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"楽しいサッカー"と井出のプレーを巡る喜びと悲しみ/東京V-新潟(’20)、長崎-東京V(’20)
2020年08月04日 (火) | 編集 |
それぞれ別の話です。一緒に書いて申し訳ない。


J2第8節 東京V △1-1△ 新潟(味の素スタジアム)

[得点者 : 高橋祥平]


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J2第9節 東京V △0-0△ 長崎(トランスコスモススタジアム長崎)

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・J2では珍しく(?)互いに"持ち合う"展開の多かった新潟戦
・どちらかというと速攻好きカウンター好きで、かつ出が全盛期セリエA(インテルが勝ち出す前、ミラン中心に2000年前後まで)なのもあってオープンな展開荒れた展開から生まれる"ドラマ"に余り価値を見出さない感性の僕ではありますが。
・こうして双方それなりの秩序を保ちながらの"やり合い"を見てみると、なるほどこれは"楽しい"かも知れない"楽しいサッカー"とある程度一般論的に言ってもいいのかもしれないと、普段余り使わない回路が開いてざわざわするような感覚はありましたね。
・ていうか上では「J2では」珍しくという言い方をしましたが、実際にはプレミアでもUCLですらも、真っ向から主導権争いする試合なんて見ることはほとんど無くなってますよね。
・戦力差があり過ぎるかあるいは戦力的には互角でも戦術的戦略的要求の一般的高まりから必ずどちらかが引いて守るような展開が大半で、後はそれを崩そうと"持つ"側が苦悶する(またはカウンターに嵌められる)姿が延々と映し出される90分間というのがむしろ標準。(笑)
・ラ・リーガクラシコですら、近年はそういう試合が多いですからね。
・"攻撃的"なサッカーが本当に楽しいのかどうかは、双方が"攻撃的"にやって攻撃的な「試合」が実現して初めて、評価出来るようになるのかもなと、そんなことを今更思った試合でした。
・永井ヴェルディの出来がそんなに良かったわけではなくて、基本いつものように若干ふわふわしたところを残しながらの攻撃的"秩序"ではあったわけですけど。
・ただ相手がその"ふわふわ"に付け込むよりも自分もふわふわすることを恐れずに(笑)、同じように攻撃的秩序の形成で応酬してくれると。
・ふわふわしつつも必ずしも"安い"試合にはならずに、双方の秩序形成の基本的な手際の確かさ(やりたい形)が代わる代わる確認出来るような試合になって、あ、なんかこれ楽しいかもとなりました。
・若干"甘い"試合ではあるけれど、単なる"荒れた"試合ではないというか。
・...「メジャー(野球)は真っ向勝負が基本」みたいなあれに近いのかなあ。
・とにかく結構解放感あるなあという。普段サッカーを見る上で、無意識に自分に課している"禁欲"というか"諦念"みたいなものを、解いて見られる快感はあるなあと。
・やはりクオリティには不満があるので「感動」まではしないですけど(基本的には"クオリティ"そのものが"感動"の主体、"展開"ではなくて)、なるほどなあという納得感はあったという。「試合の型」としての、有効性を認めたというか。
・そういう割りとレアな試合でした。
・永井ヴェルディの"呼びかけ"に応じて(笑)、もっとこういう試合が増えて欲しいなとも。増えてもいいかなというか。
・増えたら増えたで、その中での比較がまた発生するわけですけど。

・それにしても惜しかったですね。祥平"魂"と貫禄のヘディングゴールを、勝利という最終結果に結び付けられなくて。
・勝てば結構伝説の試合になったかもしれないのにというくらい、僕も感動しましたが。
・おらやったったーという感じのゴールでした。(笑)
・ロングスローからの同点ゴールをねじ込まれるまでは、高揚感に満たされていたのに。(笑)
・引き分けで終わってみると、よくある永井ヴェルディの試合という感じで、はいはいそうですかと急速に萎んでしまう。(笑)
・まあああいう形でやられそうではありましたからね、その前から。ですよねえという。
・ロスタイムかあ。
・高さが無いのは仕方が無いとしても、やはり逃げ切りのポゼッションがバタバタしっ放しだったのは、チーム戦術的に大いに問題ですね、誰もが思う事でしょうけど。
・そしてそれは解消される当てはあるのかという話は、次の試合に続きます。



・無敗首位とのアウェー戦。
「高木監督」ありきのチームが「手倉森監督」になっても強さを維持出来るの?という意外感もあるここまでの戦績ですが。(まあ2年目なので単純な維持ではないでしょうけど、印象としてはどうしても)
・一応手倉森監督も仙台での"堅実"なサッカーの手腕を買われて五輪監督にまでなった人ですから、J2レベルならそんなに問題は無いのかな。
・でもやっぱり高木監督の堅さ、それこそ"セリエA大好き"っ子だったわけですがあの人は(笑)、とにかくそれは一種特別特殊なものだと思うので、このまま長崎を高木監督時代と同じように"逃がし"てしまったりすると、やはりJ2ちょろいという話になってしまって愉快ではないですね。
・対戦した感じでは、それなりにきっちりした守備と外国人を中心とする一部選手の質的優位という以上の印象は余り無かったですけど。

