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'22W杯カタール森保ジャパンまとめ
2022年12月09日 (金) | 編集 |

グループリーグ
vs ドイツ代表 〇2-1 [得点者 : 堂安、浅野]
vs コスタリカ代表 ●0-1
vs スペイン代表 〇2-1 [得点者 : 堂安、田中碧]

決勝トーナメント
vs クロアチア戦 ●1-1(PK 1-3) [得点者 : 前田大]


"ベスト16の壁"の前に散る?!

・評価の難しいチームでした。
・グループリーグでドイツ、スペイン相手に成し遂げた二度のジャイアントキリングは快挙なのか進歩なのか。(あるいはどのようにそうなのか)
・その間に比較的あっさり落としたように見えた、"快挙"を台無しにしかねなかったコスタリカ戦はどうなのか。
・そして2002年、2010年、2018年に続いてまたもベスト16で、&2010年同様のPK戦で敗れ去った最終結果をどう考えるのか。

・まず問いたいのは、日本代表に存在するのは「ベスト16」の壁なのかということ。
・そうではなくて、「決勝トーナメント」の壁なのではないかというのが、結論的に言えば僕の意見。
・何を言っているかというと、まず6大会で4度もベスト16に進出している訳ですから、日本代表に「W杯ベスト16」相当の力があるのは、それはもう間違いないと言える筈で。
・しかしその一方で、FIFAランキングの信頼性を低目に見積もったとしても、2002年~2022年の間の日本代表がコンスタントに"世界16位"以内の実力を持っていたと、思える人はそんなに多くはないのではないかと思います。ランキング的にもそうですし(一応最高は2011年4月の"13位"らしいです)、その間の各国代表との対戦の体感的にも。
・だから"8"か"16"かと言う数字がそこまでビビッドに関係があるとは僕は思わないんですよね。勿論"世界8位以内"の実力を持ったことがあるとは、"16位以内"に比べてもより強めに(笑)思ったことが無いのは確かですが。
・しかしこうも毎回測ったように16で敗れ去る理由としては。日本以外の各国どうしの対戦結果を見ても、そんなにサッカーというのは厳格な結果の出る競技ではない(笑)。16に6回中4回なれるチームなら1度くらいは8になれても、全然おかしくはない筈。ここまで露骨に"壁"を感じる義理は、本来は。
・では何がこの結果/状態を生んでいるかと言えば、それは対戦状況の違いで、「グループリーグ」で同時に数か国の状況を見ながら自力他力入り混じったごちゃごちゃした状態の中で、相対的弱者の日本が一戦必勝の(得意の)捨て身の集中力で食い付けば、案外いい結果は出るし今回のようにドイツやスペインに勝ってグループリーグを勝ち抜けることもままある、あり得る。
・しかし敵が一国に絞られて&目の前の一戦でとにかく結果を出さねばとなった時に、その睨み合いに、それぞれにグループリーグを勝ち抜いて来た同格以上の相手とのそれに耐え得る実力は、グループリーグでは発揮出来た突破力を再演する力は無いと、そういうことなのではないかなと。
・つまり、例えばもし何らかの理由で大会のレギュレーションが変わって、「グループリーグの結果ベスト"8"までが決まる」という状況が存在すれば、4度の"ベスト16"チームにも改まっての"ベスト16の壁"は存在せずに、案外すんなりと"ベスト8"に残れてしまったりしたのではないかなという、空想。
・象徴的に言えば、パラグアイ(2010)にもクロアチア(2022)にも、ベルギー(2018)にだって、"グループリーグの中の1戦"なら比較的すんなり勝ててもおかしくはなかったのではないかという。殊更"壁"を感じることも無く。
・その場合でもしかし、「決勝トーナメント」の一回戦では、そこはこれまでと同様にあえなく敗れ去るだろうと思いますが。
・まあ本当に"ベスト8までが決まるグループリーグ"を日本が勝ち残れるかは勿論やってみないと分からないですが(笑)、言いたいのはつまり、今のところ(W杯の)日本代表が持つに至っているのは、「グループリーグは勝ち抜き得る」「決勝トーナメントでは勝てない」という実力だという事。
・"16"か"8"かは、そこまで厳密な問題ではないだろうと。

