なので、それぞれのバックグラウンド(例えば主人公は元全国クラスのサッカー選手)をベースに、汎「スポーツ」的観点からカバディの魅力を発見して行って、そのプロセスが一つ一つ面白いです。

灼熱カバディ

解説もなぜかサッカー部の監督がやったりする。"容易に点が動かない"スポーツ(サッカー)の専門家が、"容易に点が動"くスポーツ(カバディ)について語る妙味。
とにかく何か、一見すると凄くマッチョなんですけど、"脳が開く"瞬間の多い作品です。知るって楽しいというか、ほとんど異文化交流というか。広くはやはり、「マイナースポーツ」漫画の楽しみでしょうけどね。
そしてやはりみんな超人(笑)。怖えよスポーツエリート。


こんなところで。
J再開までには、"本物"の"スポーツ"記事も。(笑)


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テーマ:漫画の感想
ジャンル:アニメ・コミック
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