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女子バレー中田ジャパン コメント&記事集(2016-2018)
2021年08月11日 (水) | 編集 |
最初に言っておくと、就任前も就任後も、中田久美監督個人には期待も好感も特に抱いたことはないんですが、2015年あたりからぽつぽつと女子バレーを見出して、初めてリアルタイムで結成の最初から見る全日本の4(5)年間だったので、やはりそれなりの集中した関心を持って見たチームでした。
というわけで色々確認と勉強を兼ねて、主にチーム戦術的なキー概念について、それぞれの時期にどのような言語化がなされていたのか、見つけられた範囲で書き留めておきます。
重複も多いですがその都度文脈やニュアンスが微妙に違うので、含めて記録。


2016

中垣内祐一、中田久美が抱負を語る 全日本バレー男女代表監督 就任会見(スポナビ 2016.10.26)

中田 ひとつ言えることは高い、外国のバレーと同じことをやっていても勝てないということです。(中略)
私は結局バレーボールとはリズムだと。日本のリズム、日本のテンポで、どうやって点数を取るのかという点の取り方の部分。ここを確実なもの、質の高いものにすることによって、もう少し日本人の武器である器用さや忍耐力、つなぎや粘りというところにつながって表現できるのではないかと思いました。



2017

中田監督「伝説に残るようなチーム作る」 2017年度バレー全日本女子始動会見(スポナビ 2017.5.26)

中田監督 期待している選手は、もちろん木村(沙織)のような大黒柱がいなくなった今、第2の中心選手ということを考えると、これからは古賀、黒後。若い選手に1人でも多く、アンダーカテゴリから上がってきてほしいと思います。

中田監督 五輪であったり世界大会の数値を分析して、「レセプションアタック」。サーブレシーブからの攻撃の決定率が低かったのがポイントなのかなと。なので、まずはそこを徹底的に強化して、最低限でも自分たちがどうやって点を取るのかという「形」を作りたいと思います。非常に時間がかかる部分ではあるのですが、丁寧に時間をかけてやりたと思っています。

――最初に言われた5つの強化ポイント(「スピード」「正確性」「連係」「桁外れの集中力」「世界に負けない強さ」)を具体的に説明してほしい。

中田監督 高さとパワーでくる外国チームに対して、高さとパワーで対抗するのは限界があるというところで、身長が低い私たちが世界で戦うためには「スピード」「絶対的な技術」が最低条件だと思います。そのためには、「連係・コミュニケーション」が非常に大事だと思いますし、「集中力」というのは海外のチームを相手に試合をすると体力を消耗することが多いので、集中力が切れるとパフォーマンスが落ちてしまう。スタミナ切れですね。それをなくすということでこの5つを挙げました。



WGP2017前

中田久美と宮下遥、天才セッターの師弟が思い描く全日本女子の未来図 (web Sportiva/中西美雁 2017.6.26)

宮下 サーブレシーブからでも、フリーボールからでも、がんばってトランジション(スパイクレシーブ)からでも、同じようにいいテンポで攻撃するというのが、今みんなが挑戦していることです。


高さ以前に、日本は技術が足りない。中田久美が開始したバレー観の革命。 (Number Web/田中夕子 2017.7.4)

近年は女子バレーも男子バレーと同様に、サイドアウト(相手サーブ時に点を取ってサーブ権を取り戻すこと)よりもサーブからのブレイク(サーブ側が得点すること)をどう取るかをテーマとして掲げるチームが少なくない中、あえてレセプションからの攻撃力向上を課題にした。

高めるべきはAパスから攻撃に至るまでの準備のスピードと、切り返しのスピードの速さ。できるだけ速く、高さを出さずにパスを返し、セッターは素早くボールの下に入り、ジャンプトスで高い位置からセットし、スパイカーは相手のブロックが完成する前に攻撃準備をして打つ。

・・・トスを低くしろとは言っていないのは割と盲点。(全体の)"速く"が結果として"低く"を呼んでいるだけで。理論的には。

サーブ力も年々高まる中で、セッターにピタリとパスを返すのは至難の業でもある。攻撃枚数を増やすために1本目のパスは高く上げ、間を使って攻撃に入るのを主流とするチームが世界でも増える中、あえてスピードを武器とする。少しでも精度が落ちればリスクが伴うことは承知の上だ。

中田 確実に取らなければならない1点があるし、その取り方をどうするか。(中略)パスが返って、ブロックが1枚になって、圧倒的に攻撃側が有利なはずなのに決められない。どうして?と理由を紐解いて考えれば、スパイカーも、セッターも技術が足りないということ。

・・・2017年冒頭の「最低限でも自分たちがどうやって点を取るのかという「形」」に対応?