・それはそれとして、試しに具体的にどのチームならベスト8に進める可能性があった(高かった)かなと過去のチームを思い返してみると。
・結局一番高かったのは、最初の2002年のトルシエのチームだったのではないかなと今更ながら、個人的には。
・相手のトルコも力強くはありましたがまあまあ粗いチームでしたし、"実績""歴史"的にもそんなに当時の日本に先行していた訳ではなかったですし。グループリーグ最初の2戦で早々に突破を決めて余力を残して3戦目チュニジア戦も控えメンバーでクレバーに消化していたあのチームなら、大別すれば守備的とは言いつつも後の2010年や今回のチームのようになりふり構わず弱者の戦いをしていた訳ではない、構造的な余裕の比較的大きかったトルシエのチームなら。
・トルシエ本人が「決勝トーナメントはおまけ」と位置付けて、出場機会の少なかったメンバー中心の思い出スタメンを組んだりしなければ、あの時のトルコくらいには90分で勝っても全然おかしくなかった気がします。
・仕方ない、お楽しみは次回以降に残そうと、当時は考える余裕もあったんですけどね、まさかその後こんなに苦労するとは。(笑)
・見るからに精根尽きて、時間の経過を成す術なく見つめるしかない感じでPK戦にまで至った2010年&2022年のチームは置いておいて。(比較すれば90分/120分に関しては今回の方が2010年よりましだったとは思いますが)
・唯一"攻撃的"(少なくともニュートラル)という自認の元にグループリーグを突破し、ベスト16戦でもいったんはベルギー相手に2点のリードを奪った2018年の西野ジャパンはどうかというと。
・勝機が"見えた"時間帯があったのは確かですが、終わってみればまあそうですよねという結果で、"トルシエジャパンの対トルコ敗退"と比べても、納得感仕方無い感はあったかなと。何とかなったのではないか感は薄いというか。
・ちなみにほとんど同じ試合経過&結末になった2010年と2022年の比較を再度すると。
・1点は先行した訳ですし、上で言ったように90or120分の期待感という意味では、2022年の勝ちだろうと思います。
・しかしPK戦に関しては、2010年に比べても勝機が薄かった、負けるべくして負けた、偶然・不運以上の敗北感が残った、言ってみれば"後退"したように感じました。
・そんなことになった理由としては・・・というのが次の話。


カタールの森保ジャパンはどういうチームだったか

・ここまでの煮え切らない口調から予想は出来るでしょうが。
・僕は今回の森保監督の日本代表、ドイツとスペインを破り、過去最高タイのベスト16という結果を残したチームに、さほどポジティブな印象は受けていません。
・同じ"ジャイアントキリング"でも、いい加減古い話ですが(笑)'96アトランタ五輪でのブラジル戦の勝利のような達成感や感激は、今大会のドイツ戦スペイン戦にはありませんでしたし、同じ割り切った"弱者型"のチームでも、2010年岡田ジャパンのようなやるべきことをリアリスティックにやり切った/詰め切った質実剛健の美は今回のチームには感じませんでしたし。
"百姓一揆"...とか言っている人がどこかにいましたが(笑)、あんまりだろと思いつつも笑ってしまうというか変に納得してしまう部分も否めなかった。(笑)
・美しくはないよなあ、いかなる意味でも。
・森保監督及び当事者(の内の少なくとも"満足"寄りの何割かの人)にとっては、不公平な話だとは思います。
・ありていに言えば幸運でしかない1点を守り切って勝ったアトランタブラジル戦に対して、今回のドイツ戦スペイン戦の得点は、少なくとも確率論レベルではだいぶ再現性のあるものだと思いますし、岡田ジャパンとの実績ベースの比較でも、同じグループリーグ突破でも対戦相手のレベルは明らかに今回の方が上ですし、決勝トーナメントでも1点は取っている(&更に取れそうでなくもなかった)訳ですし。
・これ以上どうしろと、何が不満だと、言う権利はあると思います。
・ただ"不満"な点は割とはっきりしていて、簡単に言えば細部が粗い、雑だということですね。
・アトランタブラジル戦のチームの、実に粘り強い、弱いなりに隙の無い守備や戦いや、2010年岡田ジャパンの、闘莉王中澤や阿部や遠藤や本田を筆頭とする荒くれ3トップや、当時の日本の今と比べても豊富とは言えないなけなしのトップ人材を、唯一に近い合理性で配置し組み合わせたチームの完成感、詰め切った感に比べると。
・個人ベース、スタミナ&根性(笑)ベースでの頑張りには疑いは無いものの、全体として"人事を尽くしていた"感は僕には乏しく見えました。
・すばしっこく走り回る小器用な同タイプ同レベル人材がとりあえず大量にいる日本独特の選手層と、折り良く採用された交代枠5人制を活かし切った、物量と確率論的アウトプットに成否を委ねたチームマネジメントで期待通りに"良い偶然"を引き寄せてはみたものの、どの試合でもどの時間帯でも、攻勢でも守勢でも保持時でも非保持時でも、ほとんど安定感や計算感予測可能感を感じることが出来ずに、まあこれだけ頑張ってるんだから走り回ってるんだから、何らか何とかなるんだろうという、余りにも漠然とした"必然""天命"しか感じることが僕は出来ませんでした。
・だからその成果にも、"達成感"が余り。良い方の偶然という以上の。
・そしてその大雑把さ、"詰めてない"加減が一つ現われたのが、最後のPK戦かなと、感覚的には。
・勿論PK戦の勝ち負けを"批判"してもしょうがなくはあるんですけど、"確率論"的にしか統計的にしか戦って来なかったチームが、そういう"一定の幅"の中の平均化ではなく、目の前の待ったなしの"機会"に対してチーム力の積み重ねを背景とした集約した覚悟の据え方を、出来なかったのがあの誤解を恐れず言えば正直情けなくもあったPK戦での振る舞いとして表れてしまったのかなと。
・そしてその点においては、同じPK負けでも2010年のチームにすら見劣りしてしまったなと、そういう感想です。
・"勝負"する準備が出来ていなかった。
・理由付けはともかく、「強く蹴れなかった」という悔いを森保監督も語っていましたが。