・"質"と言えば、この試合は何と言っても目立っていたのは井出遥也の"質"。
・インサイドを基本としつつも久しぶりに前に出て直接チャンスに絡む機会の多かった試合でしたが。
・やっぱレベルが一つ違う。
・"残念"なからというか。
・インサイドでの作るプレー、外に回っての崩すプレー、両方合わせてのクオリティというかぶっちゃけ"両方"の井出が同時に欲しいという感じは。
本当の"イニエスタ"は井出だよな、潮音がどうこう言う前にという、若干身も蓋も無い感慨。
イデエスタ?(いや、まあ、それは)
・"メッシ"は論外として、やはり潮音が現実的に目指すべきは、残る(笑)"シャビ"の役回りなのではないかという。
・単純にチームとして、潮音が後ろ井出が前でやれた方が、やはり理想的ではあるよなと改めて。
・潮音もチャンスに絡む率自体は合格点に近いと思うんですが、いざという場面で出来るプレーの幅とクオリティが、井出とは大差がある。
・あくまで"トータル"の中での存在感でしかないというか。
・前目の選手としてはね。
・とにかくもう恥ずかしくて、"参考例・バッジオ"とか言えなくなってしまった(笑)、井出のプレーを見ていると。
・まず井出に勝って見せろ、話はそれからだ。(誰目線?)

・具体的にはやはり、井出の"対人"プレーの「厳格」さ。
・引き付ける、離す、運ぶ、切り込む、右に振る、左に振る、もう一回降る、何回振る
・こうした判断や選択の一つ一つが、ぎりぎりまで相手の状態を見ながらの紙一重の、しかし本人的には多分ちゃんと計算した余裕のある見切りの基に行われていて。
・更にその"見切り"の自信から、最後の最後まで選択の幅を残し続ける粘り強さ、丁寧さ。
・ちょっと潮音に限らず、ウチの他のたいがいの選手たちとはレベルが違うなと。(レアン、大久保とかはまた別にして)
・勿論井出はそもそもがプロ入り以来の第一属性が"ドリブラー"の選手で、それで個人昇格もしているわけですから対人が上手なのは当たり前と言えば当たり前なんですけどね。
・ただそういう個々のフェイントやドリブルのスキルがどうとかいう以前に、周辺環境からの「情報」摂取の周到さ、分析の緻密さ消化具合のレベルが、全体として、"前提"としてどうも違うなという感じ。
・より厳しくサッカーをやっている、より"真面目に"。
・単に対人が上手いのではなくて、"対人"の「相手」というのも要はその「周辺環境」、"情報"摂取の対象の一部(一例)というか。
・他の選手のあらゆるプレーにおいても、本当は同種の"厳しさ"が必要なのではないかと。
・それが出来れば、特段の戦術変更などなくとも勝手に永井ヴェルディのプレーの有効性も上がるだろうと。(場合によっては見違えるように)
・そしてそれが現状"出来ない"というところに多分結構基本的な問題があって、新潟戦の最後に言った"逃げ切りのポゼッションがバタバタしっ放し"問題も、その意味でそう簡単に解消出来ないのではないかなという懸念が多めにあるという。

・一方で戦術の整備(というか実行のこなれ)自体は、現在進行形で進んでいて今後もそれなりの向上は期待出来るわけですが。
・ただそれによって、(僕の言う)個々のプレーの"厳しさ"が増すことは多分無い
・逆に"戦術の整備"が個々の"甘さ"をカバーする、包み込むようには働くと思いますが、でも結局ベースの甘さが到達点の限界にはなるだろうと。

