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女子世界バレー2022まとめ
2022年10月12日 (水) | 編集 |
ベスト8でブラジルに敗れて終了。[試合結果]

いやあ、惜しかったですね。逆側の山(グループ)の試合は見てませんが、ここを越せば結構本気でメダルのチャンスだったかも。そのブラジル戦も十分に勝てた試合でしたし、素直に残念。
確かにこの大会のブラジルと中国は、例年に無い弱さだったと思いますが、オリンピックと並ぶこの重要な大会で手を抜いていた訳ではないでしょうし、あちらの事情はよく知りませんが日本は日本で伸びしろも見える以上、2年後に必ずその差がまた開いていると考える根拠も特に無いので、パリ五輪(までの2年間)は久々に"楽しみ"に出来る五輪になりそう。
正直期待以上の健闘でした。選手&スタッフの皆さん、ご苦労様。(でも勝てる時に勝っておかないとねえ、勝利の女神の後ろ髪は(笑))
Vリーグも少し真面目に見るか、という気にはさせる大会でした。


眞鍋監督のチーム作り・采配 [選手一覧]

グループリーグ序盤は特にチーム編成に疑問と非難の声が轟轟で、でもそれも仕方ないかなという状況でした。井上はともかく見るからに最初から疲労が溜まっている状態の古賀の二人のアウトサイドコンビのバックアップが、こちらはこちらで見るからに不調の石川一枚しかおらず、その癖その石川も含めた宮部妹・佐藤淑乃のアウトサイド3人を"ブレイク3"と称してピンチサーブ専門選手として扱う/枠を使うような謎の編成。そしてどんだけ他の選手に不満なのか知りませんが、強化試合ならともかく他ならぬ世界選手権の本番を、アウトサイドからの転向したての内瀬戸と国際大会初出場の福留で迎えさせるというこちらも謎なリベロの編成。
それでその"奇策"に効果があればまだいいですが、"ブレイク3"の監督指令によるジャンプサーブは一向に効果を上げず、リベロも特に目玉(?)のレセプションリベロ内瀬戸のプレーは後述するようにむしろ弱点になっていて。こちらも批判の集まっていた9/23の大会開始直前9/18まで行われていたB級参加国大会"プレ大会"へのフルメンバー参戦が誰の意向かは分かりませんが、その疲労を引きずるエース古賀の案の定の3戦目の故障離脱の時点では、"自業自得"の意味も含めて(笑)の終わった感は濃厚でした。

しかしそこから代わりにスタメンになった石川の大復活、そしてブラジルの絶不調にも助けられての数年ぶりの勝利を起爆剤にチームは持ち直し、"ブレイク3"も多少は(笑)機能し出し、所属の東レの同僚である新エース石川との関係の良好さも心強かったのでしょう、ここも議論の多かったポジションであるセッター関も試合を追うごとに安定して行って、ついには当たるも八卦くらいにしか多くの人が考えていなかったろう、"転向"ミドルブロッカー宮部姉が「日本で一番高い」という眞鍋監督の言葉通りの威力を攻守に発揮する場面が出て来るに至って、あれ?何だかんだ狙い当たってね?と手のひらを返す人が増えて行ったのではないかと想像します。(笑)
・・・急増レセプションリベロ内瀬戸だけは結局どうにもならずに、"専門家"福留のフル稼働という起用法に落ち着いてましたが。

まあ東京五輪の主力であった選手を代表実績の無い若手二人と並べてピンチサーブ要員に指名するくらいに眞鍋監督の大会前の石川の現状に対する評価は低かった訳で、古賀→石川の入れ替わりとそこからのチームの復活には偶然・幸運の要素も少なからず含まれていたとは言えると思いますが、毎度のことながら身体能力的に地力劣勢の日本の打開策にともかくも眞鍋監督が色々と工夫して編成の歪みも恐れずに種をまいていること、その種が運にも助けられて一応芽吹いていること、更に遡れば今大会でも威力を発揮した"速いバックアタック"戦術の有効性、すっかり主力に定着している井上の伝え聞く慰留と抜擢と、大きくはここまで眞鍋監督のヴィジョンは成功しているとまとめてもそんなにおかしくはない感想を持てる、今大会だったのではないかなと思います。

・・・どうしても納得が行かないのはピンチサーバーの起用のタイミングで、長い目で宮部妹や佐藤に成長の機会を与えるその為に定期的にポイントを無駄にする、それ自体は我慢するにしても、セットやゲームを決める本当に大事なポイントやコート内のメンバーでちょうど追い上げムードに乗って来たようなタイミングでポコッと未熟な選手が出て来てムードに水を差す、あるいははっきりと勝機を逸する、そういう場面が少なからずあったように思います。それはその他の選手の場合でも同じで、例えばベスト8ブラジル戦の第4セット(でしたっけ)最終盤のさして好調でもない元々サーブに当たり外れの大きい古賀のピンチサーバー起用も、全く要らなかったと思います。あれが無かったら古賀が放った気の抜けたサーブを返されての失点が無かったら、セット取れてたのではないかと、後悔が残ります。
起用のタイミングがある意味一貫しているので、いいと思って/ポリシーでやってるんだろうなとは思いますが。試合に勝つ為の"采配"としては悉くと言っていいくらいに失敗しているので、是非再考してもらいたいです。あとブレイク3はブレイク3でいいですけど、どう考えても3人も要らないので(笑)、育成・選別が終わったら普通に二枚替えのオプションも使えるような編成・起用法にして欲しいです。