・ただそういう僕の感じる、簡単に言えば"完成度の低さ"。現象としての。
・それは"たまたま"今回のチームがそれに至らなかったとか森保監督のチーム作りが"失敗"したとは僕は思っていなくて。
・そもそもそういうチームであって森保監督の狙いは基本的に実現していると、そう思っています。
・そもそもの計画の中に、僕が言うようなタイプの"完成度"は含まれていなかったのだろうと。
・不要だと判断していたのか単に出来ないことはやらないと割り切っていたのか。
・ドイツ戦スペイン戦それぞれの後の感想として、こんなことを僕は言ってましたが。


・途中は途中で色々あったようには思いますが、結果としてカタールの森保ジャパンがどういう設計図のチームだったかを簡単に言うと。
個々の選手の能力+作戦/ゲームプランで、そのは特に何も無し、または走力と運動量の総計が統計的にもたらしてくれるだろう恵みに任せると、そういうシンプルなチームだった気がします。
・勿論そうは言っても何らか選手は配置する訳ですし、特に相手とのマッチアップについてはそれなりに考えていたようには見えますが、ただ基本的な攻守を効率化する/より楽に安全にプレーする為の構造作りは、本当に最低限だったように思います。
・そこはもう、頑張れと、走れと、それで何とかなるだろうと、または何とかしてくれと。
・結果まあまあ何とかはなった(笑)訳ですけど。少なくともドイツ戦とスペイン戦については。(むしろ力関係が曖昧で割り切り難いコスタリカ戦の方に、構造の脆弱さの難は出ていた気がします)
・昔「接近・展開・連続」時の岡田監督は、「それぞれが相手より1kmずつ多く走れば全体で10kmのアドバンテージが生まれる」的なことを言っていましたが。(笑)
・ただあれもそれによって相手に"優る"部分を作る為の方策であって、基本構造自体を運動量で賄おうとはしていなかった筈。(少なくとも森保ジャパン程は)
・そういう意味で、僕の知るオフトジャパン以降の日本代表でここまで一切の美意識的なものに拘泥せずに割り切ったチームは初めてだったと思いますし、一方でことストラクチャーということに関しては世界にキャッチアップするどころか過去の"日本代表"に比べても見劣りがして(比較出来るのはジーコジャパンくらいか)、それが上で言ったような"感激しない""達成感が無い""いかなる意味でも美しくはない"という僕の無慈悲な感想にも繋がっている訳ですね。
・そしてにもかかわらずの"成果"を可能にしたのが、身体能力・運動能力を中心とする現日本代表選手たちの全般的なレベルアップであり、加えての交代枠5人制への変更・定着であり。
・更にもし今大会の戦いが成功でかつ概ね森保監督の計画通りであったと想定するならば、美やら効率やらとは別の次元で、それらの要素を"当て込んで"いけるやろうと判断した、森保監督の見立ての確かさだったということになるだろうと思います。
・釈然としないところはありますが。(笑)
・ただここまでのチーム作りの過程を見ていてもストラクチャー勝負ではどのみち相手になりそうもなかった訳ですし、出来ること必要なことを選り分けて選択してやらせ切って、本番で概ね合格点の上下幅の範囲に収まるだろう結果を出したことについては、仕事をしたと評価はせざるを得ないだろうと思います。
・確かに選手の能力頼みの部分は大きかったと思いますが、"頼み"方自体は失敗していない訳で。ジーコやザッケローニと比較しても。
・釈然とはしないですけど、やっぱり(笑)。これが望んだ"進歩"の姿なのかと言われると、おもてたんとちゃうなあとは思いますけど。
・結果のみを評価対象とするというならば、ベスト8まで行ってこそという見方もあるだろうとも思いますし。
・ただまあ、戦前の予想からすればね、僕自身(笑)のも含めて。
・よくもまあやったもんだなとは思いますね。


