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『スターゲイト』中間報告(つづき)
2006年07月07日 (金) | 編集 |
承前ガイド

2.敵関係

(1)レプリケーターの扱い

「自己保存と増殖のみを目的として持つウィルス様の機械生命体」「無限の学習能力とユニット間の完璧な意思疎通・集合知性を誇る群生体」という、”レプリケーター”のアイデア自体は素晴らしかったと思います。
レプリケーター

その異様さ、不気味さ、強さ、それに何より目的の盲目性は、それまでの敵/味方や善玉/悪玉という概念・感覚を突き崩し、長期シリーズのマンネリを打破して一気に作品世界の構造を書き換える可能性に満ち満ちていました。こんな大物を、まだ第一の敵”ゴアウルド”との戦いに終わりも見えない段階で投入して来たスタッフの野心には拍手を送りたいです。

ただこのレプリケーターにはその性格上いくつか難点があって、一つはズバリ「強過ぎる」「まともに行ったら勝てるわけがない」ということ、もう一つは「非人格的で感情移入が難しい」(ストーリーを転がす手がかりが見つかりづらい)ということ。
前者についてはかなりうまく処理していて、”ゴアウルド”とのある種馴れ合い、プロレス的な(笑)延々続く戦いの合間合間に挿入される、絶対的な密度のアイデアによるセメントな戦いの数々は、リアルな危機感バリバリでそのたび目の覚める思いでした。

後者については結局”人間型レプリケーター”を登場させてそれに愛憎劇を演じさせるという形で解決していましたが、正直これは物足りなかった。
本当は非人格的なままで、例えば「生きるとは何か」「戦うとは何か」と敵味方引っくるめてそもそもの生物としての行動の意味を哲学的に問い直させる存在となる、というような展開をSFとしては期待したいところでしたが、まあ所詮娯楽もののテレビシリーズなのでそこまでは無理かなという。

ただ問題はレプリケーターを含み込んだ物語空間の構築自体がどうも場当たり的なものに終わっていたように見えることで、エピソード一つ一つは面白くてもシリーズの骨組の再生、新たなドライブ感の創出までは至らなかったなという。・・・・つまり正にその為の早期投入だったと思うので、そういう意味では不発かなと。期待感はあっただけに。人によってはややこしくなっただけかもという。
シーズン8では終了を見越してかなり力業に(笑)一挙撃滅しちゃってましたけど、あのまま続けてたらどう処理するつもりだったんでしょうか。


(2)ゴアウルドとジャファ

元々微妙にレトロなデザインの”悪役”だったのが、レプリケーターの登場で一気に可愛らしく見えて来てしまった(笑)ゴアウルドとジャファでしたが。
ゴアウルド

まあゴアウルドについてはそれはそれでいいと思います。「世界の神話・伝説上の”古代神”たちの正体」という設定は、レトロを越えて歴史・伝奇好きには同窓会的な楽しみもありましたし、いっそ『支配階級』の闘争に焦点を当てたゴアウルド目線のスピン・オフが見たいくらい。

ただあれだけの高度な知性を持ってかつ(レプリケータ−とは違って)基本的には地球人と同型の「心」を持っていながら、馬鹿の一つ覚えの権力亡者行動原理はだんだんアホらしく見えて来たのは確かですね。なぜ、そうなのか。今更そんなに奴隷が欲しいのか。
少なくとも根拠の明確な行動原理を持ったレプリケーターが登場した以上、後付けでもいいから何か掘り下げが欲しかったです。例えば「寄生生命体という種族的宿命の哀しみ」とか、「なぜゴアウルドは寄生生命体になったか」みたいな。

一方で終始僕を悩ませていたのがゴアウルドの尖兵種族”ジャファ”たちの存在で、彼らは広い意味のゴアウルドの被害者で、地球防衛と共に彼らの洗脳解除/解放というのがストーリー上の柱の一つなわけですが、当のジャファたちの視覚的性格的デザインがあまりに野暮&マッチョでさっぱり感情移入が出来ず、はっきり言ってティルクとブレイタク以外は死のうが生きようがどうでもいいとしか思えなくて、出て来るたびにまたかよおとうんざりしてました。(笑)


・・・・とまあ色々不満&興醒め要因はありますが、大傑作だったのは間違いないですね。アイデア、問題意識、娯楽性、人間関係、これだけ高い次元であらゆる要素が結びついたテレビシリーズは滅多なことでは今後も出て来ないと思います。『スターゲイト』自体、多分一度劇場映画というスケールで作品化がされていたから実現できた幸運な企画だったかなあという。

ぶっちゃけシーズン9以降には期待より不安の方が遥かに大きいですが、シーズン8のいくつかのやけくそエピソードで製作側自らさんざん反省や懺悔や楽屋落ちをやっちゃってくれたので(笑)、心理的には楽ですね随分。何が出て来るのやら。面白かったらご喝采。

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コメント
この記事へのコメント
なんか呼ばれたような(笑)
私の場合、どうしてもスタートレックがベースになってしまうのですが、レプリケーターの登場は、ボーグをつくりたかったのかな、というのが感想ですね。現れさえすれば壊滅的な危機をもたらし、交渉はまず無理。脚本がしっかりしていればプロデューサーとしてはこんなにありがたい敵はいないわけで。最後はボーグクイーンとか人間レプリケーターになっちゃうんですが。(笑)
シーズン9は別シリーズとして見た方がよさげですね。ということは海外ドラマの鉄則として最初のシーズンは我慢のシーズンになりそうです。所長さんにはなれそうにもないClaudia Blackさんに期待です。^^;
ウィアー博士はアトランティスへ出張中らしく、そちらでなかなかのご活躍とのこと。ある意味で作り直しのきくアトランティスシリーズに若返りと元気のよさを期待してます。
2006/07/08(Sat) 21:58 | URL  | オチョー #-[ 編集]
なんかこう
固有名詞というより、”replicate(模写)するもの”という概念一般、あるいはRPGでいうところの「ジョブ」みたいな感覚が先にあって、それが『スターゲイト』にも出て来たというそういう感じなのかなと色々検索してて思いました。
エネルギーガンより投射兵器(銃)の方が効くという設定は妙に納得感があって好きでした。

RDAもレプリもアヌビスもいないし、それこそ『エンタープライズ』に近い断絶感は覚悟すべきかもしれないですね。>シーズン9
スタッフの魂はむしろ『アトランティス』の方か。
2006/07/09(Sun) 12:24 | URL  | アト #/HoiMy2E[ 編集]
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