・...と、ここまで書いて来てこの"先"については、おおよそ二つの方向性が見えて。
・一つは例の「ヴェルディの選手の判断力」問題、理由はともかくそれが足りないから戦術遂行もその効果も、誰が監督をやってもそれなりにしかならないんだという話に、今回の「井出」の事例も当てはまると言えば当てはまるわけですが。
・勿論僕も、それを言ってはいる、現象的結果的に、一般論的に。
・選手の限界がチームの限界になるのは、至って当たり前の話ですし。
・ただそういう判断の"いい悪い"(判断力の高い低い)という言い方とは別に気になったことが今回あって。
・それは井出が行っている「判断」と、一般的にはむしろ"賢い"とされることの方が多い、近年のヴェルディユース産の有望選手たちが行っている「判断」の質の違い。(外部選手たちはとりあえず置いておく)
・三竿弟はもうよく覚えていないし潮音は特異個体だからとりあえずおくとして、渡辺皓太以降の世代かな?
皓太、藤本、森田、理仁、藤田等々といった面々。
・彼らの共通する特徴としては、系統立った育成の成果としてのかなりの程度の判断・選択の自動化・規格化と、それによるプレーの淀みの無さにあると思うわけですが。
・対して潮音の良い意味でも悪い意味でも"自動化"の色彩の薄いプレーには、潮音の個性の問題とは別にやはり育成的な世代の差があるような気はするわけですけど。
・潮音と皓太の間に横たわる"溝"というか。
・三竿も割りといちいち"自分で"判断しているニュアンスは濃かった気がするんですけどね、振り返っての記憶によると。
・まあそれはいいとして。
・とにかくそうした彼らのプレーの自動性規格性は、ロティーナ~永井体制に至るコンテンポラリーフットボール路線においてはしばしば優れた適応性・資質として表現されてはいるわけです。
・ただそれをそのまま延長して行った時に、個々のスタイルやポジション特性は別にしても、今井出が見せているような判断の"厳しさ"に至ることがあるのかというと、どうも僕にはイメージ出来ない
・コンスタントに80点以上の判断はするしチーム戦術が輝いている時は一緒になって光り輝くけど、そうでない時はそれほどでもないし、戦術を支えはするけど押し上げはしないという、そんな感じで終始しそう。
"井出"になる為には、何かもう一段"個人"的な契機や詰めが必要なのではないかなという。
・判断の個人化というか。

・まああんまりここら辺を二分的に論じたくはないんですけどね。
・"日本サッカー"的な課題として今優先度が高いのは、明らかに判断の"自動化""規格化"の方でしょうし。
・「ヴェルディユース」の育成が、その答えかどうかはともかく。
・上に挙げたような選手たちの国際レベルでの将来という目的においても、今彼らが見せているような資質は有効・必須であるようには思いますが、それがどの程度のものなのかそれだけでいいのかというような問題は、今後を見てみないとまだ何とも言えませんね。
・まずはマリノスに行った渡辺皓太、ポルトガルに行くらしい藤本寛也、それに続くだろう後輩たちの。
・...まあ現状でも藤本寛也は、結構"個人"性は高いように見えますが。レフティープレーヤーとしての個性がある意味"偏って"いるので、否応なくという部分も含めて。
・話戻して他ならぬ井出遥也自身も、"個人"性に頼った選手ではない事は、今年ヴェルディで見せているそれ以外の"規格"プレーのクオリティを見れば明らかなわけですが。
・ではなぜ一方で井出には"個人"的な判断の"厳しさ"もあるのかについては・・・。ごめん。ちょっと長くなり過ぎそうなので、今回は割愛(笑)。また次の機会に。
・今回特に言いたいのは、この試合(まで)を見ながら考えていたのは、ユースからであれトップチームからであれ、永井ヴェルディが"育てる"のはあくまで(上の言い方で言えば)"80点"的な判断なのであって、これからいかに永井ヴェルディなりにチームとしての整備が進んで行っても、今感じている個々の局面での特有の"甘さ""アバウトさ"のようなものは、最後まで温存されるだろうという事。(その一端としての、得点力不足?)
・そういうチームとして、強くなる可能性はあるにしても。(それで"J1昇格"出来ちゃったりする可能性も?(笑))
・その殻を内発的に永井ヴェルディが破ることは多分無くて、井出なり大久保なりレアンドロなりの外部選手が、独自に基準を提示して結果的にチームを変えて行くということなら、あるかも知れない。
・ただそれもあんまり"独自"だと、純粋清潔な永井監督は断固として拒絶するでしょうから、匙加減が難しいというか成り行き次第というか。(笑)

・...話通じてますかね(笑)。あんまり自信無いな。
・まあここらへんはね、ヴェルディのみならず"日本サッカー"のみならず、世界のサッカーというレベルで見ても色んな考え方色んな論じ方があり得るので、俄かには収拾し難いんですけど。
・"ヴェルディ"に限って言えば、「判断力」の問題と言った時に、従来問題とされて来た"アホだから判断が悪い"(意訳)というレベルと、"優等生だから判断が通り一遍"というレベルと、今回二層出て来ていて特に後者の方を主に論じてみたということを、とりあえずの整理として留意して下さい。(これごっちゃにすると話が始まらない)
・まああとあれですよね。井出が凄いと言っても祥平が凄いと言っても、井出はJ1(ガンバ)ではろくに出られなかったわけですし祥平もクラブでは出ていましたが代表には届かなかった選手なわけですし、それを考えると今ヴェルディがいるところは…と、若干絶望的というか気が遠くなる心持ちはして来なくはないですね。(笑)
・だからこそいかなる意味でも、あえて言いますが井出"ごとき"に見劣りしているようではヴェルディの"優秀"選手たちはまずいわけですけど。
・そういう観点からも、僕の"難癖"は受け止めてもらいたいなと。
・これからも言うと思いますが。(笑)


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テーマ:Jリーグ
ジャンル:スポーツ
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