森保ジャパンとハリルジャパン
・まあやっぱ釈然とはしないんですけどね。
・少なくとも今回の選手層で到達出来る、あれがベストのチームだとはとても。
・例えば鎌田とか久保とか上田もそうかもしれませんが、勿論柴崎も含めて"速さ"以外を主武器にする攻撃の選手が、今回のチームで持ち味を出す余地があったのかというと、そこは非常に疑問があります。それらの選手たちが殊更遅かったりさぼったりはしなくても、言わば"走力"自体が"構造"である以上、そうした選手たちを活かせる構造を別に用意するのは難しかったろうと。
・一応"速い"部類であるだろう三笘だってね、本当はもっとちゃんと"発射台"を用意した上で使ってあげたかったですし。
・そしてそうした事とも関係して、例えば同じ守備型のチームであった2010岡田ジャパンが、それを前提として少しバランスを攻撃に寄せるような"発展"の期待やイメージを、次のチームに繋げたようなことが、"構造の無い"森保ジャパンに出来るかというと、それも難しいように思います。
・あくまで今大会用の"方便の極致"であって、普遍的一般構造的な部分が乏しいので、"引き継"げるとすれば森保さん本人だけであろうと。

・と、つい愚痴の続きを言ってしまいそうになりますが(笑)、ただより広い視野で見ると、森保さんが描いた(ように見える)「個人能力+作戦で真ん中は無し」という設計図は、実は日本代表にとって厳密には初めてではないようにも。前言を翻すようですが。(笑)
・つまり解任されるまでのハリルホジッチのチームが、大別すれば正にそういうチームであって、その"真ん中が無い"部分が日本人には未体験で戸惑いがあって、上手く行っているのか行っていないのか判断がつかない、勿論美しいとも感じられないし不安な気持ちにどうしても駆られる、好き嫌い別にしても監督を信じていいのかどうか分からない・・・こういった心情が確かにそれなりに広くはあって、あの解任劇の遠因の一つになったのではないかと思います。
・勿論当時も今も、解任自体には僕は反対でしたが。必ずしもハリルホジッチを信じていた訳でも好きだった訳でもないですが、出場権まで獲得した以上、仮に失敗するにしてもちゃんと(本番で)失敗させた方が、日本代表にとって遥かに有益な経験になったろうと思っていましたが。
・ともかく特にハリルホジッチを好きだった人には余り納得し易い定義ではないかも知れませんが(笑)、僕自身はハリルホジッチがやっていたことと今回森保監督がやったことの間には、本質的に似た部分が多いと考えています。
・勿論ハリルホジッチが持っていたレベルの分析能力や対策能力は、恐らく森保監督には無いだろうと思います。
・同じ個人能力ベースでも、"駒"としてピンポイントで駆使する(しただろうと思われる)ハリルホジッチと、人材のプールの統計的成果に期待する森保監督では、そこは違う部分も大きいでしょうし。
・ただ例えば一時期にっちもさっちも行ってなかったハリルホジッチのチームを原口の超人的走力が救ったような現象を思い出せば、構造レス/走力が構造のような性格が、ハリルホジッチのチームにもあったことは否定出来ない筈。
・それはそれとして一方で森保監督の強みとしては、ハリルホジッチには無かった日本人が日本人であることの肯定感、そこからのモチベート力みたいなものがあるだろうなと。
・別にハリルホジッチが殊更日本人選手に否定的に対したとは思いませんが、歴代外国人監督の中でも際立って汎サッカー的というか普遍的(ヨーロッパ的?)立場にのみ立って対していたように思うので、それが結果的に当時の日本人にとっては"否定"のニュアンスが強い部分はあったとは思いますね。2022年だったら、またどうだったかとは思いますが。
・ハリルホジッチで2018年の大会でどういう結果が出たか。それは正直分かりません。あえて二択を迫られれば(笑)失敗の可能性の方が高かったように思うと言うかも知れませんが(笑)、特に確信がある訳ではありません。