女子バレー 中田久美監督「誰がエースや軸になってくれるか期待」(The Page 2017.7.8)

──「久美さんのやりたいこと」「スピーディーなバレー」「速いバレー」についてもう一度教えていただけますか。

「間」ですね。(中略)パスの高さ(地上からセッターに渡るまでの高さ)でテンポや間を作ってもらいたい。テンポや間がいいからスピーディーに見える。

──キーマンは?

やっぱり1本目を触る選手でだいたい7割が決まりますよね。


全日本女子 中田久美監督に聞く(後編)「初年度は課題をひとつずつクリアするところから」 (バレーボールマガジン 2017.7.12)

中田:Aパスが入らなかった時の高いブロックに対しての点数の取り方は大事ですけど、それは既に世界の上位に入ってるんです。それなのに、現在の日本はAパスが入った時の数字がよくない。本来の武器であったものがなぜそうなってしまったのかと素朴な疑問を抱きました。

・・・B,Cパスアタックを避ける為のAパス重視ではなく、Aパス時が弱点だからAパスアタックの強化だというのがここでの論理。


WGP2017

中田新体制の全日本女子 、「世界」を認識 “スピードバレー”の肝はセッター(スポナビ/田中夕子 2018.7.18)

前週のオランダ大会では攻撃力と高さを重視し、オポジットに堀川真理を起用したが、仙台大会では新鍋理沙を入れ、ブラジル戦ではセッターの隣に入るレフトに内瀬戸を入れるなど、ガラリと異なる布陣で臨んだ。(中略)
新鍋が入ることによってレセプション(サーブレシーブ)が安定したばかりでなく、攻撃面にも変化が生まれる。特に効果的だったのが、オランダ大会ではレセプションも担い、攻撃でも多くのスパイクを放った古賀紗理那のバックアタックだった。

オランダ大会では両レフトの選手とリベロが3人でレセプションに入るのを常としていたが、1本目のパスから正確性とスピードが求められるため、前衛時の攻撃はあっても、バックアタックの打数は少なく、攻撃枚数が減り、相手にブロックポイントを献上する場面も目立った。
その課題を受け、仙台大会では後衛レフトの選手がレセプションから外れ、前衛レフトの選手と新鍋、レセプションを得意とするリベロの小幡真子が入り、レフトの古賀や石井優希が後衛時にはサイドアウトからでもバックアタックを打つ準備に入るようにした。古賀が「攻撃枚数を増やして相手のブロックを分散させようと思って積極的に入った」という攻撃は、特にタイ戦では高い効果を発揮。

ワールドグランプリの仙台大会では多くの課題も残った。
ミドルブロッカーの奥村麻依や島村春世の機動力を生かした攻撃や、新鍋や内瀬戸の個人技でラリーを制する場面もあった反面、スピードを意識するあまり十分に準備ができず、コンビうんぬんの前に(トスの)高さが出ず、力が乗ったスパイクを打てないケースも目立った。


日本には、“省エネ”バレーが必要だ。中田監督が新鍋理沙に託した役割。 (Number Web/米虫紀子 2017.7.21)

「ラリーが続いた時に、攻撃がレフトだけになってしまうのがきつい。ラリーの中でもミドルブロッカーや、あるいはバックアタックで切れないといけないし、そのためには1本目のコントロールがもっと必要。サイドアウト(相手にサーブ権がある時の攻撃)にしても、レセプション(サーブレシーブ)がちゃんと返っても決定率が4割を超えていないので、そこは継続して強化していきたいと思います」

