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その後の潮音 in 神戸
2021年12月08日 (水) | 編集 |
6/1に書いた記事で、最大6人の外国人選手が揃って巨大戦力化する神戸の中で、元々カタログスペック順/個人能力の足し算的に選手を使う傾向の顕著な三浦監督の下での出場機会にかなり絶望的な展望を持っていた訳ですが、その後更に大迫・武藤・ボージャンとビッグネームを追加してほとんど銀河系化するチームの中でのその後の井上潮音。


 6/6 ルヴァンプレーオフステージ第1戦 浦和戦 ベンチ外
6/13 ルヴァンプレーオフステージ第2戦 浦和戦 ベンチ入り
6/16 天皇杯2回戦 鈴鹿戦 先発フル出場

 6/19 J1第18節 ベンチ外
 6/23 J1第19節 ベンチ外

7/3 J1第21節 湘南戦 ベンチ入り
7/7 天皇杯3回戦 徳島戦 後半23分(in 以下同様)

7/17 J1第20節 セレッソ戦 後半19分
7/21 J1第22節 ガンバ戦 後半22分


8/9 J1第23節 柏戦 ベンチ入り
8/18 天皇杯 4回戦 名古屋戦 後半12分

・・・大迫・武藤・ボージャン加入

8/21 J1第25節 鹿島戦 後半43分
8/25 J1第26節 大分戦 後半37分

8/28 J1第27節 FC東京戦 後半45分

 9/5 J1第24節 ベンチ外
 9/18 J1第29節 ベンチ外
 9/24 J1第30節 ベンチ外
 9/29 J1第28節 ベンチ外

 10/2 J1第31節 ベンチ外
10/16 J1第32節 福岡戦 ベンチ入り
10/24 J1第33節 名古屋戦 後半43分

11/3 J1第34節 仙台戦 後半28分

11/6 J1第35節 徳島戦 ベンチ入り
11/20 J1第36節 横浜FC戦 後半13分

 11/27 J1第37節 ベンチ外
12/4 J1第38節 鳥栖戦 後半35分


・・・「イニエスタのバックアップの中坂のその又バックアップ」という順位付けは終始変わらなかったでしたし、9月に入っての5試合連続メンバー外の時はもうこれで今季は終わりかなという感じにはなりましたが、トータルで見ると"後半途中からの消極的交代要員"としての不安定なようで安定した(笑)地位は意外と不動だったなという。
中坂が先発ないし早目投入の時はその後に出場機会があり、そうでない時は無いと、もう分かり切っている感じでしたが。(僕の目で)いいプレーをしても地位は変わらない代わりにそうでもないプレーをしても余程重ならない限り次の"出勤"はあるという、出場給的なものもある契約でしょうし、ありがたいと言えばありがたい(笑)立場。
もっと出られない選手は各チーム沢山いますからね、神戸で言えば天才ボランチ桜井選手のファンなんかは、"井上なんかより桜井を出せ"と、思うことも少なくなかったのではないかと。

正直三浦監督の判断基準は僕にもよく分かりません。誇張抜きに(笑)毎試合、プレーへの疑念の声が神戸サポTLの名物的に並ぶ裏スーパースター郷家選手の先発固定を筆頭に、何か整然とした動かし難い順位付けが自身の中ではあるようですけど。
ちなみにこの間の潮音の具体的な交代相手を見てみると

中坂 4
小田 1
郷家 1
サンペール 1
菊池 1
ボージャン 1
イニエスタ 1
大崎 1

最初の3試合は中坂中坂中坂、天皇杯4回戦負傷交代の小田を挟んでその後一気にバラバラ化しますが、これは要するに大迫・武藤・ボージャンの加入で順位が下がり、より使われ方が場当たり化というかその時に休ませたい選手の代わりでしかなくなったというかそんな感じ。
一方で中坂の地位はむしろ高まって、中坂を替える場合はよりはっきりした意図のはっきりした選手を使うようになったという面もあるかと。前半は(潮音と)どっち使ってもいいから中坂が出て悪ければはい井上ね(その逆も)みたいな場面も多かったですが。
だから役割というのもあるような無いような感じでやり難いと言えばやり難かったでしょうけど。基本は運動量の補充と守備と繋ぎ、(余り無いですが)劣勢だったり余裕があれば出来れば攻撃にも貢献をという感じ。それ(攻撃)もサポの雰囲気としては望まれていても(お陰様で大して活躍しない割には愛されてました(笑))、ベンチが期待していたかというと結構疑問。同種の選手とカテゴライズされていたろう中坂との比較で言えば、生え抜きの若手の中坂を優先的に使うのはまあ分かるとして、特に"決め手""決定的な仕事"をする可能性という点で、中坂の方をより評価していたのは確かだと思います。


