2023年08月10日 (木) | 編集 |
新作
自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う (Wiki)
じ、自動販売機に転生?飲みの席の冗談かな?という感じですが、なかなかどうして上手く出来ていて、気が付くとレギュラー視聴化。(笑)
無生物なのでほっといても死にはしませんが、ポイントを消費してパラメータの増強や商品の入れ替えなどを行うことが出来て、そのポイントの確保の為に商品を"購入"してもらうこと(異世界の貨幣)が必要という。"防御力強化"や"結界"を張るなどという付加的な行動もとることは出来ますが、基本的には(元の)現実に実在していた商品の供給や販売機への変身が、主人公の出来ること。商品に使われている科学技術自体は"チート"要素ですが、そういう前提の縛りは結構きつめ。
絶妙だなと思ったのはコミュニケーション能力の設定で、最初分からなかった異世界言語は理解出来るようにすぐなったので、次は喋れるようになるんだろうと思ったら、喋れるのは「いらっしゃいませ」「残念」(くじつき販売機の"外れ")「ありがとうございました」などの"自動販売機用語"だけで、それを解釈してもらうことで意思疎通するその過程が、限定されているがゆえに逆に凄く相互のコミュニケーション意思の働きが見えていいし、ある種文化人類学的とも言える「異文化コミュニケーション」としての妙な真実味すら感じさせます。・・・もどかしさがちょうどいいというか。(笑)
それにしても作家と担当の打合せでの冗談が実現してしまった的印象はどうしても拭えませんが(笑)、少ない行動の選択肢でよく話を展開するよなと感心しながら見ています。「ネットスーパーもの」(『とんでもスキルで異世界放浪メシ』)もそんな馬鹿な設定あるかとびっくりはしましたが、あれは蓋を開けてみればひたすら調子がいいだけの"チートスキル"ものだったのに対して、こっちはむしろ不自由の方が多いんじゃないかというか、全く羨ましくない異世界転生で。(笑)
でも楽しそうで。(笑)
原作は所謂"なろう系"の小説。相場がよく分かりませんが作品歴を見ると新人ではなく、それなりに実績はある位置の人のようです。
監督はサンライズのエース的な人。の割になかなかWikiが出来ませんね。
『失格紋の最強賢者』『アクティヴレイド』『城下町のダンデライオン』『バクマン。』シリーズなどが印象に残っているところか。
副監督はただの助手のようなのでスルーして、シリーズ構成は『アイドルマスター シンデレラガールズ』『エロマンガ先生』『刀使ノ巫女』『ラーメン大好き小泉さん』などの人。
アンデッドガール・マーダーファルス (Wiki)
こういう風に"ブランド"化されたスターキャラクターや吸血鬼が出て来ると、どうしても"華麗"で"耽美"ででもかっこつけの方にエネルギー使っちゃって中身が薄いみたいなものになりがちなんですが、この作品の場合はそもそもの"日本編"主人公、半人半妖の"鬼殺し"落語家、不死身だけど訳あって今は首だけで生きている妖怪名探偵、その忠実だけど狂暴なメイドの3人組のキャラが十分に強いので、あくまで"彼ら"の物語としてサブキャラたちの"ジャンルもの"引力に負けることにはなっていません。
・・・逆にやっぱり、何で日本編をじっくりやらなかったんだろう、欧州オールスター編はその後でいいじゃないかと思ってしまうんですが、ひょっとして原作の大幅な改編でもされているのか。
日本編をやるとすれば"鬼殺し"が駆り出されていたご一新政策の妖怪大弾圧の矛盾と残酷がメインになるだろうと思いますが、その場合でも"鬼殺し"のひねくれ方と覚悟の深さの尋常でなさが、"残酷"の露悪の醜さに溺れない強度を物語に与えていただろうなと想像出来ます。基本的に信頼感のある作品で、展開に多少首をひねるところはあっても一つ一つのエピソードは十分以上に面白いです。今後本格化する"ホームズ""ルパン"等たちとの関わりが、それを倍加させるのか変質させるのか、楽しみに待っているという、今はそういう進行具合。
