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ボスニア戦後記&マガとダイ
2008年02月01日 (金) | 編集 |
ボスニア戦

この間(かん)の色々な人の書くものを見ていて改めて面白いなあと思うのは、こういう海のものとも山のものとも知れない(段階の)チームを前にした時、だから
 ディテールについて書く
人と、だから
 枠組について書く
人と、割りとはっきり分かれることで、実にこういうのは偽りなく”タイプ”であると思います。
「この世には2種類の人間がいる」って、よく出て来ますよね漫画とかで、こういうセリフ。(笑)

僕は勿論後者なわけですが、それに対しては「材料が揃ってないのに当て推量で全体像を描くのか」という批判があり得るでしょうし、逆に前者タイプに対しては、「枠が見えないとその”ディテール”にどういう意味があるのか判断できないじゃないか」(取り上げる目的が曖昧じゃないか)という批判があり得ると思います。

僕の”ボスニア戦についての”というあえて絞った論旨としては、要するにここがいいとか悪いとかじゃなくて、「タイ戦に向けての準備体制」の輪郭が見えたかなというのがほとんど全てですね。『岡田システム』に落とし込むことによって。
相手が相手ですから勝ち負け自体は地力で何とかしてもらうとして(笑)、とにかく敵を前にして接近・展開ごっこを繰り広げるようなそんな”練習モード”からの脱却は見えたかなという。試合っぽくなった。勿論練習も続ける必要はあるんですけど。

後はまあ、ハード(=システム)はある程度固定した方が、ソフト(=戦術)のカスタマイズにもいいだろうと。出来るならですが。(笑)


その岡田システムですが、あの後読んだサカマガの『岡田ジャパンの正しい観戦術』という記事によると、「パス交換のキーとなるトライアングルを、ピッチ上でいくつも作ることのできるダイヤモンド型のフォーメーションが好み」と書いてあって、割と知られたことでもあるのかなと。
巻の負傷でトップ下には大久保に代わって山瀬が入ったわけですが、それに対する
 「彼の特徴はパスも出せるが一番は点に絡むことなので、それを出してくれた。」(J’sGoal)
という評価は、いかにも岡田さんの”トップ下”観が出ているなという感じ。
ちなみにジョホールバル当時の中田ヒデの証言によると、山口素・ヒデ・名波の逆三角形は、「3ボランチだよ、要するに」ということでした。バルサのそれとは違うけど一種の4−3−3的思想でもあるのかも。

という感じで(?)気が付いたら10年ぶりくらいに(笑)、マガジンとダイジェスト両方買うなんて古典的なサッカー・ファン的なことをやってしまったので(立ち読みで両方とも面白そうだったんですよ)、そこに書かれていた岡田/接近・展開関係の記事からちょっと抜き書きしてみます。

(マガジン)

岡田監督インタビューより
・岡田と大木は半ば偶然のカップリングで、「招聘」というより「同志」、理論レベルではなく感覚レベルでの共鳴で衝動的に話が決まった。(必ずしも「甲府」ではない?)
・「長所」と「欠点」

「例えば『日本人は言われたことしかできない』と言われるけど、良いじゃないか、言われたことをきちんとできるんだからと。あるいは『アジア人は緩急がない』と言われる。(中略)向こうのメディアは『これだけ休みなく走り回る選手(バク・チソン)は初めて見た』と絶賛する。
つまり、欠点と言われていることも、見方を変えれば良いんじゃないかと。」


緊急記者アンケート・私は初陣をこう見た!より
西部謙司
Q3.最も期待できる部分は?
(細かいパスワークの強調は)日本化を先鋭化させている感もあり、
Q4.不安な部分は?
うまくいかないと、ただの珍しい「ローカルチーム」になってしまう。

・・・・実際要は意志的な「ローカル」化をしようとしているわけですけどね。岡田さんは。グローバル化ではなく。そうじゃないと勝てないと。(上のインタビュー参照)
ただし予め断っておくと、誰も”グローバル”オシムの仕事の行く末を見届けることが出来なかったので、岡田ジャパンがどう転げようと本当の意味での方法論的比較は難しいわけですが。
一応先例としては、’02ヒディング・コリアはとてもローカルなかつ成功例ではありましたが。岡田さんの念頭にも、一つこれはあるようですけど。


(ダイジェスト)