そんな状況下での、僕の目に映った潮音のプレーはと言うと。
実は悪くないんですよね。
初っ端唯一のフル出場の天皇杯鈴鹿戦は、長く出ていた割に終始役割を見つけられず右往左往していた印象で、フル出場も単に休ませる必要が無かったからでしょう、案の定その後3試合出場無し。
ただその頃チームがイニエスタ用のトップ下ありのシステムを(イニエスタ不在時も)常用するようになり、おこぼれで場当たり出場の潮音にも前目や中央でプレーに絡む機会が増えたせいか、特にサポ間の評価は微妙に上がって。やっぱり潮音は中央だみたいな持ち上げられ方をするのを(ヴェルディで中央で駄目だったからサイドに回ったんだけどなあ)と複雑な思いで眺めたりする日々が7月中くらいは続き。要は基本技能の再確認をされた感じなんでしょうけど。

明けて8月になると、そうしたプレー機会にも慣れたのか、僕の目から見ても潮音のプレー内容は上がって行って。小田選手の負傷アクシデントでたっぷり30分以上、"緊急"の切迫感にも後押しされて珍しく遠慮のない積極的なプレー関与を貫いた天皇杯4回戦に続き、大迫らの加入で使われ方は雑になってもそれぞれの機会を捉えて落ち着いた状況適合的なプレーをするようになって。
26節大分戦では、某Eiitoさんも満足の今季一番のビッグプレーなども。(笑)

一方ででもそんなことしても首脳陣(監督)には響かないんだろうなあ、具体的な期待の無い選手が偶然の出場機会で偶然の活躍をしただけなんだろうなという諦めもこの頃には出来上がっていて。(笑)
まあアシストしたしないというよりも、それ以前の絡みの良さに、それこそ郷家選手のオルタナティブ的な可能性を見て欲しかったんですけどね。でもそこは固定なので、むしろ"イニエスタの代わり"としてイニエスタばりのビッグプレーを連発することの方が、まだ"現実的"だったんだろうと思いますが勿論そんな事はそうそう起きず。ビッグネームたちの出場機会が安定して来た9月になると、順位通り押し出されてその後5試合連続メンバー外6試合連続不出場の憂き目に遭います。

ところが感心したのは、再び出場機会を得だした(理由は余りよく分からない。その間使われていた選手たちのプレーが不満だったのか)33,34節でも干される(?)前の落ち着きを継続していたことで、まあ何というか基準の曖昧な使われ方にも慣れて自分なりには自信を持ってチームに馴染んでるんだろうなという感じ。使われようが使われまいが。ただ一方でビッグプレーへのチャレンジへの意欲は滅多に見せる事が無く、選択肢があれば常に無難を選ぶという傾向ははっきりしていて、その姿勢が行き過ぎて通常のプレー水準にも悪影響を与えた感じの36節は結構酷いプレーで僕的に今季最低点をつけたりしましたが、最終戦ではそこらへんも多少盛り返した感じで今季が終了


今季トータルで見てみると。
イニエスタを筆頭とする外国人選手のコンディションが整わず、かつ古橋の1トップが絶対的にハマって中盤の枠に余裕のあった前半戦はほぼレギュラーとして出続けましたが、(のちを見ても)ベンチからの明確な指示の無いまま恐らくは昨季終盤のヴェルディでの役割を自ら参考に、とにかく走り回ってサポートに徹しようという感じで頑張ってはいましたが、チームメイトの期待や神戸サポのイメージ的にはもっと"クリエイティブ"寄りのプレーが求められていた感じで、頑張る割に浮いた印象のまま5月までが終了。
6月以降はすっかり後半途中出場限定選手の立場に定着してしまいましたが、プレー内容的にはむしろ上がって/安定していたと上に書いたように僕は思っています。・・・まあ何というか、ベンチを気にしてもしょうがないと、潮音も悟ったんですかね。真面目にやってもしょうがないと。ある意味。(笑)