・・・攻撃の"バリエーション"という問題意識は同じだが、だから1本目は簡単に高く上げて攻撃参加人数を増やすという主流の考え方に対して、逆に1本目の精度が必要というのが中田流。

「日本人が外国人選手とやる時って、ものすごく体力を消耗する。日本人同士でやる国内の試合とはまったく違う。それは(久光製薬の監督として)世界クラブ選手権を戦った時にもすごく感じました」
ネットから簡単に手が出る海外の大型選手と違い、小柄な日本人選手は、高さのある海外チームと対戦する時にはスパイクもブロックも常にフルジャンプしなければならないし、国内なら決まるスパイクも、高いブロックに阻まれる。だからフィジカル強化はもちろん、戦い方にも工夫がいると考える。
だから私はサイドアウトにこだわるわけです。とにかく1本で切ろうと。そうすれば体力を消耗しにくいから。」

「ただ、速いバレーを求めるとどうしても(スパイカーが)ヒットする場所が低くなるけど、そうじゃない。トスが何秒という速さじゃなくて、セッターが高い場所で離して、高いところでスパイカーに打たせる。これが一番速いバレー。それを間違えちゃダメ。そのためにも、1本目のところでちゃんと間(ま)を作ること。そうすれば周りの準備は絶対にできるので、速くもなんとも感じないはずです」

"トスの高さ"問題。再確認。

・・・最終成績:予選グループ6位


アジア選手権 [優勝]

グラチャン2017

全日本女子グラチャン韓国戦 会見コメント(中田監督)(バレーボールマガジン 2017.9.6)

――バックアタックの打数について。

今日の試合に関してはバックアタックを使っても決まってなかったと思います。確実にサイドで幅を使って攻撃していった方が有効だったと感じています。バックアタックを無理してまで使うケースが今日の試合に限っていえばなかったと思います。

・・・バックアタックの"立体"性よりもサイドの幅の"確実性"を好むという傾向は、この後も何度か見られます。

全日本女子 ロシア戦会見コメント(中田久美監督)(バレーボールマガジン 2017.9.7)

――攻撃のバリエーションについて。真ん中からの攻撃が少なく、バックアタックも見られませんでしたが、韓国戦同様、使っても決まらないケースであったのか、それともサイド中心にしっかり攻めていこうという戦略的な問題だったのでしょうか?

今日は、バックアタックは考えていませんでした。その代わり、サーブとレシーブ、サイドに速いトスの打てる選手を選び、ロシアのブロックは高いですが、横の動きに対して遅れてくる傾向があったので、バックアタックでいくよりもサイドできっちり攻めていくということでこの試合は臨みました。

攻めるサーブを打つために、レセプションアタック、サイドアウトを1本で切るという確実な武器があれば、サーブは攻められると思います。もちろん、ミスをなくすということもこれからの強化のひとつだと思いますが、どんどん攻めていく、なおかつミスをしても1本できる、連続失点はさせないという方向でできればというふうに思います。

・・・サーブ時に攻める為にもレセプションアタック。

グラチャンブラジル戦会見 中田監督(バレーボールマガジン 2017.9.9)

――今日は真ん中もパイプも積極的に使っていましたが、どういう理由ですか。

前回皆さんに、なぜバックアタックを使わなかったんだと言われたので使いました。


グラチャン後 [5位]

日本女子、グラチャンで見えた世界との差 課題は山積みも、大きな財産を得る(スポナビ/田中夕子 2018.9.11)

特に攻撃枚数やパターンの少なさは、2戦目のロシア戦でも顕著に表れ、チーム発足時に「4枚攻撃が基本」と打ち出していたものの、実際には攻撃枚数は多くて3枚。レセプション(サーブレシーブ)が乱れ、ここに上げるしかないという状況を除いても、攻撃枚数が豊富だとは言い難い状況だった。

・・・「4枚攻撃基本」発言の典拠は不明。

その理由を内瀬戸はこう言う。
「まずはAパスを返してミドルを使えるようにしなければというのが強くて、自分自身もレシーブに集中していました。(バックアタックが0本だったロシア戦は)事前のミーティングでフロントから攻めるのが有効だと言われていたのもあって、バックアタックはあまり考えていなかったんですけれど、バックミドルもバックライトももっと呼ばなきゃいけなかったと思うし、試合の中で戦術を変えられたら良かったのかな、と思います」

