岡田監督正式就任によせて

最初から余談ですが、この前例の後藤健生『日本サッカー史 代表篇―日本代表の85年』

日本サッカー史 代表篇―日本代表の85年 日本サッカー史 代表篇―日本代表の85年
後藤 健生 (2002/11)
双葉社

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を読んでいたら、’94ファルカン解任後の代表監督候補に、なぜか(?)来日前の”オジー”アルディレスの名前が挙がっていたことが書かれていて、初耳でびっくりすると同時に胸を撫で下ろしました。(笑)
いやー、加茂で良かったあ。あの時点、あの明からさまに発達途上/暗中模索中の日本代表の監督に、オジーみたいな要するに”ありあわせの材料で取りあえず食えるものを作る”だけの人(そういう意味で”名手”ではありますが)を据えても、余り意味がないというか体裁だけ整って本当の意味での成長にも実験にも結び付かなそうというか。
なんで名前が挙がったんでしょうね、まだ清水関係のコネは無いわけだし。トッテナムでそんな国際的名声があったのかな。

真面目な話加茂で良かったと思いますよ。そりゃ最終的に足りないところは沢山あったでしょうけど、オフトによる下拵えの後あのタイミングで加茂が行った、”ゾーンプレス”という分かり易い標語の下での日本人なりの「世界標準」への地道なアプローチ、どこらへんがどのように通用してどこらへんがどのように通用しないのか、あるいはどういうタイプの日本人選手なら(とりあえず)使えてどうなら駄目なのかの、ほとんどガラス張りの選別作業は、日本人全体のそこらへんに関する共通認識を確立するのに大いに、むしろ絶対的に貢献したと思います。ほとんど日本サッカー10年20年の計というレベル。結果的に。

”足りない”のも逆に良かったんですよね。つまり自分も実はよく分かってない(笑)日本人監督がエッチラオッチラやってたのが、かえって作業の定着には効果的だった。舶来の、流行りものになることを防いだ。外国人の名将に”救って”or”奇跡を起こして”もらうというような姿勢にならずにすんだ。
・・・・というわけで久々の日本人監督岡ちゃん誕生の話に移るわけですが。


いきなりですが今このタイミングでの岡田監督が、裏事情とか全部取っ払って「適格」かどうかと言えば、適格でないと僕は思います。イエスかノーで言えば。
つまり岡田”監督”が代表/札幌/Fマリで実績として示して来たもの、「現有戦力の過不足ない取りまとめ」「守備を中心とする(トップではなく)ボトムの確保・堅固化」という能力、それが今正に日本代表にジャストなものかと言えば、そうだとは思えない。・・・・「戦う集団作り」の方は、基本的にどのようなチームにも必要なものですから、別にいいですけどね。

これはある種の(代表の)チーム作りの『サイクル』というような観点からの判断です。つまり「種を蒔く/広げる/チャレンジする」時期と、それを「収穫する/まとめる/安定させる」時期、クラブチームと違って選手の”在籍”に基本的に一貫性を期待出来る代表チームでは、こうしたある意味贅沢な時間感覚が許されると思うんですが。
分かり易く『種蒔き』『収穫』の2分法にしておきますか。

具体的に言うとこんな感じか。
A.日本リーグ(や横山等の近々の代表監督)が蒔いた『種』を、オフトが大幅に品種改良を加えつつ『収穫』した時期。
B.加茂が蒔いた『種』を、岡田が『収穫』した時期。
C.トルシエが蒔いた『種』を、ジーコが『収穫』し・・・・損ねた時期。(笑)
そして現在、
D.オシムが『種』蒔き中だった畑を・・・・岡田はどうする

そう言えばファルカンという人もいましたが、あれは前後と切れているというか、作物自体が違う感じなのでよく分かりません(笑)。(いや、むしろ畑が違ったのか?)

勿論これは至って恣意的な区分で、いくらでも違う見方は出来るかと思いますが。
ちなみにここで僕が”耕作単位”として着目としているのは主に3つ、
(1)選手の一貫・連続性
(2)戦術の(以下同文)
(3)活動期間
ですかね。

(1)か(2)のどちらかを強く引き継いでいれば、その監督は『収穫』者だと定義出来るでしょうし、またある程度以上の活動期間がないと、『種蒔き』が完了した(つまり『収穫』者の出番だ)とは認定しづらい。
具体的にはAのオフトは戦術は自前ですが、選手はほぼ全面的に旧体制に依存していた。Bの岡田はどちらも基本的に加茂由来。Cのジーコは戦術的には真逆ですが、選手に関しては大々的に前任者の恩恵を受けている。(or食い潰した)

問題はDのオシムと岡田の関係ですが・・・・。
例えば僕自身、オシム在任期の最後の方には「オシムのチーム作りはほとんど完成しているのではないか」と主張していたわけで、そういう意味では”『収穫』者岡田”もありではあるのかも知れない。
ただAは言うに及ばずBの加茂には’95~’97のほぼ3年間、Cのトルシエには丸々4年間が与えられていたわけで、オシムだけ1年ちょいぽっちというのは、余りにも不公平。
勿論交代自体は不慮の事態なので仕方ないんですが、種蒔き作業が終わったという認定は、情においても(笑)どうにもしづらい。それが岡田新監督の立場も分かり難くするわけで。まだ種蒔き期間ではないのか、そういうタイプの冒険的な監督が相応しい時期ではないのかという。


実際には岡田さんがどういう”引き出し”を持っているかは分かりませんが、少なくとも代表監督の選考理由として考慮に入れられるべき「実績」としては、”まとめ屋”以外のものはほとんど持っていないんですよね。
人それぞれ得意不得意というものはあって、十中八九、岡田さんが最も活きる仕事のタイプとしてはそれでしょう。そこらへん、不完全燃焼のオシムの後、前回と違ってまだ3年も時間があって「とりあえず」だけでは済まない今回のミッション、やり難いと言えばやり難いだろうなという。”失敗”後の交代ではないので、成功して当たり前みたいなところもあるし。

そういう意味ではすぐに3次予選というのは、タイミングとしてはきついけどラッキーかもなというところはありますね。とりあえずそこで得意の手腕は一定程度示せる。そこで得た地位の安定を利して、多少退屈でも(?)地道に戦闘力を高めて行く作業に専心するか、それとも札幌の1年目でちらっと見せたとかいう、あるいはFマリの最終年でかけ声倒れに終わったとかいう(笑)、隠し持った「理想のサッカー」を改めて追究するか。
”出来ること”があるのが分かっている人だけに、”出来ない”ことまで期待されてそれで潰れたりすると気の毒だなと心配するわけですが。

岡田さん個人は大好きですよ。何回か言ってますが。
天才や超人の類を除けば、現代の最も優れた日本人の内の1人ではないかとすら思います。言うことにいちいち納得性があって、見ていて全くと言っていいほどストレスを感じない人。勿論最も豊かな実績と信頼性を持った日本人監督の1人であるのも、間違い無いところですし。
心情的には120%応援してますけど。ただどうもあのチームを岡田監督が受け継いでどのような”未来”があるのかというのが、今一つスムーズにイメージ出来なくって。最終的には全く別物になるんだろうなというのは、何となく予感しますが。

何か一つでも、「岡田監督だから実現した」ものが生まれればいいですね。あるいは日本人監督だから、か。加茂の時のように。


そろそろ会見が始まるようで。それによって新たに感情が揺さぶられる前に(笑)、アップ。


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