まあいいんですよ、ベンチはベンチで。監督は監督で。それはただの"環境"ですし。言ってもそれなりに使ってはくれてる訳ですから。戦術がどうしたとかいう文句は、ここでは言いません。
確かに三浦監督は潮音を"活かす"ような何か意図の感じられる使い方はしてくれなかったですし、プレーの拠り所となる基準を与えたりもしてくれなくて、やり易いとは言えなかったろうと思います。与えられた出場機会で何をやろうと、特に扱いが変わる気配が無かったのも、上で書いたように事実。
ただそうやって"放置"された分、「余白」があったのも事実で、その余白を潮音が十分に/妥当に使えていたかというと・・・それに関しては僕はNOですね。どれだけ三浦監督の仕事に問題があったとしても、その上で潮音のプレーにも僕は駄目出しをしたいです。もっとやれることはいくらでもあったし、そのプレーをする上で潮音の技術や能力に不足があったとも、更に言えばJ2時代からの"成長"が何か必要だったとすら、僕は思いません。ただやらなかっただけだと思います、本人が。

簡単に言えば、"前"向きのプレー及びその為の精神的準備が、決定的に足りない。
ボールを運べる分は運ぶとか、ドリブルで少しつっかけるとか、決定的なパスやシュートが狙える時は狙うとか、そういうプレーの"可能性"が、何か普段は頭から抜け落ちてるように見える。その表れとして、意図の無いファーストタッチが凄く多いんですよね。ボールが来てから考えてる感じ。考えた挙句、やめとこと前向きなプレーを諦めて無難で迂遠な選択をする、その繰り返し。
その"前"まで、あるいは前向きなプレーが必要でないプレー場面はスムーズなんですけどね。そういう選択肢が視野に入ると、急にブレーキがかかる。
上では分かり易く"ビッグ"プレーとか言ってますけど、実際はむしろそうするのが流れ的に"自然"な「前向き」プレーを、あえて避けてるというかチームメイトとの比較でも"特に"しない感じ。なんなんだろうという。

逆に僕が良かったと思っている潮音の試合、
前半なら 4節の名古屋戦
後半なら 天皇杯4回戦名古屋戦(あれどっちも名古屋だ) 
の共通点としては、後半の30~45分のまとまったプレー時間が与えられたことと、チームが劣勢ないし均衡した得点状況に置かれていたこと。より細かく言うと0-1でサンペールと共に後半頭から行けと送り出された4節と、0-0下でスタメン選手の負傷で急遽残り30分で送り出された天皇杯4回戦と。
要は割と何も考える余地無く行くしかない感じて勢い良く試合に入った状況。その時に長過ぎず短過ぎないプレー時間を利して、いつもより深くプレー関与して積極的なプレー選択をしまくって、チームの"中心"として機能している。

だからやれば出来るんですよ。やらないだけです。尻に火が点けば(笑)やるんです。ただ普段余りに火が点かない、点け方が自分で分からないor点ける気が無いということで。
これが出たての若手なら、もっと頑張れ自信を持てと叱咤して平和に(?)終われそうな話ではあるんですけど、この選手も世に名を上げてから結構長いのでね(笑)。"栄光"の2016年から数えても、もう5年以上になる。だから問題はより根本的前提的なところにあって、簡単に言うと潮音は、プレーのデザインや企画を立てる、こういう風にプレーしたいこういう選手になりたいというヴィジョンや欲望を持つのが、不得手な選手なんだろうと思うんですよね、人並み以上に(以下というか)。"個人"になれないというか私欲を持てないというか。
代わりに周囲から触発されたり関係を調整するのは得意なので、状況に強いられて/従って無心でプレー出来る時は変幻自在の天才的なプレーメイクも出来る。でも"私心"で選ばなければいけない状況になると、選べない。結果としての無難な選択。選択"しない"という選択。