実際に打つ本数が少なくても、助走に入れば相手も警戒するが、助走に入ることすらなければ、当然警戒する必要はない。そうなれば、ブロックは前衛の攻撃に偏り、被ブロックの本数が増えるばかりで、ブレークのチャンスを失う。

ロシア、米国、ブラジル戦でスタメン出場した石井が言った。
「ただ速いバレーだけじゃなくて、全員が攻撃できるぐらいの軌道が安定したパスを出せればもっといいのかな、と。(中略)パスで間をつくって、セッターが一番取りやすい高さに返す。いろんな幅から打つために、もっと攻撃枚数を増やすために、そういう質がこれからは求められると思います」

・・・「攻撃枚数」も、あくまで「パス」(1本目)の精度で実現。


2018
ネーションズリーグ(旧WGP)2018後 [10位]

全日本女子が今季取り組んできた課題 バックアタックはなぜ使えなかったのか?(スポナビ/田中夕子 2018.5.25)

秋には世界選手権を控える今シーズン。4月にチームが始動した時から多くの選手が「速いバックアタックにチャレンジしたい」と口をそろえた。なぜか。理由は明確だ。
昨シーズンはほとんどバックアタックを使えず、特に前衛2枚時は攻撃が限られ、相手にブロックポイントを献上することも多くあった。その状況を打破し、アタッカーとブロッカーが対峙(たいじ)する際に少しでも数的優位な状況を生み出すには、攻撃枚数を増やし、相手のブロックの動きを遅らせなければならない。

だが、思惑通りにはいかない。練習ではできたことが、試合になるとできない。その理由を日本ラウンド初戦の米国戦でスタメン出場したセッターの田代佳奈美はこう言う。
「Aパスが入っても海外のチームは真ん中に大きな選手がいるので、サイドに逃げてしまいがちでした。しかも最初の1点をいい形で取れることがほとんどないので、自分自身も受け身のトス回しになってしまった。どんな状況でも使ってみないと使えるか使えないかは分からないわけだから、もっと序盤や中盤で使っていかなければいけなかったし、パスが崩れたことを言い訳にはしたくない。Bパスからでも、もっと先手先手でいろいろな攻撃をしなければいけなかったと思います」

当然ながらサーブで崩そうとするのが主流なのだから、パスの正確性ばかりにこだわるのではなく、パスが乱れた状況でどう展開するか。
たとえば銅メダルを獲得した2012年のロンドン五輪の前年や前々年はそのズレを修正すべく、Bパス以降、セッターが動かされた状況からトスを上げる場合はバックアタックに入るアタッカーもそれに合わせて動き、助走に入る位置を変えていた。加えて前衛2枚時にパスが乱れた場面やセッターが1本目をレシーブし、リベロがトスを上げる際も、相手が「クイックはない」と両サイドにマークを絞った状況であえてバックアタックを使うなど、攻撃枚数を減らさない工夫をしてきた。

同様に、今季の合宿開始当初は中田監督も「Bパスからでも積極的にバックアタックを使う」と掲げ、セッターの冨永こよみも「ネットから離れたアタックライン付近のBパスになっても、クイックを使う感覚で近い位置からバックアタックを使いたい」と話していたが、練習ではできても試合になるとなかなか発揮できない。


女子バレー中田久美監督が描く、「東京五輪メダル」へのロードマップ(Web Sportiva/中西美雁 2018.6.5)

――昨シーズンは新鍋理沙選手、内瀬戸真実選手というサーブレシーブが安定した選手を対角にして、古賀紗理奈選手や石井優希選手のサーブレシーブを免除する形で起用していましたが、その意図を教えてください。

「昨シーズンは、レセプション(サーブレシーブ)アタックの決定率と効果率、特にAパス(セッターが動かずにトスアップできるサーブレシーブ)のときの確率を上げることを目標のひとつとしてチームを強化してきたので、そこが崩れる場面をなるべく少なくしたかったんです。もちろん、古賀にも石井にもサーブレシーブに参加させて戦う必要もあったかもしれないですけど、それは今シーズンにやればいい。それよりも、相手にサーブ権を渡さず、サーブで自信を持って攻めていくというのが、私の中での優先順位でした」