原作者は"本格"推理がメインの人のようですが、その中でもこのシリーズはラノベ寄りと分類されるものになるのではないかなと想像。
監督は『かぐや様は告らせたい』シリーズ、『昭和元禄落語心中』シリーズ、『ローゼンメイデン』の人。2013年に既にローゼンメイデンなんて人気作をやってた割には、監督作が少ない気がする。"シリーズ"ばかりだからかな。
構成は言わずと知れた超売れっ子の人。『デュラララ!!』『黒子のバスケ』『ゴールデンカムイ』『虚構推理』の各シリーズなど。
続編
もののがたり 第二章 (Wiki)
兵馬とぼたんの純情ぶりが度を過ぎていて、"日常"パートはまあまあだるいです。(笑)
でもバトルシーンの迫力と気味の悪さ、その裏腹の情緒あふれる流麗な美しさは健在。
ストーリー展開もまあまあダークで、どんなに馴染んで来ても「つくもがみ」たちの秘めた闇はしっかり感じられますし、現在主人公たちが陥っているつくもがみ側人間側両方の要因によるピンチの仕掛けも、実に底意地悪く仕組まれている感じでいいです。(笑)
逆に日常パートとか、本当は描きたくないというか本当に苦手な人なんだろうなという感も。
ホリミヤ -piece- (Wiki)
その続編兼アウトストーリーみたいな感じらしいのがこれですが、タイトルが"2"とかになってなかった分、それと知らずに見てしまって、でも結果面白かった見て良かったという、そういう作品。(笑)
アニメ化スタッフ自体は同じらしいので、何が僕の印象を分けたのか。
原作は『堀さんと宮村くん』というタイトルのウェブコミック。掲載サイト(「読解アヘン」)は作者(HERO氏)自身のものとのこと。これがデビュー作ですが、その後も自サイトやtwitter上でインデペンデントな感じで作品を発表している人のよう。
監督は原画マンとして活躍していた/ている人のようで、監督としての過去作は『新世界より』『PERSONA5』と(前作)『ホリミヤ』のみ。
構成は結構古い人のようで、過去作は懐かしや『一騎当千』や『セキレイ』『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』『四月は君の嘘』など。
続編だと知らずに見始めた続編(笑)で、なかなか設定が呑み込めなかったんですが、同性愛的感情や主人公の(どうやら)隠しタトゥーなど、マイノリティ/ダイバーシティ的なテーマ/要素がちらちらあちこちに見られはするんですが、そのどれもそんなに深刻に追求はしていなくて、気にならないというか"不真面目"な分かえって受け入れ易いというか。現実のマイノリティ問題にも、こういう部分が実は必要なのではないかなどと思ったり思わなかったり。"多様性"も"相対性"も、本来むしろ「緩さ」が本質な筈で、別にモラルではないんですよね。AでもいいしBでもいいという話で。
そこらへんをなんか本能的に分かってるような気がする作者による、基本的にはのんびり&ちょい奇妙なハイスクールライフもの。(のよう)
面白かったので、オリジナルシリーズも機会があったら見返してみようかなと。
呪術廻戦(第2期) (Wiki)
そこらへんは例えば『ハンターハンター』や『進撃の巨人』のような、大小さまざまなテーマ的感動/考察要素があちこちにちりばめられ、片時も"今何の為に何をしているのか"を忘れさせない作品とは、ちょっと次元が異なるように思います。
大人気の『呪術廻戦』も、根本の知性の良質さは感じつつも、1stシリーズや2nd序盤は正直『鬼滅』と同類な感じで見ていたんですが、五条悟と夏油傑の過去エピソードを経ての最新29話「玉折」で、なんかいきなり面白くなったなと感じました。初めて本当に興味を持ったというか。
夏油傑の「守られるだけの非術者は全員死んでいい」という極論自体は過激ではあっても少年漫画系ストーリーの中ではまあまあ無くはない"悪役のエリート主義"な訳ですが、その理由が(呪いに対処するのではなく)「呪い自体を根絶する為/生まれないようにする為」で、その背景的構造として「非術者の非術者ゆえの自分の負の感情のコントロールの甘さ」(一方で術者はそのスキルの一環としてそれをかなりの程度コントロール出来る)が呪いを生む根源だという(それ自体は)"事実"があるという話には、どきっとしました。