・2人の比較としてはこんなところですが、実際問題森保ジャパンにハリルホジッチリベンジという性格はあるしあったように思うんですよね。
・それには森保監督という人をどう考えるかということが関係して来る訳ですが。
・駄目な日本サッカーの象徴で和式の代表だとあっさり考えている人には、何を言ってるんだとしか思えない話かもしれません。
・でも僕は決してそうとは思っていなくて、確かに"ジャパンズウェイ"的な協会の方針・注文に沿ったチーム作りをしていた部分はあって、特に「現場の対応を選手に任せる」云々の部分はそうだと、あえて"方針"としてやっていたことだろうと思います。
・ただそれはそれとして決して典型的な日本人監督でもあるいは情緒的国粋的に(?)日本オリジナルにこだわったりするタイプの人ではなくて、むしろ非日本人的とすら感じることのあるドライな合理主義者という方が、本質に近い人なのではないかなと。
・だから今回のような、(僕が見るに)ある種身も蓋も無い割り切りも出来た。
・少しややこしいのがジャパンズウェイ的な"選手の自発性"主義と結果的方便としてのストラクチャーの放棄が、現象として重なり合っていることで、そこらへん森保監督の中でどうなっているのか区別されているのか、そこは少しよく分からないところ。
・逆に2つが上手いこと重なっていたから、実行がスムーズだったのかもなと、後付けですが思ったりはしますが。
・とにかく変わった人だとは思います。見かけによらず、日本的な"情緒"(笑)的なものの欠落した、恐らくはとても頭のいい。
選手時代からそうでしたね。
・アマチュア時代からいち早くオフトの薫陶を受けて、オフトが日本代表に持ち込もうとしたヨーロッパ的なサッカー観の翻訳者実行者として代表チームでもあった"ディフェンシブハーフ"(当時の言い方)森保一。
・日本リーグ以来の古強者たちとそういう意味での違和感が発生するのはほとんど予定通りだった訳ですが、何かそれ以上の個人としての違和感を僕は感じていたというか、あるいは当初にあった違和感が後々まであり続けた、いつまで経っても"馴染"まない選手だったなと。
・"オフトの翻訳者"としての「役割」が一つあり、またそれゆえに重用はされたんですが、いちサッカー選手としては当時の日本基準で言ってもボール扱いや機転には平凡なものしか持っていなかったという、「特徴」ないしは能力の問題があり、これら二つの合算として選手森保一はあった訳ですが。
・そういう特殊性を理解はしつつも、それにしても"オフトの翻訳"以外のことを何もしないな、教えられたことの優秀で忠実な実行者ではあるんだろうけど、それ以上のやりながらの自然な馴化や変化や成熟みたいなものが極端に無い選手だなと。
・"オフトの選手"ではあるのだろうけど、果たして彼は「サッカー」選手なんだろうかと。極端に言えば。
・サッカーに興味があるんだろうかとまで言ったら、さすがに言い過ぎでしょうが。(笑)
・例えば同じ"オフトの申し子"の高木琢也が、オフトジャパン解散後にJリーグでの経験でどんどん変わって行って、当初オフトが期待していたように見える(忠実なポストプレーヤーという)役割とは必ずしも一致しない方向で"成熟"して行ったのに対して。"サッカー"選手になって行ったというか。
・あれが言わば、自然な姿だと思うんですけど。
・まあ高木琢也に比べても、基礎能力が平凡でそもそも出来ることが限られていたというのはあったのかも知れませんが。
・それにしても、最初から最後まで、どのチームでも(機械のように?)同じプレーをしていたなあという印象です。
・より間近で見ていた人からすれば異論もあるかも知れませんが。
・言いたいのはだから、彼が割と極端な合理主義者であって、"日本人"であるとかあるいは"サッカー人"であるとかいうような、文化的脈絡では頭を使わない人なのではないかということ。
・"サッカー"があってサッカーについての"理"があるというよりも、(ある特定の)"理"の観点からのみサッカーを見ている、サッカーと接して来た人というか。
・むしろラップトップ監督とかの類に近い人なのではないかなと。
・なかなか余り賛同が得られそう主張ではないですか。(笑)
・ただ恐らくオフトに見出されなかったら代表選手なんかには、ひょっとしたらJリーガーにすらなっていなかったタイプ/ランクの人のように思うので。
・そういう"選手としての不器用さがむしろ指導者としての割り切りの良さ思考の柔軟さに活きている"、ラップトップ型(?)の監督像に、大きく言えば当てはまるようには思います。(トルシエでもアリーゴ・サッキでもいいですけど例示としては)
・あるいは上では森保一に比べれば随分"サッカー選手"であったと評価した高木琢也氏も。
・監督としてはイタリアマニアの、同世代の日本人監督の水準からするとだいぶ"ラップトップ"な感じの人でしたから。
オフト学校恐るべしというか(笑)、他にどこかに生徒はいないのかみたいなところも。(笑)
・森保監督高木コーチとかで一遍やってみない?というか。(若干サッカーのタイプが合わない気はしますが)