・・・レセプションアタックの話をしているのにサーブの話になるのは奇妙な感じもしますが、恐らくはグラチャンロシア戦後コメントの"相手のサーブターンを確実に一本で切る→自軍のサーブターンが多くなる&サーブミスをしてもすぐサーブ権を取り戻せるから思い切り打てる"という話でしょうね。

――昨年のグラチャンバレー(ワールドグランドチャンピオンカップ)の後に、昨シーズンを終えた時点でのチームの達成度を「40%」と評価していましたが、今シーズンはそれをどれくらいまで上げたいと考えていますか?

「65%か70%といったところですね。セッター陣が成長して、黒後や井上といった若い選手が戦力として確立されれば、それくらいまでいけると思います。とにかくサイドアウト、レセプションアタックをしっかりして、サーブからも攻めていき、いい循環を作っていきたい。そのために工夫しながら練習していることが、実戦でどれだけ通用するか楽しみです」



アジア大会2018後 [4位]

「長岡を生かしきれない」全日本女子 アジア大会で突きつけられた厳しい現実(スポナビ/田中夕子 2018.9.3)

長岡の問題だけではなく、また別の課題が浮き彫りになった。長岡のスピード、攻撃を生かすためには1本目のパスを正確にセッターへ返さなければならない、というレセプション(サーブレシーブ)に対する意識だ。(中略)
パスが乱されると長岡の攻撃回数が減り、レフトからの攻撃が増え、連続失点を喫する。そうなると「パスが乱れた状況でどう攻撃展開するか」ではなく「パスを正確に返す」ことの優先順位が高くなり、石井、黒後、または長岡に代わりレセプションの名手である新鍋理沙を投入する。

だが、また別の問題が露呈した。新鍋が後衛に回り、セッターが前衛に入る3つのローテーション時の攻撃だ。
長岡や黒後が入る場合は、後衛からも積極的にバックアタックを仕掛けるため、前衛の攻撃枚数が2枚になっても最低3枚の選択肢が残る。だが新鍋が後衛に入ると守備の比重が高くなるためバックアタックがなくなる。バックアタックの助走に入ることもないため、相手ブロッカーからすればその時点で「バックアタックはない」と攻撃枚数は限られ、サーブの狙いどころによってはさらに攻撃の数を減らすことができる。

・・・若干分かり難い記述に思いますが、ライトに長岡がいるとバックアタックが打てるので攻撃枚数は増えるが長岡用のセットアップは繊細なので使える回数自体は多くなく、新鍋が入ればそういう厄介事は無くなるが新鍋自身はバックアタックが打てないのでいずれにしても攻撃枚数は足りなくなりがちという話か。


世界選手権(世界バレー)2018

全日本女子に生まれた「意識の変化」 バックアタックが奏功、広がった攻撃の幅(スポナビ/田中夕子 2018.10.5)

今季の2大会で浮き彫りになった課題を踏まえて臨んだ世界選手権。最も理想に近い形でバックアタックを含めた攻撃展開ができたのが、初戦のアルゼンチン戦だった。
レフトの対角に入った古賀紗理那、黒後愛が前衛からの攻撃のみならず、バックアタックに積極的に入り、高い打点から力の乗ったスパイクを次々と打ち込む。セッター対角のポジションに新鍋が入ったこの試合は、黒後、古賀が後衛時にはサーブレシーブから外れるためサイドアウト時も攻撃準備ができる。そこで序盤からセッターの田代も積極的にバックアタックを使った。

田代は言う。
ネーションズリーグの時はBパスからバックアタックを使っても効果がないという数字が出されていたので、試合をするうちに選択肢の中からバックアタックがどんどん消えてしまっていました。でも少しパスが乱れた時はアタッカーにも入る位置を変えてもらったり、いろんな連携が取れるようになった。自分の理想としては前衛からの攻撃とバックアタックを半々で使いたい。特にレフトの選手にはまずバックアタックから打数を上げていこうと思って組み立てをしています」