だから非術者を皆殺しにするというのは無茶なようで筋は通っていますし、作者が(最初からなのか途中からなのかは分かりませんが)例えばこの作品では"呪い"を生むとされているような、「人間の負の感情」(の暴走)という問題を、真剣に考えている(憂えている?)ことも伝わって来ました。そしてこれはもう、十分過ぎる程の"テーマ"だと思います。これをめぐって今後この作品が展開されて行くなら、是非とも期待して見て行きたいなという感じです。
ひょっとしたらぼんやり見ていた1stとかにも、そんな話が出ていたのかも知れないですけどね、少なくとも僕には届いてなかった。
・・・あえて言うと、内容的にはある意味伝統宗教の「心を平静に」とか「悪念を絶つ」とかと、変わらないと言えば変わらない訳ですけどね(笑)。だから"全員"悟りを開けと。解脱しろと。(笑)
それをどう「呪術」の話として「現代」の話として展開するか、そこから意外な視野でも見つけ出して来るか、そこらへんに期待という感じですが。
なおアニメスタッフ的には、監督だけ1stと替わっています。1stやチェンソーマンの演出などを経て、これが初監督の人のよう。
以上です。
数的には少ないですね。
自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う (Wiki)
異世界転生もの。
じ、自動販売機に転生?飲みの席の冗談かな?という感じですが、なかなかどうして上手く出来ていて、気が付くとレギュラー視聴化。(笑)
無生物なのでほっといても死にはしませんが、ポイントを消費してパラメータの増強や商品の入れ替えなどを行うことが出来て、そのポイントの確保の為に商品を"購入"してもらうこと(異世界の貨幣)が必要という。"防御力強化"や"結界"を張るなどという付加的な行動もとることは出来ますが、基本的には(元の)現実に実在していた商品の供給や販売機への変身が、主人公の出来ること。商品に使われている科学技術自体は"チート"要素ですが、そういう前提の縛りは結構きつめ。
絶妙だなと思ったのはコミュニケーション能力の設定で、最初分からなかった異世界言語は理解出来るようにすぐなったので、次は喋れるようになるんだろうと思ったら、喋れるのは「いらっしゃいませ」「残念」(くじつき販売機の"外れ")「ありがとうございました」などの"自動販売機用語"だけで、それを解釈してもらうことで意思疎通するその過程が、限定されているがゆえに逆に凄く相互のコミュニケーション意思の働きが見えていいし、ある種文化人類学的とも言える「異文化コミュニケーション」としての妙な真実味すら感じさせます。・・・もどかしさがちょうどいいというか。(笑)
それにしても作家と担当の打合せでの冗談が実現してしまった的印象はどうしても拭えませんが(笑)、少ない行動の選択肢でよく話を展開するよなと感心しながら見ています。「ネットスーパーもの」(『とんでもスキルで異世界放浪メシ』)もそんな馬鹿な設定あるかとびっくりはしましたが、あれは蓋を開けてみればひたすら調子がいいだけの"チートスキル"ものだったのに対して、こっちはむしろ不自由の方が多いんじゃないかというか、全く羨ましくない異世界転生で。(笑)
でも楽しそうで。(笑)
原作は所謂"なろう系"の小説。相場がよく分かりませんが作品歴を見ると新人ではなく、それなりに実績はある位置の人のようです。
監督はサンライズのエース的な人。の割になかなかWikiが出来ませんね。
『失格紋の最強賢者』『アクティヴレイド』『城下町のダンデライオン』『バクマン。』シリーズなどが印象に残っているところか。
副監督はただの助手のようなのでスルーして、シリーズ構成は『アイドルマスター シンデレラガールズ』『エロマンガ先生』『刀使ノ巫女』『ラーメン大好き小泉さん』などの人。
アンデッドガール・マーダーファルス (Wiki)