しかしまあ、僕の見識の浅さもあってバレーの監督はサッカーの監督に比べるとほとんどみんな似たようなことしかやってないように見える部分は少なくないんですが、その中でも中田前監督と眞鍋監督はつくづく違うタイプの監督だなあ、戦術云々を越えてとことん気が合わないだろうなあ(笑)と感じさせられた今大会でした。論理重視で積み上げ型で、ある意味では実効性よりも方法論の見た目の整然性確実性にこだわる中田監督と、データなどもそれはそれで活用はするんだけど、本質的にはイメージ・直感重視で多少過程や道具立てが変でも実効性が"ありそうな"イメージに遮二無二向かう眞鍋監督と。それゆえに結果が悪いとただの支離滅裂・思い付きに見えるんですけど。(笑)
一方の中田監督は一見するとちゃんとしているように見えるし本人はそう思っているのではないかと思いますけど、"積み上げ"とは言っても要は積み上げ"易い"ところを積み上げているだけで、本当に勝つ為にあるレベル以上にとことんやる訳でもなく駄目ならそれっ切りで既存の方法論の練度を問題にするだけ。そして諦めて他の方法論を導入し始めた時には、特に何の論理性もその時には無い。

まあ"論理的"と"直感的"というよりも、"建前"型と"本音"型とでも言いたいですけどね僕は。眞鍋監督は眞鍋監督で目端が利き過ぎるので場当たり的ではあるんですけど、中田監督の場合は自分の好む"建前"に引きこもって場にちゃんと"当"たってくれない傾向が強い。建前で通用している間は確かに堅固なチームを中田監督は作るので、それぞれの資質が生きる場面はそれぞれにはあるんでしょうけど。少なくとも一発勝負の連なりの代表チームの監督としては、眞鍋監督の"場当たり"性の方が向いているかなという。何とかしようとはする。本気で。東京五輪のチームのように、なすすべもなく緩やかな崩壊過程で無気力に本番を迎えたりはしない。
挫折した優等生の脆さよというか。(笑)

まあどのみち日本がメダルを取ったりする可能性は、大差なく低いんでしょうけど。
次の世代にはもう少し二人を止揚したような監督も出て来てくれるんですかね。(笑)



各選手について

・石川真佑選手(OH)

なんか色々考えちゃいましたね。
この選手は高校時代から物が違うとは思っていて、身長が170そこそこしかないのを除けば間違いなく心技体いずれも"超"の付きそうな一級品の素材だなとは。
古賀に比べても好不調のあるタイプではないので、それだけに久しぶりに見た(視聴環境的理由で眞鍋ジャパンはここまでほとんど見れていない)国際試合での石川の見る影もない不調ぶりには、どこか悪いのかな"早熟"のピークの終わりでも来たのかなと、結構深刻なものを感じてしまったりしていました。ところが・・・
古賀の離脱でスタメンで出るようになってからは、割と早々に拍子抜けする程あっさりとトップフォームを取り戻したので、そんなにメンタル要因が大きかったのか、バレー人生でほとんど初めて"主力"扱いされていないことのダメージが大きかったのかと、驚くと共に逆にそれ以前に眞鍋監督との間で何があって"ブレイク3"なんてまとめ売りの扱いになってしまったんだろうと、シンプルに不思議になりました。復調と復権が、たまたま上手くタイミング的に重なったとかがあったのかな、解せんと。(笑)
まあ単なるプライドではなくて、"責任感"という意味で、それを背負い切るパーソナリティ的特徴も含めて、重用されてナンボの選手ではあるんだろうなとは思いますけどね。あの身長で二段トスを常時ハードヒットし続けるプレースタイル(ブロック怖くないのかな)には、相当な覚悟というか自分の"使命"への確信が無いと難しいでしょうから、やはりそれなりの立場の必要な選手ではあるんでしょうね。
より広くは、"チーム"スポーツと言いつつも"個人"スポーツ性が強い、それぞれの選手が1プレー1プレーに個人として背負う責任のサッカーなどに比べて極端に大きい(特にスパイカーは)バレーにおいて、"気持ち良く"やれること"自分のペースで"やれること、立場に自信を持ってやれることが非常に大きい、プレーが全く変わる、そういう事例を改めて見たなという経験ではありました。まず"いい"状態のプレーをちゃんと見てあげないと、ほんと判断出来ないんですよね、バレー選手は。逆に悪い状態の時は、ある意味みんな同じになるので。(笑)