・・・ネーションズリーグの時の田中夕子氏の記事では"なぜか"練習通りに試合で出来ない的な書き方になってましたが、ここの田代の言い方だと"やるな"に近いデータがベンチから与えられていたということのようですね。今回"連携が取れるようになった"のは練習の成果なのか現場判断or自然熟成に近いのか、次の井上琴絵のコメントからすると前者っぽくはありますが。

リベロの井上琴絵はこう言う。
「セッターが前衛にいる時も、バックの2人が攻撃に入れる展開を作ろう、と練習してきたので、ラリー中もバックアタックが使いやすいパスを返すことはもちろんですが、攻撃に入る人の邪魔をしないように、というのは前以上に考えるようになりました。


全日本女子のストロングポイントは何か 「勝ち切れない」現状を打破するために(スポナビ/田中夕子 2018.10.12)

1次ラウンドはバックアタックの本数を増やすために、セッター対角に新鍋理沙を入れてレフトの古賀紗理那、黒後愛が後衛時はサーブレシーブに入らず、バックアタックに集中しやすい状況を作ることに重きを置いた。そしてその結果、確かにバックアタックの打数は増えた。
だが、2次ラウンドもそのまま同じ状況で進められるかといえば、そう簡単ではない。相手も1次ラウンドの戦い方を踏まえ、打数が偏る日本のレフトへのマークを手厚くする。

そこで新たに取り入れた策が、セルビア戦のスタートメンバー。黒後と古賀がレフトの対角に入り、長岡がオポジットに入る布陣だ。
前衛時もレフトの2人とリベロがサーブレシーブに入り、そのまま攻撃に参加する。そうなれば当然、相手も攻撃に万全の準備で入らせないよう、前衛レフトに入る古賀や黒後を狙う。(中略)それだけを見れば、やはり守備を重視したほうがいいのではないか、と考えるかもしれない。だが、実際はどうか。古賀はこう言う。
「オフェンス型といえば確かにそうなんですけれど、サーブレシーブの負担がかかるというよりも、攻撃面ではすごく助けられる意識のほうが強いです。もし多少パスが乱れたとしても(長岡)望悠さんがいてくれる、バックアタックがあるというだけで、すごく気持ちが楽になる。ここで自分が無理に打たなくても、リバウンドを取って逆サイドで切り返せばいい、と工夫もできるし、実際望悠さんの打数が増えるのでブロックも割れる。」

・・・"長岡"自身に焦点を当てていたアジア大会から、長岡を一つのピースとする相乗効果の方に焦点が移った、と言えなくはないかも。

中田久美監督「メダルを逃して悔しいが、最後まできっちり戦う」 女子世界選手権 イタリア戦会見コメント(バレーボールマガジン 2018.10.16)

中田:世界との差…。たくさんありすぎてわからないんです(苦笑)。ただ、やはり最低でもブロックが1枚になったときに確実に点数を取るとか、あとは点数が競ったときの精度、メンタルもそうですし、この1、2点の差が多分大きな差だったと思います。

――今大会の対戦相手各国の監督は皆さん、日本は速い攻撃とディフェンスがよいと言っていました。中田監督は速いバレーを目標に掲げてきましたが、ここまで世界選手権を戦ってきて、日本の武器は速さだと感じましたか? ほかに感じたこともあれば教えてください。

中田:やはり日本は地上戦では世界に負けてはいけない。そういう意味では、守備力、サーブレシーブが世界のトップであることは最低条件だと思います。それプラス空中戦でどこまで世界との差を縮められるかがこれからの課題なのかなと思います。

・・・記者の質問には答えずに、最初からの持論と常識的な話を繰り返してるだけという印象。心ここにあらずというか。

中田監督「光はちょっと見つかった」 世界バレー 米国戦後の談話(スポナビ 2018.10.19)

戦術的なことで言えば、トータルディフェンスが機能した時の日本はそう簡単に負けないということ、サーブレシーブが返れば互角な戦いができるという再認識。この大会が始まる前に「光を見つけたい」と言っていましたが、その光はちょっと見つかったのかな、と。
(中略)
ただ、発揮できたといっても6位なので、もう少しリードブロックにしてもコンビネーションバレーにしても、何が本当に必要なのかを検証していく必要はあるかなと思っています