19世紀末/明治ご一新政策下の日本を舞台にした和風妖怪ロマン・・・かと思ったら一転ヨーロッパへ飛んでホームズやらルパンやら、あるいは吸血鬼等の現地の妖怪やそれを付け狙う勢力やらが入り乱れてのワールドワイドオールスター奇譚的なものへと展開して行きました。
こういう風に"ブランド"化されたスターキャラクターや吸血鬼が出て来ると、どうしても"華麗"で"耽美"ででもかっこつけの方にエネルギー使っちゃって中身が薄いみたいなものになりがちなんですが、この作品の場合はそもそもの"日本編"主人公、半人半妖の"鬼殺し"落語家、不死身だけど訳あって今は首だけで生きている妖怪名探偵、その忠実だけど狂暴なメイドの3人組のキャラが十分に強いので、あくまで"彼ら"の物語としてサブキャラたちの"ジャンルもの"引力に負けることにはなっていません。
・・・逆にやっぱり、何で日本編をじっくりやらなかったんだろう、欧州オールスター編はその後でいいじゃないかと思ってしまうんですが、ひょっとして原作の大幅な改編でもされているのか。
日本編をやるとすれば"鬼殺し"が駆り出されていたご一新政策の妖怪大弾圧の矛盾と残酷がメインになるだろうと思いますが、その場合でも"鬼殺し"のひねくれ方と覚悟の深さの尋常でなさが、"残酷"の露悪の醜さに溺れない強度を物語に与えていただろうなと想像出来ます。基本的に信頼感のある作品で、展開に多少首をひねるところはあっても一つ一つのエピソードは十分以上に面白いです。今後本格化する"ホームズ""ルパン"等たちとの関わりが、それを倍加させるのか変質させるのか、楽しみに待っているという、今はそういう進行具合。
原作者は"本格"推理がメインの人のようですが、その中でもこのシリーズはラノベ寄りと分類されるものになるのではないかなと想像。
監督は『かぐや様は告らせたい』シリーズ、『昭和元禄落語心中』シリーズ、『ローゼンメイデン』の人。2013年に既にローゼンメイデンなんて人気作をやってた割には、監督作が少ない気がする。"シリーズ"ばかりだからかな。
構成は言わずと知れた超売れっ子の人。『デュラララ!!』『黒子のバスケ』『ゴールデンカムイ』『虚構推理』の各シリーズなど。
続編
もののがたり 第二章 (Wiki)
メインスタッフは第一章と全く同じ。
兵馬とぼたんの純情ぶりが度を過ぎていて、"日常"パートはまあまあだるいです。(笑)
でもバトルシーンの迫力と気味の悪さ、その裏腹の情緒あふれる流麗な美しさは健在。
ストーリー展開もまあまあダークで、どんなに馴染んで来ても「つくもがみ」たちの秘めた闇はしっかり感じられますし、現在主人公たちが陥っているつくもがみ側人間側両方の要因によるピンチの仕掛けも、実に底意地悪く仕組まれている感じでいいです。(笑)
逆に日常パートとか、本当は描きたくないというか本当に苦手な人なんだろうなという感も。
ホリミヤ -piece- (Wiki)
2021年1月期に1stシリーズ『ホリミヤ』がやったようなんですが、そっちは特に印象も記憶も無いです。
その続編兼アウトストーリーみたいな感じらしいのがこれですが、タイトルが"2"とかになってなかった分、それと知らずに見てしまって、でも結果面白かった見て良かったという、そういう作品。(笑)
アニメ化スタッフ自体は同じらしいので、何が僕の印象を分けたのか。
原作は『堀さんと宮村くん』というタイトルのウェブコミック。掲載サイト(「読解アヘン」)は作者(HERO氏)自身のものとのこと。これがデビュー作ですが、その後も自サイトやtwitter上でインデペンデントな感じで作品を発表している人のよう。
監督は原画マンとして活躍していた/ている人のようで、監督としての過去作は『新世界より』『PERSONA5』と(前作)『ホリミヤ』のみ。
構成は結構古い人のようで、過去作は懐かしや『一騎当千』や『セキレイ』『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』『四月は君の嘘』など。