・勿論森保監督に"戦術"的な緻密さは到底なくて、そこが"ラップトップ"監督との比較を難しくするところではありますが。
・ただそれはある意味の志向的適性的なたまたまで、"サッカー外"思考という意味での共通性はどうも僕は感じてしまいます。
・それを戦術(の緻密性)としては表現せずに、戦術の切り捨てとして表現しているというか。(笑)
・結果としてとにかく、日本サッカーにとっての"エイリアン"的な非人間性(笑)合理主義性として、ハリルホジッチと共に歴代代表監督として特異な位置にいると。
・具体的にやったことも大枠(個人+作戦)としては似ていたし、就任当初からのはっきりした"縦"志向を見ても明らかにハリルホジッチ改革を引き継ぐ意思はあったろうと、やや駆け足ですがそれが僕の認識。
・少なくとも"西野ジャパン"の後継者ではない。
・一方でそこに「ジャパンズウェイ」ドグマもかぶさって来るので、そこで話が分かり難くはなる訳ですけど。


・最後に結局今大会のチームとそれが残した成果をどう考えるかですが。
・うーん、難しい。
東京五輪のチームまでなら、それまでの"日本サッカー"の流れで考えられたし、僕も考えておいたんですけどね。
・ただ今回のチームは、どうも孤立感の方が強い。
・問題意識や(スピードや運動量などの)表面的な特徴は引き継いでいるようで、しかしその運用・実行で更に思い切った踏み込みをした結果、もう"森保監督の"チームとしか言えないものになってしまっていたように思います。
・それこそ比較対象がハリルホジッチくらいしか思い浮かばないような。(笑)
・今後今回のチームが"基準"となったりするんでしょうか。
・あるいは次の監督が、その基準に拠りながら今回のチームに足りなかったストラクチャー部分(だけ)を補強するような、ご苦労なことをしてみてくれたりするのか。
・どうもイメージしづらい。いちから作り直した方が早いような気がする。
・まあ基本ある監督のチームを次の監督が"引き継"いだり"発展"させたりなんてのは、机上のプランというかかけ声だけの出来ない相談であることが圧倒的ではあると思いますけどね。
・しょうがない、ハリルホジッチをまた呼ぶか。
・リベンジは本人にやらせるか。
"論理的"にはそれが一番継続・発展の可能性があるように真面目に思いますが(笑)、勿論実現可能性については検討の価値ゼロでしょうし、本当に望んでいるかと言われるとどうもすいませんという感じにはなります(笑)。色々しんどいです。
・やるならメタバースか何かで、別の世界線で。
・恐らくこれからサッカー論壇で論じられることの最大はやはり洋式/和式問題にはなるんでしょうが、そこには直接立ち入らずに"森保ジャパン"単体を主題としての、僕の議論としてはこんな感じです。
・森保さんが続ける場合はね、あんまり議論の必要が無いような、つまり結局はその都度手に入る資源・条件の下での「方便」を繰り返すだけになるんだろうと思いますから、今回の"成功"体験も踏まえて。
大会数か月前くらいから論じ始めれば事足りそう。(笑)

まあでもともかく、"論ずる"ことがあるような結果・内容になって、それは良かったですよ。
繰り返しになりますが、戦前のムードを考えればね。(笑)
ご苦労様でした、とりあえず。


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コメント
この記事へのコメント
フェアであろうとする意志すらない。自分が好きじゃないものや見抜けなかったものを受け入れず否定しようとする人たちの批判や自説を守るための検証への扇動がかなり目につく現状で、

気に食わないところがあると正直でありながらも(笑)、結果が出た以上は何か良いところがあると認めた上でそこをなんとか拾おうとする、起こった事実をそのままに読み解こうとする気概に溢れてるなと個人的に感じた良記事でした!