(積極的に用いたいとしていたバックアタックへの評価は)確かに長岡が入って、昨シーズンよりは意識的にバックアタックを使えていると思いますが、拮抗した場面で点数につながるかと言うと、今日の試合に限ればあまり通用しないのかな、という感じはします。

世界との差がイマイチよくわからなくなってきていると言いますか、(イタリアのパオラ・)エゴヌ選手のようにブロックの上から打てるわけでもないですし、じゃあ何で点数を取っていくかというところで世界と同じことをやっていてはいけないなと思います。

・・・バックアタックには基本辛く、(それの常用含む?)世界仕様はあくまで拒否。

「世界で戦える強い日本」になるために トップ4との差を埋める鍵は技術力の向上(スポナビ/田中夕子 2018.10.20)

多くの選手が「出すべきものは出し切れた」と口をそろえたのが3次ラウンド第2戦のイタリア戦だった。
ここまで負けなしの相手に対し、サーブで攻め、攻撃を絞らせ、ブロックで締めるコースはどこで、抜いたコースを誰が拾うか、ディフェンスの関係を明確にする。1次、2次ラウンドでは同じボールを2人以上の選手が取りに行く場面も目立ったが、3次ラウンドでは相手の強打に対しても、ブロックとレシーブの配置を整えるだけでなく、チャンスボールやセッターが1本目を拾った後の2本目を誰が上げるか。直接数字には出にくい、細かな面も改善され、相手の攻撃が1本で落ちる場面は減った。

昨年はサーブレシーブやチャンスボールを低い軌道でセッターに返し、そこから速い攻撃を展開してきたが、今季は古賀や長岡、石井優希も「1本目は少しゆっくり、間を作ることを意識していた」と言うように、スピードばかりにこだわらなくなった結果、高い打点から伸びやかに打ち切り、得点につなげる場面も増えた。こうした結果も含め、サーブレシーブやパスも、何が本当に適しているのか。さらなる検証が求められるはずだ。

・・・"中田理論"サイドから言うならば、低く速く、かつ"間"を作った1本目をセッターに返せという話なんですよね最初から。"ゆっくり"と"間"の間に、必然的な相関は無い。そしてその"間"を使って"高い"トスをセッターは上げ、その高さを利してスパイカーは"伸びやか"に打つと。
それが現実的に不可能だったから、「低い/速いレシーブ&低いトス」と、「ゆっくり間を作った(高い)レシーブ&高いトス」という組み合わせが既成事実化されているわけですが。

黒後愛らアタッカー陣は好調も、全日本女子に2つの課題が見つかった(Web Sportiva/中西美雁 2018.10.22)

確かに田代は、ミドルブロッカーやバックアタックを織り交ぜたトス回しができ、スパイクレシーブにも優れている。しかし余裕がない展開になると、真ん中からの攻撃が減って同じアタッカーに上げ続ける癖があり、レフトへのトスが低くネットに近くなる傾向もある。

レフトへのトスの低さは、チームの約束事として"あえて"やっている面もある。1次ラウンド最終戦のドイツ戦に勝利した後、田代は「ミドルもバックアタックも使えてよかったが、トスが浮いてしまっていたので、途中から速く低くするように修正した」と振り返っていた。
ただ、低い上にネットに近くなると、ブロックをかわしたり、ブロックアウトを狙ったりすることが難しくなり、リバウンドがとれず"シャットアウト"を食らうことも多い。それについてはアタッカー陣からも「もう少しネットから離してほしい」「サーブレシーブがAパスで返らなかったときは少しトスを浮かせてほしい」といったリクエストがあったという。

会見での中田監督の弱気な感じを見ると、その"約束事"が都度の明示的なものなのか過去の発言や指導から何となく忖度しているものなのか、どっちなんだろう的な疑問も浮かばなくはないんですが、まあこれは憶測。

・・・最終成績:6位


続いて(2019-2021)編へ。


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テーマ:バレーボール
ジャンル:スポーツ
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