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僕の知っているアグエロ
2021年05月26日 (水) | 編集 |
先日のエバートン戦、全然"引退"じゃないしありていに言えば"生え抜き"でも"バンディエラ"でもないのに、どんな"引退"にも負けない壮麗な"物語の完結"感と生え抜きバンディエラ並みの満場の惜別感を残し、その一方で正にその試合の2ゴールが示したようにまだまだ全然世界トップレベルの選手が次の活躍の場に移るだけというプロフェッショナルな爽やかさまで伴った、イベントとして完璧という以上のシティでのプレミアラスト試合を務め上げて見せたセルヒオ・アグエロ選手。(まあ本人はサッカーやっただけでしょうけど(笑))
まだCL決勝というどイベントでの活躍の可能性も残っているわけですが、逆に試合後はそれどころではない可能性も高いので、今の内に夜中に与えられた笑いと感動(笑)の返礼をここに記しておきます。


ペジェグリーニ時代のアグエロ

アルゼンチン(代表)にそういう選手がいることは勿論知っていましたが、さほど熱心な海外サッカーファンでもない僕がこの選手を特に認知したのは、たまたま興味を持って見始めたペジェグリーニ・シティの選手としてでした。・・・バティだのクレスポだのと比べると、同じアルゼンチンのトップFWでも日本での知名度はそこまでではなかったですしね。
シティ自体もNHKBSでやってれば見るという程度だったので記憶が定かではないですが、13-14シーズンだったか14-15シーズンだったか、当時はとにかく何かっちゃあ怪我でいない印象が強かったので、23試合出場にとどまっている13-14シーズンが有力でしょうか。(シティ自体は状況証拠から多分その前のシーズンから)

ではいた試合のアグエロについてはどうだったかというと、これがちょっと難しい。"BS"時代のシティと言って僕が思い出すのは、まずは何と言ってもヤヤトゥレであり(これが50%くらい)、次はアルゼンチンはアルゼンチンでもサバレタの方であり、それから勿論ダビド・シルバであって、なかなかアグエロの名前は出て来ない。何ならジェコの方が先に来る。(笑)
では印象的な活躍をしなかったのかというとそんなことはなくて、今でも映像が思い浮かぶ鮮烈なゴールがいくつもある。(ジェコには無い(笑))
ただ・・・一瞬なんですよね、それが。場面は思い浮かぶけど、場面しか思い浮かばないというか。僕にとってペジェグリーニ時代のアグエロは、「ちょくちょく謎のタイミングで謎のアングルから突っ込んで来て無闇に難しいゴールを決めるけど、それ以外は何してるかよく分からない選手」であって、毎年チーム得点王ではありながらアグエロの存在はある意味勘定に入れずに、チームを見ていた。アグエロのゴールは常にボーナス、例えそれが毎月であっても(笑)。もらってラッキー無くても気にしない、その時は給料(ジェコとか?(笑))の範囲で普通に暮らす。

要は"ストライカー"ということではあるんでしょうけど、アグエロのプレーの"唐突""瞬間芸"感はひときわ強烈で、それで脳がトータルな構図の中に記憶することを拒否する感じ(笑)。無いものとした方が安定する。(ゴール)「職人」というにすら、大人しく収まってくれない感じ。そういう"狡猾"で功利的な、言い換えれば「世間」ずれした感じとは少しずれる。それゆえ"馴れ"ない。
そこらへんは後述するアグエロのパーソナリティの独特さとも関係して来ると思うんですが、それについてはまた後で。


ペップ・シティでのアグエロ

そういうアグエロの元に、16-17シーズンから"ペップ"グアルディオラが監督としてやって来ました。
あくまで継続的で連続的で全体的なトータル・フットボールを推し進めるペップのチームで、むしろ"消える"ことで"外れる"ことで、そして"瞬間"的に爆発することでプレーを成り立たせていたアグエロは、当初苦戦します。言われたことは基本的にやろうとはしていましたが、予め"見られた"状態でそこから持続的漸進的に効果を蓄積して行くようなプレーは、"唐突"が身上(?笑)のそれまでのアグエロのプレーからはかなり隔たったもので、基礎能力の高さで何とかこなしつつも時に苛立ちや戸惑いを隠せない様子は見て取れました。またシーズン途中にはジェズスという、より若くよりペップの戦術的要求にジャストフィットした同ポジションの有力選手も加入して来て、主役交代の日が遠くない気配を、多くの人が感じていたと思います。