やりたいプレーが無い訳ではない、つまり潮音にも快適な状態とそうでない状態はあるでしょうが、それは結果としての内部感覚的なものであって外形的なプレー形式ではない(として意識されていない)んだろうと思います。だから私はこういうプレーをします、だからあなたはそれに合わせてこういうプレーをして下さい式の、ある意味ノーマルな"ゲームメーカー"プレゼンテーションが出来ない。周りは多分待ってるのに。
"戦術"的規律との兼ね合いも、むしろエゴがあった方がやりたいプレーがあった方が、どこをどう合わせたり作り変えたりすればいいのか分かり易い面があると思うんですよね。潮音はそれが無いので、合ってるような合ってないような状態のままふらふらして、別に我がままではないのに(むしろ我がままではないからこそ?)時間が経っても遅々として適応が進まなかったりする。
上手く回ってる時は「何でも分かってる」ように見える選手ですが、むしろ「何も考えない」ところに長所も含めた特徴がある選手だと言ったら、幾分語弊があるでしょうか。(笑)

誤解して欲しくないのは僕は潮音にゲームメイカーになれとか"中心"としてプレー出来なくては駄目だと言っているわけではないです。そんなのは今時、相当なレベルの選手でも、行く先々のチーム状況や戦術によって変わってしまうものですから。
そうではなくてもっとミニマムに、プレーの流れ的にむしろ自然である意味平均的な"私欲"を出せないところに、現在の潮音の最大の欠陥があって今後も問題になるだろうということです。その自然な"じゃんけん"みたいなものを前提に、例えばポジショナルプレーなんかも出来上がってる訳ですからね。グーを出していいという状況が作られても出さない選手は、流れを阻害する。
普通はまず私欲があってそこからの"積極的"プレーの究極として「王様」プレーもある訳ですけど、潮音の場合は王様やってる時はむしろ無心で私欲が無いんですよね(笑)。それは王様としては良くても兵隊としては不都合だったりするので。

じゃあどうしたらいいんだという話になる訳ですが、端的に言えば性格だからで終わってしまいそうになるのが今怖いところ。(笑)
一つは2020年のヴェルディが「中盤のゲームメーカー」から「前線の走り屋」(元々それだけだった訳ではないんですけど)への配置転換で強制的に積極性を引き出して混乱していたプレーの新たな整理をさせたように、今は"欲""プラスアルファ"として存在している"前向き""積極的"なプレーを、マスト・前提とするようなプレーデザインを、誰かがチームとして与えてくれるといいのかなとは思いますね。「私」であったものが「公」になれば、むしろ潮音は"無心"で出来る筈。それを繰り返している内に、個人の習慣としても"じゃんけん"がもっとストレス無く出来るようになってくれればな的な。
その為には明らかに"監督"の積極的関与が必要となる訳ですけど、三浦監督続投の神戸でそれを望むのは、現実的には無理だろうと思いますが。来年どうするんですかねえ、神戸にいるのか、出されるのか、いたとして同じような使われ方で、僕はまたこういうことを書くのか(笑)。まあ諸々現時点では分かりませんが。

結論として、潮音はJ1で/神戸で通用したのかしなかったのか
したと言えばしたと思います。J2からJ1に行って、特に潮音が新たな苦労をしたとは僕は思いません。フィジカルなども含めて予想以上に、そのまま通用したと思います。要はJ2で出来ていたことは、J1でも出来た。
ただ一方で、J1で出来ていない事は実はJ2でも出来ていないんですよね。だからJ1/J2という問題ではなく、「井上潮音」個人としての問題は、依然として存在している、所変わっても何ら解決はされていない。今季の潮音のプレーに物足りなさを感じた神戸サポは少なくないでしょうが、そのほとんどは"レベル"や"慣れ"の問題ではないと思いますというのが、プラスになるのかマイナスになるのか分かりませんが(笑)僕から言っておきたいこと。この人まだ本気出してないのでしごいてやって下さいというか。(笑)

頑張れ。(笑)


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テーマ:Jリーグ
ジャンル:スポーツ
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