流石に大袈裟かもしれませんが、アトさんみたいな人を見ると日本のジャーナリズムに対して少し安心できます(笑)

ただこの記事でも言及されてますが、森保監督の評価が厳しい主な理由である、積み上げたものがなかったそしてそもそもその能力がないであろうという点ですが、
今回のベスト4のチームや前回のファイナリストであるフランスやクロアチアを思い出しても、別に積み上げなんかなくとも、今現在の資源を出来るだけ効率よく使おうとしているだけのチームが勝ち上がっているように感じます。
つまりナショナルチームの監督を評価するにあたって、積み上げる能力ってそんなに重要な指標かな?と疑問に思っております。

その点はアトさんはどう思われますか?

2022/12/15(Thu) 14:05 | URL  | 名無し #-[ 編集]
コメントありがとうございます。
結果的に八方立てつつ八方に悪口言ってるような感じにもなってる気がしますが(笑)、おっしゃるようになるべく事態をフェアに見ようと努力した結果ではあるのでそこはまあ仕方がないということにしておいてもらいたいです。(笑)

ご質問の件ですが、「積み上げ」ないのも「今現在の資源を出来るだけ効率よく使」うのも、それ自体は構わないというか標準的な勝ち筋ではあると思います。近年(のW杯)ますますその傾向が強くなっているというか。
問題は程度問題(どれくらい積み上げが"無い"のか)やその"効率"そのもので、その点において挙げられた諸チームや僕の文章で言えば2010年の岡田さんのチームに比べても、その方向性における到達度や効率が見劣りするな、もっと強くなれたあるいはもっと楽にスムーズにプレー出来たのではないか、今回活かし切れなかった選手たち含めて同じ選手たちの能力をもっと前向きに使えたのではないかなというそういう話ですね。
・・・ただあれなんですよね、効率が悪い、やたら走り回っている(個々の走力に依存している)ゆえのカオスが、結果的に爆発力に繋がっていた可能性も否定出来ないので、整備したら"強く"なるとも実際は限らないんですけどね(笑)。そこまで含めて計算していると感じられたらもっと評価はポジティブになると思いますが、当面はある種の怪我の功名(ジャパンズウェイ要素もその一部?)含みである、そもそも"整備"する能力自体が無いのではないかというのが、4年間の過程の観察含めてのここでの評価ですね。

代表監督に必要な能力については、昔(正確なところは分かりませんが多分2014年以前)に比べても更に練習時間が取れなくなっているようなので、ここ2大会で顕著なシンプル&画一傾向が大きく変わることは無さそうですね。日本代表に関しては協会的には一応日本"オリジナル"的なものを標榜しているようですけど、僕の今回の森保監督評価の中にはそういう要素は含めていませんね。
2022/12/16(Fri) 00:29 | URL  | アト #/HoiMy2E[ 編集]
ご返答ありがとうございます。
そしてせっかく答えて頂いたのに、感謝のご連絡遅れてすみません。

>・・・ただあれなんですよね、効率が悪い、やたら走り回っている(個々の走力に依存している)ゆえのカオスが、結果的に爆発力に繋がっていた可能性も否定出来ないので、整備したら"強く"なるとも実際は限らないんですけどね(笑)。そこまで含めて計算していると感じられたらもっと評価はポジティブになると思いますが、当面はある種の怪我の功名(ジャパンズウェイ要素もその一部?)含みである、そもそも"整備"する能力自体が無いのではないかというのが、4年間の過程の観察含めてのここでの評価ですね。

まさにこういう視点がない人たちにモヤモヤしてました。
本当にありがとうございます。
それと未だに森保監督を批評を通り越して否定している人たちは、洋式サッカーというかその時々の強者のサッカー(洋式とか和式とかすらどうでもよくて、本来は雲の上の人たちをそれによってやり込められるような)を自分好みに編纂した「俺」のサッカーをなんとか捩じ込もう、日本サッカー界に「俺」を認めさせようってモチベーションで動いていると感じてしまうんですよね。
だからうんざりしてしまうんだと思います。

現実的に就任してくれる監督のレベルでは洋式を仕込んでもあくまでアジアで華麗なサッカーを披露するにとどまると思うんですよね。
本戦でもせいぜいコスタリカ(クロアチアにならひょっとしたら今よりも勝てるようになるかも知れませんが)には勝てるけど、ドイツやスペインには劣化版が順当に負けるのを見せつけられるだけかもなと思っております。
このサッカーにこそ、それこそ日本が優勝できるような何かがあるのではないかとも。