しかしそこからアグエロは、意外な反撃を見せます。徐々にペップの要求にも慣れて、それまであまりやらなかったポストプレイなども改めて効果的意図的にやるようになって、チーム戦術の中でしっかりした機能を果たすようになり、それだけでも立派なんですが、どうも話はそのレベルにとどまっていないように、僕の目には見えました。単に"適応"したという以上に、何か"中身"が変わってしまったような印象すら、ある時期以降のアグエロから僕は受けました。
どういうことかというと、つまり僕流に言う瞬間・断続・唐突(笑)の選手として既に世界一流の名手としてある意味完成していたアグエロが、ペップの指導と格闘する中でそれとほとんど反対のトータル・連続・関連蓄積の方向で、そうしたプレーの体現者として呼ばれた筈のジェズスすら凌ぐ積極性で、むしろ"生き生きと"(それゆえ効果的に)プレーするようになった。僕に言わせれば、「本質を曲げた」プレーで。・・・一般に瞬間が得意なら連続は得意ではない筈ですし(国内弩級のリベロだった闘莉王はボランチとしては役立たず)、逆に連続が得意な選手は瞬間の決め手は今一つなのが普通(それこそ例えば"ジェズスの決定力"問題)。だから"適応"や"レパートリーを増やした"という以上の勢いで新たなプレーを、ほとんど第一人者然とこなすアグエロの姿を、奇異の念と感動で、鳥肌が立つような思いである時期以降僕は見ていました。なんなんだこの人と。(笑)

しかもいったん"ストライカー"であることを要求される場面になれば、以前と変わらぬ"瞬間"の爆発力を見せるわけですから、当時のジェズスの立つ"瀬"ない心境を想像すると、涙が止まりません(笑)。売りの筈の"動き"であっさりとキャッチアップされ、決定力では言わずもがなの大差を見せつけられ。しかも言ってみれば伸び盛りの若手がリアルタイムの成長力でおじさんに負かされたわけで、悲惨です(笑)。そこで一回ポッキリと心を折られたであろうジェズスが、再び人数合わせ以上の積極的存在感をチームの中で取り戻したのは、ほとんど今季、20-21シーズンに入ってからようやくだったと思います。チームの新生/上昇と随伴する形で、アグエロの物理的不在にも助けられて?


"永遠の美少年"としてのアグエロ

話戻してそのアグエロなんなんだ問題。
その一つの答えというか、僕なりに見てああ!そういうことかとヒントめいたものになったのが、いつかのJSPORTS"Foot!"の回顧企画で目にした、アトレチコ時代('06-'11)の若きアグエロの姿。
・・・多分2008年12/12の『#18 亘さんのアミーゴを訪ねて At.マドリー編』ですね、手元に映像とかはありませんが。それが正しければ、1988年生まれのアグエロは、当時20歳ということになりますが。

その時のアグエロがどうだったかというと・・・。とにかく"美少年"でした(笑)、ノンケ("ストレート")の僕でもぎょっとするほど。形が整ってる整ってないというのもそうなんですけど、とにかく"透明感"が半端ない。生き物としての"純粋"さが、何かこの世の範(のり)から外れてるような。それで"ぎょっ"としたわけですけど。

アグエロアトレティコ1アグエロアトレティコ2


・・・拾った画像なのでずばりというわけにはいかないですが、"美少年"感としては例えばこんな感じ?"無垢"な感じは、伝わると思います。

それで何か芋づる式(?)に思い当たった、そう言えばアグエロってそうだよねと俄かに焦点を結んだのが、アグエロの瞳の時に不思議(不気味?)なくらいに"澄んでいる"印象。妙にすっと通ってしまって、変な言い方ですがそこに何も映ってないのではないかみたいな表情をする時がありますよね。

アグエロシティ1アグエロシティ2


単にびっくりしてるだけ?(笑)。いやいや。2番目とか、見れば見る程不思議な顔に見えます僕には。妖精さんですか?という。(笑)