・井上愛里沙選手(OH)

この人もタイプ的には本当は180以上あって欲しい正統派アウトサイドですが、"古賀の対角"(またはエース対角)として、プレー自体はきっちり安定してますね。ただネット情報によると夏のVNLでも前半良くて後半尻すぼみになったと聞きましたが、今大会も前半に比べて後半は得点力も見かけの覇気もなんか衰えた感じて物足りなくて、単純にスタミナの問題なのかなと思ったりしますが。
だとすると石川の復活した今後は、今大会古賀の負傷でたまたまそうなったように、古賀と出場機会を分け合う形になるのかなと思いますが。そして古賀が完調ならば二人のバックアップ的に。まあバックアップに井上がいるのは、かつての石井に比べてもかなり頼もしくはありますが。(少なくとも攻撃面について言えば)


・古賀紗理那選手(OH)

まあプレー全般については相変わらずやや大会/試合ごとのノリに注文が付くところはありますが、もう何回も力は証明し直している選手なのでとにかくコンディション整えてとしか言えません。着地が相手コートに寄り過ぎる負傷のパターンには何か技術的理由がありそうですから、そこら辺も出来れば調整して欲しいですね。
気になるのはサーブの当たり外れの大きさで、最初の2試合とかは重いプレ球のようないいサーブを安定して打ってたのに、その後はいい試合もあったけれど駄目な試合は本当に駄目で、何でそんなに試合ごとに分かれるんだろうと不思議です(昔からですが)。今大会に関してはブレてないというよりも、ブレる程強く打ててないという、単純に見るとそんな印象でしたが(駄目な試合は)。


・関菜々巳選手(セッター)

いや、これは。モノになりつつあるんじゃないですかね。
僕が女子バレーを見始めた2015年以降、正直日本代表のセッターって誰を使っても目くそ鼻くそというか(笑)、帯に短し襷に長しのレベルにすら達していない"選択"に感じていましたが、今回の関は本当に"正"セッターというか、関のプレーを基準に/基盤に代表のプレーを構築して行く価値のありそうな、そういう予感を抱かせました。技術的にも性格的にも、少し"固い"というか不器用な印象は基本ありますが、その分意思/意図は明確で、眞鍋戦術("速いバレー")の遂行意思もその為の適合性も、これははっきり監督が使うだけの理由を示すことに成功した今大会だったと思います。器用ではないですけど"決定的"なプレーを、他のどのセッターよりもしますよね。ヴィジョンがあるというか。このまま成熟して行けば、と思わせてくれます。


・内瀬戸真実選手(リベロ)

レシーブについてはそんなにどうこう言う気は無いです。必要以上に叩かれてましたけど、"アウトサイド"の選手の中では最上位クラスなのは、前監督時代の(新鍋と並ぶ軸としての)起用法からも明らかですし。眞鍋監督の言うように他のリベロたちと比べても"日本で一番"かはともかくとして。今大会見せてしまったオタオタぶりが、急なリベロ転向の動揺によるのか加齢による俊敏性の問題か、どちらが大きいのかは"今後"(あるとすれば)を見て判断したい感じ。
ただもっとこれは駄目だなと思ったのはトス質で、ほとんど常に変な回転がかかっていてあからさまに打ち難そうなトスになっていて、"第二セッター"としてのリベロの役割が当たり前になった近年においては、むしろそちらの方に常時それをやっている"本職"との違いが出るんだなあと、変な形で余り意識してなかった"本職"たちの陰の凄さを確認してしまった次第。(笑)
まあ含めて内瀬戸個人を責めてもしょうがなくて、本当にそんなにリベロに人材がいないの?と、そっちの方が疑問というか心配というか。上で言ったようにここまでの試合を見てないので、眞鍋ジャパン基準での比較は出来ないんですが。


その他
・林琴奈選手(OH) 書くことない位偉い(笑)。"優等生"界の最高峰。新鍋先輩のような魔法は無いけどこの穴の無さはさすがに凄いとしか言いようがない。
・山田二千華選手(MB) "素直"な"大器"は素直に成長中。大会中にブロードがすっかり国際水準に。
・宮部藍梨選手(MB/OH) 遠回りした&コンバートされた大器。高いねえ、スパイク(クイック)力さすがにあるね、当たり前だけど普通のスパイクも打てるね。楽しいね(笑)。完成目指して頑張れ。
・佐藤淑乃選手(OH) この選手がどうこうというよりも、サーバーへの不安で敵から帰って来たボールへの対応までチームごとぎこちなくなってたのが印象的でした。"ピンチサーバー"とはいえやはり"チーム"の一員なんだなと。良くも悪くも。


以上。


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テーマ:バレーボール
ジャンル:スポーツ
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