・「接近・展開・連続」と「展開・接近・連続」

「(本家大西理論は)正しくは『展開・接近・連続』の語順」


「まず展開。スクラムやラインアウトから素早いパス回しで早く遠くに球を運ぶ。身体の大きな相手FWから遠い場所で、攻撃を仕掛ける意図がある。」


「そして接近。大西理論の肝だ。味方どうしの距離ではなく、相手との距離を指す。大切なのは『すれ違いざまに抜く』というイメージの共有だ。」


おや?『展開』を先に持って来ると、別に普通の話じゃないかという気もして来ますが。広げて閉じる。どんなに”広い”サッカーをやっても、いずれゴールは真ん中にあるので(笑)”接近”せざるを得ないわけですし。それこそオシムであっても。(勿論”接近”はそれだけの意味ではないですが)
調べてみると実際にそう(いう順番)であるよう。こことか。こことか。

この語順替えについて、特に説明を読んだことが無いんですが、とぼけているのか(笑)語呂合せ/思い付きに近いものなのか。
実は感じていた人も多いと思いますが、『接近』に比べて岡田さんの『展開』についての説明は人によって結構違うというか曖昧なところが多くて、実は僕もよく分かりません。一番簡単な答えは(大西語に依拠しつつの)「接近後の展開」なんでしょうけど、本当はもっと独自の理論化が必要な気がします。

例えばそれを『展開2』とでもすれば、『展開1』(オリジナル)−『接近』−『展開2』−『連続』というような形で繋がって、最初の段階の”フィールドを広く使う”というメリットやイメージを犠牲にする必要が無くなる気もするんですけど。
・・・・ま、ぶっちゃけ語呂合わせの面は大きい気がしますけどね。『接近』を先に持って来たのは、そのエッセンスを強調したかったから。大西理論への内的共鳴自体は本物でしょうけど。

いずれにしても、その思い付き(笑)を流産させない為にも、割りと早急に枠なり器なり、基本イメージみたいなものを用意・確立した方がいいんじゃないかと思います。その庇護の元に、内実を詰める。
それが例えば僕の言う”岡田システム”や、〜ツーロン’02的ジャパニーズ・スタイルみたいなイメージだということに論理的にはなりますが。まあ2トップと1トップの違いって意外に大きいので、後者はそう簡単には結び付けられないかも知れませんが。


コメント
この記事へのコメント
大西監督の
いつも楽しく読ませて頂いてます。ちょいと補足といいますか。

ラグビー大西監督の「展開・接近・連続」ですが、60年代当初は「接近・展開・連続」の順で正しかったようです。

攻撃側が俊敏に「接近」後、的確な「展開(短い真横へのパス)」が成功すれば、世界トップレベルでも慌ててくれた幸せな時代(笑)に生まれた行動原則でして。

その後、守備理論が悲惨な程に発達していき、更なる試行錯誤を繰り返していきました。そして「接近を仕掛けるポイントとタイミングを科学する」という追加理論を強調する為に、大西監督自らが後年「展開・接近・連続」と順番を入れ換えて語っておられたようです。

岡田監督がご存知かどうかは不明ですが。古い方の言葉を選んだのは、わざわざ深く意識してなのか、はたまた凶兆か(笑)

タイ戦、嗚呼、美しさなどいらぬ、勝ってくれよと勇ましく。それではお邪魔しました、参考までに。
2008/02/02(Sat) 23:08 | URL  | もい #-[ 編集]
へええ、面白いですねえ
お久しぶりです。もいさんはラグビーもお詳しいんですね。(笑)

岡田監督はインタビューで、新しい方の(笑)ヴァージョンの説明が収録されている『知と熱』という本を読んで感動したということを語っていますから、知らないということはないでしょうね。
多分最初にインスピレーションを受けた時点では、旧ヴァージョンだったんじゃないかなと。

いずれにしても語順自体はどちらでも良かったんですかね、じゃあ。
ていうか”理論”は無いんですよね、多分。独自のものは。あくまで大西理論のインスピレーションと、自分のサッカーについての経験とディテールをだいたいで結び付けているだけで。基本キャッチフレーズ。

それ自体を問う気は無いんですが、「接近を仕掛けるポイントとタイミング」という問題意識は、サッカーの現状を見てもやはり重要なように思えます。

タイ戦さえ大過なく乗り切れば、東アジア選手権使って何とか人並みのチーム作りの機会を与えられるんですけどね。祈るのみです。(笑)
2008/02/03(Sun) 00:26 | URL  | アト #/HoiMy2E[ 編集]
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