更に付加的エピソードとしては、元マラドーナの娘婿にして初孫の提供者という"経歴"も加えたいかも。(笑)
・・・へええ、第一子2009年か、そんな若かったのか。
いや、だいぶ後ですけどこの話を聞いた時は、結構びっくりしましたね僕は。マラドーナの娘ですよ?そう簡単に結婚出来ますか?する度胸ありますか?(笑)。無関係ならまだしも、ど同業のアルゼンチンのサッカー選手が。日本のプロ野球選手が、おいそれと長島三奈氏(長嶋茂雄氏の次女)と結婚出来ますかみたいな話でね。
男として尊敬しましたね。僕にはとても無理、同様の立場なら。(笑)

まとめて何が言いたいかというと、アグエロって人並外れて"純粋""素直"な人なのではないかということです。
純粋で透明な、かつては超俗的な美少年であり今もその面影を瞳に残す。
同じ道の神がかった大先達マラドーナの娘であろうと、気にせず、あるいは素直に喜んで、あっさり結婚してのける。(想像ですが(笑))


アグエロの"魔"成長

つまりですね、ペップ就任後のアグエロの、僕から見ると奇異で異例で矛盾にすら見える部分のあった本質反転的奪胎的置換的"成長"、それを可能にしたのは、簡単に言えばこのアグエロの人並外れた"素直"さだったのではないかということです。そう繋がります。(笑)
しばしば意外で多彩な用兵と選手の成長を根気強く促すことには定評のあるペップですが、この場合の主体は促"された"アグエロ側の方により大きくあるだろうというのが、僕の見立て。じゃないとあの頃のアグエロの"成長"の速度感や突破力が、自分的に納得がいかない。適応は所詮適応でしかないし、それで新世代の"エリート"ジェズスをその得意分野で追い抜くまでは無理。ペップの"改造"ったってそんな簡単なものではないだろうし、これからの若手選手でもないのにそこまで立ち入って無理押しするとも思えない。ペップは単に敬意をもって公明正大に基準を示しただけで、一通り言ってみてそれで駄目なら普通に(部品)交換・移籍が待っていただけの予定だったろうと思います。

それに対してアグエロが応えた。恐らく誰もが予想しなかった深度で、敏感さで、"素直"さで。それまでの自らのプレーの"本質"にすら見えた特性すら、頓着せずにあるいは自覚なしに、ある意味壊して作り直せるような"素直"さ。
結構な大手術な気もしますが決して嫌々でも無理やりでもなかったのは、それによって"瞬間"の本能自体は殺されることが無かったという事実に、示されている気がします。

これがまあ、"美少年"アグエロ(笑)の鮮烈な印象と共に、僕に見える"ペップ・シティのアグエロ"の全体像ですね。その後加齢もあって(元々故障がちでもあったことを今回この文章を書いて思い出しましたが)コンディション不良(そう言えばコロナも)で出場機会が大幅に減り、その間にチームが"0トップ"を基本とするスタイルで安定してしまったことでさすがに元専任的ストライカーの選手として"別れ"を決断することになったのは、誰が悪いわけでもない致し方のないことだったと思います。それでも物理的に出続けていればそうした変化にすら対応出来たかもしれないという気はしないでもないですが。まあデブライネの使い方を見ても、アグエロがいればいたでペップは意外と普通にアグエロの専門性に合わせる形でチームを作った可能性が高いので、そもそも前提が違って来るかも知れませんが。
そこらへんも含めて、とにかくペップは"魔改造"はしていない、むしろアグエロの方が"魔成長"したのだというのが、小見出しの意味です。(笑)


以上、これが僕の知っている、セルヒオ・アグエロという選手です。
皆さんのと同じかどうかは、分かりません。(笑)
まあとにかく、約10年間に渡って色々な種類の驚きを、僕に与えてくれた選手でした。・・・ついつい"引退"に寄せた辞みたいになりがちですが(笑)。チャンピオンズリーグ決勝も頑張ろう!(どうも今いちまだ緊迫感が無い)


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テーマ:欧州サッカー全般
ジャンル:スポーツ
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