続編だと知らずに見始めた続編(笑)で、なかなか設定が呑み込めなかったんですが、同性愛的感情や主人公の(どうやら)隠しタトゥーなど、マイノリティ/ダイバーシティ的なテーマ/要素がちらちらあちこちに見られはするんですが、そのどれもそんなに深刻に追求はしていなくて、気にならないというか"不真面目"な分かえって受け入れ易いというか。現実のマイノリティ問題にも、こういう部分が実は必要なのではないかなどと思ったり思わなかったり。"多様性"も"相対性"も、本来むしろ「緩さ」が本質な筈で、別にモラルではないんですよね。AでもいいしBでもいいという話で。
そこらへんをなんか本能的に分かってるような気がする作者による、基本的にはのんびり&ちょい奇妙なハイスクールライフもの。(のよう)
面白かったので、オリジナルシリーズも機会があったら見返してみようかなと。
呪術廻戦(第2期) (Wiki)
どっぷりその中で育った人には伝わり難いかも知れませんが、僕は漫画で育った子供でもジャンプ読者でもなかった(マジに本誌は読んだこと無い(笑))ので、少年漫画のお約束には余り優しくないというかどんなにそれ自体が天才的に優れていても、バトルデザインが優れている・バトルパートが面白いだけの(多くの少年/ジャンプ系)漫画には、そんなに感動しない・熱中出来ないんですよね。例えば(今年見直して初見の低評価を反省した)『鬼滅の刃』とかも、本当に面白い・どきどきするのはやはり最初ということでテーマ性が濃厚な『立志編』で、その後の『無限列車編』『遊郭編』『刀鍛冶の里編』は、実際バトルの発想の見事さに感嘆することしばしばではありましたけど、(『立志編』と)比べると要は"バトルのアイデア勝負を延々している"だけの作品だなと、同時に思いながら見ているところも少しありました。
そこらへんは例えば『ハンターハンター』や『進撃の巨人』のような、大小さまざまなテーマ的感動/考察要素があちこちにちりばめられ、片時も"今何の為に何をしているのか"を忘れさせない作品とは、ちょっと次元が異なるように思います。
大人気の『呪術廻戦』も、根本の知性の良質さは感じつつも、1stシリーズや2nd序盤は正直『鬼滅』と同類な感じで見ていたんですが、五条悟と夏油傑の過去エピソードを経ての最新29話「玉折」で、なんかいきなり面白くなったなと感じました。初めて本当に興味を持ったというか。
夏油傑の「守られるだけの非術者は全員死んでいい」という極論自体は過激ではあっても少年漫画系ストーリーの中ではまあまあ無くはない"悪役のエリート主義"な訳ですが、その理由が(呪いに対処するのではなく)「呪い自体を根絶する為/生まれないようにする為」で、その背景的構造として「非術者の非術者ゆえの自分の負の感情のコントロールの甘さ」(一方で術者はそのスキルの一環としてそれをかなりの程度コントロール出来る)が呪いを生む根源だという(それ自体は)"事実"があるという話には、どきっとしました。
だから非術者を皆殺しにするというのは無茶なようで筋は通っていますし、作者が(最初からなのか途中からなのかは分かりませんが)例えばこの作品では"呪い"を生むとされているような、「人間の負の感情」(の暴走)という問題を、真剣に考えている(憂えている?)ことも伝わって来ました。そしてこれはもう、十分過ぎる程の"テーマ"だと思います。これをめぐって今後この作品が展開されて行くなら、是非とも期待して見て行きたいなという感じです。
ひょっとしたらぼんやり見ていた1stとかにも、そんな話が出ていたのかも知れないですけどね、少なくとも僕には届いてなかった。
・・・あえて言うと、内容的にはある意味伝統宗教の「心を平静に」とか「悪念を絶つ」とかと、変わらないと言えば変わらない訳ですけどね(笑)。だから"全員"悟りを開けと。解脱しろと。(笑)
それをどう「呪術」の話として「現代」の話として展開するか、そこから意外な視野でも見つけ出して来るか、そこらへんに期待という感じですが。
なおアニメスタッフ的には、監督だけ1stと替わっています。1stやチェンソーマンの演出などを経て、これが初監督の人のよう。
以上です。
数的には少ないですね。
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