ただ森保監督が色んな可能性を考慮してこれをしたとは僕も思いません。
正直これほどのものを見せてくれるとは大会前にまったく思ってませんでした(笑)
まぁ頑張ってくれとは心の底から思ってはいましたが。
森保監督のメモには日本人であることの喜びなどとこの記事でも言及されていましたが、日本人であることを肯定するようなことが書かれていたそうです。
多分森保監督って個々人の個性はともかく、日本人に出来ないことなんて本来はないと考えているのではないでしょうか?
総体としての日本人はなんにだってなれる。どんなことだって出来る。と思ってる。
だからこそ逆に日本人だからこそ出来ること、日本人だからこそ出来るサッカーに興味がないように、探そうとしてないように見えるのではないかと。
そんな中それでも今あるもので戦わなくてはならない、締め切りが来たといった場面でやったのがあのサッカーだったのではないかなぁと今では思っています。

長々と失礼しました。
記事ももちろんコメントでもこれだよこれと思わされる返答や指摘をして頂き本当にありがとうございました。
2022/12/21(Wed) 14:19 | URL  | 名無し #-[ 編集]
>多分森保監督って個々人の個性はともかく、日本人に出来ないことなんて本来はないと考えているのではないでしょうか?
総体としての日本人はなんにだってなれる。どんなことだって出来る。と思ってる。

「日本人」に対しても和/洋問題含めたサッカーのあらゆる戦術に対しても、不思議な程こだわり・傾きが無い(それゆえどんな可能性も否定しない)、変わった人ですよね。もう少しだけ"洋式"的素養があれば、海外で監督したりしても面白そうだなと思いますが。どこでも平然とやりそう。(笑)

僕も本文で書き洩らしたことを書く機会をもらえて良かったです。
2022/12/22(Thu) 03:03 | URL  | アト #/HoiMy2E[ 編集]
蛇足ですみません…
読み返すと完全に和式バンザイ!森保監督神!
外人なんてお断りだぜ、ジャパンズウェイ最高!みたいな人になってたので…

まだまだ洋式から学ぶことが多いというかそうしないとこれ以上強くなれなさそうとは思ってます。
というか日本を強くしてくれるなら、なんでもいい誰でもいいとすら思っています(笑)
出来れば日本人の手で和式でそれは達成してほしいなとも思っていますが。

ただ日本が生んで育んだ和式サッカーが、本番でドイツとスペインに勝つという結果を出した。
優勝を可能にさせる土台にすらなるかもしれない何かを見せた。
(日本サッカーの中で育った森保監督が何か構造を真似て調整して作りあげたのではなく、単に今現在の日本人に出来ることを見極めてそれを組み上げた以上、あのサッカーは和式サッカーという集合のとある一要素と言えると思います。例え森保監督や選手に特別和式というものを遂行したという意識がなくても。)

あれが和式かどうかは僕の感想でしかない部分も多々ありますが、少なくとも日本の戦力でベスト16、しかもドイツとスペインを破ってのその結果には、森保監督や日本サッカー協会に対する批判や否定をある程度は改めなくてはならない何かがあったと考えるべきだと思っています。

それにも関わらず、未だ自分の考えを改めようとしない、発展させようとしない。
自分の考えこそ正解で、それにそぐわなければどんな努力も結果も認めようとしない。
(大体その考えというか思想が欧州サッカーの権威を傘に着ていかに日本サッカーに上から目線でいちゃもんつけるかなのがさらに腹立つんですけど(笑))
もはやサッカー自体にすら真摯に向き合ってない人とかそういう人たちが集まってするサッカーを使った革命ごっこにうんざりしてるんですよね…
世を動かしてる感だけ楽しみたいみたいな

そういった日頃の鬱憤がついつい表に出てしまって、なんか頭のおかしい人みたいなコメントになってしまいました。
自分で勝手に誤解されそうなこと書いといて長々と蛇足な釈明本当にすみません。
ただアトさんの記事は本当に面白くて好きで、最近の昔の記事を振り返る記事からラモス時代のヴェルディとかの記事まで追っかけて読んでいます。
その人にこいつただの国粋野郎って思われたくないなと長々と書いてしまいました。

これからはあまりだる絡みしないよう気をつけますので、これからも是非是非面白い記事よろしくお願いします。
2022/12/26(Mon) 00:04 | URL  | 名無し #-[ 編集]
フットボリスタを遡って読んでいたら、洋式側(?)の人たちによる今回書いたことに重なることの多い言及が過去になされていたのを見つけたので、週末にでも紹介する予定です。(笑)
まあ見ている人はちゃんと見てはいますよ、それがどれくらい"世論"に反映されるかはともかく。そういう意味ではwebフットボリスタの有料化の弊害がなあとか、ちょっと思ってしまいますが。
2022/12/26(Mon) 16:02 | URL  | アト #/HoiMy2E[ 編集]
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